
マガジン一覧
SOCIUS
SHIFTBRAIN SIDE PROJECT

失敗してもいいから試してみる。その積み重ねがクリエイティブを面白くしていく。/SIDE PROJECT『SOCIUS』④ 〜広島版・完成編〜
こんにちは、シフトブレイン広報担当です。 エナジーバーから始まった『SOCIUS』も香りにかたちを変え、プロジェクトは着実に歩み続けています。前回の東京版に引き続き、今回は広島版をご紹介します。また、なぜシフトブレインがSIDE PROJECTに取り組むのか?についても掘り下げていきます。 ▼ これまでのSOCIUSストーリーはこちら 広島らしさをまとった、柑橘の香りをシフトブレインにとって広島は、スタッフの希望で江田島にサテライトオフィスを開設したり(現在は閉鎖)、島民のみなさんとともに『えたじまん』を制作したりと、思い入れのある土地でもあります。 そんな縁と愛着から生まれた広島版は「シトラス」や「ボタニカル」を表現した香り。東京版の「心地よい優しさ」「カオス」「スモーキーさ」とはまた違った香りです。 それら香りのキーワードが決まったらまず、3名のプロジェクトメンバーでムードボードを制作。青空、木、爽やかさ...ムードボードのイメージを起点に調香師さんとコミュニケーションを行い、試作を重ねて香りを決めていきます。 実際の香りは、爽やかさのなかに柑橘の皮のようなほろ苦さを感じます。デスクに置き、リモートワークの合間に香りを楽しむと、ちょっとした気分転換になりそうです。 香りを収める器は、シンプルな角柱に香りが決まれば、次はそれを収める“器”です。 意識したのは『主張しすぎないこと』と『梱包・発送・使用までを一体化したコンパクトなかたち』。加えて使い続けるほどに味が出てくる『経年変化を楽しめる素材』。 そんな中採用されたのが山桜でした。広島で伐採された木材で、木目が細かく滑らかな仕上がりになりやすいそれは、素材本来の香りも抑えめで、オイルが染み込みすぎないという利点もありました。SOCIUSにぴったり。 実際に制作した器がこちらです。制作を担ってくださったのは、奈良県川上村の工房アップルジャックさん。普段は吉野の木材を使い、ろくろで一点一点削り出す木器を手がけられています。 山あいにある工房周辺の風景。空気も水も澄んでいた左から、SOCIUSプロジェクトメンバーの海ちゃん、器の制作を担当してくれた、小林清孝さん、小林兵庫さん工房の様子シンプルな佇まいを保つために面取りもあえて施さず、角が立ったままの状態にしつつ、オイルを垂らす天面の曲面部分だけは、触れたときのすべすべとした感触を求めてSOCIUSメンバーの手で一本一本やすりがけをしています。機械ではなく手の感覚を頼りに仕上げました。 オイルボトルを収める穴を、一つずつ加工していく天面の曲面を削り出す際に使った、木工旋盤用の刃物また、印字されたSOCIUSのロゴは、様々な素材への印刷を手がける、株式会社グラフィッククリエーションの辻 清吾さんが、UVプリントで対応してくださいました。辻さんとは、外部の勉強会でつながり、今回の依頼も日々の業務で忙しい中だったにもかかわらず、快く引き受けてくださいました。 UV印刷機でロゴを刷る様子なぜ、シフトブレインが“香り”をつくったのか?と、ここまで読んでくださった皆さんは思ったことでしょう。「なぜ、どうしてシフトブレインが“香り”をつくるのか?そして、本業でもない社内プロジェクトに取り組むのか?」と。 前回の記事でも触れたとおり、SOCIUSは「登山のときに気軽にエネルギーチャージできるものをつくりたい」というメンバーの一言から始まり、コロナ禍を経て「香り」へとかたちを変えたプロジェクト。それでも根っこにあり続けたのは、傍らに置いておきたくなる“相棒”というコンセプトでした。 とはいえ、デジタルを軸にしている会社が、どうしてリアルの香りや木の手触りにこだわるのか。SOCIUSプロジェクトを担当するアートディレクター・藤吉さんに聞いてみました。 藤吉:音や映像は画面越しに共有できるけど、香りはそうはいかない。それが面白いところで、各地のメンバーが同じ香りを手元に置いていたら、離れていても同じ感覚を共有できるかもと。東京にいながら広島を感じたり、広島から東京を思い浮かべたり。 僕らは普段、デジタルを軸にクリエイティブをしています。でも大切なのは、デジタルかどうかではなく、それを見た人がどう感じるか。だからこそ、まず自分たち自身が五感で感じることを大切にしたいんです。 スタッフの挑戦を後押しするSIDE PROJECTの取り組みシフトブレインにはもともと『虎企画』と呼ばれる社内制度がありました。CEO・加藤さん、CTO・安友さんという"虎たち"を企画でうならせることができれば、資金や制作面でのサポートを得られるという、社内プレゼン制度です。 過去には虎企画を通じて自作カードゲーム『INVENTORY(インベントリ)』や、初代SOCIUSの『エナジーバー』も誕生しました。途中、コロナ禍や会社の体制変更などありましたが、今も「SIDE PROJECT」として存続し、今回のSOCIUS広島版も、まさにその一環で進められています。 紆余曲折ありながらも、こうした社内プロジェクトを続けている理由を藤吉さんは、こう語ります。 藤吉:プロトタイピングって、うまくいくかどうかより、やってみることに意味があると思っています。失敗を恐れず挑戦を重ねることが、クリエイティブを面白くしていく。切磋琢磨しながらものづくりをするカルチャーを、これからも大切にしていきたいんです。 この広島版だって、最初は柑橘系の木材を使えたらいいよね、って話していたんです。でも、それらは一般的な市場に流通しているものではなく手に入れられなかったこともあり、最終的に山桜になりました。 他にも、木材の表面を石で叩いて磨く「打刻」という方法も実は試していたりと、いろいろ試行錯誤をしているんですね。 こういう試行錯誤の様子をnoteにアーカイブしていくこと自体にも意味があると思っています。将来のシフトブレインのスタッフが見たときに、こんなことをやっていたんだって伝わるものが残せたら嬉しいですね。 藤吉さんの話を通じて伝わってきたのは、完成品をつくることより、試してきたプロセスを残すことへの意識。本業のクライアントワークで培った感覚を社内プロジェクトで試してみたり、逆に社内で得た知見を本業で生かしてみたり。それらが交差するところに、シフトブレインらしいものづくりが生まれているのかもしれません。 最後に、記事を読んでくれる方へ一言、メッセージをお願いしました。 藤吉:こういう取り組みを「いいな」って思ってくれる人に届いたら嬉しいですよね。シフトブレインって意外とデジタルだけじゃないんだなって、いろんな面が見えてくるかなとも思っていて。 こういう価値観を大事にしている会社なんだなって感じてもらえたら。将来、一緒に働くかもしれない方にも、届いてくれたら嬉しいです。 シフトブレインのものづくりは、デジタルだけじゃないシフトブレインは、ブランディングとデジタル領域のクリエイティブを強みとする制作会社です。いわずもがな、クリエイティブへの好奇心が旺盛で、「いいものをつくりたい」という欲求が止まらないクリエイターの集まり。 今回紹介したSOCIUS広島版もその一例に過ぎず、他にも『Playground』で最新技術を使ったプロトタイプを継続的に発信しています。 SHIFTBRAIN PlaygroundSHIFTBRAIN Playgroundは、技術力向上のために日々行われている実験や試作を公開するサイトです。playground.shiftbrain.com これからも、つくることを楽しみながら、いろいろな挑戦を続けていきます。次の動きもどうぞお楽しみに。最後までお読みくださり、ありがとうございました! ▼ 採用情報 シフトブレインでは、新しい仲間を募集しています。全社フルリモートのため、全国からのご応募をいただけます。 募集の詳細は、Wantedlyにてご覧ください! SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの募集・採用・募集条件 - WantedlySHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの新卒・中途・インターンの募集が9件あります。気軽に面談して話を聞いてみwww.wantedly.com

デジタルクリエイティブの会社が、“香り”と“器”をつくってみました。/ SIDE PROJECT『SOCIUS』③ 〜東京版・制作編〜
こんにちは、シフトブレイン広報担当です。エナジーバーから始まった『SOCIUS』、実はその後もひっそりと続いていました。前回の記事から時間が空いてしまいましたが、プロジェクトはしっかりと歩みを続けています。今回は、その続きをお届けします。 『SOCIUS』は、2018年に「登山で食べられるエナジーバーを作りたい」という社員の一言から始まった社内プロジェクトです。開発を進める中で、「持っているだけで心強くて自分を鼓舞してくれる『相棒』のような存在になれたら」という想いが生まれ、ラテン語で「相棒」「友」を意味するSOCIUSと名付けられました。焼き菓子ブランドを手がけている O-Kitchenと協力して3つのフレーバーを開発し、2019年末にはアートディレクター藤吉お手製のシルクスクリーンボックスでお歳暮として完成させました。 本記事ではSOCIUSの概要説明のため、社内用資料も少し公開。しかし、その後思いがけない展開が待っていました。 あの頃、私たちの暮らしにも突然訪れたコロナ禍。手作り食品を届けるという形が難しくなり、プロジェクトは一度立ち止まることに。それでも、プロジェクトの中心にあった「相棒をつくりたい」という想いは消えず、今度は働き方が変わった時代の「仕事の相棒」として、関係者たちはまったく新しい方向へと舵を切ることになります。 次に選ばれたテーマは、「香り」。 コロナ禍の影響で、エナジーバーから始まったSOCIUS(相棒)のコンセプトを 再解釈する機会を得る。今回はその新展開と、多治見の陶芸家との出会いから生まれた“東京版ディフューザー”の制作ストーリーをお届けします。 ▼ これまでのSOCIUSストーリーはこちら なぜ「香り」だったのか?「エナジーバーの次に、仕事の相棒としてどんな存在が考えられるか」。プロジェクトメンバーが模索する中で、人間の触覚についてリサーチを重ねていました。その過程で嗅覚にアプローチする可能性に気づき、香りのプロトタイピングを始めることになります。 「画面越しには共有できないけれど、ふとした瞬間に気分をリセットし、そっと寄り添ってくれる。そんな感覚的な存在に価値を感じたんです。」と藤吉は振り返ります。 香りには、記憶や場所を呼び起こす力があります。たとえば、東京にいる人と広島にいる人が同じ香りを身近に置いていたとしたら、離れていても、どこかでつながっているような気がする。東京にいながら広島を感じたり、広島から東京を思い浮かべたり。 リモートワーク体制になり、あっという間に広がったスタッフの拠点たち。 広島県江田島のサテライトオフィスもこの時に立ち上がった。プロジェクトでは、そうした「距離を越える感覚」を届けられたら素敵だという思いから、「香り」に“土地”のテーマを重ねることになったそうです。 香りは器と同じコンセプトで制作されたオリジナルアロマで、それぞれの土地のコンセプトやムードボードを調香師にシェアし、何度もやりとりを重ね作り上げられました。 土地の記憶を、手に取れる形にしたい香りが土地の記憶を表現するなら、香りを入れる“器”にも、その土地の素材感を宿したい。そうした発想は、自然と生まれてきたそうです。 とはいえ、一般的な香水瓶やスプレーボトルでは、素材の個性は出しにくい。それなら、木や石、土といった「土地の素材そのもの」で器をつくれないだろうか?香りをスプレーするのではなく、オイルを垂らして楽しむディフューザー形式なら、素材の良さが活きるし、デスクに置いてもコンパクト。 こうしてまず着手したのが、広島版でした。シフトブレインは東京と広島に拠点があり、それぞれの土地をイメージした香りを作ることになったのです。広島版では地元の木材を使い、プロジェクトメンバー宮本のつてで木工職人に依頼。角柱の形にして、天面にオイルを垂らせる小さな窪みをつくることで、ミニマルな佇まいに仕上がりました。 一方、東京版はそう簡単には進みませんでした。 東京といえばコンクリートジャングル!とそんな発想から、まずはコンクリート素材で作ることを検討しました。しかし、小ロットでコンクリートの小物を制作するのは想像以上に難しく、なかなか適した制作者を見つけることができませんでした。「自分たちで作る…?」という案も出ましたが、コンクリートは未経験の素材で、現実的ではなかったとのことです。 そんなとき、プロジェクトメンバーの寺西が陶芸をやっている友人に相談したところ、「コンクリートじゃなくて、土でも同じような質感が出せるかもしれない」というヒントを得られ、そこから可能性が開けていきました。 多治見で出会った、第3の陶芸その友人を通じて、以前に多治見で紹介された陶芸家の存在を思い出したといいます。 「3RD CERAMICS(サードセラミックス)」というブランドで、ちょうどコンクリートのような質感の急須をつくっているのをウェブで見つけたとき、「これだ」と感じたそうです。 3RD CERAMICSのwebsiteより3RD CERAMICSは、土井武史さんと長屋有さんが2014年から運営している陶器ブランドで、日々の制作の中での発見や経験を基にオリジナル製品を制作されています。「シンプルであること、使い手への余白があること」を大切にし、個人作家でも大きなメーカーでもない"第3の陶芸"のあり方を模索しているそうです。 相談を持ちかけたところ、「面白そうですね、やってみましょう!」と快く引き受けてくださり、多治見の工房を訪れることになりました。 これはろくろにのせる粘土の下ごしらえ。いわゆる菊練り。藤吉:SHIFTBRAINから送った図面を基に、手描きで図面が作られていました。図面には寸法がたくさん書き込まれており、それぞれろくろで作るサイズ、自然乾燥で縮んだ時のサイズ、そして焼成後の完成サイズが書かれていました。焼くと1割くらい縮むそうです。 真ん中の写真は円柱の中心を取る作業で、これもなかなか修行が必要そうな、スタープラチナ的な動きでした。 「腰痛との戦いです」と土井さん。ろくろの回転を使ってヘラで削り形を仕上げていく。 緻密な作業だ。手でつくる、東京のかたち東京版ディフューザーは、広島版と対になる存在として、こんな要望をお伝えしました。 形状:広島の“角柱”に対して、“円柱” サイズ:ふたつを並べると対になるように 素材感:コンクリートのような無骨さ 天面:オイルを垂らすための小さな窪み 成形方法には「型」もありますが、今回はあえて、ろくろでひとつひとつ挽く手作業を選んだとのこと。土は焼くと収縮するため、ミリ単位でサイズを揃えるのは難しいそうですが、広島版とのバランスを考え、試作を重ねていただきました。 使用された土は、急須と同じグレーの土と、それよりも細かい砂を含んださらりとした質感の土の2種類。どちらが最適か、実物を手に取って判断したといいます。 試行錯誤を楽しむ、3RD CERAMICSのものづくり工房を訪れて印象的だったのは、作り手たちの姿勢でした。「こういうものを作ろう」と明確に決めてから取りかかるというよりも、制作の過程で偶然の発見を楽しんでいるという印象を受けたと宮本は話します。 偶然の結果を活かして生まれたFLOWER VASE(フラワーベース)の肌目は 一つとして同じものが無く、その佇まいはとても自然だ。たとえば、白い陶器を作ろうとして思いがけず出てきた模様を活かして、「むしろこちらの方が良いのでは?」と発想を転換することもあるそうです。外部からの意見も積極的に取り入れ、異なる視点や文化から刺激を受けながら、自分たちのスタイルを育てているとのことでした。 様々なオーダーや企画で生まれたテストサンプル、量産している定番の品、 あるいは制作過程で生まれたカケラの様なものが、程よく整理整頓されて並んでいる。人気商品、PENDANT LIGHT(ペンダントライト)の釉掛けをする長屋さん。 遠目にはカチッとした工業製品、手に取ると刷毛目や色ムラが心地良い絶妙な バランスのランプシェードだ。現在は、ホテルやショップ向けの器や花瓶の制作に加え、こども食器ブランド「rakko」や、実験的な花瓶ブランド「vaseman」なども展開。制作は基本的に土井さんと長屋さんのお二人で行い、梱包作業などはシフト制で若手スタッフが手伝っているそうです。 地に足をつけながら、外を向く多治見は陶芸の街として知られており、美術館や博物館が集まっています。また、型をつくる際も地元の企業が柔軟に協力してくれるなど、ものづくりに適した環境が整っているそうです。 多治見市モザイクタイルミュージアム 多治見出身のSHIFTBRAINスタッフもおすすめのスポット。「これは売れそう」という基準ではなく、「面白そう」と思ったらやってみる。ペットの骨壷のように利益が少ない仕事も、ホテルの大きな案件も、柔軟に引き受ける。地に足をつけながらも、視点はいつも外にある。それが3RD CERAMICSのスタイルでした。 そして東京版SOCIUSは、コンクリートではなく土でつくることになりましたが、この無骨さと静かな洗練は、確かに東京らしさを映しているとプロジェクトメンバーは感じています。 内径を確認する竹ひごで作ったものさしで、使い方はご覧のとおり。 道具を手作りするのはモノづくりの基本だなぁと、本取材で最も印象に残ったひとコマ。次回は広島版!エナジーバーから始まり、香り、そして陶器へ。SOCIUSプロジェクトは、素材や土地、人との出会いの中で、形を変えながら進化しています。 広島の“木”と、多治見の“土”。それぞれの場所で培われた技術と、作り手の想いが詰まったディフューザーは、これからのリモートワークの“新しい相棒”になってくれるかもしれません。 次回は、広島版の制作過程をお届け予定です。どうぞお楽しみに!

きっかけは山登り。アートディレクターがつくるエナジーバー / SIDE PROJECT 『SOCIUS』 〜コンセプトメイキング編〜
シフトブレインは、ブランディングとデジタル領域のクリエイティブを強みとする制作会社です。いわずもがな、クリエイティブへの好奇心が旺盛で、「いいモノを作りたい」という欲求が止まらないクリエイターの集まり。 弊社では、そんなスタッフたちがクライアントワークではなかなか実現できないアイデア、クリエイティブをふんだんに入れることのできる「社内プロジェクト」が不定期に走っています。クライアントワークと同じくらい、もしくはそれに負けないくらいの熱のこもったモノが出来上がりそうなので、note内に新たに「社内プロジェクト」マガジンを加え、そのプロセスや考え方をお伝えしていけたらと思っています。 第一弾はエナジーバーブランド「SOCIUS(ソキウス)」について。 この社内プロジェクトを手がけるアートディレクターの藤吉へのインタビューを通じて、全貌を明らかにしていきます。(インタビュー・文:広報 松沢香織) ・ ・ ・ プロジェクト立ち上がりの背景きっかけは、弊社に在籍していたデザイナーの及川が、アートディレクター藤吉の奥様である藤吉陽子さん主宰の焼き菓子ブランド『O-Kitchen』へあるお願いをしたことでした。 「山登りの時にサクッと食べることができるエナジーバーを作ってくれませんか...?」 山登りが趣味の及川は、コンパクトに携帯でき、かつ、しっかりカロリーのとれる食べものがあったらいいな、と思い藤吉に相談したのでした。 (O-Kitchenのイラストは全て藤吉が手掛けています) 藤吉はO-Kitchenのアートディレクションをしています。早速そのお題を持ち帰って陽子さんに話すと、陽子さんはそれがどんなものを指しているのか、すぐにピンときたのだそう。というのも、偶然にも数年前、陽子さんが食のカルチャーの視察目的でアメリカ西海岸はサンフランシスコを訪れたとき、多くのアウトドアショップでエナジーバーがたくさん売っているのを見かけていたからなんです。 陽子さんが訪れたアウトドアショップ そんな理由でイメージが沸いた陽子さんは、すぐにエナジーバーの試作品を作ってくれました。 藤吉:試しに作ったものを味見してみたら「あれ、全然市販よりO-Kitchenの方がおいしいじゃん」ってなって(笑)。市販のものよりもっとおいしそうなものが作れそうと思ったので、O-Kitchenで及川さんからのオーダーを正式に受けることに決めました。 フレーバーの試作と選定すぐに本腰を入れてエナジーバーの制作をスタート。まずはどんな味のものを作るか、決めるところからです。 藤吉:山登り中にポケットに入ってて、 ちょっとずつ食べれるものというオーダーだったので、グラノーラをぎゅっと固めたもの、ナッツぎっしりのもの。そこにチョコがけやドライフルーツを入れたもの....。奥さんと相談しながらそれぞれの食材の比率を考えて、5つのフレーバーのサンプルを作りました。 実際にO-Kitchenで試作してみたエナジーバーのレシピを、特別に少しご紹介。 スタッフやスタッフの家族に配られた試作段階のエナジーバー 陽子さんもオフィスで試食のセッティングをしてくださいました (隣は HEO COFFEE 店主 兼 Developerの許) 試作したエナジーバーをスタッフに食べ比べてもらった上で感想を聞き、最終的に3つのフレーバーに決定しました。 エナジーバーのブランディングシフトブレインには「社員がやりたいことを実現させたい」というCEO加藤の思いから派生した、「虎企画」という社内公募があります。 シフトブレインにいる2人の虎(CEO、CTOのこと)をプレゼンテーションで ”唸らせ”、納得させることができたら、資金を援助してもらえプロジェクト化できる、という制度です。 及川と藤吉がこのプロジェクトを立ち上げた当初は、オウンドプロジェクトとして会社とは別枠で進める予定でしたが、時を同じくして虎企画がスタート。それならば、と2人は虎企画へのプレゼンテーションを視野に、3種類のフレーバーの名前やコンセプトをしっかり定めることにしました。 まずはO-Kitchenのエナジーバーを作るにあたり、競合になり得るプロダクトを調査したところ、パタゴニアをはじめとしたいくつかの会社がエナジーバーを制作していることがわかりました。 PatagoniaのOrganic Fruit + Almond Bars 引用:Patagonia webサイト 藤吉:「虎」に出資してもらうためにもしっかりしたブランディングが必要だったから。例えば、みんなに身近なエナジーバーとして、カロリーメイトがあるでしょ?そういうメジャーなものからスタートアップのような小さなグラノーラやさんがつくっているものまで色々調べました。 金額的には大企業が出してるような価格では難しそうだなというのはあって。 O-Kitchenのエナジーバーも味は全然美味しいから、ポジションとしては一番左をカロリーメイトとして、他社が中間、一番右に僕らの作るエナジーバーがあるという感じでいこう、と決めたんです。 エナジーバーのポジショニングマップ わくわくするエナジーバーの名前の秘密ブランディングの方向性が決まった後、それぞれのフレーバーには少しこだわった名前が付けられました。 藤吉:及川さんと「ネーミングは山登りきっかけのエナジーバーだから『山』に由来する名前がいいんじゃない?」「それ楽しいね!」と盛り上がって、山の名前にちなみ、その山で採れる素材を使って、グラノーラバーにすることにしました。 例えば、「Yatsugatake Granola Bar」 は 本当に八ヶ岳付近で採れるハチミツを使ってる。あと「Himaraya Florentin」はちょっと塩味きかしてるんだけど、それはヒマラヤ産のピンクの岩塩。 最後の「MontBabel Dried Fruits Bar」はカナダの山の名前。カナダのメープルシロップを使ったナッツとドライフルーツがぎゅーっと詰まってる重い質感で、制作を進めました。 ユニークで、聞くだけで早く食べてみたくなるようなかわいい名前。 このネーミングセンスに、藤吉と及川のほんわかしたキャラクターが表れている気がします(2人は姿形や雰囲気がなんだか似ているんです)。 左が及川、右が藤吉です(過去の社内イベント写真より) ブランド名「SOCIUS」の由来フレーバーの名前が決まったあとは、このエナジーバーブランドのコンセプトをうまくくくれて、しっかり訴求のできる肝心の「ブランドネーム」をどうするか...。どうやら藤吉と及川が話し合う中で出てきた言葉がキーワードとなったようです。 それは「Keep Climbing」。 藤吉:「Keep Climbing(直訳:登り続ける)」は自分のブランドアーキテクチャを考えた時にでてきた言葉で、もともと自分の中にあったもの。これって生き方の姿勢そのもので、「何事もimprove(改善)していく、右肩上がりに上を目指していく」ていう自分自身の志が投影されています。 今回エナジーバーを繰り返し試作していく中で、「Keep Climbing」は個人としてだけでなくこのプロジェクトのコンセプトワードとしてもふさわしいんじゃないかと思って。 さらに虎企画に参加したことで会社としての目線も必要になったわけだけど、「Keep Climbing」はシフトブレインとしての行動指針にもなるべきじゃないか。「Improveしていく」ことって、このプロジェクトのはじまりとなった山登りでも、会社でチコチコデザインすることでも、全く同じだなと思ったんだよね。 藤吉個人の言葉が、エナジーバーの試作を通じて会社としての姿勢までを包括するコンセプトワードにまで広がりをみせたのでした。 ではブランドネームである「SOCIUS」はどこからきたのでしょうか。 藤吉:「Keep Climbing」するために必要なのは、仲間とか、環境とかの 「相棒」。 相棒ってきびだんごみたいに、持ってれば心強くて自分を鼓舞してくれる。このエナジーバーも、食べてくれる人にとってのそんな存在になれたらいいなという意味を込めて、「相棒」という意味を込められる言葉を探すことにしました。ただのエナジーバーだけど、その名前をつけることで輝いて見えるとも思って。 ここで藤吉の秘密兵器、「ネーミング辞典」が登場。さまざまな単語が各国の言語で検索できる、見ているだけでも面白い辞典です。 この辞典で「相棒」を表す語感の良い言葉を探し、「SOCIUS」というブランドネームが決まったのでした。 ネーミング辞典には4言語での表記が。ここから「SOCIUS」が誕生 ・ ・ ・ ついにエナジーバーの味のラインナップ、コンセプト、ブランドネームがFIX! 次の記事では、記事の随所に見え隠れしているエナジーバーの「パッケージデザイン」についてご紹介します。お楽しみに。 ▼ SHIFTBRAIN GOODS STORE SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですsb-goodsstore.com

完全ハンドメイドのエナジーバーお歳暮が出来上がるまで / SIDE PROJECT 『SOCIUS』②〜パッケージデザイン編〜
シフトブレインは、ブランディングとデジタル領域のクリエイティブを強みとする制作会社です。いわずもがな、クリエイティブへの好奇心が旺盛で、「いいモノを作りたい」という欲求が止まらないクリエイターの集まり。 彼らがやりたいことを会社としてバックアップする制度があり、それを受けて立ち上がったクライアント案件とは全く無関係のプロジェクトを「SIDE PROJECT」と呼んでいます。 今回は、素敵なパッケージデザインをどのように考え制作したのか、アートディレクターの藤吉にインタビューしました。(取材・文:広報 松沢香織) 『SOCIUS』〜コンセプトメイキング編〜はこちらからどうぞ。 ・ ・ ・ いちアートディレクターが作るエナジーバーがお歳暮にエナジーバーの味のラインナップ、コンセプト、ブランドネームが決定したのが2019年秋。偶然にも年末が近づいてくる時期だったので、弊社代表の加藤が会社のブランディングと絡めて「お世話になった取引先にエナジーバーをお歳暮として贈りたい」と伝えたことで、SOCIUSプロジェクトは新しい局面を迎えます。 藤吉: 実は当初虎企画(SIDE PROJECTとして会社に投資してもらうシステム)で2人の虎(決済権を持つCEOとCTO)にパッケージを作ることも提案していたんです。お歳暮で贈るなら、その時に頭で思い描いていたものがはまりそうだなと思って作ることを決めました。 まず最初のステップとして3つのフレーバーをそれぞれアイコン化したいなって。 メープルシロップ だったらカナダの国のマーク。八ヶ岳のハチミツだったら、ハチミツをとる棒(ハニーディッパー)をイメージして。もう1つのフレーバーは塩の結晶をイメージして四角にしました。 エナジーバーの個包装パッケージ シンプルで、かわいい...!半透明の袋からエナジーバーがチラ見えするようなデザインになっています。 藤吉は、エナジーバーを作ってくださった奥様の陽子さんが主宰する「O-Kitchen」のアートディレクション&味見を担当していて、O-Kitchenのお菓子といえば彼の手描きイラストが印象的です。 藤吉によるO-Kitchenのアートワーク SOCIUSでは、手書きイラストを採用しなかった理由を尋ねたところ「シフトブレインぽいから」というシンプルな答え。O-Kitchenとの差別化を図ったそうです。 そして、このかわいいアイコンに合わせたフォントマニアの藤吉が選んだフォントは、彼が大ファンであるTypeTypeの「TT Commons」でした。 ・ ・ ・ まったくの余談ですが、先日TypeType社のCEOサーシャさんが弊社に遊びに来てくださり、藤吉念願!の初対面を果たしたのでした。 案件で使うタイポグラフィで悩んでいたところをサーシャさんに相談中 ・ ・ ・ 藤吉:あと、小包装のパッケージの袋はめっちゃ探しました。 ジップタイプ で エナジーバーが入るような小さいサイズのものは全然市場になくて...。 やっと見つけたのが、実際に採用したこの、一番ちっちゃいやつ。 藤吉:そういえばこのパッケージ屋さんが印刷も請負ってて、印刷できるものは特色12色の中からしか選べなかったんだよね。だから先にデザインしちゃってたら悲惨だった(笑)。そんな事情も相まって、アイコンは単色でシンプルになったっていうのもあるかな。 ちなみに、エナジーバー自体はこのパッケージのサイズに合わせてサイズ変更する必要があって。味によって作り方も違うから、それぞれ違う型を買い直しました。 例えば、フロランタンは平型でセル古型であとあとからナイフで切るんだけど、ドライフルーツが入っているタイプのものはシリコン型にギュッと詰めて焼いたりするんです。 試作段階のエナジーバー。写真から香ばしさが伝わってきます “やってみたおじさん” 藤吉の本領発揮。シルクスクリーンを使ったお手製ギフトボックス制作エナジーバーの小包装のためのジップつきパッケージは完成しても、 お歳暮として贈るためには、ギフトボックスが必要です。シフトブレインのスタッフは2019年冬の時期、オフィスで工作をしている藤吉の姿を目撃しています。 藤吉は2019年6月からYoutubeチャンネル「TRY UNCLE “やってみたおじさん”」を運営しています(企画・撮影・編集すべてセルフです!)。 TRY UNCLE 「やってみたおじさん」www.youtube.com このチャンネルではデザインをテーマに、元々web畑ではなく手を動してクリエイティブすることが得意な藤吉にしか作ることのできない動画をアップしています。 ギフトボックスの制作はまさに、藤吉の得意分野を1000%活かせるクリエイティブとなったようです。 藤吉直筆のSOCIUS BOXスケッチ。スケッチもキレイ 藤吉:まず、ボックスに関しては自分の理想をスケッチにしました。 スケッチにしてみると、理想のボックスを小ロットで実現するにはもう自分で作るしかないってなっちゃって。ちょうどその時期に小ロットの本作りでシルクスクリーン工房に通っていたのと、箱屋さんと箱作りのプロジェクト(下写真参照)でご一緒させてもらって知見がたまっていたので。なんとかスケッチ通りに完成させることが出来ました。 左:シルクスクリーンで1点ずつ刷った本の表紙 右:ねずみBOX そんな藤吉がハンドメイドで完成させたお歳暮ボックスはこちらです...! 今までプライベートで数々の工作物を作ってきた藤吉なら当然とも思えますが、一般人からすると既製品かと間違うくらいの美しさ...!箱の素材への印刷は、藤吉自ら、シルクスクリーンの工房で1枚1枚刷っていったんだそうです。側面にはシフトブレインのロゴがしっかりと刻まれています。 (箱詰めと発送は私も携わったのですが、「こんなおしゃれで美味しいお菓子届いたら嬉しすぎるよね、ずるい...」ともらった会社の人にジェラシーを感じながら、封を閉じたのでした...。) 実際にお送りした取引先の方からは「こんなオリジナルでおシャレなお歳暮をいただけるなんて、びっくりしました」といったコメントをいただき、プロダクトからパッケージまで完全オリジナルのお歳暮を楽しんでいただけたようでした。 新しい挑戦ができる SIDE PROJECT当初、SOCIUSプロジェクトは藤吉と及川の独自のものでしたが、プロジェクトが進むにつれ、会社のSIDE PROJECTのひとつとなりました。 それによって今までO-Kitchenでやってきたお菓子作りに、「シフトブレインのブランディングをどう組み込むか」という新たな目線を持てたことが、藤吉としてはチャレンジングでありがたいことだったそうです。 藤吉:O-Kitchenとしてお菓子を作ってると、焼きたてをみんなに食べてもらったら超満足しちゃうんだよね。だから今まではパッケージとかあまりこだわりはなくて、もうなん なら焼いて切って大きい袋に入れて、そのままはいどうぞって感じで食べてもらえたらそれでいいみたいな。 だから今回、エナジーバーを作って食べてもらって終わり、ではなくて「会社の取り組みとしてブランディングを意識して、それをどうアウトプットするか」という、その先まで全て設計していくことに挑戦できたのは、よかったかなと思っています。 そして、このSOCIUSの挑戦の流れはまだまだ続きます! 藤吉のアイデアの泉は湧き続けていくばかり。例えば、エナジーバーを会社の外でも販売するためのミニブースやユニフォーム、動画の制作など、エキサイティングな企画を練っています。 またカタチになりましたらここで報告させていただきますね! ▼ SHIFTBRAIN GOODS STORE SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですsb-goodsstore.com

フルリモートの会社で、1ヶ月の会話量を約2.6倍に増やした施策をご紹介します。
こんにちは!シフトブレインの廣内です。 昨年の夏に「リモートワークによる全スタッフの運動不足を解決するために、全力で面白がった話。」というnoteを公開したところ、ありがたいことに多くの反響をいただきました。 前回の記事にもあるように、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)は活用されて初めて効果を発揮するもの。そして「会社が存続する限り問い続けるもの」でもあります。 そんなわけで、シフトブレインは今年もMVV浸透プロジェクトを実施しました。前回は読者のひとりだった私も、今回はプロジェクトメンバーとして参加しましたので、この記事ではその一部始終をお伝えします。 テーマは「オンラインでのグルーヴ感」プロジェクトを進めるにあたって、最初に決めたことがあります。それは、ミッションを大切にしようということ。「FEEL DRIVEN:みんなで楽しみながら持続可能なブランドをつくり、課題をクリアする。」を施策の軸にしました。 では、私たちがクリアすべき課題は何だろう?と考えているとき、浮かび上がったのが「オンラインでのグルーヴ感」でした。 フルリモートに移行して、はや6年。オンラインでも仕事に支障はなく、仕組みも整っているものの、雑談のような気軽なコミュニケーションは生まれにくい状況がありました。 リモートワークを推進しているシフトブレインでは、社員の親睦を深めるために年に数回、日帰りイベントを実施しています。テーマは「強烈な体験の共有」。ランダムで複数のグループに分かれ、話し合い、好きな場所へ行き、好きなことをするというものです。… pic.twitter.com/QmEfCxHChZ — SHIFTBRAIN Inc. (@SHIFTBRAIN) April 13, 2026 日帰りイベントや研修旅行で集まれば、ワイワイ楽しむカルチャーですし、オフィスで顔を合わせればコミュニケーションも活発です。だからこそ、そういう活気をオンラインでもつくれたら、もっと楽しく仕事に向き合えるんじゃないか。そんな思いで決めた、今回のMVV浸透プロジェクトのテーマが…… オンラインの会話量で、競い合おう。その名も「SOUNDS GOOD!」です。 ネーミングは、バリューの「WORKS GOOD!」から着想しました。シフトブレインは、コミュニケーションの活性化に向けて「Gather」というサービスを導入しています。Gatherとは、RPGのような見た目のバーチャルオフィスで、アバター同士が近づくだけで会話が始まります。雑談のようなコミュニケーションがしやすい環境なのですが、その良さを活かしきれていませんでした。 そこで私たちが考えたのが、Gatherでの会話の「総時間」を集計して、グルーヴ感のバロメーターにすることでした。数字が増えていれば「お、今週はけっこう話してるな」、減っていれば「最近ちょっと静かかも」と、オンラインでもオフィスの盛り上がりが共有できるんじゃないかと思ってのアイデアです。 シフトブレインのバーチャルオフィス。左下に一人、修行僧がいますね……?ただ、会話量をそのまま計測するだけでは「監視されている」感が出て、むしろ話しづらくなってしまうかもしれません。そりゃそうですよね。会社が一人ひとりの会話時間を測って、誰と誰が話したかのログまで見ていたら、ちょっと怖い。 そこで、みんなが楽しく参加できるように、ゲームの要素を加えることにしました! ちなみに、実装はなんとClaude Codeです。このゲームは、Gatherでの会話時間がポイントになり、それを使って盤面のマスを取り合うという、いわゆる「陣取りゲーム」です。コンセプトは「音楽フェス」。スタッフを4つのバンドに振り分け、どこがいちばん観客を集められるかを競ってもらいました! 実はこのコンセプト、4月の研修旅行で行われた「会社というバンドを結成し、伝説のライブを成功させよう!」というワークショップから生まれたもの。職種ごとの役割をバンドのパートに見立てて、シフトブレインらしいグルーヴとは何かを考える取り組みが、このゲームのアイデアになっています。 ルールも至ってシンプル。できるだけわかりやすく、気軽に楽しめるよう設計しました。 あの手この手で会話量を増やす各バンドそれでは、実際のイベントの様子をみてみましょう。まずは、会話をしないことにはポイントも増えない!ということで…… 毎日5〜10分ほどの「朝会」を始めたり……合宿中も、わざわざGatherに集まったり……ゲーム大会を開催していたり……金曜日の夜に、キッチンエリアで話したり……各バンドさまざまに趣向を凝らしながら(?)、ポイントの獲得に邁進していました。面白いのは、最初こそ「ポイントのため」だった会話が、続けるうちに習慣になっていったこと。 気づけば、毎朝どこかのバンドがGatherで朝会をしているのが、当たり前になっていました。その甲斐もあり、終盤には各バンドの会話時間が…… なんと、約2倍に増えました! 当初、1チームあたりの1日平均会話時間が約60分だったことを考えると、かなり話すようになったことが分かります。フルリモートが定着し、テキストコミュニケーションが中心になっている今だからこそ、この数字は驚きでした! まるでキングダム!?終盤は予想もしなかった展開へただし、このゲームは会話量が順位に直結するわけではなく、戦略性も必要。貯めたポイントを「どこに、どう使うか」次第で、盤面は大きく動きます。序盤はゆるやかにマスを増やしていた各バンドでしたが、日数を重ねるうちにこれが…… こうなりました。まず目を引くのは、赤のバンド。縦横無尽にマスを増やしているのがわかりますね。このバンドは、プロデューサー、プロジェクトマネージャーが多いという特徴もありますが、なによりゲームへの熱量がすごかった。 とはいえ、他のバンドも黙ってはいません。青のバンドは、ゲームの穴を見つけ、赤の猛攻を掻い潜る頭脳派。緑のバンドは、何が起きても動じず、すべてを受け入れる穏やかさで我が道を行きます。そして黄のバンドは、赤の独壇場で終わらせまいと赤のマスを塗り替えにかかるなど、四者四様の戦いぶりで、盤面は日に日に賑やかになっていきます。 この頃には、SlackでもGatherでも活発なやり取りが見られるようになっていました。 独走する赤のバンドは、Slackのオリジナルスタンプを作って、意気込みはバッチリです。どのマスを攻めるかが勝負の鍵を握るこのゲーム。作戦会議にも余念がありません。結束力を高めるべく、オリジナルキャップを作ってみようとするバンドも。さらには、合従連衡に向けた交渉まで行われ、漫画『キングダム』さながらの展開です!その甲斐もあり……なんとイベント終了間近になって赤のバンドが最下位に!どうなってしまうのか!?↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 結果発表!この激戦を制したのは……赤のバンドでした!おめでとうございます! 序盤から独走しながら、残り2日でまさかの最下位に転落。それでも最終日に驚異の粘りを見せ、優勝をもぎ取りました。まさに、最後まで何が起こるかわからない、そんなイベントだったと思います。 それでは、リーダー・坪井さんに締めくくっていただきましょう! 坪井 咲(Project Manager)他バンドと比べると約2倍の総会話量でした!圧倒的! 全員参加、全員ガチで楽しんでました笑 最終日の夜には19時〜24時過ぎまで会話量を稼いでマスを獲得するというガチぶりに、他バンドは引いたことでしょう笑笑 まさにグルーヴ感!最高のバンドでした!!! 後日、優勝したスタッフたちには、ソウ・エクスペリエンス株式会社の 『シアター&ミュージックギフト』が贈られました。 これで本物の音楽を楽しんでいただきましょう👏👏👏イベントの満足度は、91.3%!当初プロジェクトメンバーが想定した以上に盛り上がった今回の取り組み。終わってみれば、会話量はイベント開始前の104時間から269時間(約2.6倍)に増え、終了後のアンケートでは約9割のスタッフが「満足した」と回答してくれました。 普段あまり接点のなかったメンバー同士の会話が生まれ、距離がぐっと縮まったことを裏付ける結果になったのではないか?と思います。アンケートに寄せられたコメントからも一部、抜粋して紹介しますね。 ● ゲームを通して、チームで協力しながら話すことができたため。あと、ゲームのクオリティが高かった ● チームが楽しんで参加できるモチベーションになっていると思う。 ● ゲーム性もあるしみんなのコミュニケーションを活発にできているし、本当によくできたものだと思う! ● 会話量を計測する、それを競う、しかも世界観とデザインに落とし込まれてる。課題解決のために、楽しくクリエイションするってのが体現されていた。 満足度の数字が高いことももちろん嬉しいのですが、手応えを感じたのは、終わったあとに「もう一回やりたい!」という声があったこと。せっかく好評だった施策ですし、また別のタイミングで開催したいところです。 イベント終盤には、右側の執務エリアよりも 左側のトークエリアに人が集まるようになっていました!「もっと話そうよ」では、会話は増えないと思った。今回のプロジェクトでの、いちばんの学びはこれでした。「もっとコミュニケーションを取ろう」といくら呼びかけても、会話は増えません。雑談や普段のコミュニケーションは、命令された時点で「義務感」が生じてしまうから。でも、今回のように「話していい空気」と「話しかけられる口実」なら、設計することができる。 手前味噌ですが、この取り組みそのものが、シフトブレインのミッションを体現していたんじゃないかと思っています。 前回の記事の最後にも書いたとおり、MVVは「会社が存続する限り問い続けるもの」。 シフトブレインは7月に新たな期を迎えました。これからもさまざまな課題が生まれてくると思います。しかし、そのようなときこそMVVに立ち返り、自分たちらしい施策や取り組みを重ねていければと考えていますので、その様子は、またnoteで公開しますね! ここまでお読みいただき、ありがとうございました! おまけ。他にもこんなことをやっていました。ここまで紹介してきた取り組みは、あくまでMVV浸透プロジェクトの取り組みのひとつ。他にもいろいろなアイデアを考えていました。それでは、その一部をお見せして、このnoteを締めくくりたいと思います! 手探りの中で始まったMVV浸透プロジェクトでしたが、最初は、Gatherの会話量で植物を育てるイベントを試したり、その次は、牛を育てるイベントをやってみたり (このときは、優勝チームに豪華焼肉セットをプレゼントしました)。 ちなみに、実装はFramerです。SOUNDS GOOD!を考える際は、競馬に見立てて、アバターを競走させる案もありました。OUNDS GOOD!に決まってからは、各バンドのアー写・BGMもAIで用意してみました!プロジェクトメンバーの皆さん、1年間お疲れ様でした!!▼ 採用情報 シフトブレインでは、新しい仲間を募集しています。全社フルリモートのため、全国からのご応募をいただけます。 募集の詳細は、Wantedlyにてご覧ください! SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの募集・採用・募集条件 - WantedlySHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの新卒・中途・インターンの募集が9件あります。気軽に面談して話を聞いてみwww.wantedly.com

シフトブレイン美術館へ、ようこそ。
ようこそお越しくださいました、お客さま。 ここは、都内某所にオープンした「シフトブレイン美術館」。 館長はわたくし【さこちん】こと、迫育恵です。 ここでは、私が日々の中で出会った「おやまあ」「おもしろい」「おどろいた」の数々を作品にして、展示しております。 …って、誰?まずは、そこから。初めまして!シフトブレイン・コピーライターの迫育恵と申します。 春風舞う2026年4月に入社した、コピーライター1年生です。 と言っても社会人歴は十うん年で、これまでは主にテレビの世界で、言葉を扱う仕事をしてきました。 そんな私が、なぜ今シフトブレインにいるかというと、 師匠が私より先に語ってくれているので(笑) 興味を持ってくださった方は、こちらも読んでいただけると嬉しいです! それで、シフトブレイン美術館って何?という話ですが これは私が作った、note記事上の“架空の美術館”です。 オープンに至った思考回路はこんな感じということで、早速ですがここからは 私のアンテナがピピピと反応したシフトブレインならではの光景を、独自の視点で作品にしましたので、ご覧いただければと思います。 それでは、どうぞごゆっくりと、お楽しみください☺️ 作品1:きっかり具合は、入社して1番驚いたことかもしれない。 作品2:「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の主人公説。 作品3:後光が眩しくて、1時間過ぎたあたりから半目で見てました。 作品4:集合前に薬局行ってて、ホントよかった。 作品5:拡大してよーく見ると…そう、あれです。 作品6:ぜひみなさんもご唱和ください。せーの、 作品7:実際に遊べます。子どもも大喜び。 SHIFTBRAIN PlaygroundSHIFTBRAIN Playgroundは、技術力向上のために日々行われている実験や試作を公開するサイトです。playground.shiftbrain.com 作品8:社会に出て初めて出会いました、こんなリーダー。 作品9:社員と、その家族も愛してくれてるなって感じます。 作品10:一応、みんなノンアルみたいです。 作品11:フルリモートの極み。 作品12:トリを飾る作品はこれ、と決めていました。 いかがでしたか?アート散策、楽しんでいただけましたでしょうか。 ちなみに私は、やっててめっちゃ楽しかったです。 あれ……?これって、シフトブレインのMVVだ。 なんだか晴れて、メンバーの一員になれた気がする!まだまだ勉強中の身ですが、この調子で、これからもワクワクを大切にしながら仕事に励みたいと思います。 note記事でも、おもしろい企画をやっていきたいな。 ぜひ、また読んでいただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。 シフトブレイン美術館に、実際に訪れてみたいという方は 【Wantedly】を、ぜひチェックしてみてくださいね。いつでもお待ちしております。 SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの募集・採用・募集条件 - WantedlySHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの新卒・中途・インターンの募集が9件あります。気軽に面談して話を聞いてみwww.wantedly.com それではみなさま 本日のご来場、誠にありがとうございました☺️

クライアントワークで行うワークショップを自分たちでやってみたら、チームの見え方が変わった話。
こんにちは。シフトブレインの廣内眞文(ひろうち まさふみ)です。 この春、シフトブレインでも新たに3名のスタッフを迎えました!しかもそのうちの1名は、以前募集していたジョンさんの弟子募集記事をきっかけに入社してくれた方です! これでコミュニケーションプランニングチーム(コミ部)も5名体制となり、賑やかになってきました。 今回は、そんな新たなメンバーを迎える春にぴったりな”あること”をチームで実施した……という話をご紹介します。 チームのことをもっと語れるようになりたいと思った。きっかけは、プランナーチームに入ってくれた迫 育恵(さこ いくえ)さんからの質問でした。 迫 育恵(Planner / Copywriter)「プランナーチームって、ヒロウチさんから見て、どんな“らしさ”があると思いますか? 良い意味でみんなタイプが違うように見えるんです。」 よくある質問……のはずなのに、答えに窮してしまったんです。 思えば、プランナーチームは、マネージャー兼代表の加藤さんはともかく、基本的に1人1案件を担当して日々業務にあたっていて、一緒に仕事をする機会がほとんどありません。なおかつ、フルリモート。メンバー全員で顔を合わせることも年に1、2回程度。あれ、僕自身、もしかしたらチームのことをちゃんと理解できていない?!となってしまったんです。 もちろんすべてを理解することなんてできないことは分かっています。けれど自分たちのことをうまく伝えられないのはもどかしい。 そんなことを考えていたときにふと思ったんです。シフトブレインは普段、クライアントの「らしさ」を掘り起こすために、ワークショップを行うこともあります。ならば、そのプロセスを応用してみれば、チームのことを深く理解できるんじゃないか!?と。 ということで今回は、チームのことをもっと理解するために実施したワークショップについてご紹介していきます。クライアントに行っているプロセスを応用しているので、シフトブレインが普段、どんなふうに価値観を言語化するかについても体感いただけると思います。 ぜひ、最後まで読み進めていただければと思います! 付箋に考えを書き出し、チームの特徴を探っていくここからは実施したワークショップをダイジェスト形式で振り返ります。参加者はぜんぶで5名。加藤さん、ジョンさん、うらかわさん、新スタッフの迫さん、そして僕です。 ヒロウチ:さっそく始めていきたいと思います。今日は、みんなの得意なこと・苦手なこと・強化したいことを書き出してもらって、チームとして整理していきたいと思います。 加藤・ジョン・うらかわ・迫:よろしくお願いします〜。 ヒロウチ:目的は2つ。1つは、スタッフそれぞれの価値観や大切にしていることを明らかにすること。そしてもう1つは、それらが組み合わさったときのチームの強みや特徴、いわゆる“らしさ”を探ることです。これらの目的に向かってワークショップを進めていきたいと思います。 Step1. 『好き』と『得意』をそれぞれ書き出す。 ヒロウチ:まずは自分が『好きなこと』『得意だと感じること』を付箋に書いていってもらいます。その前に、それぞれ書いてもらう付箋の色ですが加藤さんが黄色、ジョンさんが紫、うらかわさんが緑、迫さんは…… ジョン:ちょっといい? 今日、加藤さんは緑の服着てるからな〜。 うらかわ:ほんとだ。加藤さん、緑一色ですね。 加藤:しまった。俺、緑だと思ってた。全然いいですけど。 〜まさかの展開に、ヒロウチ慌てふためく〜 ジョン:これでテンパるの!?この先ちょっと不安なんだけど、大丈夫かな? ヒロウチ:いや、ごめんなさい!大丈夫です。 まさか加藤さんが真緑の服を着てくるという想定外のハプニング(?)がありつつも、ワークショップを開始していきます。 各自付箋にそれぞれ思っていることを書き出してチームに発表します!ヒロウチ:えーっと、色のハプニングはありましたがまずは最初のセッションです。制限時間は10分間、思いつくまま付箋に書き出してください! 〜〜〜10分間の個人ワーク〜〜〜 ヒロウチ:個人ワークが終わったら、書き出した内容を順番に発表してください! まずは加藤さんからお願いします。 加藤:実は僕、Slackがめっちゃ苦手なんですよ。情報を探すのも苦手だし、テキストコミュニケーション自体あまり得意じゃなくて。だから僕はSlackでメッセージを送るんだったら、1分でもいいから直接話したいと思っちゃうタイプです。はい。 まさか加藤さんがSlackを苦手だとは思いませんでした! 続いてジョンさんの発表に対して、こんなやり取りも。 ジョン:ヒアリングとか提案、実は苦手なんですよね。 これを聞いた加藤さんが反応します。 加藤:「おいっ!」って思ったけど、ヒアリングや提案ってこのチームのコアじゃないですか。僕とか他の人から見たら(ジョンさんは)明確に得意そうに見えるのに、本人が苦手って言っている。このギャップって何でしょうね? ジョン:うーん。これ、答えなくていいですか?(笑) 加藤:うん、いいです。ただ、みんなに「こういうギャップ、面白くない?」って共有したかっただけです。 そして入社したての迫さんからは、こんな言葉も。 迫:つらい仕事は今まで全然やってきたし、仕事が100楽しいっていうのはありえないって正直思っているんですけど、一方でちょっとでも楽しいって思えないと自分は続けられない性格でもあって。ちなみに今は楽しいです、仕事! 入社したばかりで覚えることが多くて正直ヘトヘトですけど、最近どうって聞かれると「まあでも楽しいね」って最後言えるのが、今の正直なところです。 うらかわ: それ、得意なことのところに入れといた方がいいんじゃない? 迫:(笑)そうですよね、確かに。 実際に書き出された内容を一部、見てみると「得意なこと・好きなこと」には、 一方で「苦手なこと・避けたいこと」には、 と、揃いも揃って作業系・管理系が苦手という結果に。PMや管理業務全般を担うアドミンの皆さんへの感謝が尽きません……。他にも、 など、タスクそのものより、仕事の意味や関係性への違和感が目立ちました。 確かに、僕らが行うブランディングも、クライアントに対して「なぜこのブランドはこう在るべきか」「この会社にとって本当に大切なことは何か」。そういった問いを投げかけます。だからこそ自分たちの仕事においても「なぜやるのか」が見えないまま動くことへの抵抗感が強いのかもしれませんね。 そして「これから強化したいこと」には、 などの内容が。ここは各々の立場や役割に応じて、それぞれが自分の課題と真剣に向き合っているような言葉が並んでいる印象でしたね。 正直、個人ワークの時間が10分とかなりタイトだったため、それぞれの価値観を引き出し切ることができた……とは言えないものの普段の仕事の中ではなかなか口にしてこなかった本音や、自分でも気づいていなかった価値観が、垣間見えたような気がしました。 10分という短い時間でしたが、それぞれの付箋はあっという間に埋まっていきました。休憩. コーヒーセットでリラックス このあと、続くセッションの模様もお伝えしていくのですが、画面越しのワークは集中力が途切れやすいもの。ということで事前に休憩用の「コーヒーセット」を用意し、それぞれの自宅までお送りしました。 自宅の近所にある「BARK」というカフェのドリップバッグとロータスのビスケット。 それと、カフェインが苦手なスタッフに向けてデカフェの ドリップバッグ(猿田彦珈琲)も用意しました。今回お届けしたBARKのドリップバッグ、いわゆる紅茶のティーバッグのようにお湯に浸ける(ディップ)タイプなんです。マグカップにお湯を入れてそこにバッグを浸けるだけ。注ぎ方を気にする必要もないし、待つだけでOK。ワークショップ中のちょっとした休憩にぴったりな手軽さなんです。 はっ、気づいたらコーヒーの話で盛り上がってしまいました。それでは気を取り直してワークショップの後半へまいりましょう! https://www.instagram.com/bark_kuramae/ Step2. 付箋内容を整理し、チームの特徴を探っていく 続くセッションでは、それぞれ書き出した付箋をみんなでグルーピングしながらチームとしての特徴を探っていきます。 続いてのセッションは、書いた付箋のうち「好きなこと・得意なこと」「これからやりたいこと」をこの4象限に当てはめていきます!ヒロウチ:グルーピングでは「自分たちがやりたいことか」と「ニーズがあるか」の2軸で整理した4象限に当てはめていきます。それでは、さっそくグルーピングしていきましょう。 このセッションは個人ワークではなく、みんなでグルーピングします。付箋を動かしながら「これとそれって似てるよね」「この位置かなあ」なんて言葉が飛び交うなか、こんなやり取りも生まれていました。 うらかわ:加藤さんの「美容」ってやつ、右上から下げる?ちょっと迷うな。真骨頂エリアに入ってるのはおかしいかなと思って。 加藤:いやいや(笑)、大事なことなので残しましょう。 うらかわ: そうか、じゃあ残しておきます。 加藤さんの力強い一言で、「美容」は真骨頂エリアに残ることになりました。50歳を前に美容に目覚めた加藤さん、その情熱は本物のようです。 一方で、グルーピングが進む中、加藤さんからはこんな感想も。 加藤:正直、個人の吐き出しをしていたところから、急にチームや世の中の話になって「えっ」てなるね。難しいな、これ。 確かに、自分のことを書き出すパートと、それをチームとして整理するパートでは、頭の使い方がガラッと変わります。それでも、付箋を動かしながら話し合ううちに、少しずつ輪郭が見えてきました。特に右上のエリアには、自然と似たような言葉が集まってきています。 ヒロウチ:右上の方に結構集まってる印象がありますね。 迫:確かに、案外みんな、似ているところに落ち着くんですね。 さっきの個人ワークとは違い、このステップは話しながら行うワーク。実際にグルーピングした内容を確認してみると、まず右上のいちばん上の部分に集まったのはこちら。 「アイデアとそれを具体的なモノに落とし込む力」 「クリエイティブのアイデアの幅を広げたい」 言葉にしてしまえばシンプルですが、ここに行き着くんだなと。改めてシフトブレインはクリエイティブの会社だということを実感した瞬間ですね。他にも、 「ヒアリングして、悩みを整理して、本質をとらえること」 「情報を要約すること それはつまり・・・と整理すること」 「それってつまりこういうことですよね、と総括すること。」 といった付箋たちも。クライアントの「らしさ」を言葉にする仕事だからこそ、という感じがします。 一方で、「まだ求められてはいないけど、じぶんたちはやりたい」という左上のエリアに目を向けると、 「長生きしたい」 「やりたいことをやって人生を切り拓いているところを子供達に見せたい」 など、仕事の話に加えて、人生の話も見られました。うーん、確かに。長生きしたい。 これは僕の解釈ですが、シフトブレインってあまり仕事とプライベートを切り分けている人って少ないイメージなんです。例えば、日々の会話やチームMTGでも、仕事の話をしているのかプライベートの話をしているのか、気づいたら境界線がなくなっている、みたいなこともよくあります。だからこそ「やりたいこと」を問われたとき、自然と仕事の枠を超えた言葉も出てくるのかも、と思いました。 と、グルーピングも大詰めに差し掛かった頃、迫さんがこんな感想を言ってくれました。 迫: 案外みんな、好きなことや得意なことと苦手なことがざっくり似ているなと思って。同じような感覚を持ったメンバーが揃っているので、これから同じ目標を持ってやっていけたら強いよなって思いました。 確かに、同感です。そしてジョンさんはこんな言葉も。 ジョン:自分の内容でいうと、むしろ加藤さんに俺のことを書いてもらう方が良かったかもしれない。自己認識と他者認識って、やっぱり違うんだよな。 自分では「得意」と思っていないことが、他者から見れば明らかな強みだったりする。ジョンさんが「ヒアリングと提案が苦手」と言っていたのに、加藤さんが「おいって思った」と反応したのも、まさにそれでしたよね。一方でうらかわさんはこんな感想を。 うらかわ:それぞれの話を聞けたのはすごく良かったかも。ざっくりとした印象だけど、価値観の土台は揃っているから、それぞれの得意を伸ばせばいいチームになれると思ったかな。根っこは同じで、花の色と形が違う、そんなイメージかなって。 チームとしての共通の軸がありながら、それぞれの個性は全然違う。迫さんが最初に「良い意味でみんなタイプが違う」と言っていたのも、まさにこういうことだったのかもしれませんね。 全体的に右上に多くの付箋が集まっているプランナーチーム。チームのらしさが見えてきたけれど、それ以上に大切だったのは… そんなこんなでグルーピングをしながら、ふと気づいたことがありました。それは「我々の真骨頂」に集まった付箋が、どれも「複雑に絡まった問いをほぐして、シンプルな言葉に落とし込む」という一点にまとめられること。 それにどの付箋にも書かれている内容は『得意なこと』ではなく仕事を通じて味わえる『喜び』についてばかりでした。 ふと思い出すのは、ワークショップを企画しているときのうらかわさんとのやり取り。ツールや手順をどうするか?という僕の質問に対して、うらかわさんの返事は少し違ったものでした。 正直、最初にこれを読んだときはピンときませんでした。けれど今、ワークショップを経て感じることは、この『意義』という言葉こそ僕たちプランナーの『らしさ』なのかもしれません。 ブランディングをはじめとするさまざまなプロジェクトの起点を作るというのは、意義を立ち上げることとも言えるのではないでしょうか。 つくって終わりではなく、つくってからが始まり。それがシフトブレインのブランディング。そうして、約90分間のワークショップの時間も、まとめの時間に。最後に1人ずつ、ワークショップの感想をもらって終了です。 迫:案外自分で自分のことを振り返る時は、視野が狭くなっているのかもという気づきがあったので、今後は他己分析なんかもやってみると良さそうと思いました。 ジョン:改めて書き出してみて思ったのは、この仕事って個人競技だなということ。「シフトブレインに」じゃなくて「あなたに」って言われてこそだと思っているので、もうちょっと目立とうと思ってもいいんじゃないかって、書きながら気づかされました。 うらかわ:個人の視点をいかにチームとして消化させていくかはすごく難しいと思うし、自己認識と他者認識が違うというのも含めて、どうまとめていくのかは興味があります。 加藤:それぞれの理解がすごく深まったし、良い場になったなと思いました。グルーピングの軸は、個人の意見をチームや世の中の話で分類するのは難しかったので、次やるとしたらもう少し軸の設定を工夫してみたいですね。 正直、不安しかなかったワークショップ。自分がやりたいだけの企画に、みんなの時間をもらっていいのかとも思っていました。 でも、やってみてわかったことがあります。それは、みんなが何を大切にして仕事をしているのか、聞いてみるまで、こんなにも知らなかったんだなということ。それに、プランナーチームが僕のモヤモヤに、こんなにも真剣に付き合ってくれる人たちだったんだということにも、改めて気づかされました。 実際はオンラインのワークショップでしたけど、オフラインで集まったらこんな感じだったんだろうな〜と。左から、迫さん、ジョンさん、加藤さん、ヒロウチ、うらかわさん。とはいえ、チームなのにこんなにも知らないことがあったのかと思ったのも事実。だからこそ、もっとこういう時間を作りたい、もっとチームで何かやりたいなと思えたことが、ワークショップで得たいちばんの気づきだったのかもしれません。 終わりにワークショップを終えたあと、迫さんに話しかけてみました。 ヒロウチ:今日、参加してみてどうでしたか? 迫:楽しかったです! プライベートな話が面白かったり。普段の考え方が知れたり。発見だらけでした。それに、案外自分で自分のことを振り返る時は、視野が狭くなっているのかもという気づきがあったので、今後は他己分析なんかもやってみると良さそうと思いました! ヒロウチ:実は、迫さんに聞かれた質問がきっかけで、このワークショップを企画したんですよ。あのとき、うまく答えられなかったので。今日のワークを経て、少しはちゃんと答えられるようになった気がしています。 迫:え、そうだったんですね! 知らなかったです。ちなみに、質問の答えって…… ヒロウチ:クライアントの「なんかモヤモヤしてるんですよね」を、一緒にほぐして言葉にするのが僕たちの得意なことだと思います。ただ、言葉にして終わりではなく、そこを起点にクライアントとブランドを一緒に育てていく。そこまでやって初めて、シフトブレインのプランナーチームの仕事と言えるんだと思っています。 でも、我々の強みはそこだけじゃありません。1人のモヤモヤに向き合ってくれるチームなんです。だから迫さんも、どんどんチームを使ってくれたらと思います……! 新しいスタッフの何気ない一言から始まったこの取り組み、やってみると想像以上の発見がありました。 もし、みなさんも「なんとなくお互いのことをわかっているようで、実はよくわかっていないかも」と感じることがあれば、ぜひ一度試してみてください。きっと、チームの新しい一面に出会える……かも!? 最後に、「自分たちもこういうワークをやってみたいけど、どこから始めればいいかわからない」という方がいれば、Googleフォームから気軽にお声がけください! ヒロウチをはじめとするプランナーチームがあなたと一緒に考えます。 👉️https://forms.gle/tgGdjF4b6iscHDnS8 最後まで読んでいただきありがとうございました! ▼ 採用情報 シフトブレインでは、新しい仲間を募集しています。全社フルリモートのため、全国からのご応募いただけます。 募集の詳細は、Wantedlyにてご覧ください! SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの会社情報 - WantedlySHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの魅力を伝えるコンテンツと、住所や代表・従業員などの会社情報です。「みんwww.wantedly.com

無料で診断。御社のブランディングにおける伸びしろを可視化する「SHIFTBRAIN mimi」を始めました。
シフトブレインでコピーライター / プランナーをしているジョンと申します。この度、会社としても初の試みをすることになりましたので、この場を借りて紹介させていただくことにしました。 🤔今の会社のステージとクリエイティブが合ってないような気がする 🤔ウチのWebサイトはこのままでいいんだろうか 🤔そもそもウチらしさとは? 🤔この会社にはブランディングが必要なんだろうか こういった思いを抱える経営者やご担当者の方は、この記事を一読いただいたうえで、ぜひご応募ください。 SHIFBRAIN mimiとは一言でいうと、コーポレートブランディングにおける簡易的な健康診断のようなものです。御社の「こうありたい」を定義し、現状とのギャップをはかり、伸びしろを可視化します。 自社の発展を願い、ときに頭を悩ませる経営者やご担当者の方に耳を傾けていきたい。そんな想いを込めて「mimi」と名付けました。イントネーションは「意味」と同じです。 デザイナーのテツさんにロゴも作ってもらいました。かわいい🫶可視化する、とはアンケートとヒアリングを行ったのち、御社のあらゆるクリエイティブを拝見し、ありたい姿と現状のクリエイティブにどれだけのギャップ(伸びしろ)があるのかをスコアリングします。あらゆるクリエイティブとは、ロゴやWebサイトはもちろん、名刺をはじめとするグラフィックツール、映像、キャッチフレーズ、広告クリエイティブなどの対外的なものから、理念、MVV、行動指針、社内報といったインナー向けのものも含みます。 スコアリングシートのサンプルです。シートは全部で3枚になります。なお、一度だけテストケースとしてご協力いただいた企業様からコメントを頂戴しているので、紹介させてください。 今回のヒアリング&診断を受けたことにより、①自社 ②経営者としての個人的な想い のバランスについて考えさせられる時間となりました。それに加えて、現状と将来像のギャップが可視化されたこともまた、新たな気づきです。診断書はグラフで視覚化されていることで認識しやすく、この先どのような方法で自社のブランディングを進めていくのがベストなのか、さらに知りたくなる診断書と感じました。 (空間デザイン会社 代表 / N様) ご協力本当にありがとうございました!🙏ご応募からの流れ⚠️お話を伺うのは月に最大2社までとさせていただきます ⚠️原則として先着順となります。応募状況によってはお待たせする場合もありますので予めご了承ください ⚠️トライアル企画のため、告知なく終了する場合もあります ご応募はこちらのGoogleフォームよりお願いいたします。 👉 https://forms.gle/MNjFdqPi79Hb71t48 ご紹介が遅くなりました。シフトブレインはこんな会社です。2003年創業で、デジタル領域を中心にコミュニケーションプランニング、デザイン、テクノロジーまでを一気通貫で行うデジタルクリエイティブエージェンシーです。企業/サービスのブランディングを中心に、採用やキャンペーンなどのクリエイティブも行っています。 Webサイトはもちろん、ロゴやグラフィック、サイネージ、ネーミング、MVV、スローガンなど制作物は多岐にわたります。 原宿サン・アド / コーポレートサイト45R / デニムかるたLayerX / ブランディング Morght / ブランディング 島根県美郷町 / みさとと。なぜ、mimiをやるのか?それは、ブランディングを考え始めるきっかけをつくりたいと思ったからです。我々のような会社には、何かつくるものが決まってからでないとお問い合わせできない雰囲気がありませんか? 正直、もう少しモヤモヤした状態でご相談いただいてもいいのにな、と思っています。「何のために、何をつくるのか」からいっしょに考えるのも、ブランディングを支援する活動のひとつだと思っているからです。 ただ、"ブランディング"の定義も手段も各社それぞれで、シフトブレインも、その中のひとつに過ぎません。これをきっかけに御社のブランディングについて考え、いろいろと話を聞いてみようという気持ちになっていただけたらうれしいです。 SHIFTBRAIN mimiへのご参加は、こちらから。Googleフォームよりご応募ください。 👉 https://forms.gle/MNjFdqPi79Hb71t48 こちら、簡易的なアンケートも兼ねておりますので、パッと開いてパッと答える、というわけにもいかない場合があると思います。その際はフォームのURLをメモいただくか、一時的にブックマークいただくか、あるいはこちら👇の画像を保存いただくと、後回しにしても答えやすいかと思います。 時間がかかりそうな質問をピックアップしましたなお、できるだけ迅速な対応をしたいとは思っていますが、お返事に1〜2週間ほどいただく場合もありますのでご了承ください。 なにぶん初めてのことなので探り探りの部分も多いですが、お互いの実りある時間にできたらと思っています!疑問や質問がありましたら、こちらからお願いいたします。 ご応募、お待ちしています!
cucumu
cucumuのニットができるまで

ほんとうに必要なものを|cucumuのニットができるまで 1/4
こんにちは、シフトブレインでプランナーをやっている浦川です。 インベントリの記事のときはお世話になりました。たくさんの人たちに読んでもらえたようだと広報の坂さんから聞きました。(とってもうれしい) はてさて、今回もこのnoteにお邪魔したのにはわけがありまして。 最近僕たちがやっているプロジェクトで『cucumu』というものがあるんです。そのプロジェクトについて少し紹介させてほしいなって思ってまたお邪魔しちゃいました。 そうですね、どんなプロジェクトか一言で言うと…『気づいたらオリジナルのニットブランドをクライアントとともに立ち上げてたプロジェクト』という感じです。 こんな感じの商品です。モデルはkinokoさん!男性モデルはmasayuki kawabataさんただそうなったのには深〜い訳がある!一言じゃ言い表せない!なので、今回もnoteの記事にさせていただきました。全4回のシリーズ記事。みなさんもしよかったら読んでみてください。(僕は初回だけ担当します) 寺田ニットさんとの出会い始まりは2020年の12月15日のことでした。その日、僕とアートディレクターの藤吉、アカウントの岡田は、山梨県は市川三郷町へ向かうため、身延線の車内にいました。富士山と南アルプスの間の山麓を縫うように走る車内はなんとも穏やかで、束の間の小旅行という感じ。 もちろん遊びに来たわけではありません、新規で問い合わせをくれた寺田ニットさんの元へと向かっていたんです。 寺田ニットさんの最寄り駅「市川大門」は竜宮城のような駅舎でかわいかった。寺田ニットさんは国内有数のニットメーカーさんです。一本の糸から無縫製でニットを編む『ホールガーメント製法』で有名な、ものすごい技術をもった会社さんです。 そんな寺田ニットさんから『自社の製品を売るためのECサイトを作りたいから協力してくれないか?』と問い合わせがあったんです。 それなら実際に作っている現場や働いている方の姿を体感しにいかなくては!と思い立ち、僕たちは電車に飛び乗ったわけです。 たくさんの織機が、こつこつニットを編んでいました。とっても綺麗な工場!なぜECサイトを?想いを受け取るいろいろなお話をお聞きしました。社長の幼少期のお話から、なぜニットメーカーを創業したのかのお話、そして現在。 肌に優しい暖かいニットを、自社販売することで、なるべくコストを抑えながら、お客さんの手元に届けたいという思い。そしてできれば愛着をもって、永く愛用してもらいたい、それが地球の環境にも、未来のためにもなるのだということ。そのために素材選び、製法、すべてにこだわり抜いて、良いニットをなるべく適正価格で生活者に届けるぞという強い決意。ものづくりに対する誠実な姿勢や、思いのこもったお話をお聞きして、(こんなふうになりたい)と憧れをもってしまいました。 ※この辺りの詳しいお話は、寺田ニットさへんのインタビュー記事(第3回)でまとめています。 ニットを編むために糸を巻く機械。カタカタとリズミカルな音がします。(サイトを作るだけで良いのかな?)僕は悩みました。お話を聞けば聞くほど、ECサイトをつくるだけでいいのだろうか?という考えが強くなっていったのです。 (商品を販売できる箱を作るだけでいいのかな?) (作って終わりになってしまわないか?) (それが彼らのためになるのかな?) (もっと僕たちになにかできないかな?) そんなことをうんうん悩みながら、僕たちは甲府駅前でほうとうを啜っていました。ほうとうを食べ終わったころには、みんなで決めていたと思います。 「よし!ECサイトはもちろんのこと、彼らの熱意を純度100%で届けられるようなニットブランドのコンセプトからロゴ、ビジュアル、商品のデザイン方向性まで、ぜーんぶ提案してみよう!」 って。僕たちができる最大限のことを提案することを決めたんです。 必要なものはなにか?DNAの定義 まずはお聞きしたお話を整理するところから始めました。このプロジェクトがなぜ立ち上がったかの因果関係や背景にあるストーリーを理解するためもありますが、まず整理を行うことで、一つ一つの情報をしっかりと咀嚼し、僕自身の血肉にするためです。そのためにはひとつひとつお聞きした話をいろんな角度から見直したり、関連づけてみたりすることがとても大切になっていきます。 そうした過程を経ることで、プロジェクト自体のDNA【そのプロジェクトが持つ個性(そうたらしめる要因)】を抽象的に定義することができるんです。また、これはのちにデザインやコンテンツなどの制作物を考えていく上でも活用できる軸になってくれます。なので、なるべく自分一人ではなくチームメンバーを巻き込みながらやることにしています。 まずはしっかり読み込み、理解し、当事者と同化する。そのあとに第三者の立場に立ち戻って考える。まずは立場のリミッターを外して、いろんな情報を摂取することがとても重要だと考えます。 そうすると自ずとクライアント、クリエイティブ、立場の垣根を超えてひとつのチームとしてものづくりに臨める下準備ができあがっていることが多い。その雰囲気はアウトプットにも反映されると僕は思います。 想いの言語化 また、今回のプロジェクトには『伝えるべき想いがある』とも感じました。僕自身が寺田ニットさんたちと実際にお会いして、お話を聞くことで感じた『想い』です。それをなるべく純度高く、それでいて端的に表現できる、ストーリー(背景を整理した文章)やコンセプト(想いを言語化したもの)も定義してみました。 『こんな背景があったよね』の整理や振り返りにも使えるかなって。コンセプトの『つねにやさしく』は、実際に採用されました。コンセプトとして「つねにやさしく」という言葉を定義しました。 寺田ニットさんからお聞きした話はこの言葉に集約できるのではないかと考えたんです。つくるとき、売るとき、袖を通すとき、そしてこの先の未来のとき、『つねにやさしく』ありたいと思っている。それが根幹にある考えなのではないかと考えました。 ネーミング(主語の確立) このコンセプトテキストを作ったときに、主語が必要だということに気づきました。このECサイトで販売されるニットたちを包括して言い表すブランド名のようなもの。そこについても考えてみました。先ほどまとめていたDNAやストーリーやコンセプトを見返しながら、適切な言葉をいくつか定義していきました。『cucumu』はその中の一つでした。 「くくむ」とよみます。『包む』の古語。ニットとして着る人や環境を優しく包み込むような存在でありたいという想いからつけました。 また「羽(は)で含(くく)む」親鳥が小鳥を大事に「羽で包む」という意味から生まれた「育む(はぐくむ)」という意味合いも込めました。未来につなげていくものづくりを体現する、やさしい印象を持たせたかったんです。 また『c』と『u』と『m』が続く形状が何かニットの網目のようだなと思ったんです。だからこの言葉を提案させてもらいました。 それらを引っ提げて、初回提案へと向かいました。当時の日記を見返すと「いいものができたけれど受け入れてもらえるかとっても心配」と書いていました。そりゃそうですよね、完全なるおせっかいですから。 「こういうことが言いたかったんだ」正直初回提案時は緊張しました!ECサイトについての提案をうけると思って集まってくれた寺田ニットのみなさんに、ブランドとしての思想の言語化からネーミング、ブランドコンセプトの提案をするんですから。 たとえお題がある程度決まったお願いであっても、本当に必要だと感じられるものから提案すべきだと考えています。そうじゃないと、仕事として『誠実さ』に欠けるような気がするんです!だから勇気を振り絞って提案に臨みました。 すべて提案し終わったあと、寺田社長から「自分はずっとこういうことを言いたかったんだ。本当にありがとう」という言葉をいただきました。とてもうれしかった。(そしてほっとしました) そのとき自分自身がほんとうに必要だと感じたものを提案してよかったと思いました。この仕事にはさまざまな制約がつきものです。でもその制約の中で、縮こまりすぎずに、プロジェクトの出発点の設定や提案する深さを再考することでよりよいものづくりができるかもしれない。そんなことを感じられたとても印象的な出来事でした。 といってもこれは本当に始まりの始まり! ここからAD藤吉にバトンを渡し、ブランドのビジュアルデザインはもとより商品のデザイン方向性についても提案していくことになります。次回は藤吉からそのあたりを説明してもらおうと思います。 ▼ 続きはこちら ▼ cucumu ECサイト cucumuつくるときも、売るときも、あなたが袖をとおすときも。cucumuはつねにやさしくありたい。cucumuは、山梨県市川三郷町cucumu.official.ec ▼ cucumu note cucumuに興味をお持ちいただけた方は、ぜひ公式noteも覗いてください! cucumu|note-Always kind-note.com ▼ 採用情報 シフトブレインでは、新しい仲間を募集しています。全社フルリモートのため、全国からのご応募をいただけます。 募集の詳細は、Wantedlyにてご覧ください! SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの会社情報 - WantedlySHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの魅力を伝えるコンテンツと、住所や代表・従業員などの会社情報です。プロジwww.wantedly.com ▼ SHIFTBRAIN GOODS STORE SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですsb-goodsstore.com

いつまでも愛される『ニュートラル』を|cucumuのニットができるまで 2/4
こんにちは、シフトブレイン広報の坂です。 プランナー浦川さんの記事から、バトンを受け取り“cucumuのニットができるまで”第2回をお送りします。 本企画は、シフトブレインとクライアントの寺田ニットさんとで立ち上げたオリジナルのニットブランド『cucumu』を掘り下げる全4回のシリーズ記事です。今回はアートディレクター藤吉さんへのインタビューを通じて『cucumu』のデザイン全般について深掘りしていきます。 cucumuつくるときも、売るときも、あなたが袖をとおすときも。cucumuはつねにやさしくありたい。cucumuは、山梨県市川三郷町cucumu.official.ec もし「前回の記事、まだ読んでいないよ!」という方がいましたら、プロジェクトを立ち上げるに至った経緯をプランナーの浦川さんが紹介していますので、ぜひ1回目からご覧ください! コンセプトを体現したロゴまずは、ブランドの主語となる『cucumu』のブランドロゴのお話から。 ブランドネーム『cucumu』が採用された理由のひとつに、『c』『u』『m』がニットの網目に似ていることがあげられます。ブランドコンセプト『つねにやさしく』にあるとおり、ビジュアル面でも引っかかりがないよう『u』の棒の部分をはずされたそうです。ロゴも編み地っぽさを感じられるように表現されているんですね。 3つの『u』にも思いが込められています藤吉: 『cucumu』の語感のころころっとした感じが『つねにやさしく』と共通しているので、ロゴ自体の佇まいもやさしくあるように意識しました。 その上で、可愛さとカチッとした雰囲気のバランスを調整しています。 ブランドを構成する3つの柱藤吉さんは『cucumu』を提案するにあたり、ブランドの構成要素として商品に「かたち」「色」「サイズ」の3つを設定したそうです。 1 - かたち 寺田ニットさんは高い技術力を持っているので、凝ったアイテムを作るのが得意です。ですが、藤吉さんはあえてその技術力をシンプルに落とし込み、長く愛されるスタンダードなアイテムを販売していく提案をしました。 藤吉: かたちに加えて『cucumu』は環境にやさしい天然素材を使うことにもこだわっています。いい素材を使い、時代の変化にも耐えうるニュートラルさや芯の太さを持たせたシンプルなかたちを目指しました。 2 - 色 『cucumu』の商品は、定番色を作り全体の色味を揃えています。色の選定は、寺田ニットさんに送っていただいた糸見本から行いました。商品だけではなくキービジュアルに使用する色数も絞り、ブランドの世界観を作り上げていきました。 初期の提案資料藤吉: ECサイトなどで見た時に、色合いだけで「cucumuだ!」とわかってもらえるようにしたかったんです。最初に定番色をいくつか決めて、その色数でずっとやっていきたいと思っています。シーズンによって、1〜2色追加していくという考え方です。また、色数を絞ることで糸が余ることも防げます。 3 - サイズ 3つ目は、商品のサイズ展開。100サイズ(3歳くらい)から大人サイズを設定し、男女問わず幅広い層に着てもらえるブランドとしました。 藤吉: 子供から大人、おじいちゃんやおばあちゃんまでお揃いにできるようサイズを決めました。もちろん各サイズ全く同じではないのですが、寺田ニットさんの技術力で同じデザインに見えるように調整しています。 『cucumu』はユニセックスサイズ展開なので、Mサイズは普通のメンズのMサイズよりは小さめだったりします。なので、男性が購入される場合はいつもより少し大きめのサイズで購入するのがおすすめです。 『つねにやさしく』に立ち返る『cucumu』を作り上げていく上で大切にしているのがコンセプトである『つねにやさしく』です。 特に商品開発は寺田ニットさんとの共同開発のため、業界は違えど判断軸が言語化されていることはやりとりを行う上で大きな指標となります。 素材選びや商品開発以外にも、梱包資材、語り口などブランドを構成するもの全てにおいて「これは優しいかな?」と、常にコンセプトに立ち返って考えていきました。環境にも優しく作り手も受け手も優しい気持ちになれる商品をつくることが『cucumu』を構成していく上での拠り所であり、判断軸となっています。 ※コンセプトについて詳しくは、1回目の記事でもご紹介しています! シフトブレインは商品開発においてもアドバイザーとして関わらせていただいています。とはいえ、ニット商品の開発は専門領域外。寺田ニットさんに編み方の種類や素材などを教えてもらい、学びながらのスタートでした。 藤吉さんと浦川さんは出来上がったサンプルの着心地を確かめながら、寺田ニットさんとの商品開発を進めています。(2人でオンライン試着会もしているそう!) オンライン試着会の様子(着替え中です!)ボタンなどの細かいパーツに関しても見本帳から『cucumu』らしい素材のボタンを検討、選定しています。ここでも『つねにやさしく』が一貫した軸となるそうです。 カーディガンのボタンに関するやりとりを資料化したものブランドの姿勢を、世界観で表現コピーに合わせた『cucumu』の世界観を商品写真以外で伝えるために、『cucumu』のECサイトでは1つのイラストが提示されています。 このイラストは版画作家の花松あゆみさんの作品。もともと藤吉さん自身が版画制作をしていた経緯もあり、ずっと好きな作家さんだったそうです。ですがこのイラスト、実は『cucumu』のために描いてもらったものではありません。 藤吉: 花松さんが2014〜2015年の間に自主制作されていた小作品のシリーズがありまして、その中にニットのあたたかさが感じられるものが沢山あったんです。今のイラストは、その中でもいちばん『cucumu』らしさを感じて「これだ!」と思い採用させていただいたものになります。 このイラストは商品と共にお届けするコンセプトカードにも利用しています。このカード自体も手漉きの羊毛紙で『cucumu』ならではのこだわりが詰まっています。このお話はまた別の記事で詳しくご紹介する予定です。 また、コンセプトカードにはシーズンごとにテーマを表現するポエムもついています。『cucumu』商品のカラー名が少し変わっているのは、このポエムの世界観を引き継いだ名前だからです。これも『cucumu』の世界観をつくる上でのひとつの工夫となっています。 2022-23A/Wのポエム商品のカラー名『ALPS』『MORION』『MAKIBA』など『cucumu』が理想とする未来とは?すべてに対して『つねにやさしく』を考える、寺田社長の想いや決意から生まれた『cucumu』。ブランドを育てていきたいと語る藤吉さんに『cucumu』の今後の展望を聞いてみました! 藤吉: 細かい話ですが、ゆくゆくは梱包材などもブラッシュアップしていきたいと考えています。リサイクル可能なプラスチックバックや再生原料100%のビニール袋など、環境に配慮したものにアップデートしたいです。 もう1つ考えているのが、購入してもらって終わりではなく購入後の商品ケアのフォローをしていくことです。天然素材の商品なので洗うとどのぐらい縮むのか?や適切な洗い方について。現在はリーフレットを同梱し説明を添えていますが、今後はより商品を手にとってくれた人にとってやさしいブランドになっていきたいです。 ニットブランド『cucumu』は通常の案件とは異なり、寺田ニットさんと一緒にブランドを作りあげていくプロジェクトです。藤吉さんにとって、ブランドの立ち上がりから関われる『cucumu』はいつもより“自分事化したプロジェクト”になっているそう。 これからも商品やパッケージ、売り方など、ブランドにまつわるすべてを大切に育てていく未来を描いています。 次回は、一緒に『cucumu』を立ち上げた寺田ニットさんのインタビューをお届けします! ▼ cucumu ECサイト cucumuつくるときも、売るときも、あなたが袖をとおすときも。cucumuはつねにやさしくありたい。cucumuは、山梨県市川三郷町cucumu.official.ec ▼ cucumu note cucumuに興味をお持ちいただけた方は、ぜひ公式noteも覗いてください! cucumu|note-Always kind-note.com ▼ 採用情報 シフトブレインでは、新しい仲間を募集しています。全社フルリモートのため、全国からのご応募をいただけます。 募集の詳細は、Wantedlyにてご覧ください! SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの会社情報 - WantedlySHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの魅力を伝えるコンテンツと、住所や代表・従業員などの会社情報です。プロジwww.wantedly.com ▼ SHIFTBRAIN GOODS STORE SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですsb-goodsstore.com

自然とともにニットをつくる|cucumuのニットができるまで 3/4
こんにちは、シフトブレイン広報の坂です。 前回に続き、“cucumuのニットができるまで” 第3回をお送りします。 本企画は、シフトブレインとクライアントの寺田ニットさんとで立ち上げたオリジナルのニットブランド『cucumu』を掘り下げる全4回のシリーズ記事です。 cucumuつくるときも、売るときも、あなたが袖をとおすときも。cucumuはつねにやさしくありたい。cucumuは、山梨県市川三郷町cucumu.official.ec 今回はクライアントである寺田ニットさんへインタビューを行いました! ▼寺田ニットさん 会社概要 1975年創業、山梨県市川三郷町の富士山の麓に本社がある国内有数のニットメーカーです。 創業時は手動式横編機(略して手横)から始めて、現在はホールガーメント(※1)製法を用いた『シームレスニット』の製造を主力としています。『cucumu』をはじめとするオリジナルブランドの製造販売のほか、OEM/ODM事業も行っています。 株式会社寺田ニット | SEAMLESS KNIT FACTORY –山梨でオリジナルブランドの製造販売やOEM/ODM事業を行う、株式会社寺田ニットのコーポレートサイトです。着心地、環境、未terada-knit.co.jp (※1)ホールガーメント 島精機製作所さんが独自に開発した世界初のホールガーメント横編機によって編成された、無縫製ニットウェアです。一着丸ごと立体的に編み上げる、縫い目のないホールガーメント製品には、カットロス(糸の無駄がない)など今までにない優れたメリットがたくさんあります。 島精機製作所 Webサイト プランナーの浦川さんやアートディレクターの藤吉さんが「一緒にニットブランドを立ち上げたい!」と思うにいたった、寺田ニットさんのニットに対する熱い想いを読者のみなさんにもお届けできればと思います。 お話をうかがった寺田ニットのみなさん——はじめに、みなさんの自己紹介をお願いします。 寺田 光彦さん(以下、寺田社長):私は父親兼代表取締役で、長男(寺田 公仁さん)の誕生とともに創業したのが寺田ニットです。 自動編み機のない頃から手編みで始めて、横編み、成型編み、ホールガーメント(シームレススニット)をやってきました。創業はもうすぐ50年ですが、職歴は60年になります。 寺田 公仁さん(以下、寺田専務):僕は主にニット製品を作るところ、糸から製品を作るまでの技術的な部分を担当しています。『cucumu』では主に編み地を作成し、サンプル制作から製品化までを行っています。 寺田 義久さん(以下、寺田常務):僕の役割はどちらかというと社内外に対しての接着剤のような、営業的な部分を担当しています。資材の発注や生産管理も行いますし、『cucumu』では取り組んでいきたいことも発信をしています。 写真中央: 寺田 光彦さん(社長) 写真右:寺田 公仁さん(専務) 写真左:寺田 義久さん(常務)目指すのは、未来にもやさしいニット——寺田ニットさんは、オリジナルブランド製造のほかにOEM事業も行われていますね。 寺田社長:OEMは長年やってきた事業です。ですが、事業を続けていく中でお客さんが手にする最終的な商品価格が高すぎること、製造方法が自然を汚していること、この2つに疑問を感じていました。長年繊維業界を見てきましたが、創業当初に手横でものを作っていた時代には環境問題はなかったし......そういった違和感がずっと頭の中に残っていました。一方で経営者としては会社の発展のために事業に取り組むことは、止むを得ない部分でもありました。 そんな中、近年ではネット販売ができる時代になり、私たちもお客さんに直接販売できるようになりました。そこで、自分達が納得できる商品を製造・販売するために、オリジナルブランドの事業も始めることにしたんです。 工場には沢山のホールガーメント横編機が並んでいます——商品価格について、具体的にどのような疑問があったのですか? 寺田社長:現在は下代と上代の価格の差が開きすぎていると感じます。昔はもう少し良心的な価格でした。ですが、1度価格をあげたものを下げることは不可能に近い。多くがそのまま今日まできてしまい、日本の同業者は30年前と比べて10分の1になってしまいました。残された企業は互いに仲良くして、新しい時代をどう生きていくかを考えなければいけないと思います。 山の木々が動物に花や木の実を与え、その動物たちが種子を運ぶ循環があるように、これからは利益の追求だけではなく継続していくことが必要です。周りのみなさんを幸せにすることで、新しい幸せが生まれる。それが本当の企業の姿であると考えています。 ——環境問題を深く考えるようになったきっかけを教えてください。 寺田社長:私は趣味で山や海へよく行くんですが、海釣りで昔はアジ・サバ・マグロが釣れていたのに、今では同じ場所で熱帯魚が釣れます。地球は8割が海なので、海を汚すことはしちゃいけないですよね。山も同じで昔はたくさん小鳥がさえずっていたのに、今はカラスがうるさく鳴いています。これも人間が山を粗末に扱った結果ですね。 寺田ニットさんは自然に囲まれた土地にあります寺田社長:今いちばんに考えているのは製造の過程でこれ以上海を汚さないことです。とにかくマイクロプラスチック(※2)は出さないようにしたい。繊維産業には海を汚す仕事が沢山あります。染色の過程で発生する汚水を流していますが、魚はその水で育ちますよね。人間はその魚を食べるので、結果的に被害を受けることになっています。このままでは地球がだめになってしまう。今後は環境負荷が少ない草木染めなども考えていきたいと思っています。 (※2)マイクロプラスチック 非常に細かいプラスチックのことで、マイクロプラスチックによる海洋汚染は深刻な環境問題になっています。マイクロプラスチックは、ペットボトルやビニール袋のプラスチック製品から排出されるほかに、合成繊維(ポリエステル、ナイロン、アクリルなど)を洗濯することでも排出されてしまいます。また、環境だけではなく人体への影響も懸念されています。 寺田社長:そのほかにも、今の古い機械をCO2を出さない機械に入れ替えたり、石油系の糸は使わないなども考えることができます。天然素材を扱うにあたっても、動物に危害を加えないようにすることも大切ですね。バリカンで刈るくらいの素材で製造したいです。どれをとっても変えていくことは大変なので、もう5年はかかっています。でも絶対にやらなければ地球が壊れてしまうので、「やればできる!」という探求心で取り組んでいます。 将来的にはうちの商品を買ってくれるお客さんに、洗濯のアフターフォローができればと考えています。我々であればどんな洗剤を使えばいいかや洗い方についてもよく知っていますし、プロが洗えば綺麗になりますしね。今までのように服を大量消費するのではなく、いいもの1枚を大切にながく着てほしい。そんな洗濯サービスもこれからの地球を守るために必要だと思っています。 ものづくりで繋がる仲間として——今回シフトブレインにご依頼いただいた経緯を教えていただけますか? 寺田専務:当初は以前からやっていたファクトリーブランドのECサイトリニューアルやテコ入れをお願いできる会社を探していました。僕たちは作ることに関してはプロですが、製品販売やイメージ戦略に関しては全くわからなかったためです。何社か話にあがっていた中の1社がシフトブレインさんで。正直、本当にどこにお願いすればいいかわからなかったので、1度お会いして話をしてみたいと思ったのがきっかけでした。 寺田常務:お話ししていく中で、我々の「消費者に直接いいものを、適正な価格で届けたい」という想いに一番共感してくれたのがシフトブレインさんでした。今では商売だけじゃない、一過性にならないものづくりに一緒に取り組んでくれている仲間のように感じています。 ——初回提案では本来はECサイトの提案をするはずだったところ、シフトブレインが『cucumu』を立ち上げる提案をしたという経緯もありましたね。 寺田常務:でも、そういう関係性が大切ですよね。普通は「寺田ニットさんで決めてください」となりそうなところをすごく掘り下げて考えてくれて、想いをかたちにしてくれました。シフトブレインさんはそういった商売っ気の無い部分があって、信頼できると思いました。 寺田社長:お客さんに幸せになってもらうことが1番大事なことだと思います。不安もありますが、自分たちが信じたところと一緒に取り組みながら幸せな方向に歩んでいけたらと考えています。 ※シフトブレインと寺田ニットさんの出会いから初回提案までは、連載1回目で詳しく書かれています。 『cucumu』を通じて“未来のだれか”を想う——最後に『cucumu』にかける想いをお聞かせください。 寺田常務:オリジナルブランドの立ち上げは、ここまで社長が話してきた思想を形にしたものです。商品を売ってはいるんですけど、一緒に想いも伝えていきたいと思っています。そういった目的があって、その手段が『cucumu』であり、『KURUMIFACTORY(※3)』なんです。うちも本当に商売っ気がないと思うんですけど......その芯はぶらしたくなくて。だから、『cucumu』の商品も素材からこだわって自分たちが本当に納得できるものしか出しません。それが今までのやり方とは違うところです。 本来の資本主義的な考えからすると、お金のかかったものに関しては利益を上げて、会社として存続していくことが必要ですが......それが結果的に行き過ぎた資本主義になってしまい、自然も失われつつあります。 (※3)KURUMIFACTORY 寺田ニットさんが展開するもうひとつのファクトリーブランド。素材にこだわった日本製の上質な肌着を中心に、安心感を目指したニット製品を販売しています。 寺田常務:温暖化が進んで海の生態系がおかしくなってしまい、結果自分たちが住みにくくなって、子どもや孫の世代にはどうなってしまうんだと考えてしまいますよね。そこでまさに今、原点に立ち戻り、本当に資本主義が大事なのかを問いかけたいです。 『cucumu』の文字にある3つの『U(=You)』は、『作り手(You)』『消費者(You)』『未来のだれか(You)』これらの繋がりを意味しています。これからも『cucumu』を通じて、私たちの想いをみなさんに伝えていきたいと思っています。 ——寺田ニットのみなさん、ありがとうございました! ▼ 寺田ニットさん note 寺田ニット|note今日もこつこつ 富士の麓で 編んでいます。note.com 寺田ニットさんは、2023年1月に発表された経済産業省「次代を担う繊維産業企業100選」の新規性のある事業・サービスの展開(DtoC、産地企業による独自ブランド、異業種連携 等)の分野に選出されました。 シフトブレインも『cucumu』の取り組みを通じて、寺田ニットさんとともに繊維業界に貢献していきたいと考えています。 3回にわたってお送りしてきた連載企画“cucumuのニットができるまで” は、次回で最終回を迎えます。 最後は2回目の記事で触れたこだわりのコンセプトカードに使っている羊毛紙について、詳しくお届けします。お楽しみに! ▼ cucumu ECサイト cucumuつくるときも、売るときも、あなたが袖をとおすときも。cucumuはつねにやさしくありたい。cucumuは、山梨県市川三郷町cucumu.official.ec ▼ cucumu note cucumuに興味をお持ちいただけた方は、ぜひ公式noteも覗いてください! cucumu|note-Always kind-note.com ▼ 採用情報 シフトブレインでは、新しい仲間を募集しています。全社フルリモートのため、全国からのご応募をいただけます。 募集の詳細は、Wantedlyにてご覧ください! SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの会社情報 - WantedlySHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの魅力を伝えるコンテンツと、住所や代表・従業員などの会社情報です。プロジwww.wantedly.com ▼ SHIFTBRAIN GOODS STORE SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですsb-goodsstore.com

余った糸から生まれる羊毛紙|cucumuのニットができるまで 4/4
こんにちは、シフトブレイン広報の坂です。 “cucumuのニットができるまで”は、シフトブレインとクライアントの寺田ニットさんとで立ち上げたオリジナルのニットブランド『cucumu』を掘り下げる全4回のシリーズ記事です。 cucumu powered by BASEつくるときも、売るときも、あなたが袖をとおすときも。cucumuはつねにやさしくありたい。cucumuは、山梨県市川三郷町cucumu.official.ec 今回は第2回で触れたコンセプトカードについて、深掘りしていきます。 もし、本記事で初めて“cucumuのニットができるまで”をご覧になっている場合は、連載1回目から読んでいただくのがおすすめです! 山梨県市川三郷町に行ってきました!商品と共にcucumuの世界観をお届けするコンセプトカード。このカードには手漉きの羊毛紙が使われています。羊毛紙は原料に羊毛が使われているため、独特の風合いと手触りにも特徴がある紙です。羊毛紙をご存じない方は和紙をイメージしていただけると、雰囲気が近く想像がしやすいかもしれません。 羊毛紙でできたカードは柔らかく、ふわっとした手触りですcucumuで使用している羊毛紙は、寺田ニットさんの本社がある山梨県市川三郷町の工房で作られました。 『市川三郷町』は2005年に3つの町が合併して誕生しましたが、寺田ニットさんや夢工房さんがある地域は合併前までは『市川大門町』と呼ばれていました。『市川大門町』は、和紙と花火の町として発展した町だったそうです。 旧町名は最寄り駅の『市川大門』に今も残されていますそのなかでも『市川手漉き和紙』は千年の歴史を持ちますが、現在では機械化が進み紙漉き職人も大幅に減少しました。後継者の育成と紙漉きができる場所を確保するため、製紙試験場の倉庫をリニューアルした施設、夢工房さんがつくられたそうです。 今回はcucumuチームで夢工房さんにお邪魔して、後継者のひとりである渡邉さんに羊毛紙の手漉きを実演していただきました!見学した内容をまとめましたので、みなさんにもお伝えできればと思います。 手漉きを実演していただいた渡邉さん(夢工房) 地元出身で、市川手漉き和紙の後継者として工房を管理されています手漉きの羊毛紙ができるまでcucumuの羊毛紙は、羊毛とパルプから出来ています。羊毛は寺田ニットさんで余ったり中途半端に残ってしまった廃棄される予定の糸(残糸)も利用しています。 まずは、この2つの原料を5:5で水に投入。羊毛、パルプ、水を混ぜる作業からはじまります。 羊毛は5色使用しています混ぜるのは漉き舟(すきふね)と呼ばれる箱の中。漉き舟にはクシのような形状の器具がついていて、それを前後に動かすことで原料と水を混ぜることができます。 ベーシックな原料であるパルプはすぐに水となじみますが、羊毛は油分が多いのでとっても混ざりにくい!混ざるまでにかなりの時間と労力が必要でしたが、この混ざり具合が羊毛紙の出来を大きく左右します。大変な力仕事ですが1番大切な工程なので、羊毛が均一になじむまで何度も何度もかき混ぜていきます。 何度も混ぜて、ようやく羊毛も均一に混ざりました原料が混ざったら粘剤(※)を追加し、手漉きがはじまります。手漉きには簀桁(すけた)と呼ばれるカードサイズに仕切られた道具を使用。複数回にわたって原料液を流し込み、漉いていきます。職人渡邉さんによる繊細な手仕事が続きます。 (※)粘剤(ネリ) 繊維やパルプを均等に拡散し、沈澱を防ぐためのもの。粘剤を利用することで紙を均一に漉くことができます。紙漉きには粘剤の代わりに、トロロアオイという植物の根を原料にしたネリを使用することもあるそうです。 手漉きが完了すると簀桁から羊毛紙(になるもの)を外します。掃除機を利用した吸引式アイロン台のような器具や布を使って、水気がなくなるまで水分を飛ばします。ここまでくれば、あとは乾燥させるだけ。乾燥機(熱した鉄板)に貼り付けて、20分ほどで完成です! 60〜70度程度の熱さがある鉄板に貼り付けて乾燥させます。 昔は天日干しで乾かしていたので、時間がかかる工程だったそうですカードにも自然に優しい素材を完成した羊毛紙はこちら! 出来立ての羊毛紙はあたたかく柔らさもありながらパリッとしていて、まるで焼きたてのパンのような手触りでした。(なんだかいい匂いがする気もしました!) ふわふわした独特の紙質は、写真からでも伝わるのではないでしょうか。混ぜるときに手強かった羊毛については、色つきのものが目視でわずかに「これかな?」とわかる程度になじんでいて、気にならなくなっていました。 渡邉さんはcucumuチームが納得する羊毛紙が完成するまでに、何度も試行錯誤を重ねて沢山の試作品を作ってくださったそうです。最初の羊毛のちぎり具合や、残す羊毛の大きさなど……羊毛紙としての“ちょうどよさ”を追求していただいた結果、cucumuらしいコンセプトカードが出来上がりました。 印刷は町の印刷屋さんにお願いしています実際に羊毛紙の手漉きを見学したcucumuチームは、原料に対して興味津々! 羊毛の割合は増やせるか? パルプをミツマタやコウゾ(どちらも古くから使用されてきた和紙の原料)に変えると紙色に変化はあるか? 粘剤にトロロアオイを使用できるか? などなど。今後、羊毛紙の原料もより自然に優しい素材に変えていければいいねと盛り上がりました。 渡邉さん&cucumuチームで、工房の前で記念撮影。 ありがとうございました!おわりにこれまで全4回にわたってご紹介してきた連載企画“cucumuのニットができるまで”、楽しんでいただけましたか?記事を通して寺田ニットさんとシフトブレイン、それぞれの想いが伝わっていたら嬉しいです。 cucumuはこれからも全方向に対して『つねにやさしく』を考えながら、大切にブランドを育てていきます。近日2023SSの商品も追加予定なので、そちらもお楽しみに! ▼ cucumu ECサイト cucumu powered by BASEつくるときも、売るときも、あなたが袖をとおすときも。cucumuはつねにやさしくありたい。cucumuは、山梨県市川三郷町cucumu.official.ec ▼ cucumu note cucumuに興味をお持ちいただけた方は、ぜひ公式noteも覗いてください! cucumu|note-Always kind-note.com ▼ 【連載企画 】cucumuのニットができるまで cucumu|SHIFTBRAIN|notecucumuのニットができるまでnote.com ▼ 採用情報 シフトブレインでは、新しい仲間を募集しています。全社フルリモートのため、全国からのご応募をいただけます。募集の詳細は、Wantedlyにてご覧ください! SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの会社情報 - WantedlySHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの魅力を伝えるコンテンツと、住所や代表・従業員などの会社情報です。「みんwww.wantedly.com ▼ SHIFTBRAIN GOODS STORE SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですsb-goodsstore.com Photographer: FUJIYOSHI Masashi
Case Study
SHIFTBRAIN WorksのCase Studyです。

激化するコンサル業界の採用。競合との差別化を叶える採用サイトができるまで【Insight Magazine】
こんにちは、シフトブレイン “Insight Magazine”です。 “Insight Magazine”とは、成果物のビジュアルや写真、動画だけでは伝えきれないプロジェクトの内側に焦点を当て、掘り下げていくマガジンです。実際にクライアントやパートナーを招き、シフトブレインのメンバーとプロジェクトの紆余曲折やその後の効果・影響についてお話しいただきます。 今回は、行政機関や民間企業のコンサルティングを手がける株式会社NTTデータ経営研究所(以下敬称略:経営研)とともにプロジェクトを振り返ります。 株式会社NTTデータ経営研究所 戦略コンサルティングとシンクタンクの2つの機能を有し、社会課題解決から企業変革まで全方位をカバー。行政機関と民間企業を両輪で支援し、オーダーメイドのコンサルティングサービスでクライアントの期待に応えています。 プロジェクト概要人材の流動性が激しいコンサルティング業界において、優秀な人材を確保し、定着を促すための採用サイトを制作。まずは同社を、不確実な社会を生き抜くために欠かせない「本物のコンサルタント」になれる場所であると定義し、サイト全体の情報設計とコピーワークの指針にしました。また、今回のリニューアルを機に策定されたビジョン“Lighting the way to a brighter society”に込めた想いを、光を意識したグラフィックやフォトディレクション、アニメーションによって表現しました。 株式会社NTTデータ経営研究所 Recruiting Site本プロジェクトを推進した代表取締役常務の浦野大さんは、サイトリニューアルによって「クリエイターの専門性を強く感じた。採用への効果だけでなく、社内にもいい影響が出ています」と語ります。クリエイティブが生まれていく裏側や成果物に込められた想い、リリース後の効果などを伺いました。 1、人材難が激化するなか、魅力的な情報発信ができる採用サイトがほしい――今回のプロジェクトは、どのような課題意識からはじまったものですか? ご依頼までの経緯をお聞かせください。 浦野 大さん(以下、浦野さん):コンサルティング業界は昔から、人材の流動性が高く、採用がとても厳しい業界です。そんななか、これまでの当社の採用サイトでは魅力的な情報をタイムリーに発信できているとは言えず、よい人材がなかなか確保できずにいました。事業規模は5年間で2倍近くまで大きくなっていたため、スキルやカルチャーの合う優秀な人材を採用することは、喫緊の課題だったのです。 そこで、手始めにコーポレートサイトを見直すことを決め、株式会社フォーデジットに依頼。無事にローンチを終え、次は採用サイトに着手しようとなったとき、フォーデジットさんから紹介いただいたのがシフトブレインさんでした。 Client: 浦野 大さん (株式会社NTTデータ経営研究所 代表取締役常務)――紹介を受けたのち、シフトブレインに依頼した決め手は何だったのでしょうか。 浦野:シフトブレインさんのさまざまな実績を見て「この会社なら、デザインの力で課題を解決してくれる」と感じたからです。私自身多くのシステムインテグレーション案件に取り組んできましたが、開発側の発想が優先すると、機能ばかりを重視したシステムが出来上がることは少なくありません。しかし、社会的にデザイン思考などが浸透していくなかで、ユーザーにとって見やすく使いやすいことの重要性が見直されてきました。シフトブレインの過去のクリエイティブは、見かけのデザインだけでなく、そうしたユーザー起点の発想や届けることへの意識が強いものだと思えました。 西山ジョン(以下、ジョン):ありがとうございます。そうした紹介でのご発注だったため、本格的にプロジェクトを動かしていく前に、まず我々もフォーデジットのインプット量に追いつく必要があると思いました。コーポレートサイトのリニューアルがどのように進められたのか、フォーデジットに経緯やアウトプットの意図をヒアリングしたり、業界を知るべくコンサルの入門書を読んだり……。コンサルティング業界は、ぱっと見とても難しそうに見えるため、その概要を把握するためにさまざまなインプットをしていきました。 西山ジョン (株式会社シフトブレイン CSO / Copywriter)2、サイト全体の指針となったキーコピーは、どのように生まれたか?――経営研の採用には、具体的にどのような課題があり、Webサイトにはどのような効果を求めていましたか。 浦野:先ほどジョンさんもおっしゃったように、当社は事業内容を説明するのがまず難しいんです。公共社会基盤領域に強いコンサルティング会社で、たとえばサーキュラーエコノミーのプロジェクトを手がけている……などと聞いても、何に対して価値を提供し、誰から報酬をいただいているのかがわかりづらいですよね。でも、採用サイトでは、そうした仕事の内容や面白さ、必要なスキルのイメージを具体的に見せなくてはいけません。 また、コンサルティング会社には明確なプロダクトがないぶん、どんな人がどう働いているかがすべてです。採用サイトではできるだけコンサルタント自身を前に出し、ここで働く魅力が伝わるようにしたいと考えていました。 ――そうした課題と求められる効果に対して、シフトブレインはどのようなアプローチを考えていきましたか。 道合 幸希(以下、道合):デザインにおいては、すでにコーポレートサイトでレールが敷かれている状態だったため、あえて新しい切り口は設定せず、そのトンマナを踏襲するかたちで進めていきました。 そのなかで全体のターニングポイントになったのは、ジョンさんがつくったKVコピーです。採用サイトで打ち出すメッセージはどこも似ていて、競合との差別化に苦労する印象がありましたが、メインコピー「本物の、コンサルタント。」が決まったとき、ほかとは違うサイトの軸ができたと感じました。 道合 幸希 (株式会社シフトブレイン アートディレクター / デザイナー)――ブレイクスルーとなったメインコピー「本物の、コンサルタント。」は、どのように生まれたのでしょうか? ジョン:ヒアリングのなかで、浦野さんが「経営研は省庁・自治体や企業にも、戦略から実行までオーダーメイドのコンサルティングを届けている。なんでもやっているからこそ、これをやっているという言い方ができない」とおっしゃっていたんです。浦野さんはやや自虐的なニュアンスをにじませていましたが、僕から見れば、それこそが経営研の強みだと感じました。不確実で複雑になっている現代社会において、経営研のような幅広さや自由さこそが、コンサル会社としての正解のかたちなのではないかと思ったんです。 競合では扱えるソリューションが決まっていたり、テーマの一部分しか任せてもらえなかったりすることが多いとも聞くなかで、興味のある領域にどんどん飛び込んで複合的なスキルを身に着けられるこの環境は、まさに一流になれる舞台。“なんでもやっていること”の良さをそうポジティブに伝えられたら、他社との差別化においても活路があると感じました。そんな思考回路から言語化していったのが「本物の、コンサルタント。」というコピーです。 この一案でプレゼンに臨んだため、採用になったときにはほっとしましたね(笑)。サイトの中身も「なぜ経営研のコンサルタントが本物なのか」を紐解く内容で考えていたため、これで筋の通ったコミュニケーションができる、と確信が持てた瞬間でした。 浦野:もしもコーポレートサイトだったら、ここまで尖ったコピーにはOKが出せなかったかもしれません。でも、確かに当社は、型にハマらず幅広い領域にチャレンジして、本物のスキルを磨いていける環境です。とてもエッジが効いていて、私たちが求めている応募者に刺さるコピーだと思いました。 3、ビジョンに基づく“らしさ”を、一貫したビジュアルでも表現――採用サイトを制作していくかたわらで、ビジョンの策定も並行していたと聞いています。 浦野:もともとミッションは策定されていたのですが、多彩な経歴を持つコンサルタントたちが、一つの方向にまとまるためのビジョンが抜け落ちていたんです。採用を進めていくうえで、全社員が同じ方向を向くための言葉が必要だと感じ、改めて制作することを決定しました。こちらで用意したコピーにシフトブレインからも意見をもらいつつ「Lighting the way to a brighter society(よりよい社会への道筋を照らす)」というビジョンにたどり着きました。 道合:デザインにおいてどう“経営研らしさ”を出していくか悩んでいたとき、このビジョンが大きなヒントになりました。型にハマらず働ける自由さや風通しの良さを、デザインでも打ち出したい。そこで「Lighting」や「brighter」といったキーワードを起点とし、グラフィックやアニメーション、フォトディレクションまで、すべてに光を意識したデザインを取り入れました。コンサルティング業界らしい堅実なトーンはありつつ、軽やかで明るい独自の印象をつくれたと思います。 ――「光を意識したデザイン」は、どのようにつくっていったのでしょうか。 道合:たとえば、全体のデザインを「光の道筋」を意識したレイアウトにしたり、アニメーションで光がふわっと画面を覆う、レンズフレアのような動きを取り入れたりしています。 道合:インタビューコンテンツの撮影でも、ふんわりとした光を取り入れるため、一つひとつのシーンでしっかりと絵作りをしていきました。自然光だけだと難しい場合はカメラマンと相談し、ライティングセットを組んで逆光を演出したりすることも。4日間と長めの撮影でしたが、撮られ慣れている方々が多く、いい雰囲気で進められました。 浦野:写真の色合いや光はさすがでしたね。私自身はデザインの素人なのでご提案いただいたものから選ぶスタイルでしたが、意図を聞くたびにしっかり説明してくださり、そこまで思考の下地があるのならと安心できました。最近は、生成AIが普及してきた結果、整った資料を作成した人に「どうしてこうなったのか」を聞くと、AIでつくっているため思考過程を論理的に答えられないというケースが散見されます。そんななか、しっかりと意図が言語化されていることで、こちらも具体的なフィードバックがしやすく、微調整のやりとりもスムーズでした。 ジョン:インタビューコンテンツは、取材を入れずにつくったのも経営研ならではの試みだったなと思います。普段からレポート作成に慣れているコンサルタントだけあって、「こういうテーマでお願いします」と伝えたら、出演者ご自身が書いてくださったんです。それぞれに人間味が出る原稿だったので、細かい文章の内容まではあえて統一せず、らしく書いていただきました。その方が所属しているチームのユニット長から、紹介コメントを寄せてもらったのもポイントです。客観的な視線が加わることで、その方の人となりがさらに浮かび上がりました。現場には少なくないご負担をかけてしまいましたが……(笑)、やってよかったです。 ――浦野さんから見て、プロジェクト全体を振り返ったときにブレイクスルーだと感じる場面はありましたか? 浦野:じつは初回の打ち合わせから、進め方がすごいと感じていました。アジェンダとタイムラインが徹底的に管理されていて、PMのモデレートに沿ってテキパキと話が進み、どんどん物事が決まっていく。発注者である私たちの仕事は「決めること」でしたが、その仕事にしっかり集中できました。あの進行は見習うべきだと、あとで社内のコンサルタントたちに伝えましたね。 プランナーやデザイナー、PMといったさまざまなプロフェッショナルが集まり、フラットに連携しながらプロジェクトを進めていく雰囲気もとてもよかったです。 ジョン:決裁者である浦野さんがつねに同席していただけたのは、僕たちにとっても心強かったですね。答えがいつも的確かつ素早いおかげで、スムーズに進行できました。もし、プレゼンする対象が現場の担当者さまだけで、あとから浦野さんに決済を取りに行くような形だったら、ちょっと難しい場面があったかもしれません。 道合:判断の速さは、広報担当の米倉さんにも感じました。撮影現場で香盤が前後したり、体調不良で欠席の方がいらっしゃったりしたときにも、すぐに代わりの素敵な方をアサインしてくださったんです。滞りなく撮影できて、とてもありがたかったですね。 4、採用は好調。Webサイトの存在が、社内へのいい刺激にもなった――採用サイトの公開後、どのような変化がありましたか? 浦野:まず、新卒・経験者両方の採用面接で採用サイトの感想を話してくれたり、掲載されているコンサルタントと一緒に働けるのがうれしいと言ってくれたりする方が出てくるようになりました。以前の採用サイトに比べると、PVも大幅に上がっています。昨年度の採用者数は百数十名で、人数もあきらかに増えましたね。社内的にも「このWebサイトに掲載されることがコンサルタントとして名誉である」という空気が生まれ、仕事へのいい刺激になっていると感じます。 また、せっかくとてもいいサイトができたのだからと、採用活動や研修で使っているPowerPointのスライドマスターも一新しました。もともと私たちを含め一部のメンバーにはデザインへの関心がありましたが、そうした「見え方」に対する意識が全体で変わってきたのも、サイトリニューアルの影響かもしれません。資料作成やプレゼンなどのときに「よりわかりやすく伝えよう」「もっと見栄えをよくしよう」という姿勢が生まれてきているように思います。 ――さらに効果を出していくために、これからどんなアクションを予定していますか? 浦野:変化の速い業界なので、インタビューコンテンツは定期的なアップデートが必要です。新しいテーマの組織の立ち上げによって事業も拡大を続けているため、経営研でできる仕事の内容も、どんどん増えています。そうした最新情報をしっかりアピールして、魅力を伝え続けていきたいですね。 道合:インタビューコンテンツは社内で更新されると伺っていたので、最初から運用時の細かい部分をすりあわせながら制作していました。たとえば、撮影には広報の方に帯同してもらったうえ、光の位置やカメラの設定を細かくマニュアル化して後日お渡ししたんです。実際に、新しいコンサルタントの写真は同じトンマナで追加されていましたね。公開から数年経ついまも、うまく運用いただけていてうれしいです。 浦野:「せっかくつくってもらったきれいなサイトを崩したくない」という責任感で、現場が頑張ってくれたようです。このプロジェクトでは、シフトブレインのクリエイターたちの専門性を強く感じました。私たちコンサルタントでもWebサイト自体はつくれるけれど、ここまで細部にこだわり、意味のあるデザインを突き詰めることは難しいもの。日本人は無形のものになかなかお金を払いませんが、もっとデザインの価値が認められるべきだと思いました。ご一緒できて、私たちにとってもいい経験になったと感じています。 ジョン:「社内にとってもいい影響を与えられるか」は僕の中心にある使命だったりするので、そういったお話をお聞きできたのは大変ありがたいです。今後も御社が何か困ったときに、真っ先に私たちの顔が浮かんで、お声がけいただけたらうれしいです。引き続きよろしくお願いします。 制作物ビジョン 採用サイト 採用資料テンプレート ビジョンロゴ+ガイドライン ビジョンロゴを使用したノートブックのデザイン 【制作期間】 約7ヶ月(2023年8月〜2024年3月) 【担当領域】 ・ビジョン策定 ・採用サイト制作 ・コピーライティング ・コンテンツディレクション ・フォトディレクション ・ツール制作 ・ビジョンロゴデザイン 制作クレジットProducer: Takuma Kato Planner, Copywriter: John Nishiyama Art Director, Designer: Koki Michiai Developer: Takaaki Sato Interactive Developer: Anna Komakine Project Manager: Umi Teranishi, Iku Ando, Kazuyo Miyagawa Photographer: Kei Fujiwara Photographer (Interview): Kenta Shibayama ▼ 採用情報 シフトブレインでは、新しい仲間を募集しています。全社フルリモートのため、全国からのご応募をいただけます。 募集の詳細は、Wantedlyにてご覧ください! SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの会社情報 - WantedlySHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの魅力を伝えるコンテンツと、住所や代表・従業員などの会社情報です。「みんwww.wantedly.com ▼ SHIFTBRAIN GOODS STORE SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですshiftbrain-inc.stores.jp Interview,Text: Sakura Sugawara Edit: John Nishiyama Content Coordinator: Mana Ohtake

地域を案内し、共有し、創造する。コンセプトブック/観光マップの新しいかたちを紹介します。
こんにちは、シフトブレインでプランナー/コピーライターをしている廣内です。 昨年、ランドブレイン株式会社様とシフトブレインとで手がけた広島県江田島市のコンセプトブック『えたじまん』が完成しました!👏 『えたじまん』は、“自慢したくなる島”をテーマに、市民一人ひとりの声から江田島の魅力を再発見し、地域のアイデンティティをコンセプトブックにしたプロジェクトです。 シフトブレインは、主にコンセプトブック/コンセプトロゴ/ネーミング設計から、シンボルカラーの策定や各種ノベルティ制作まで担当。小さな冊子の中に、日常の中にある誇りや温かさを、島の“生きた声”がぎゅっと詰まっています。 表では江田島の魅力を紹介しつつ、裏面には、江田島を訪れた一人ひとりが自分の手で江田島の魅力を紹介できるよう、 白地図を掲載しています。そんな『えたじまん』ですが、制作を通じて感じたのは“コンセプトブック”や“観光マップ”というフォーマットは、まだまだ大きな可能性を秘めているということ。 地域を紹介するツールでありながら、それ自体が“体験”や“コミュニケーション”のきっかけにもなり、人とまちを結びつけていく。さらに、つくるプロセスを通じて、そこに暮らす人たち自身をも結びつけていく。そんな力を感じました。 と同時に、こうも思ったのです。こうした試みは江田島だけではなく、日本各地でも同様に生まれているのではないかと。 そこでこの記事では、『えたじまん』をきっかけに、全国各地で生まれているユニークな取り組みをいくつかご紹介します。シフトブレインが他社の取り組みを紹介するのは初の試みですが、これからの地域ブランディングを考えるうえで、皆さんの参考になれば嬉しいです。 1. 「知っちゅう?中芸」(高知県中芸地域)最初にご紹介するのは、高知県を拠点に活動する「mitone design.(ミトネデザイン)」さんと地元事業者グループ「あゆむ会」とで制作された「知っちゅう?中芸」MAP です。 知っちゅう?とは、土佐弁で「知ってる?」という意味の言葉です。中芸地域とは、高知県安田町、田野町、奈半利町、北川村、馬路村の5町村のこと。もともとこの地域には、地元の人しか知らない“とっておきの場所”が点在していましたが、従来の観光案内では、その良さが十分に伝わっていなかったといいます。 そこで、mitone design.さんとあゆむ会さんは、「ポケットに入るサイズの紙一枚で、まちの空気を感じてもらう」 を目指し、地域の事業者さんたちや住民の方々と何度もお話を重ねられながらマップを作成。店舗や観光情報だけでなく、地元の方々を身近に感じてもらえるような似顔絵やストーリーをマップに散りばめることで、“歩くほどに中芸地域が好きになる”体験を、つくり出されています。 折りたたまれた「知っちゅう?中芸」MAPを開いていくと……?地域の魅力がぎゅっと詰めこまれたマップが登場します!実際にマップを開いてみると「ニホンカモシカに出会えるかも!?」や「パン屋さん前は、最高ののんびりスポット」など、地元ならではの視点がたくさん散りばめられています。さらにスポットごとに添えられた似顔絵によって、“どんな人がそこで暮らしているのだろう”と想像しながら巡れるのも魅力のひとつ。実際にお店の方に声をかけやすくなったという声もいただいているのだとか。 地名や営業時間といった「情報」が並んでいるマップとは違い、人の存在がにじむことで「行ってみたい」「会いに行きたい」という気持ちが湧いてくる。中芸地域の暮らしが想像できるような、あたたかい気持ちになれるマップです! ■この取り組みを選んだ理由 一目見た瞬間から心を奪われました。今まで旅行といえば、その土地の代表的な観光スポットをまわるくらいで「人に会いに行く」ということは考えていませんでしたが、「知っちゅう?中芸」を知ってから意識的にまちの隠れたスポットを探すようになりました。新しい旅の楽しみ方を教えてくれて、とても感謝しています。(廣内) ■mitone design.さんからいただいたコメント 今回のMAPづくりは、地域の事業者さんたちの声から生まれました。 「おすすめの場所って、近くにありますか?」と観光のお客さんによく聞かれるものの、土地勘のない方にもわかりやすい地図がなく、王道の観光地だけを巡って終わってしまうことも多かったそうです。 そこで、「王道の観光地だけじゃなくて、実はこんなおもしろい場所がたくさんあるんですよ」と、一般的な観光MAPには載らないような“小さな魅力”や、ふーっと深呼吸したくなるような地元の人の“とっておきの場所”を集めてまとめました。 デザインでは、まず“地理のわかりやすさ”を大切にしながら、地元の方が「実はね」と紹介したくなるような小さな場所の魅力も感じられるよう心がけました。また、土地と人をより身近に感じてもらうため、事業者さんや住民のみなさんの似顔絵を添えました。 完成後には、「初めての場所だったけど行ってみたくなった」「お店の人に声をかけやすくなった」「話が弾んだ」など、うれしい声もたくさん届いています。 このMAPが、中芸を訪れるきっかけや、地域とのつながりを生む入口になればうれしいです。 知っちゅう?中芸 MAP制作| 高知の山奥にあるデザイン事務所|ミトネデザイン中芸地域の“とっておき”を巡れる、地元の人おすすめのスポットをまとめたMAPを制作しました。www.mitonedesign.jp 2.横浜ポケモンスポット観光マップ(神奈川県横浜市)続いては、神奈川県横浜市で展開されている『横浜ポケモンスポット観光マップ』です。市内にある複数のポケモン関連スポットをまわりながら約4時間のモデルコースを設定。港町・横浜のまち歩きを楽しめるような工夫がされています。 横浜の代表的な観光スポットを巡ることができます!「ポケふた」とは、ポケモンがデザインされたマンホール蓋のこと。横浜市にはJR桜木町駅前広場、横浜マリンタワー、日本丸メモリアルパーク、臨港パーク、そして赤レンガパークの合計5か所のスポットに設置されています。 横浜駅から歩き始めて終点は、馬車道駅前。途中、横浜中華街で食事をしたり大さん橋、赤レンガパークで買い物をしたりと横浜の代表的なスポットを観光できます。また、マップには「ポケモンオリジナルポスト」や「ポケモンセンターヨコハマ」の紹介も。ゲームキャラクターと一緒に巡ることで、横浜のまちがまるでひとつの“フィールド”のように感じることができますね! ■この取り組みを選んだ理由 ポケモンという誰もが知るキャラクターを起点に、横浜のまちが一つの“フィールド”に変わる。地図を片手にスポットを巡るうちに、ストーリーの中を冒険しているような気持ちになれるのがとてもユニークだと感じました。 「好きなポケモンがいるから行きたい」「巡りたいから歩く」という体験は、従来の観光導線とは少し異なる視点だと思います。キャラクターと観光が地続きになることで、新しい旅の楽しみ方が生まれていることに個人的にもすごくワクワクしました。(廣内) 横浜ポケモンスポット観光マップ横浜市内には、ポケモンマンホール「ポケふた」やポケモンオリジナルポストなど、ポケモンに関係したスポットがベイエリアを中心にwww.welcome.city.yokohama.jp 3.トキオとふしぎな木(宮崎県西都市)株式会社モンブランさんが手がけた『トキオとふしぎな木』も、横浜ポケモンスポット観光マップ同様に、まち歩きそのものに“新たな体験”を加えたプロジェクトです。 イベントウェブサイトと世界観づくりのご依頼を皮切りに、 キャラクター開発・ストーリー設計・ミニ絵本の作成から各種ツール作成までのすべてを、 モンブランさんが担当されています。「謎解きイベントのブランディングをお願いできないか」という依頼の初回打ち合わせ。 そこから、ローカルイベントの世界観に、オリジナルの“人格”を与えたらー? そんな一風変わったまちおこしのブランディングがスタートしました。 この思いに応え誕生したのが、宮崎県の西都市という小さなまちを舞台に、リアルとファンタジーが融合する異世界に生きる主人公「トキオ」と、相棒である猫の「タム」。彼らがまちを旅しながらさまざまな謎に出会い秘密を解き明かす様子を、実際に西都市を訪れる人も体験できるよう、イベントも設計されています。 イベントは、2023年10月3日(火)〜2024年1月31日(水)で開催。 購入したキットに同封されている謎解きガイドブック(上)を片手に、 西都市の中心市街地を歩き回って謎を解決します。西都市は、日本最大の古墳集積地帯とも言われており、 マップにも「日向国府跡」や「御舟塚」、「記紀の道」といったスポットも紹介されています。観光情報をただ並べるのではなく、謎ときを通じてまちを“歩きたくなる理由”をつくる構成になっている取り組み。絵本やパンフレット、Webサイトなど複数の媒体を横断しながら、謎ときと地図が連動するように設計されたこのマップは、観光そのものを「読み・解き・歩く」体験へと拡張する、新しいかたちを示しています。そして何より、トキオと黒猫のタムのイラストが愛らしいのもポイントです……! ■この取り組みを選んだ理由 「ローカルイベントって、こんな展開の仕方もあるんだ」というのが最初の感想です。Webサイトや絵本、ポスター、グッズといった各種ツールはもちろん、それらが実際のまちで展開されています。デジタルクリエイティブを中心に活動しているとどうしてもWebをどう活用するか?という視点で考えがちですが、『トキオとふしぎな木』は同業である私たちにとっても希望というか、新たな展開ができるんだと思わせてくれる素敵な作品だと思って選びました。(廣内) ■株式会社モンブランさんからいただいたコメント 「謎ときイベントのブランディングをお願いしたい」 この依頼を受けた時、実は、イベント開催は第2回目のタイミングでした。「1回目とは中身もデザインも一新したい」ということから、前回の価値を受け継ぎつつも、新しい世界観の構築が必要とされました。 謎ときイベントは、世界観とストーリー設定、キャラクターの開発がメインです。それに付随して、ウェブサイトや絵本、ポスター、グッズといった各種ツールをつくる、というものでした。 モンブランではこれまで、ウェブサイト制作を起点としたロゴやパンフレット、グッズ制作などに広がることはあったものの、今回はウェブサイト制作がおまけのようなもの。当初、「時間も実績もないし......」と諦めかけていましたが、(一社)まちづくり西都KOKOKARA の田上沙彗美さんの、このイベントにかける情熱に心を撃たれ、考えが一変しました。 大事にしていたことは、ブランドをつくる気持ちで「物語=ストーリーテリング」を伝えていくことです。「西都の宝ものをさがして冒険をする」というトキオのバックグラウンドと、参加者が謎ときをとおしてまちをめぐることで、あまり知られていない西都の魅力を体感することでした。 そして2024年に第2弾として、“世界のふしぎ”を探すトキオの話が、なぞなぞ絵本としていつでも好きな時に楽しめるようになりました。どのタイミングでも、読者がこの物語に触れた瞬間から、トキオの物語ははじまります。 このトキオとタムシリーズは、「イベントをつくるのではなくストーリーをつくる」をまっすぐ意識し、さらに進化させた、新しい観光のカタチだと感じています。 株式会社モンブラン トキオとふしぎな木 | ブランディング | 実績紹介 | モンブラン | 福岡のブランディング × ホームページ制作福岡のブランディング会社「株式会社モンブラン」の「トキオとふしぎな木」のブランディング実績を紹介します。monf.jp 4. ふくしままっぷ(福島県)そして最後に紹介するのは、観光の案内だけでなく「地域との新たな関係を育てる」取り組みが生まれている、福島県の「ふくしままっぷ」です。 写真を一切使用せず、大人にも子どもにも親しみやすい手描きの文字とイラストのみで構成されたこの総合情報誌は、福島の「今」と「魅力」をたくさんの人に知ってもらうため、従来のパンフレットの形にとらわれず、思わず手に取ってみたくなる、開いてみたくなる、そして長く手元に置いておきたくなるような新しいスタイルを目指して制作されました。 まっぷはなんと、A1サイズ!まっぷの外側にも福島の魅力を50音にまとめた「ふくしま50音」など、 じっくり読み込むのも楽しみ方のひとつです。 (このまっぷのどこかに「ベコキング」が隠れているとか?!)2016年の創刊から発行部数は40万部超。2023年には、福島県総合情報誌『ひとつ、ひとつ、実現する ふくしままっぷ』としてアップデート。 「知ってもっと近くなる。行ってもっと好きになる。ふくしままっぷ」を掲げ、200を超える名所や伝統行事、特産品、海、川、山、湖、そして人々の活動や声までを、すべて手描きで一枚のマップに集約し、手描きのイラストとあたたかなトーンで構成された誌面は、読む・眺める・感じる、それぞれの体験を通じて福島を“好き”になってもらうことを目指したといいます。さらに、特徴的なのが「ふくしままっぷ友の会」という取り組み。 「どこで手に入るの?」「こちらでも配布したい」「みんなでもっと見たい」という声に応えるかたちで発足し、それまでイベントや一部問い合わせ者に限定していたまっぷの配布体制から、希望者であれば誰でも申し込める仕組みに転換。さらに、会員を「金友」「銀友」というユニークなネーミングとカテゴリ設定にすることで参加ハードルを下げるとともに、『ふくしままっぷ』のPRツールとしてスイングPOPやミニのぼり、ステッカーなどを合わせて配布することで、自らまっぷを広めていただける体制を整備されたといいます。 読者自身が福島の魅力を伝え、この物語を“ともに育てていく存在”となってもらうことで、『ふくしままっぷ』の輪が広がっている。地域の魅力を「伝える」「共有する」だけでなく、その地域の“これから”を描き、未来へ向かうきっかけをつくるというのは、コンセプトブック、観光マップの新しいカタチの一つだと言えますね! ■この取り組みを選んだ理由 手描きの温度感、誌面を眺めるだけで“人の暮らし”が想像できる構成、そして届け方そのものをアップデートしている点に惹かれたのと、単なる情報誌ではなく、“友の会”というコミュニティをつくり、読者が受け手から伝え手になる仕組みが設計されていること。それが非常に印象的でした。 地域への関わり方が「読む」だけで完結せず、未来へ広げていく余地がある。マップを起点に新たなつながりが生まれるという意味でぜひ、紹介したいと思いました!(廣内) ■福島県広報課さんからいただいたコメント 福島県総合情報誌『ふくしままっぷ』は、「巡る」をテーマにアートディレクターの寄藤文平さんに描き下ろしていただきました。『ふくしままっぷ』を通じて福島に思いを巡らせていただき、福島の“好き”をひとつでも多く見つけていただきたい、そんな願いが込められています。 「ふくしままっぷ友の会」発足以降、特設Webサイトの「みんなの声」を通じて、福島の“好き”の声を多く寄せていただいています。これらの思いを大切に、一方通行の発信ではなく、参加型で自発的な関与を促しながら、『ふくしままっぷ』をさらに広げていければと考えております。 福島県 つくることで、地域と人はつながり始めるコンセプトブックや観光マップは、完成して終わりではなく、そこから人と人がつながり、まちの魅力が広がっていくためのきっかけ。今や、それ自体が“観光資源”になりうる可能性を秘めています。 シフトブレインでは、広島県江田島市をはじめ、島根県邑智郡美郷町など、地域とともに歩む取り組みを続けています。これを機に、みなさんもぜひ、お住まいの地域のコンセプトブック/観光マップに注目してみてはいかがでしょうか!?

“攻めたサイト”が実現したのは、受発注の関係性を超えて同じゴールを目指せたから【Insight Magazine】
こんにちは、シフトブレイン “Insight Magazine”です。 “Insight Magazine”とは、成果物のビジュアルや写真、動画だけでは伝えきれないプロジェクトの内側に焦点を当て、掘り下げていくマガジンです。実際にクライアントやパートナーを招き、シフトブレインのメンバーとプロジェクトの紆余曲折やその後の効果・影響についてお話しいただきます。 今回は企業のDX推進に伴走する株式会社鈴木商店(以下敬称略:鈴木商店)と共にプロジェクトを振り返ります。 株式会社鈴木商店 「挑戦するお客様の力に」をミッションに、企業のDX推進をワンストップで支援。デジタルトランスフォーメーション伴走サービス「Shift-D」を通じて、顧客のIT戦略立案から導入、効果検証までを担っています。 プロジェクト概要組織変革を経たいまの“鈴木商店らしさ”を伝えるため、コーポレートサイトとロゴをリニューアル。シフトブレインが企画・デザインを、鈴木商店が実装・撮影・運用を分担することで、彼らが大切にする「二人三脚のものづくり」を体現するプロジェクトになりました。 鈴木商店 | DXコンサルティング挑戦するお客様の力に−−。私たちは深い理解、鋭い論理、そして的確なソリューションによってお客様のDXをサポートし、変化の激www.suzukishouten.co.jp 「社外からの見え方が変わっただけでなく、制作過程で学びも多かった」と話すのは、鈴木商店でリブランディングを担ってきた松内 陵さん。同じく担当の若林 奨太さん、吉田 理絵さんも迎え、プロジェクトの背景やシフトブレインとの連携によって得られたもの、リニューアル後の効果などを振り返ります。 1. 「この人たちに頼みたい」「この人たちのために頑張りたい」——今回のコーポレートサイトリニューアルは、どのような課題意識からスタートしたものですか? 若林 奨太さん(以下、若林さん):まず、鈴木商店にはこの数年で、大きな変化がいくつもあったんです。組織はピラミッド型からティール型になり、働き方が出社からリモートに。対顧客の面でも、作業に近いご依頼ではなく、DX戦略から一緒に考えていく伴走型の案件が増えていました。でも、コーポレートサイトはずっと置き去りになっていて、そうした現状が伝わる表現にできていなかったんです。名実ともにお客さまと伴走できる会社になるため、正しいメッセージを発信できるWebサイトが必要でした。 Client: 若林 奨太さん (株式会社鈴木商店 Develop UI)——サイトリニューアルにあたり、鈴木商店なら、社内でできることがたくさんあったと思います。シフトブレインへの外注を考えたのはなぜでしょうか? 松内 陵さん(以下、松内さん):すべて内製することも考えはしましたが、いま弊社がどう見えているか、これからどう見せていくべきかの客観的な視点がほしいと思いました。そのためのパートナーには、僕らがお客さまにしているように、僕らに伴走してくれる会社がいい。で、真っ先に話を聞いてみたいと思ったのがシフトブレインさんでした。 Client: 松内 陵さん (株式会社鈴木商店 Develop UI)西山 ジョン(以下、ジョン):そうだったんですね! 若林さん:お話を伺ってみると、確かに僕らとシフトブレインさんのお客さまに向き合うマインドには、近さを感じましたね。この方々なら僕らの言うことだけを鵜呑みにせず、その先のことまで考えたものづくりをしてくれるんじゃないかと思いました。 吉田 理絵さん(以下、吉田さん):私はマインドの部分だけでなく、シフトブレインさんが理論的にデザインをつくっていることも印象的でした。明確なプロセスのご説明をいただいたことで、信頼度が増したんです。 Client: 吉田 理絵さん (株式会社鈴木商店 Develop API)松内さん:なので満場一致でお願いしたいと思ったのですが、最初は予算が合わず……。でもどうしても依頼したかったので、こちらができる作業を引き取ってお見積を削ることで、ご一緒できるように調整していきました。結果的に、当社のことを掘り下げるブランディングの作業からWebサイトのワイヤーフレーム、デザインをシフトブレインさんにお願いし、実装や運用は自分たちで担当することになりました。 ——プロジェクトが始まってからは、どんな作業から進めていったのでしょうか。 ジョン:ほかの案件と同じように、「らしさ」を言語化・視覚化していくためのヒアリングから始めました。リニューアル前のWebサイトやWantedlyなどを読み込みつつ、僕は「DX」というものを当時あまりよくわかっていなかったので、『DXの一年目の教科書』みたいな書籍も買って読みましたね。 吉田さん:さすがの下調べで、最初にいただいたヒアリングシートの質問からとても的を射ていて驚きました。 若林さん:めちゃくちゃしっかり僕らを調査してくださったということが伝わってきましたね。もう、がっつり心をつかまれました。 松内さん:ただ、ヒアリングに回答するのはすごく難しかったです。じつは自分たちの会社について言語化できていない部分がたくさんあるんだなと気づきました。でも、その不明瞭な回答をジョンさんたちが咀嚼して深堀りしてくれたおかげで、自分たちのことがすごくクリアに見えてきた。 その作業を目の当たりにした当社代表の史郎さんが「シフトブレインさんはMTGのときだけでなく、お風呂に入っているときにも僕らのことを考えてくれてるんじゃないかなって思わせてくれるのがすごいよね」と言っていました。 ジョン:……それはもう、額縁に入れて飾っておきたい言葉ですね。僕は僕で、序盤のオンラインMTGで史郎さんが「こんなに調べていただいてありがとうございます」と言ってくださったことをよく覚えています。その佇まいを見て、まだほとんど何もしていないのに不思議と「このプロジェクトは大丈夫だ」と思えたんです。鈴木商店はみなさん本当にいい方ばかりで、そのあとも「この人たちのために頑張らないといけないなぁ」という前向きな気持ちが続きました。 西山ジョン (シフトブレイン CSO / Copywriter)2. 攻めたデザインの誕生と、分業でも妥協しない姿勢ジョン:一方で、ヒアリングを経て最初に思ったのは「Webサイトと会社にめちゃくちゃ乖離があるな」ということです。 一同:(笑)。 ジョン:こんなにいい感じの人たちがいっぱいいる会社なのに、以前のWebサイトではそのフレンドリーさがまったく出ていませんでした。ビジュアルがコードの画面で人は一切出てこないし、事業の売りは「伴走/パートナーシップ」のはずなのに、テキストの言葉選びのせいか「リーズナブル」を強調しているように見える。そうしたギャップを解消し、本来の「鈴木商店らしさ」を落とし込んだ“FUN”なビジュアルを目指しました。 山上 哲(以下、山上):ジョンさんがあぶりだした鈴木商店のDNAは「FUN」「FLUID」「FELLOW」など。僕のほうではまず、その言葉たちをデザインに置き換えて「デザイン・プリンシプル」をつくっていきました。 松内さん:言葉の時点ではもちろん共感していたものの、DX事例の紹介が中心になるようなWebサイトで、どんなふうに「FUN」を表現するんだろう? と思いました。その解答を斜め上からたたき出してくれたのが「つながりが途切れないWebサイト」という提案です。 ジョン:サイト設計にあたって競合を調べてみると、DXを謳う会社は軒並み「クライアントに伴走」していることがわかったんです。つまり、鈴木商店もそれを伝えるだけでは勝てない。だから、「伴走する」の言い方で頭一つ抜けることによって、検討のテーブルに上がりたいと考えました。 そこで思いついたのが、鈴木商店さんとクライアントの関係性が“途切れない”ことを表現するアイディアです。途切れないテキストのなかに下層ページへの導入セクションなど、あらゆる情報を盛り込む。ページ遷移でも画面を切り替えるのではなく、途切れないアニメーションを使う……。 若林さん:初めて聞いたときはめちゃくちゃびっくりしましたよ(笑)。それまでに打ち合わせしていた内容をちゃんと踏襲しているのに、発想がぶっ飛んでいる。僕らにはこういう奇抜なことはできないし、ほかで見たこともありません。だからこそ、チャレンジに値するんじゃないかと思いました。 山上:確かに攻めたデザインですよね。ジョンさんから渡されたワイヤーフレームを見たときに「おぉ……!」と思いました(笑)。でも、確かにこれくらい攻めていいんじゃないか、と。 山上 哲 (シフトブレイン Art Director / Designer)ジョン:ほかのプランはなかったので、却下されたら困っちゃうところでした(笑)。でも、自分としては勝算があった。 クライアントワークをしているクリエイターには、大きく2つのタイプがいると思うんです。仕事を通じて自分の個性を見せたいタイプと、個性をなくしてクライアントに合ったものを突き詰めるタイプ。僕は前者なので、自分らしさも出しながらクライアントの課題を解決したいと常々思っています。今回は、その僕のエゴがさく裂したアイディアでした。でも、それまでのやりとりで鈴木商店さんとは関係性ができていたから、きっと受け入れてもらえると感じていました。 吉田さん:確かに攻めてはいるけれど(笑)、つながりが途切れないことをこんなふうにも表現できるんだっていう感動がありました。楽しいデザインなのに、誠実に仕事に取り組む雰囲気も伝わる、絶妙な塩梅ですよね。 山上:僕は、テキスト中に絵文字を入れたのが効いているなと思っています。どの絵文字をどのボリュームで入れるかPMの寺西がたくさん考えてくれて、フレンドリーさがほどよく表現できている。文字がカタカタ出てくる演出は、若林さんがいい感じのリファレンスを見つけてくれたんですよね。 ——ほかにないデザインのWebサイトだからこそ、実装を担当された鈴木商店さんにはさまざまなご苦労があったのではないでしょうか。シフトブレインとどのように連携して進めていきましたか。 若林さん:慣れないことばっかりで本当に大変でした(笑)。でも、自分たちが実装することでサイトをコントロールしやすくなるのは、メリットでもあります。当事者意識を持ち続けるためにも、ここは頑張っておきたいと思って。 山上:ページが流れるような遷移の演出などは、もしかしたら無理かもしれないと思いつつのご相談だったのですが……松内さんや若林さんがやり方をとことん調べて、実現してくれました。 若林さん:僕らがクライアントだからって変に遠慮することなく、いいWebサイトをつくるために必要なオーダーをどんどん言ってくれたのがよかったですね。妥協してクオリティが落ちるのが一番いやですから。 松内さん:作業時は「(山上)テツさんの期待に沿うアニメーションをつくりたい」と強く思っていました(笑)。テツさん、本当に妥協しないんですよ。「ここの動きはこれくらいなめらかにしてほしい」って、5回10回とフィードバックをいただきました。 山上:すみません(笑)。 松内さん:でも、言われたことをやってみると、明らかによくなっているんですよね。普段の業務では絶対にやらない領域の作業だったので、純粋に楽しくもありました。 若林さん:写真の撮り方やテキストの書き方など、自分たちにないノウハウを丁寧に共有してもらえたのも助かりました。そうやって自分たちが手を動かしてつくったものだから、ものすごい愛着が生まれたし。 ジョン:サイトリニューアルやブランディングって、ともすると「完成しました!つくってよかった!」でおしまいになる可能性があるけれど、鈴木商店さん自身が僕らと一緒につくったからこそ、これからもちゃんと走らせ続けていけると思うんです。そういう形にできたのが本当によかった。 3. 自分たちの仕事にも活きる学びが生まれた——ロゴのリニューアルはどのように進めましたか? 松内さん:いま手を付けなかったらまた10年くらい同じロゴのままいってしまうだろうな、と思い、一連の流れでリニューアルすることに決めました。 山上:初回は幅広いテイストで提案し、少しずつ絞り込んでいきました。2回目にアザーとして出した案のひとつを気に入ってもらってからは、その方向性をいろいろと試しましたね。最終的に決まったのは、鈴木商店のチームワークやアジャイルを表現したデザインです。左下から「クライアントの課題」が入ってきて、鈴木商店のなかでアジャイルの循環を経て、右上から最適解を出す……といったイメージを具現化しています。 吉田さん:どの案も全部よかったから、社内でアンケートを取ったら意見がめちゃくちゃ割れたんですよね(笑)。それぞれどの案のどこがいいと思うのかを何度もプレゼンしあって決めました。 山上:ロゴをつくる過程で、オリジナルキャラもできましたね。緑のカラーバリエーションが「サボテンっぽい」と言われたことをきっかけに、ちょっとつくってみたんですよ。それをシフトブレイン内に共有したら「これも提案しちゃおっか」「きっと喜んでもらえるだろう」と盛り上がって。 若林さん:実際みんな喜びましたね。とにかくかわいいもんだから、すぐに勉強会で配るステッカーにしたり、ワンポイントロゴのポロシャツにしたりして。ウェアは希望者の分だけつくろうと思っていたのに、ほぼ全員がほしがって、お客さまのところへ行くときのユニフォームとして重宝しています。 ——プロジェクトを経て、社内外にはどのような変化がありましたか? 若林さん:最初に目指したとおり、問い合わせの質が明らかに変わりました。作業中心の依頼ははっきりと減って、ある程度の価格を覚悟しつつも、戦略から一緒につくってほしいというお客さまが増えた。それから、採用にもいい影響が出ていると感じます。 吉田さん:面接をしていても感じますね。「Webサイトがよかったから」という応募者が多いし、ティール組織に合った自律的な人材が来てくれるようになったと思います。それに、外から会社を見つめ直してもらったことで、私たち自身も鈴木商店の特徴をとらえ直すことができました。「お客さまに伴走する」ってどういうことなんだろうと、改めて腹落ちできた気がします。 松内さん:確かに、僕たち自身にも学びがありました。シフトブレインさんの仕事は、クライアントと同じ熱量を持ち、同じ方向に向かっていっしょに頑張るスタイルで……それはまさに、僕らがクライアントワークで理想としている“伴走”。「僕らはこんなにお客さまを巻き込めているかな」「僕らも伴走者としてもっとやれることがある」と、普段の自分たちを振り返るきっかけになりました。この感覚は、今後の仕事にも活きると思います。 ジョン:それは僕らも同じです。今回は「予算が合わない」とあっさり見送るのではなく、いいものをつくっていくためにお互い何ができるかを考えた結果、連携するという手段が取れました。こういうやり方もあるんだなと、とてもいいケーススタディになりましたね。受発注の関係性を超えて、いいグルーヴが生まれていると感じる瞬間がいくつもありました。 山上:ほんと……鈴木商店さんと、またいっしょになんかものづくりしたいです。 ジョン:プロジェクトが終わったあと、史郎さんやみなさんから熱いお礼のメッセージをいただいたのも、本当にうれしかったです。今後なにか困ったとき、真っ先に僕らの顔と名前を思い出してもらえたらいいな。……というか、そうじゃなかったら悔しくてハンカチ噛むかもしれません(笑)。 若林さん:(笑)。次の新しいサービスも走り出したところなので、もう少し輪郭が見えてきたら、またぜひ打ち出し方から相談させてもらいたいなって思ってます! 制作物・コーポレートサイト ・ロゴ(ロゴガイドラインを含む) ・ブランド / デザインガイドライン ・ノベルティ ・フォトディレクション ・ライティング 【制作期間】 約11ヶ月(2024年2月〜2024年12月) 【担当領域】 ・ブランディング ・Webサイト制作 ・ロゴデザイン ・オリジナルキャラクター制作 ・ツール制作 制作クレジットAccount Manager: Kazuya Okada, Koya Sonoyama Producer, Project Manager: Tamami Maekawa Planner: John Nishiyama, Shoko Imaizumi Art Director, Designer: Tetsu Yamakami Project Manager: Umi Teranishi, Kazuyo Miyagawa Lead Developer: Shota Wakabayashi (Suzukishouten Co., Ltd.) Developer: Hideki Kamakura (Suzukishouten Co., Ltd.), Hirofumi Taki (Suzukishouten Co., Ltd.), Ryo Matsuuchi (Suzukishouten Co., Ltd.) Photographer: Ryo Matsuuchi (Suzukishouten Co., Ltd.) Writer, Editorial Adviser: Sakura Sugawara ▼ 採用情報 シフトブレインでは、新しい仲間を募集しています。全社フルリモートのため、全国からのご応募をいただけます。 募集の詳細は、Wantedlyにてご覧ください! SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの会社情報 - WantedlySHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの魅力を伝えるコンテンツと、住所や代表・従業員などの会社情報です。「みんwww.wantedly.com ▼ SHIFTBRAIN GOODS STORE SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですsb-goodsstore.com Interview,Text: Sakura Sugawara Edit: John Nishiyama Content Coordinator: Mana Ohtake

デザインの価値が伝わるリブランディングで、長期的なブレイクスルーが生まれた【Insight Magazine】
こんにちは、シフトブレイン “Insight Magazine”です。 “Insight Magazine”とは、成果物のビジュアルや写真、動画だけでは伝えきれないプロジェクトの内側に焦点を当て、掘り下げていくマガジンです。実際にクライアントやパートナーを招き、シフトブレインのメンバーとプロジェクトの紆余曲折やその後の効果・影響についてお話しいただきます。 今回は「すべての経済活動を、デジタル化する。」をミッションに掲げ、AI SaaSやFintech事業、AI・LLM事業を手がける株式会社LayerXとともに、リブランディングプロジェクトを振り返ります。 株式会社LayerX LayerXは「すべての経済活動を、デジタル化する。」をミッションに掲げ、SaaS+Fintechを軸に、AIを中心としたソフトウェア体験を社会実装するスタートアップです。 プロジェクト概要LayerXが目指す「すべての経済活動をデジタル化し、さまざまな人の創造性が発揮される社会」を実現するためには、まずLayerX自身の人格や役割を見つめ直すことが必要でした。シフトブレインは株式会社PARKとの協業で、ブランドDNAの策定やコーポレート人格の整理から参加。そのうえでロゴやコーポレートサイト、各種ツールやガイドラインのデザイン及び制作を担当しました。 株式会社LayerX「すべての経済活動を、デジタル化する。」をミッションに掲げる株式会社LayerXのコーポレートサイトです。layerx.co.jp LayerXの専門役員 デザイン担当である野崎駿さんは「リブランディングは、インナーで従業員エンゲージメントを高め、アウターで採用に寄与してくれるもの。今回のプロジェクトは、どちらもちゃんと成果が出た」と語ります。また、「仕上がったビジュアルによって、デザインに投資してもらえるようになった」と言うのは、LayerXデザイナーの千葉百枝さん。お二人をお招きし、プロジェクトの経緯や制作物のこだわり、その後の変化をうかがいました。 1. ミッションやVIといまのLayerXに、乖離が生まれていた——今回のプロジェクトが動き出すまで、社内ではどんな課題を感じていらっしゃいましたか? ご依頼までの経緯を聞かせてください。 野崎 駿さん(以下、野崎さん):僕はデザインの力で事業をドライブさせるため、2023年1月にLayerXにジョインしました。入社して1ヶ月ほど、さまざまな社員と1on1をした結果、まず手を入れたほうがいいと考えたのがVIやミッションの副文。「すべての経済活動を、デジタル化する。」というミッションにはみな納得感があったものの、それを実現した未来やLayerX自身の姿についての理解は、まだ深められていないと思ったんです。 Client: 野崎 駿さん (株式会社LayerX 専門役員 デザイン担当)以前のVIは、LayerXがブロックチェーンを主軸としていた時代に制作したロゴだったため、AIやフィンテック、SaaSを扱ういまの実態とずいぶん乖離が生じていました。VIがずれていると、そこから作られるクリエイティブやコミュニケーションにもギャップが生まれてしまいます。 千葉 百枝さん(以下、千葉さん):旧VIは先進的で尖っていて……勢いのある「ザ・スタートアップ」というイメージ。数年前は会社自体もそうだったからそれでよかったのですが、いまのLayerXはお客様や社員を含めたステークホルダーが多様になり、プロダクトや社内の雰囲気も変化しています。でも、その変化が社外に伝わりきっておらず、昔の印象から脱却できていませんでした。自分たちのブランドや世界観を見つめ直し、クリエイティブを刷新する時期が来ていたんだと思います。 Client: 千葉 百枝さん (株式会社LayerX BXデザイナー)野崎さん:ミッションの調整はもともと一緒につくってくれたPARKさんにお願いして、ロゴやWebサイトなどの制作は新たなパートナーを探すことにしました。ビジュアル主導で進めるのではなく、企業のインサイトや言葉を引き出したうえでビジュアルに落とし込んでくれる会社を探していたんです。 宮本 浩規(以下、宮本):そのなかで、どうして僕らに決めてくださったんですか? 野崎さん:前職でコーポレートサイトリニューアルを担当してくださっている様子を見ていて、こちらの意図をちゃんと汲み取りながら進めてくれるパートナーだと感じたからです。自分たちがどういうブランドで、どういうコミュニケーションをしていくべきかって、じつは自分たちでもつかみきれていない。だからこそ段階を踏んで、僕らがどんな存在なのかをいったん言葉に落とし、それからデザインと接続してもらいたかったし、シフトブレインさんならそうしてくれると思いました。 2. 企業の人格をあぶり出し、どの“らしさ”を前に出すか考える——プロジェクトは、まずどんなアクションから始めましたか? 宮本:まずは、LayerXのいまの人格をつかもうと思いました。最初に手をつけたのは、社員さんたちのヒアリング。みなさんからふいに出る言葉の端々から、そのDNAをあぶり出していく作業です。 宮本 浩規 (シフトブレイン Art Director / Designer)野崎さん:そういうヒアリングって、だいたいボードメンバーをメインにやることが多いじゃないですか。でも、シフトブレインさんは風通しよく、いろんな部署やレイヤーの人たち20名以上と幅広く会話してくれたのが印象的です。 千葉さん:社歴も職種もさまざまなメンバーでしたが、話を聞いてみると、みんなの言うことが結構似ていましたよね。言語化や発信こそされていなかったけれど、意識や行動はきちんと共通のDNAに紐づいていたんだなって実感できる時間でした。また、最初にプロジェクトメンバーでキックオフをしたのもよかったですね。 宮本:代表はじめ社員のみなさんが「徳」や「人間らしさ」を大切にしているのは、LayerXの特徴かなと思いました。徳とは、長期的な視点で社会の発展に寄与することや、信頼を得ることを追求する在り方。人間らしさは、文化や価値観の違う人を歓迎し、お互いを支え合うスタンスなどから感じられました。こうしたマインドに軸足を置いて事業に取り組んでいるということが、旧ビジュアルではなかなか伝えきれていなかったかもしれません。 千葉さん:さまざまな要素を見つけるだけでなく、前後関係を整理してくださったのもよかったです。たとえば、CTOの松本がヒアリングの中で「テクノロジーが面白いのは、人間生活が変わるから。“テクノロジーの見えざる手”を人間に実装して、さまざまな課題を解決したい」と言っていたんです。それはつまり、LayerXはテクノロジーの追求だけをしたいんじゃなくて、世界を変えるための手段としてテクノロジーを研ぎ澄ませているということ。そうした順番をクリアにしていただいたことで、改めて発見がありました。 ——LayeXを構成する要素を言葉で整理したあと、ビジュアルに落とし込む作業はどのように進めていきましたか。 宮本:出てきたキーワードごとにムードボードを作成し、どんな世界観がフィットするかを探りました。第一印象ではテクノロジー感を出そうかと思っていたけれど、この段階に来てみると、すごくテックっぽいのはちょっと違う。かといって、親しみやすすぎるのもマッチしません。かつ、こちらが100%理論的に「ヒアリングから導き出したLayerXらしさはこれです!」と言ったところで、デザインの好き嫌いは絶対にあるものです。だから、さまざまなビジュアルのリファレンスで気に入らないものを省き、少しずつ解像度を高めていきました。 そのあとのロゴづくりも大変でしたね。LayerXらしさを体現するといっても、どの“らしさ”を前に出すかで、デザインの印象はがらりと変わります。「人の可能性を拡張する」「さまざまな人や物のハブになる」など、4つほどの方向性を決めてから、どんな割合で具現化するか試しながら、7種類の案を出しました。 千葉さん:複数の案を、デザイナーとしては「そのロゴを実際に使っているイメージが湧くか」という視点、社員としては「そのロゴがLayerXに合っているか」という視点で判断していきました。最終的に絞られた2案で、全社員アンケートを実施したんですが、結果はなんとほぼ半々! なんとも悩ましいけれど、それだけ的を射た提案になっていたんだと思います。 ロゴを精緻化していく作業もすごく細かかったですよね。タイポグラフィの角度や切れ込みの深度、角アールのかたちなど、とことん調整していただきました。 宮本:徹底的に詰めましたよね。でも、LayerXのみなさんはすごく言語化がうまいんです。お互いに意見を出し合って対話し、理論的にまとめていく力がとても強いから、デザイナーとしては作業がしやすかったです。CEOの福島さんからzakkyさん(野崎さん)に「見た目のことは任せる!」って権限移譲がされていたのもさすがでした。 野崎さん:僕らに対してもそうだし、パートナーに対してもそうなんですよね。だからプロジェクト全体を通して、シフトブレインさんというプロの意見を信じる姿勢でやらせていただきました。 3. デザインの展開パターンやガイドラインも作成——ロゴやWebサイトのキービジュアル、アイコンといった土台ができると、そのデザインはさまざまなツールに展開されていきました。 野崎さん:もともと土台のリニューアルができたら、そこからいろんなツールへ応用したいと考えていました。だから社内でも使いやすいように、デザインのガイドラインやロゴ・グラフィックの展開パターンを整えてもらったんです。 宮本:ロゴとグラフィックの展開は僕とzakkyさん、千葉さん、あともう一人のデザイナーさんと4人だけで、相当パターン出しましたよね。あの作業楽しかったなぁ。 野崎さん:ここもデザインチームに一任してもらっていたので、どんどんつくっちゃいましたね(笑)。僕としては、宮本さんたちも含めて「一緒にいいものをつくっていくためのチーム」という感覚でした。 宮本:僕も同じ感覚で、同じ目標に向かって仕事をさせてもらったと思っています。当社事例のクレジットにも、僕らクリエイターと同じように、zakkyさんと千葉さんのお名前を掲載しました。 野崎さん:あのパターンやガイドラインを基に、イベント用のムービーや立て看板、名刺、ネックストラップにフォンタブなど、リアルのツールをたくさん作りましたね。オフィスもリニューアルしましたから。施工会社にシフトブレインさんがつくってくれたムードボードを共有して、「立体に落とすとこんな感じだと思います」って話して。 宮本:オフィスまで作っちゃうなんて本当にすごい。でも、アナログのツールって、色の確認やデータの共有がめちゃくちゃ難しいんですよね。たとえばフォンタブを作ってくれたデザイナーさんは広島県にいて、僕は福井県に住んでいるから、見本ができたらそれぞれの家に送ってもらったりして。しかも、新ロゴはCMYKで印刷すると鮮やかさのコントロールが難しいブルーを使っているので、アナログゆえのチェックの大変さがありました。 4. デザインを重視するカルチャーは長期的なブレイクスルーになる——プロジェクトを経て、社内になにか変化はありましたか? 千葉さん:まず、最初の懸念点だった「社外からの見え方」は、短期間でかなり変わりました。実態と外からの見え方が合致して、ミスマッチがなくなったように思います。1ヶ月も経たないうちに新ロゴが馴染んだし、社内でも「新しいVIは私たちっぽい」という声が多いです。自社のオリジナルグッズを購入できるショップでも、みんなノベルティを自主的に買ってくれるし。うれしいですね。 野崎さん:イベントで声をかけていただいたり、求人に興味を持ってくれたりするデザイナーも増えましたね。しかも、みんな「クリエイティブにめちゃくちゃ投資してますよね」って、ブランディングの話をしてくれるんです。このプロジェクトがなかったら、デザイナーをうまく採用できていなかった可能性すらある(笑)。リブランディングはインナーで従業員エンゲージメントを高め、アウターで採用に寄与してくれるものだと思うので、ちゃんと結果が出ています。 社内への影響については、プロジェクト開始時のヒアリングからロゴの投票など、各プロセスできっちり社内を巻き込んできたのが大きいかもしれません。みんなでいっしょに新しいブランドをつくっていくんだという姿勢が社内に伝わって、それぞれに自分ごと化できた。トップダウンで推し進め、社員に納得感を持ってもらえないリブランディングなんて意味がないですから。 ROIを評価しづらいからこそ、経営が後押しする。LayerXがデザインへ注力する真意──福島良典×野崎駿×Goodpatch土屋尚史|designingそもそも『デザイン』はデザイナーだけが担う仕事ではないと思っています。重要なのは、狭義のスキルとしてデザインではなく、組織designing.jp ——社員が納得し、愛着が持てるリブランディングができたことで、業務にも影響はありましたか? 野崎さん:弊社事業「バクラク」のリブランディングでも、この経験は活きていますね。コーポレートリニューアルと同様に、いろんな意見を集めながら進められています。どういう見せ方をしたらお客様に響くのか、ビジョンを伝えるビジュアルはどんなものなのかといった相談が、デザイナーに届くようにもなりました。わかりやすく数値化できるような変化ではないけれど、デザインを重視するカルチャーが生まれたことは、すごく大きいと感じています。 千葉さん:経営者の変化もそうですね。もともと福島さんは「デザインは明るくないので、どう選べばいいかわからない」と悩んでいらっしゃる部分があったのですが、今回のプロジェクトを通じて宮本さんがデザインをずいぶん言語化してくださって。「こういう原理で、こういう根拠があってこういうデザインをしています。あとは主観で選べばOKです」という提案だったから、そのあとの意思決定もスムーズに進んでいきました。そのうえ、完成したロゴを見たときもすごく感激してくれていた。以降は経営として、それこそ先ほどお話ししたオフィスのような大型のデザイン投資にも「いいね!」と言ってくださるようになり、目に見えて変化がありました。もちろん、野崎さんを含むデザイナー陣や、デザインに興味を持ってくれている非デザイナーのメンバーたちが草の根的にデザインの力を伝えてきてくれた土台もあってのことですが、このマインドチェンジは、LayerXにとって長期的なブレイクスルーになると思いますね。 野崎さん:実際「デザインで問題解決したい」という勅命がすごく増えましたからね。 千葉さん:デザインの効果はどうしても定性的な説明になってしまうから、金額や人数への影響を証明できるような方法も見つけていきたいです。……でも、まず何より、つくってもらったものが本当に最高なんですよ(笑)。自社デザイナーたちも「こんな展開ができるかも」なんて考えつきやすいから、さまざまなクリエイティブが生まれています。そのなかでも、たぶん私が一番このデザインが好きなんじゃないかな(笑)。 宮本:めちゃくちゃうれしいです! ——最後に、これからシフトブレインに求めることを伺いたいです。 野崎さん:インハウスのデザイナーだけじゃやれない規模のものをいっしょにつくりたいですね。LayerXの10年後のビジョンを動画にするとか、社員総会のコンテンツやデザイン全般とか、アートディレクションから当社メンバーといっしょにやっていってもらいたいです。 宮本:社員総会、面白そうです! 僕はゆくゆく「この色を見ただけでLayerXっぽさを感じる」みたいな仕組みをつくってみたいと思っています。具体的なアイディアはまだないけれど、これだけ煮詰めたビジュアルなら、ほかがやっていないような展開もできそうだな、と。 野崎さん:ブランドは一年とかじゃつくりきれないから、そうやってやり続けることが大事ですよね。最初は全員でつくるんだけど、そのあとを地道に続けていくのはデザイナーの役割かなと思っています。そこにシフトブレインさんのように信頼できる第三者が入り、客観的な視点を増やしてくれるのが、やっぱりとても大切です。 制作物・コーポレートサイト ・VI制作(ロゴ、ロゴムービーを含む) ・ブランド / デザインガイドライン ・イベントムービー ・イベントブースの装飾物 ・名刺 ・ネックストラップ ・フォンタブ 【制作期間】 約14ヶ月(2023年4月〜2024年6月) 【担当領域】 ・企画 ・Webサイト制作 ・ロゴデザイン ・ツール制作 ・VI拡張 制作クレジットAccount Manager: Kazuya Okada Account Planner: Koya Sonoyama Producer, Project Manager: Tamami Maekawa Project Manager: Kazuyo Miyagawa Creative Director: Ryohei Kamada Art Director, Designer: Hiroki Miyamoto Designer: Kentaro Oda Developer: Sayaka Kiyose Interactive Developer: Wonguen Heo Back-end Developer: Takaaki Sato Technical Director: Hiroaki Yasutomo Web Director, Project Manager: Kobayashi Tetsuya (BACON inc.) Illustrator, Motion Graphics Designer: Shoi Okuda (EDP graphic works Co.,Ltd) Photographer: Kenichi Aikawa Copy Writer: Daisuke Tamura, Kengo Iida (PARK Inc.) ▼ 採用情報 シフトブレインでは、新しい仲間を募集しています。全社フルリモートのため、全国からのご応募をいただけます。 募集の詳細は、Wantedlyにてご覧ください! SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの会社情報 - WantedlySHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの魅力を伝えるコンテンツと、住所や代表・従業員などの会社情報です。「みんwww.wantedly.com ▼ SHIFTBRAIN GOODS STORE SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですsb-goodsstore.com Interview,Text: Sakura Sugawara Photographer: Shota Ojima Edit: John Nishiyama Content Coordinator: Mana Ohtake
Insight Magazine
SHIFTBRAINのプロジェクトの“内側”に焦点を当てて、掘り下げていくマガジンです。

激化するコンサル業界の採用。競合との差別化を叶える採用サイトができるまで【Insight Magazine】
こんにちは、シフトブレイン “Insight Magazine”です。 “Insight Magazine”とは、成果物のビジュアルや写真、動画だけでは伝えきれないプロジェクトの内側に焦点を当て、掘り下げていくマガジンです。実際にクライアントやパートナーを招き、シフトブレインのメンバーとプロジェクトの紆余曲折やその後の効果・影響についてお話しいただきます。 今回は、行政機関や民間企業のコンサルティングを手がける株式会社NTTデータ経営研究所(以下敬称略:経営研)とともにプロジェクトを振り返ります。 株式会社NTTデータ経営研究所 戦略コンサルティングとシンクタンクの2つの機能を有し、社会課題解決から企業変革まで全方位をカバー。行政機関と民間企業を両輪で支援し、オーダーメイドのコンサルティングサービスでクライアントの期待に応えています。 プロジェクト概要人材の流動性が激しいコンサルティング業界において、優秀な人材を確保し、定着を促すための採用サイトを制作。まずは同社を、不確実な社会を生き抜くために欠かせない「本物のコンサルタント」になれる場所であると定義し、サイト全体の情報設計とコピーワークの指針にしました。また、今回のリニューアルを機に策定されたビジョン“Lighting the way to a brighter society”に込めた想いを、光を意識したグラフィックやフォトディレクション、アニメーションによって表現しました。 株式会社NTTデータ経営研究所 Recruiting Site本プロジェクトを推進した代表取締役常務の浦野大さんは、サイトリニューアルによって「クリエイターの専門性を強く感じた。採用への効果だけでなく、社内にもいい影響が出ています」と語ります。クリエイティブが生まれていく裏側や成果物に込められた想い、リリース後の効果などを伺いました。 1、人材難が激化するなか、魅力的な情報発信ができる採用サイトがほしい――今回のプロジェクトは、どのような課題意識からはじまったものですか? ご依頼までの経緯をお聞かせください。 浦野 大さん(以下、浦野さん):コンサルティング業界は昔から、人材の流動性が高く、採用がとても厳しい業界です。そんななか、これまでの当社の採用サイトでは魅力的な情報をタイムリーに発信できているとは言えず、よい人材がなかなか確保できずにいました。事業規模は5年間で2倍近くまで大きくなっていたため、スキルやカルチャーの合う優秀な人材を採用することは、喫緊の課題だったのです。 そこで、手始めにコーポレートサイトを見直すことを決め、株式会社フォーデジットに依頼。無事にローンチを終え、次は採用サイトに着手しようとなったとき、フォーデジットさんから紹介いただいたのがシフトブレインさんでした。 Client: 浦野 大さん (株式会社NTTデータ経営研究所 代表取締役常務)――紹介を受けたのち、シフトブレインに依頼した決め手は何だったのでしょうか。 浦野:シフトブレインさんのさまざまな実績を見て「この会社なら、デザインの力で課題を解決してくれる」と感じたからです。私自身多くのシステムインテグレーション案件に取り組んできましたが、開発側の発想が優先すると、機能ばかりを重視したシステムが出来上がることは少なくありません。しかし、社会的にデザイン思考などが浸透していくなかで、ユーザーにとって見やすく使いやすいことの重要性が見直されてきました。シフトブレインの過去のクリエイティブは、見かけのデザインだけでなく、そうしたユーザー起点の発想や届けることへの意識が強いものだと思えました。 西山ジョン(以下、ジョン):ありがとうございます。そうした紹介でのご発注だったため、本格的にプロジェクトを動かしていく前に、まず我々もフォーデジットのインプット量に追いつく必要があると思いました。コーポレートサイトのリニューアルがどのように進められたのか、フォーデジットに経緯やアウトプットの意図をヒアリングしたり、業界を知るべくコンサルの入門書を読んだり……。コンサルティング業界は、ぱっと見とても難しそうに見えるため、その概要を把握するためにさまざまなインプットをしていきました。 西山ジョン (株式会社シフトブレイン CSO / Copywriter)2、サイト全体の指針となったキーコピーは、どのように生まれたか?――経営研の採用には、具体的にどのような課題があり、Webサイトにはどのような効果を求めていましたか。 浦野:先ほどジョンさんもおっしゃったように、当社は事業内容を説明するのがまず難しいんです。公共社会基盤領域に強いコンサルティング会社で、たとえばサーキュラーエコノミーのプロジェクトを手がけている……などと聞いても、何に対して価値を提供し、誰から報酬をいただいているのかがわかりづらいですよね。でも、採用サイトでは、そうした仕事の内容や面白さ、必要なスキルのイメージを具体的に見せなくてはいけません。 また、コンサルティング会社には明確なプロダクトがないぶん、どんな人がどう働いているかがすべてです。採用サイトではできるだけコンサルタント自身を前に出し、ここで働く魅力が伝わるようにしたいと考えていました。 ――そうした課題と求められる効果に対して、シフトブレインはどのようなアプローチを考えていきましたか。 道合 幸希(以下、道合):デザインにおいては、すでにコーポレートサイトでレールが敷かれている状態だったため、あえて新しい切り口は設定せず、そのトンマナを踏襲するかたちで進めていきました。 そのなかで全体のターニングポイントになったのは、ジョンさんがつくったKVコピーです。採用サイトで打ち出すメッセージはどこも似ていて、競合との差別化に苦労する印象がありましたが、メインコピー「本物の、コンサルタント。」が決まったとき、ほかとは違うサイトの軸ができたと感じました。 道合 幸希 (株式会社シフトブレイン アートディレクター / デザイナー)――ブレイクスルーとなったメインコピー「本物の、コンサルタント。」は、どのように生まれたのでしょうか? ジョン:ヒアリングのなかで、浦野さんが「経営研は省庁・自治体や企業にも、戦略から実行までオーダーメイドのコンサルティングを届けている。なんでもやっているからこそ、これをやっているという言い方ができない」とおっしゃっていたんです。浦野さんはやや自虐的なニュアンスをにじませていましたが、僕から見れば、それこそが経営研の強みだと感じました。不確実で複雑になっている現代社会において、経営研のような幅広さや自由さこそが、コンサル会社としての正解のかたちなのではないかと思ったんです。 競合では扱えるソリューションが決まっていたり、テーマの一部分しか任せてもらえなかったりすることが多いとも聞くなかで、興味のある領域にどんどん飛び込んで複合的なスキルを身に着けられるこの環境は、まさに一流になれる舞台。“なんでもやっていること”の良さをそうポジティブに伝えられたら、他社との差別化においても活路があると感じました。そんな思考回路から言語化していったのが「本物の、コンサルタント。」というコピーです。 この一案でプレゼンに臨んだため、採用になったときにはほっとしましたね(笑)。サイトの中身も「なぜ経営研のコンサルタントが本物なのか」を紐解く内容で考えていたため、これで筋の通ったコミュニケーションができる、と確信が持てた瞬間でした。 浦野:もしもコーポレートサイトだったら、ここまで尖ったコピーにはOKが出せなかったかもしれません。でも、確かに当社は、型にハマらず幅広い領域にチャレンジして、本物のスキルを磨いていける環境です。とてもエッジが効いていて、私たちが求めている応募者に刺さるコピーだと思いました。 3、ビジョンに基づく“らしさ”を、一貫したビジュアルでも表現――採用サイトを制作していくかたわらで、ビジョンの策定も並行していたと聞いています。 浦野:もともとミッションは策定されていたのですが、多彩な経歴を持つコンサルタントたちが、一つの方向にまとまるためのビジョンが抜け落ちていたんです。採用を進めていくうえで、全社員が同じ方向を向くための言葉が必要だと感じ、改めて制作することを決定しました。こちらで用意したコピーにシフトブレインからも意見をもらいつつ「Lighting the way to a brighter society(よりよい社会への道筋を照らす)」というビジョンにたどり着きました。 道合:デザインにおいてどう“経営研らしさ”を出していくか悩んでいたとき、このビジョンが大きなヒントになりました。型にハマらず働ける自由さや風通しの良さを、デザインでも打ち出したい。そこで「Lighting」や「brighter」といったキーワードを起点とし、グラフィックやアニメーション、フォトディレクションまで、すべてに光を意識したデザインを取り入れました。コンサルティング業界らしい堅実なトーンはありつつ、軽やかで明るい独自の印象をつくれたと思います。 ――「光を意識したデザイン」は、どのようにつくっていったのでしょうか。 道合:たとえば、全体のデザインを「光の道筋」を意識したレイアウトにしたり、アニメーションで光がふわっと画面を覆う、レンズフレアのような動きを取り入れたりしています。 道合:インタビューコンテンツの撮影でも、ふんわりとした光を取り入れるため、一つひとつのシーンでしっかりと絵作りをしていきました。自然光だけだと難しい場合はカメラマンと相談し、ライティングセットを組んで逆光を演出したりすることも。4日間と長めの撮影でしたが、撮られ慣れている方々が多く、いい雰囲気で進められました。 浦野:写真の色合いや光はさすがでしたね。私自身はデザインの素人なのでご提案いただいたものから選ぶスタイルでしたが、意図を聞くたびにしっかり説明してくださり、そこまで思考の下地があるのならと安心できました。最近は、生成AIが普及してきた結果、整った資料を作成した人に「どうしてこうなったのか」を聞くと、AIでつくっているため思考過程を論理的に答えられないというケースが散見されます。そんななか、しっかりと意図が言語化されていることで、こちらも具体的なフィードバックがしやすく、微調整のやりとりもスムーズでした。 ジョン:インタビューコンテンツは、取材を入れずにつくったのも経営研ならではの試みだったなと思います。普段からレポート作成に慣れているコンサルタントだけあって、「こういうテーマでお願いします」と伝えたら、出演者ご自身が書いてくださったんです。それぞれに人間味が出る原稿だったので、細かい文章の内容まではあえて統一せず、らしく書いていただきました。その方が所属しているチームのユニット長から、紹介コメントを寄せてもらったのもポイントです。客観的な視線が加わることで、その方の人となりがさらに浮かび上がりました。現場には少なくないご負担をかけてしまいましたが……(笑)、やってよかったです。 ――浦野さんから見て、プロジェクト全体を振り返ったときにブレイクスルーだと感じる場面はありましたか? 浦野:じつは初回の打ち合わせから、進め方がすごいと感じていました。アジェンダとタイムラインが徹底的に管理されていて、PMのモデレートに沿ってテキパキと話が進み、どんどん物事が決まっていく。発注者である私たちの仕事は「決めること」でしたが、その仕事にしっかり集中できました。あの進行は見習うべきだと、あとで社内のコンサルタントたちに伝えましたね。 プランナーやデザイナー、PMといったさまざまなプロフェッショナルが集まり、フラットに連携しながらプロジェクトを進めていく雰囲気もとてもよかったです。 ジョン:決裁者である浦野さんがつねに同席していただけたのは、僕たちにとっても心強かったですね。答えがいつも的確かつ素早いおかげで、スムーズに進行できました。もし、プレゼンする対象が現場の担当者さまだけで、あとから浦野さんに決済を取りに行くような形だったら、ちょっと難しい場面があったかもしれません。 道合:判断の速さは、広報担当の米倉さんにも感じました。撮影現場で香盤が前後したり、体調不良で欠席の方がいらっしゃったりしたときにも、すぐに代わりの素敵な方をアサインしてくださったんです。滞りなく撮影できて、とてもありがたかったですね。 4、採用は好調。Webサイトの存在が、社内へのいい刺激にもなった――採用サイトの公開後、どのような変化がありましたか? 浦野:まず、新卒・経験者両方の採用面接で採用サイトの感想を話してくれたり、掲載されているコンサルタントと一緒に働けるのがうれしいと言ってくれたりする方が出てくるようになりました。以前の採用サイトに比べると、PVも大幅に上がっています。昨年度の採用者数は百数十名で、人数もあきらかに増えましたね。社内的にも「このWebサイトに掲載されることがコンサルタントとして名誉である」という空気が生まれ、仕事へのいい刺激になっていると感じます。 また、せっかくとてもいいサイトができたのだからと、採用活動や研修で使っているPowerPointのスライドマスターも一新しました。もともと私たちを含め一部のメンバーにはデザインへの関心がありましたが、そうした「見え方」に対する意識が全体で変わってきたのも、サイトリニューアルの影響かもしれません。資料作成やプレゼンなどのときに「よりわかりやすく伝えよう」「もっと見栄えをよくしよう」という姿勢が生まれてきているように思います。 ――さらに効果を出していくために、これからどんなアクションを予定していますか? 浦野:変化の速い業界なので、インタビューコンテンツは定期的なアップデートが必要です。新しいテーマの組織の立ち上げによって事業も拡大を続けているため、経営研でできる仕事の内容も、どんどん増えています。そうした最新情報をしっかりアピールして、魅力を伝え続けていきたいですね。 道合:インタビューコンテンツは社内で更新されると伺っていたので、最初から運用時の細かい部分をすりあわせながら制作していました。たとえば、撮影には広報の方に帯同してもらったうえ、光の位置やカメラの設定を細かくマニュアル化して後日お渡ししたんです。実際に、新しいコンサルタントの写真は同じトンマナで追加されていましたね。公開から数年経ついまも、うまく運用いただけていてうれしいです。 浦野:「せっかくつくってもらったきれいなサイトを崩したくない」という責任感で、現場が頑張ってくれたようです。このプロジェクトでは、シフトブレインのクリエイターたちの専門性を強く感じました。私たちコンサルタントでもWebサイト自体はつくれるけれど、ここまで細部にこだわり、意味のあるデザインを突き詰めることは難しいもの。日本人は無形のものになかなかお金を払いませんが、もっとデザインの価値が認められるべきだと思いました。ご一緒できて、私たちにとってもいい経験になったと感じています。 ジョン:「社内にとってもいい影響を与えられるか」は僕の中心にある使命だったりするので、そういったお話をお聞きできたのは大変ありがたいです。今後も御社が何か困ったときに、真っ先に私たちの顔が浮かんで、お声がけいただけたらうれしいです。引き続きよろしくお願いします。 制作物ビジョン 採用サイト 採用資料テンプレート ビジョンロゴ+ガイドライン ビジョンロゴを使用したノートブックのデザイン 【制作期間】 約7ヶ月(2023年8月〜2024年3月) 【担当領域】 ・ビジョン策定 ・採用サイト制作 ・コピーライティング ・コンテンツディレクション ・フォトディレクション ・ツール制作 ・ビジョンロゴデザイン 制作クレジットProducer: Takuma Kato Planner, Copywriter: John Nishiyama Art Director, Designer: Koki Michiai Developer: Takaaki Sato Interactive Developer: Anna Komakine Project Manager: Umi Teranishi, Iku Ando, Kazuyo Miyagawa Photographer: Kei Fujiwara Photographer (Interview): Kenta Shibayama ▼ 採用情報 シフトブレインでは、新しい仲間を募集しています。全社フルリモートのため、全国からのご応募をいただけます。 募集の詳細は、Wantedlyにてご覧ください! SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの会社情報 - WantedlySHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの魅力を伝えるコンテンツと、住所や代表・従業員などの会社情報です。「みんwww.wantedly.com ▼ SHIFTBRAIN GOODS STORE SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですshiftbrain-inc.stores.jp Interview,Text: Sakura Sugawara Edit: John Nishiyama Content Coordinator: Mana Ohtake

“攻めたサイト”が実現したのは、受発注の関係性を超えて同じゴールを目指せたから【Insight Magazine】
こんにちは、シフトブレイン “Insight Magazine”です。 “Insight Magazine”とは、成果物のビジュアルや写真、動画だけでは伝えきれないプロジェクトの内側に焦点を当て、掘り下げていくマガジンです。実際にクライアントやパートナーを招き、シフトブレインのメンバーとプロジェクトの紆余曲折やその後の効果・影響についてお話しいただきます。 今回は企業のDX推進に伴走する株式会社鈴木商店(以下敬称略:鈴木商店)と共にプロジェクトを振り返ります。 株式会社鈴木商店 「挑戦するお客様の力に」をミッションに、企業のDX推進をワンストップで支援。デジタルトランスフォーメーション伴走サービス「Shift-D」を通じて、顧客のIT戦略立案から導入、効果検証までを担っています。 プロジェクト概要組織変革を経たいまの“鈴木商店らしさ”を伝えるため、コーポレートサイトとロゴをリニューアル。シフトブレインが企画・デザインを、鈴木商店が実装・撮影・運用を分担することで、彼らが大切にする「二人三脚のものづくり」を体現するプロジェクトになりました。 鈴木商店 | DXコンサルティング挑戦するお客様の力に−−。私たちは深い理解、鋭い論理、そして的確なソリューションによってお客様のDXをサポートし、変化の激www.suzukishouten.co.jp 「社外からの見え方が変わっただけでなく、制作過程で学びも多かった」と話すのは、鈴木商店でリブランディングを担ってきた松内 陵さん。同じく担当の若林 奨太さん、吉田 理絵さんも迎え、プロジェクトの背景やシフトブレインとの連携によって得られたもの、リニューアル後の効果などを振り返ります。 1. 「この人たちに頼みたい」「この人たちのために頑張りたい」——今回のコーポレートサイトリニューアルは、どのような課題意識からスタートしたものですか? 若林 奨太さん(以下、若林さん):まず、鈴木商店にはこの数年で、大きな変化がいくつもあったんです。組織はピラミッド型からティール型になり、働き方が出社からリモートに。対顧客の面でも、作業に近いご依頼ではなく、DX戦略から一緒に考えていく伴走型の案件が増えていました。でも、コーポレートサイトはずっと置き去りになっていて、そうした現状が伝わる表現にできていなかったんです。名実ともにお客さまと伴走できる会社になるため、正しいメッセージを発信できるWebサイトが必要でした。 Client: 若林 奨太さん (株式会社鈴木商店 Develop UI)——サイトリニューアルにあたり、鈴木商店なら、社内でできることがたくさんあったと思います。シフトブレインへの外注を考えたのはなぜでしょうか? 松内 陵さん(以下、松内さん):すべて内製することも考えはしましたが、いま弊社がどう見えているか、これからどう見せていくべきかの客観的な視点がほしいと思いました。そのためのパートナーには、僕らがお客さまにしているように、僕らに伴走してくれる会社がいい。で、真っ先に話を聞いてみたいと思ったのがシフトブレインさんでした。 Client: 松内 陵さん (株式会社鈴木商店 Develop UI)西山 ジョン(以下、ジョン):そうだったんですね! 若林さん:お話を伺ってみると、確かに僕らとシフトブレインさんのお客さまに向き合うマインドには、近さを感じましたね。この方々なら僕らの言うことだけを鵜呑みにせず、その先のことまで考えたものづくりをしてくれるんじゃないかと思いました。 吉田 理絵さん(以下、吉田さん):私はマインドの部分だけでなく、シフトブレインさんが理論的にデザインをつくっていることも印象的でした。明確なプロセスのご説明をいただいたことで、信頼度が増したんです。 Client: 吉田 理絵さん (株式会社鈴木商店 Develop API)松内さん:なので満場一致でお願いしたいと思ったのですが、最初は予算が合わず……。でもどうしても依頼したかったので、こちらができる作業を引き取ってお見積を削ることで、ご一緒できるように調整していきました。結果的に、当社のことを掘り下げるブランディングの作業からWebサイトのワイヤーフレーム、デザインをシフトブレインさんにお願いし、実装や運用は自分たちで担当することになりました。 ——プロジェクトが始まってからは、どんな作業から進めていったのでしょうか。 ジョン:ほかの案件と同じように、「らしさ」を言語化・視覚化していくためのヒアリングから始めました。リニューアル前のWebサイトやWantedlyなどを読み込みつつ、僕は「DX」というものを当時あまりよくわかっていなかったので、『DXの一年目の教科書』みたいな書籍も買って読みましたね。 吉田さん:さすがの下調べで、最初にいただいたヒアリングシートの質問からとても的を射ていて驚きました。 若林さん:めちゃくちゃしっかり僕らを調査してくださったということが伝わってきましたね。もう、がっつり心をつかまれました。 松内さん:ただ、ヒアリングに回答するのはすごく難しかったです。じつは自分たちの会社について言語化できていない部分がたくさんあるんだなと気づきました。でも、その不明瞭な回答をジョンさんたちが咀嚼して深堀りしてくれたおかげで、自分たちのことがすごくクリアに見えてきた。 その作業を目の当たりにした当社代表の史郎さんが「シフトブレインさんはMTGのときだけでなく、お風呂に入っているときにも僕らのことを考えてくれてるんじゃないかなって思わせてくれるのがすごいよね」と言っていました。 ジョン:……それはもう、額縁に入れて飾っておきたい言葉ですね。僕は僕で、序盤のオンラインMTGで史郎さんが「こんなに調べていただいてありがとうございます」と言ってくださったことをよく覚えています。その佇まいを見て、まだほとんど何もしていないのに不思議と「このプロジェクトは大丈夫だ」と思えたんです。鈴木商店はみなさん本当にいい方ばかりで、そのあとも「この人たちのために頑張らないといけないなぁ」という前向きな気持ちが続きました。 西山ジョン (シフトブレイン CSO / Copywriter)2. 攻めたデザインの誕生と、分業でも妥協しない姿勢ジョン:一方で、ヒアリングを経て最初に思ったのは「Webサイトと会社にめちゃくちゃ乖離があるな」ということです。 一同:(笑)。 ジョン:こんなにいい感じの人たちがいっぱいいる会社なのに、以前のWebサイトではそのフレンドリーさがまったく出ていませんでした。ビジュアルがコードの画面で人は一切出てこないし、事業の売りは「伴走/パートナーシップ」のはずなのに、テキストの言葉選びのせいか「リーズナブル」を強調しているように見える。そうしたギャップを解消し、本来の「鈴木商店らしさ」を落とし込んだ“FUN”なビジュアルを目指しました。 山上 哲(以下、山上):ジョンさんがあぶりだした鈴木商店のDNAは「FUN」「FLUID」「FELLOW」など。僕のほうではまず、その言葉たちをデザインに置き換えて「デザイン・プリンシプル」をつくっていきました。 松内さん:言葉の時点ではもちろん共感していたものの、DX事例の紹介が中心になるようなWebサイトで、どんなふうに「FUN」を表現するんだろう? と思いました。その解答を斜め上からたたき出してくれたのが「つながりが途切れないWebサイト」という提案です。 ジョン:サイト設計にあたって競合を調べてみると、DXを謳う会社は軒並み「クライアントに伴走」していることがわかったんです。つまり、鈴木商店もそれを伝えるだけでは勝てない。だから、「伴走する」の言い方で頭一つ抜けることによって、検討のテーブルに上がりたいと考えました。 そこで思いついたのが、鈴木商店さんとクライアントの関係性が“途切れない”ことを表現するアイディアです。途切れないテキストのなかに下層ページへの導入セクションなど、あらゆる情報を盛り込む。ページ遷移でも画面を切り替えるのではなく、途切れないアニメーションを使う……。 若林さん:初めて聞いたときはめちゃくちゃびっくりしましたよ(笑)。それまでに打ち合わせしていた内容をちゃんと踏襲しているのに、発想がぶっ飛んでいる。僕らにはこういう奇抜なことはできないし、ほかで見たこともありません。だからこそ、チャレンジに値するんじゃないかと思いました。 山上:確かに攻めたデザインですよね。ジョンさんから渡されたワイヤーフレームを見たときに「おぉ……!」と思いました(笑)。でも、確かにこれくらい攻めていいんじゃないか、と。 山上 哲 (シフトブレイン Art Director / Designer)ジョン:ほかのプランはなかったので、却下されたら困っちゃうところでした(笑)。でも、自分としては勝算があった。 クライアントワークをしているクリエイターには、大きく2つのタイプがいると思うんです。仕事を通じて自分の個性を見せたいタイプと、個性をなくしてクライアントに合ったものを突き詰めるタイプ。僕は前者なので、自分らしさも出しながらクライアントの課題を解決したいと常々思っています。今回は、その僕のエゴがさく裂したアイディアでした。でも、それまでのやりとりで鈴木商店さんとは関係性ができていたから、きっと受け入れてもらえると感じていました。 吉田さん:確かに攻めてはいるけれど(笑)、つながりが途切れないことをこんなふうにも表現できるんだっていう感動がありました。楽しいデザインなのに、誠実に仕事に取り組む雰囲気も伝わる、絶妙な塩梅ですよね。 山上:僕は、テキスト中に絵文字を入れたのが効いているなと思っています。どの絵文字をどのボリュームで入れるかPMの寺西がたくさん考えてくれて、フレンドリーさがほどよく表現できている。文字がカタカタ出てくる演出は、若林さんがいい感じのリファレンスを見つけてくれたんですよね。 ——ほかにないデザインのWebサイトだからこそ、実装を担当された鈴木商店さんにはさまざまなご苦労があったのではないでしょうか。シフトブレインとどのように連携して進めていきましたか。 若林さん:慣れないことばっかりで本当に大変でした(笑)。でも、自分たちが実装することでサイトをコントロールしやすくなるのは、メリットでもあります。当事者意識を持ち続けるためにも、ここは頑張っておきたいと思って。 山上:ページが流れるような遷移の演出などは、もしかしたら無理かもしれないと思いつつのご相談だったのですが……松内さんや若林さんがやり方をとことん調べて、実現してくれました。 若林さん:僕らがクライアントだからって変に遠慮することなく、いいWebサイトをつくるために必要なオーダーをどんどん言ってくれたのがよかったですね。妥協してクオリティが落ちるのが一番いやですから。 松内さん:作業時は「(山上)テツさんの期待に沿うアニメーションをつくりたい」と強く思っていました(笑)。テツさん、本当に妥協しないんですよ。「ここの動きはこれくらいなめらかにしてほしい」って、5回10回とフィードバックをいただきました。 山上:すみません(笑)。 松内さん:でも、言われたことをやってみると、明らかによくなっているんですよね。普段の業務では絶対にやらない領域の作業だったので、純粋に楽しくもありました。 若林さん:写真の撮り方やテキストの書き方など、自分たちにないノウハウを丁寧に共有してもらえたのも助かりました。そうやって自分たちが手を動かしてつくったものだから、ものすごい愛着が生まれたし。 ジョン:サイトリニューアルやブランディングって、ともすると「完成しました!つくってよかった!」でおしまいになる可能性があるけれど、鈴木商店さん自身が僕らと一緒につくったからこそ、これからもちゃんと走らせ続けていけると思うんです。そういう形にできたのが本当によかった。 3. 自分たちの仕事にも活きる学びが生まれた——ロゴのリニューアルはどのように進めましたか? 松内さん:いま手を付けなかったらまた10年くらい同じロゴのままいってしまうだろうな、と思い、一連の流れでリニューアルすることに決めました。 山上:初回は幅広いテイストで提案し、少しずつ絞り込んでいきました。2回目にアザーとして出した案のひとつを気に入ってもらってからは、その方向性をいろいろと試しましたね。最終的に決まったのは、鈴木商店のチームワークやアジャイルを表現したデザインです。左下から「クライアントの課題」が入ってきて、鈴木商店のなかでアジャイルの循環を経て、右上から最適解を出す……といったイメージを具現化しています。 吉田さん:どの案も全部よかったから、社内でアンケートを取ったら意見がめちゃくちゃ割れたんですよね(笑)。それぞれどの案のどこがいいと思うのかを何度もプレゼンしあって決めました。 山上:ロゴをつくる過程で、オリジナルキャラもできましたね。緑のカラーバリエーションが「サボテンっぽい」と言われたことをきっかけに、ちょっとつくってみたんですよ。それをシフトブレイン内に共有したら「これも提案しちゃおっか」「きっと喜んでもらえるだろう」と盛り上がって。 若林さん:実際みんな喜びましたね。とにかくかわいいもんだから、すぐに勉強会で配るステッカーにしたり、ワンポイントロゴのポロシャツにしたりして。ウェアは希望者の分だけつくろうと思っていたのに、ほぼ全員がほしがって、お客さまのところへ行くときのユニフォームとして重宝しています。 ——プロジェクトを経て、社内外にはどのような変化がありましたか? 若林さん:最初に目指したとおり、問い合わせの質が明らかに変わりました。作業中心の依頼ははっきりと減って、ある程度の価格を覚悟しつつも、戦略から一緒につくってほしいというお客さまが増えた。それから、採用にもいい影響が出ていると感じます。 吉田さん:面接をしていても感じますね。「Webサイトがよかったから」という応募者が多いし、ティール組織に合った自律的な人材が来てくれるようになったと思います。それに、外から会社を見つめ直してもらったことで、私たち自身も鈴木商店の特徴をとらえ直すことができました。「お客さまに伴走する」ってどういうことなんだろうと、改めて腹落ちできた気がします。 松内さん:確かに、僕たち自身にも学びがありました。シフトブレインさんの仕事は、クライアントと同じ熱量を持ち、同じ方向に向かっていっしょに頑張るスタイルで……それはまさに、僕らがクライアントワークで理想としている“伴走”。「僕らはこんなにお客さまを巻き込めているかな」「僕らも伴走者としてもっとやれることがある」と、普段の自分たちを振り返るきっかけになりました。この感覚は、今後の仕事にも活きると思います。 ジョン:それは僕らも同じです。今回は「予算が合わない」とあっさり見送るのではなく、いいものをつくっていくためにお互い何ができるかを考えた結果、連携するという手段が取れました。こういうやり方もあるんだなと、とてもいいケーススタディになりましたね。受発注の関係性を超えて、いいグルーヴが生まれていると感じる瞬間がいくつもありました。 山上:ほんと……鈴木商店さんと、またいっしょになんかものづくりしたいです。 ジョン:プロジェクトが終わったあと、史郎さんやみなさんから熱いお礼のメッセージをいただいたのも、本当にうれしかったです。今後なにか困ったとき、真っ先に僕らの顔と名前を思い出してもらえたらいいな。……というか、そうじゃなかったら悔しくてハンカチ噛むかもしれません(笑)。 若林さん:(笑)。次の新しいサービスも走り出したところなので、もう少し輪郭が見えてきたら、またぜひ打ち出し方から相談させてもらいたいなって思ってます! 制作物・コーポレートサイト ・ロゴ(ロゴガイドラインを含む) ・ブランド / デザインガイドライン ・ノベルティ ・フォトディレクション ・ライティング 【制作期間】 約11ヶ月(2024年2月〜2024年12月) 【担当領域】 ・ブランディング ・Webサイト制作 ・ロゴデザイン ・オリジナルキャラクター制作 ・ツール制作 制作クレジットAccount Manager: Kazuya Okada, Koya Sonoyama Producer, Project Manager: Tamami Maekawa Planner: John Nishiyama, Shoko Imaizumi Art Director, Designer: Tetsu Yamakami Project Manager: Umi Teranishi, Kazuyo Miyagawa Lead Developer: Shota Wakabayashi (Suzukishouten Co., Ltd.) Developer: Hideki Kamakura (Suzukishouten Co., Ltd.), Hirofumi Taki (Suzukishouten Co., Ltd.), Ryo Matsuuchi (Suzukishouten Co., Ltd.) Photographer: Ryo Matsuuchi (Suzukishouten Co., Ltd.) Writer, Editorial Adviser: Sakura Sugawara ▼ 採用情報 シフトブレインでは、新しい仲間を募集しています。全社フルリモートのため、全国からのご応募をいただけます。 募集の詳細は、Wantedlyにてご覧ください! SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの会社情報 - WantedlySHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの魅力を伝えるコンテンツと、住所や代表・従業員などの会社情報です。「みんwww.wantedly.com ▼ SHIFTBRAIN GOODS STORE SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですsb-goodsstore.com Interview,Text: Sakura Sugawara Edit: John Nishiyama Content Coordinator: Mana Ohtake

デザインの価値が伝わるリブランディングで、長期的なブレイクスルーが生まれた【Insight Magazine】
こんにちは、シフトブレイン “Insight Magazine”です。 “Insight Magazine”とは、成果物のビジュアルや写真、動画だけでは伝えきれないプロジェクトの内側に焦点を当て、掘り下げていくマガジンです。実際にクライアントやパートナーを招き、シフトブレインのメンバーとプロジェクトの紆余曲折やその後の効果・影響についてお話しいただきます。 今回は「すべての経済活動を、デジタル化する。」をミッションに掲げ、AI SaaSやFintech事業、AI・LLM事業を手がける株式会社LayerXとともに、リブランディングプロジェクトを振り返ります。 株式会社LayerX LayerXは「すべての経済活動を、デジタル化する。」をミッションに掲げ、SaaS+Fintechを軸に、AIを中心としたソフトウェア体験を社会実装するスタートアップです。 プロジェクト概要LayerXが目指す「すべての経済活動をデジタル化し、さまざまな人の創造性が発揮される社会」を実現するためには、まずLayerX自身の人格や役割を見つめ直すことが必要でした。シフトブレインは株式会社PARKとの協業で、ブランドDNAの策定やコーポレート人格の整理から参加。そのうえでロゴやコーポレートサイト、各種ツールやガイドラインのデザイン及び制作を担当しました。 株式会社LayerX「すべての経済活動を、デジタル化する。」をミッションに掲げる株式会社LayerXのコーポレートサイトです。layerx.co.jp LayerXの専門役員 デザイン担当である野崎駿さんは「リブランディングは、インナーで従業員エンゲージメントを高め、アウターで採用に寄与してくれるもの。今回のプロジェクトは、どちらもちゃんと成果が出た」と語ります。また、「仕上がったビジュアルによって、デザインに投資してもらえるようになった」と言うのは、LayerXデザイナーの千葉百枝さん。お二人をお招きし、プロジェクトの経緯や制作物のこだわり、その後の変化をうかがいました。 1. ミッションやVIといまのLayerXに、乖離が生まれていた——今回のプロジェクトが動き出すまで、社内ではどんな課題を感じていらっしゃいましたか? ご依頼までの経緯を聞かせてください。 野崎 駿さん(以下、野崎さん):僕はデザインの力で事業をドライブさせるため、2023年1月にLayerXにジョインしました。入社して1ヶ月ほど、さまざまな社員と1on1をした結果、まず手を入れたほうがいいと考えたのがVIやミッションの副文。「すべての経済活動を、デジタル化する。」というミッションにはみな納得感があったものの、それを実現した未来やLayerX自身の姿についての理解は、まだ深められていないと思ったんです。 Client: 野崎 駿さん (株式会社LayerX 専門役員 デザイン担当)以前のVIは、LayerXがブロックチェーンを主軸としていた時代に制作したロゴだったため、AIやフィンテック、SaaSを扱ういまの実態とずいぶん乖離が生じていました。VIがずれていると、そこから作られるクリエイティブやコミュニケーションにもギャップが生まれてしまいます。 千葉 百枝さん(以下、千葉さん):旧VIは先進的で尖っていて……勢いのある「ザ・スタートアップ」というイメージ。数年前は会社自体もそうだったからそれでよかったのですが、いまのLayerXはお客様や社員を含めたステークホルダーが多様になり、プロダクトや社内の雰囲気も変化しています。でも、その変化が社外に伝わりきっておらず、昔の印象から脱却できていませんでした。自分たちのブランドや世界観を見つめ直し、クリエイティブを刷新する時期が来ていたんだと思います。 Client: 千葉 百枝さん (株式会社LayerX BXデザイナー)野崎さん:ミッションの調整はもともと一緒につくってくれたPARKさんにお願いして、ロゴやWebサイトなどの制作は新たなパートナーを探すことにしました。ビジュアル主導で進めるのではなく、企業のインサイトや言葉を引き出したうえでビジュアルに落とし込んでくれる会社を探していたんです。 宮本 浩規(以下、宮本):そのなかで、どうして僕らに決めてくださったんですか? 野崎さん:前職でコーポレートサイトリニューアルを担当してくださっている様子を見ていて、こちらの意図をちゃんと汲み取りながら進めてくれるパートナーだと感じたからです。自分たちがどういうブランドで、どういうコミュニケーションをしていくべきかって、じつは自分たちでもつかみきれていない。だからこそ段階を踏んで、僕らがどんな存在なのかをいったん言葉に落とし、それからデザインと接続してもらいたかったし、シフトブレインさんならそうしてくれると思いました。 2. 企業の人格をあぶり出し、どの“らしさ”を前に出すか考える——プロジェクトは、まずどんなアクションから始めましたか? 宮本:まずは、LayerXのいまの人格をつかもうと思いました。最初に手をつけたのは、社員さんたちのヒアリング。みなさんからふいに出る言葉の端々から、そのDNAをあぶり出していく作業です。 宮本 浩規 (シフトブレイン Art Director / Designer)野崎さん:そういうヒアリングって、だいたいボードメンバーをメインにやることが多いじゃないですか。でも、シフトブレインさんは風通しよく、いろんな部署やレイヤーの人たち20名以上と幅広く会話してくれたのが印象的です。 千葉さん:社歴も職種もさまざまなメンバーでしたが、話を聞いてみると、みんなの言うことが結構似ていましたよね。言語化や発信こそされていなかったけれど、意識や行動はきちんと共通のDNAに紐づいていたんだなって実感できる時間でした。また、最初にプロジェクトメンバーでキックオフをしたのもよかったですね。 宮本:代表はじめ社員のみなさんが「徳」や「人間らしさ」を大切にしているのは、LayerXの特徴かなと思いました。徳とは、長期的な視点で社会の発展に寄与することや、信頼を得ることを追求する在り方。人間らしさは、文化や価値観の違う人を歓迎し、お互いを支え合うスタンスなどから感じられました。こうしたマインドに軸足を置いて事業に取り組んでいるということが、旧ビジュアルではなかなか伝えきれていなかったかもしれません。 千葉さん:さまざまな要素を見つけるだけでなく、前後関係を整理してくださったのもよかったです。たとえば、CTOの松本がヒアリングの中で「テクノロジーが面白いのは、人間生活が変わるから。“テクノロジーの見えざる手”を人間に実装して、さまざまな課題を解決したい」と言っていたんです。それはつまり、LayerXはテクノロジーの追求だけをしたいんじゃなくて、世界を変えるための手段としてテクノロジーを研ぎ澄ませているということ。そうした順番をクリアにしていただいたことで、改めて発見がありました。 ——LayeXを構成する要素を言葉で整理したあと、ビジュアルに落とし込む作業はどのように進めていきましたか。 宮本:出てきたキーワードごとにムードボードを作成し、どんな世界観がフィットするかを探りました。第一印象ではテクノロジー感を出そうかと思っていたけれど、この段階に来てみると、すごくテックっぽいのはちょっと違う。かといって、親しみやすすぎるのもマッチしません。かつ、こちらが100%理論的に「ヒアリングから導き出したLayerXらしさはこれです!」と言ったところで、デザインの好き嫌いは絶対にあるものです。だから、さまざまなビジュアルのリファレンスで気に入らないものを省き、少しずつ解像度を高めていきました。 そのあとのロゴづくりも大変でしたね。LayerXらしさを体現するといっても、どの“らしさ”を前に出すかで、デザインの印象はがらりと変わります。「人の可能性を拡張する」「さまざまな人や物のハブになる」など、4つほどの方向性を決めてから、どんな割合で具現化するか試しながら、7種類の案を出しました。 千葉さん:複数の案を、デザイナーとしては「そのロゴを実際に使っているイメージが湧くか」という視点、社員としては「そのロゴがLayerXに合っているか」という視点で判断していきました。最終的に絞られた2案で、全社員アンケートを実施したんですが、結果はなんとほぼ半々! なんとも悩ましいけれど、それだけ的を射た提案になっていたんだと思います。 ロゴを精緻化していく作業もすごく細かかったですよね。タイポグラフィの角度や切れ込みの深度、角アールのかたちなど、とことん調整していただきました。 宮本:徹底的に詰めましたよね。でも、LayerXのみなさんはすごく言語化がうまいんです。お互いに意見を出し合って対話し、理論的にまとめていく力がとても強いから、デザイナーとしては作業がしやすかったです。CEOの福島さんからzakkyさん(野崎さん)に「見た目のことは任せる!」って権限移譲がされていたのもさすがでした。 野崎さん:僕らに対してもそうだし、パートナーに対してもそうなんですよね。だからプロジェクト全体を通して、シフトブレインさんというプロの意見を信じる姿勢でやらせていただきました。 3. デザインの展開パターンやガイドラインも作成——ロゴやWebサイトのキービジュアル、アイコンといった土台ができると、そのデザインはさまざまなツールに展開されていきました。 野崎さん:もともと土台のリニューアルができたら、そこからいろんなツールへ応用したいと考えていました。だから社内でも使いやすいように、デザインのガイドラインやロゴ・グラフィックの展開パターンを整えてもらったんです。 宮本:ロゴとグラフィックの展開は僕とzakkyさん、千葉さん、あともう一人のデザイナーさんと4人だけで、相当パターン出しましたよね。あの作業楽しかったなぁ。 野崎さん:ここもデザインチームに一任してもらっていたので、どんどんつくっちゃいましたね(笑)。僕としては、宮本さんたちも含めて「一緒にいいものをつくっていくためのチーム」という感覚でした。 宮本:僕も同じ感覚で、同じ目標に向かって仕事をさせてもらったと思っています。当社事例のクレジットにも、僕らクリエイターと同じように、zakkyさんと千葉さんのお名前を掲載しました。 野崎さん:あのパターンやガイドラインを基に、イベント用のムービーや立て看板、名刺、ネックストラップにフォンタブなど、リアルのツールをたくさん作りましたね。オフィスもリニューアルしましたから。施工会社にシフトブレインさんがつくってくれたムードボードを共有して、「立体に落とすとこんな感じだと思います」って話して。 宮本:オフィスまで作っちゃうなんて本当にすごい。でも、アナログのツールって、色の確認やデータの共有がめちゃくちゃ難しいんですよね。たとえばフォンタブを作ってくれたデザイナーさんは広島県にいて、僕は福井県に住んでいるから、見本ができたらそれぞれの家に送ってもらったりして。しかも、新ロゴはCMYKで印刷すると鮮やかさのコントロールが難しいブルーを使っているので、アナログゆえのチェックの大変さがありました。 4. デザインを重視するカルチャーは長期的なブレイクスルーになる——プロジェクトを経て、社内になにか変化はありましたか? 千葉さん:まず、最初の懸念点だった「社外からの見え方」は、短期間でかなり変わりました。実態と外からの見え方が合致して、ミスマッチがなくなったように思います。1ヶ月も経たないうちに新ロゴが馴染んだし、社内でも「新しいVIは私たちっぽい」という声が多いです。自社のオリジナルグッズを購入できるショップでも、みんなノベルティを自主的に買ってくれるし。うれしいですね。 野崎さん:イベントで声をかけていただいたり、求人に興味を持ってくれたりするデザイナーも増えましたね。しかも、みんな「クリエイティブにめちゃくちゃ投資してますよね」って、ブランディングの話をしてくれるんです。このプロジェクトがなかったら、デザイナーをうまく採用できていなかった可能性すらある(笑)。リブランディングはインナーで従業員エンゲージメントを高め、アウターで採用に寄与してくれるものだと思うので、ちゃんと結果が出ています。 社内への影響については、プロジェクト開始時のヒアリングからロゴの投票など、各プロセスできっちり社内を巻き込んできたのが大きいかもしれません。みんなでいっしょに新しいブランドをつくっていくんだという姿勢が社内に伝わって、それぞれに自分ごと化できた。トップダウンで推し進め、社員に納得感を持ってもらえないリブランディングなんて意味がないですから。 ROIを評価しづらいからこそ、経営が後押しする。LayerXがデザインへ注力する真意──福島良典×野崎駿×Goodpatch土屋尚史|designingそもそも『デザイン』はデザイナーだけが担う仕事ではないと思っています。重要なのは、狭義のスキルとしてデザインではなく、組織designing.jp ——社員が納得し、愛着が持てるリブランディングができたことで、業務にも影響はありましたか? 野崎さん:弊社事業「バクラク」のリブランディングでも、この経験は活きていますね。コーポレートリニューアルと同様に、いろんな意見を集めながら進められています。どういう見せ方をしたらお客様に響くのか、ビジョンを伝えるビジュアルはどんなものなのかといった相談が、デザイナーに届くようにもなりました。わかりやすく数値化できるような変化ではないけれど、デザインを重視するカルチャーが生まれたことは、すごく大きいと感じています。 千葉さん:経営者の変化もそうですね。もともと福島さんは「デザインは明るくないので、どう選べばいいかわからない」と悩んでいらっしゃる部分があったのですが、今回のプロジェクトを通じて宮本さんがデザインをずいぶん言語化してくださって。「こういう原理で、こういう根拠があってこういうデザインをしています。あとは主観で選べばOKです」という提案だったから、そのあとの意思決定もスムーズに進んでいきました。そのうえ、完成したロゴを見たときもすごく感激してくれていた。以降は経営として、それこそ先ほどお話ししたオフィスのような大型のデザイン投資にも「いいね!」と言ってくださるようになり、目に見えて変化がありました。もちろん、野崎さんを含むデザイナー陣や、デザインに興味を持ってくれている非デザイナーのメンバーたちが草の根的にデザインの力を伝えてきてくれた土台もあってのことですが、このマインドチェンジは、LayerXにとって長期的なブレイクスルーになると思いますね。 野崎さん:実際「デザインで問題解決したい」という勅命がすごく増えましたからね。 千葉さん:デザインの効果はどうしても定性的な説明になってしまうから、金額や人数への影響を証明できるような方法も見つけていきたいです。……でも、まず何より、つくってもらったものが本当に最高なんですよ(笑)。自社デザイナーたちも「こんな展開ができるかも」なんて考えつきやすいから、さまざまなクリエイティブが生まれています。そのなかでも、たぶん私が一番このデザインが好きなんじゃないかな(笑)。 宮本:めちゃくちゃうれしいです! ——最後に、これからシフトブレインに求めることを伺いたいです。 野崎さん:インハウスのデザイナーだけじゃやれない規模のものをいっしょにつくりたいですね。LayerXの10年後のビジョンを動画にするとか、社員総会のコンテンツやデザイン全般とか、アートディレクションから当社メンバーといっしょにやっていってもらいたいです。 宮本:社員総会、面白そうです! 僕はゆくゆく「この色を見ただけでLayerXっぽさを感じる」みたいな仕組みをつくってみたいと思っています。具体的なアイディアはまだないけれど、これだけ煮詰めたビジュアルなら、ほかがやっていないような展開もできそうだな、と。 野崎さん:ブランドは一年とかじゃつくりきれないから、そうやってやり続けることが大事ですよね。最初は全員でつくるんだけど、そのあとを地道に続けていくのはデザイナーの役割かなと思っています。そこにシフトブレインさんのように信頼できる第三者が入り、客観的な視点を増やしてくれるのが、やっぱりとても大切です。 制作物・コーポレートサイト ・VI制作(ロゴ、ロゴムービーを含む) ・ブランド / デザインガイドライン ・イベントムービー ・イベントブースの装飾物 ・名刺 ・ネックストラップ ・フォンタブ 【制作期間】 約14ヶ月(2023年4月〜2024年6月) 【担当領域】 ・企画 ・Webサイト制作 ・ロゴデザイン ・ツール制作 ・VI拡張 制作クレジットAccount Manager: Kazuya Okada Account Planner: Koya Sonoyama Producer, Project Manager: Tamami Maekawa Project Manager: Kazuyo Miyagawa Creative Director: Ryohei Kamada Art Director, Designer: Hiroki Miyamoto Designer: Kentaro Oda Developer: Sayaka Kiyose Interactive Developer: Wonguen Heo Back-end Developer: Takaaki Sato Technical Director: Hiroaki Yasutomo Web Director, Project Manager: Kobayashi Tetsuya (BACON inc.) Illustrator, Motion Graphics Designer: Shoi Okuda (EDP graphic works Co.,Ltd) Photographer: Kenichi Aikawa Copy Writer: Daisuke Tamura, Kengo Iida (PARK Inc.) ▼ 採用情報 シフトブレインでは、新しい仲間を募集しています。全社フルリモートのため、全国からのご応募をいただけます。 募集の詳細は、Wantedlyにてご覧ください! SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの会社情報 - WantedlySHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの魅力を伝えるコンテンツと、住所や代表・従業員などの会社情報です。「みんwww.wantedly.com ▼ SHIFTBRAIN GOODS STORE SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですsb-goodsstore.com Interview,Text: Sakura Sugawara Photographer: Shota Ojima Edit: John Nishiyama Content Coordinator: Mana Ohtake

よくある田舎の、どこにもない物語。地域と取り組むブランディング『みさとと。』【Insight Magazine】
こんにちは、シフトブレイン “Insight Magazine”です。 “Insight Magazine”とは、成果物のビジュアルや写真、動画だけでは伝えきれないプロジェクトの内側に焦点を当て、掘り下げていくマガジンです。 実際にクライアントやパートナーを招き、シフトブレインのメンバーとプロジェクトの紆余曲折やその後の効果・影響についてお話しいただきます。 今回は島根県美郷町(以下敬称略:美郷町)と共に、島根県美郷町魅力再発見プロジェクト『みさとと。』を振り返ります。 島根県美郷町 島根県のほぼ中央に位置し、中国地方でもっとも雄大な河川である「江の川(ごうのかわ)」が貫流しています。人口は4600人ほど(※プロジェクト開始時の2019年時点)の小さな町です。 町の特産品は山くじら(いのしし)で、独自の製法による臭みのない肉はもちろん、皮革を使った財布やペンケースなども人気です。この山くじらの取り組みは47都道府県のうち、46の都道府県から視察を受けています。 また、インドネシアバリ島マス村と四半世紀に渡る交流を続けています。バリ島の自治体と交流があるのは、全国の自治体の中でも美郷町だけであり、近年では美郷町内にバリ島の伝統音楽「ガムラン」の楽団結成や、バリ島に特化した技能実習生の受け入れを行うなど、取り組みが発展しています。 プロジェクト概要本プロジェクトは、島根県美郷町 嘉戸(かど )町長の「美郷町の創生のため関係人口(※1)を増やしたい。そのために世界一のホームページを作りたい」という思いから、スタートしました。シフトブレインは、2019年初頭から美郷町リブランディングのパートナーとして様々な取り組みに関わっています。 ※1 関係人口:移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に関わる人々のことを指します。 みさとと。——島根県美郷町魅力再発見プロジェクトよくある田舎の、どこにもない物語。島根県美郷町から――。www.town.shimane-misato.lg.jp 2019年にプロジェクトの一環として制作した美郷町PRウェブサイト『みさとと。』が、Awwwards「Site Of The Day」、CSS Design Awards「Website Of The Day」、さらにFWAにて「FWA Of the Day」とWEBの世界3大アワードを受賞。 2020年にはリブランディングプロジェクトとして、国際的デザイン賞である「Communication Arts 2020(Interactive Annual部門)」と、「Red Dot Award 2020(Brands&communication design部門)」を受賞しました。 この記事では美郷町企画推進課の矢渡 正宏(やわた まさひろ)さんをお迎えし、5年間以上にわたるリブランディングの取り組みを振り返りつつ、今後の『みさとと。』についてお話いただきました。 1. きっかけは、公式ホームページのリニューアル——矢渡さんが所属されている企画推進課は美郷町ブランディングのメイン担当の課なのですか? 矢渡 正宏さん(以下、矢渡さん):プロジェクト初期のホームページ管理は企画推進課が担当していました。なので、シフトブレインさんへホームページのリニューアルを依頼したのも企画推進課です。 その後に、情報・未来技術戦略課(※2)という課が新設され、ホームページ管理は現在そちらに移っていますが、町のブランディングの脈絡でいうと企画推進課の担当になっています。 僕は当時から企画推進課で、このプロジェクトには主担当として関わっています。1番最初に美郷町が青山のシフトブレインオフィスを訪問した際も参加していました。 ※2 情報・未来技術戦略課:2021年に新設された町の課題解決、町民生活の質向上のため、ICT、デジタル技術等を活用した施策の推進強化を図る課。 Client: 矢渡 正宏さん (島根県美郷町 企画推進課)山本 真也(以下、山本):あれからもう5年半になりますね。矢渡さんとは唯一、最初から現在に至るまでずっとご一緒しています。 山本 真也 (ingraft inc. Producer / Planner) 2011年よりシフトブレインに在籍、2022年5月より独立し現職。 シフトブレイン退職後も美郷町のプロジェクトに参加しています。——本プロジェクトのはじまりは町の公式ホームページリニューアルの依頼でしたが、当時の美郷町にはどのような課題感があったのでしょうか? 矢渡さん:はじまりとしては、2018年11月に新しく町長が就任したことがきっかけとなります。嘉戸町長はもともと美郷町出身の方で高校は島根県内、その後に東京の大学を出られて、ずっと東京にいらっしゃった方です。その後も美郷町のことを気にかけておられたようで、2018年に美郷町に帰ってこられ、町長に就任されました。 町長は就任当初、美郷町の課題の1つとして町の認知度の低さを感じていて、認知度アップのための取り組みが最重要だと考えていました。認知度を上げるためにはまず町の顔であるホームページの刷新が必要だということで、「世界一のホームページを目指してリニューアルしてほしい」と。でも、一般的な自治体のホームページは少々リニューアルしたところで、大きく変わることはないんですよね。今回のリニューアルでは町自体の認知度を上げるために、話題性のあるホームページにする必要がありました。 ——シフトブレインにお問い合わせをいただいた経緯をお聞かせいただけますか? 矢渡さん:僕らもはじめはどこに制作をお願いしたらいいのかがわからず......。色々な課からセンスのありそうな人を集めて、役場内を横断したホームページリニューアルのプロジェクトチームを作ることにしました。 当時は僕ともう1人、佐竹(※現在は情報・未来技術戦略課 課長)が担当だったのですが、彼がそのプロジェクトチームのリーダーになって「どんなホームページがいいのだろうか」とチームみんなで話し合いました。「どうせ作るなら、すごく奇抜なのがいいよね」「一度見たら忘れられないようなホームページがいいよね」などと色々調べていくうちに、シフトブレインさんのコーポレートサイトに辿りつきました。そのサイトが超かっこよくて......! ▼当時のシフトブレイン コーポレートサイト 矢渡さん:また、僕らが制作会社を探している時にもう1つ重要視していたのが「行政のホームページの制作経験がない会社にお願いすること」でした。普通であればそういった経験がある会社を選ぶんですけど、 今回は“行政のホームページ”という枠にとらわれてほしくなかったからです。僕らは世界一のホームページを作らなければいけないし、結果も出さないといけない。町長が持っていた課題感に加えて、僕らが指令として受けた使命感みたいなものがあって。そんな中でシフトブレインさんが「なんだかすごそう!」となり、すぐに問い合わせをしました。 山本:当時のチームメンバーで、“かっこいいウェブサイトの持ち寄り会”をされたんですよね。その際にシフトブレインが作った自動車のスペシャルサイトが挙がったというお話を伺った記憶があります。その後、そのサイトを推薦してくださった方はその自動車も購入されていましたね(笑)。 チームには企画推進課を中心に美郷暮らし推進課や産業振興課の方もいらっしゃって、本当に横断的にメンバーを集めてくださっていたのがすごく印象的でした。あとは若いメンバーが多かったと思います。 矢渡さん:そうですね。全く新しいホームページを作らないといけなかったので、僕と佐竹の判断で固定観念にとらわれにくいピュアなメンバーばかりを集めていました。ちょうどその頃から役場内で横断的に仕事ができるようになってきていたので、色々な課から若い人を集めやすかったこともあります。 2. 町にとっての“良いこと”を考え、継続していくための提案——美郷町さんからのご依頼内容に対して、シフトブレインは当初どのように考えていましたか? 藤吉 匡(以下、藤吉):「世界一のホームページ」というお題に対して僕らができることは、世界的なアワードを受賞することかな思いました。僕らが得意なことだし、まずはそれを目標にやればいいかなって。本当の意味の「世界一」を考えすぎるとスタックしちゃうんで、とりあえずは自分たちの得意な領域で、できることを精一杯やろうと考えていました。 藤吉 匡 (シフトブレイン Art Director / Designer) 本プロジェクトの制作物全般を担当。山本:シフトブレインの社内では「面白そうな問い合わせが来たぞ」とテンション高く話してたような記憶がありますね。ただ、シフトブレインは行政のWebサイトを作ったことがなかったので不安もあって......周囲でその手の案件をやったことがある人に話を聞いたりもしていました。「面白そうだけど条件次第かもしれない」なんて思いながら、実際に話を聞いてみたら「世界一を作りたい!」と。その意気込みとそのためにやろうとされていることが、あまりにも僕らのための条件のように思えて「そこまで言っていただいたなら、後にはひけないな」という気持ちになったのを覚えています。 藤吉:初めは美郷町さんが東京に来てくれたので、今度はシフトブレインが美郷町へ行きましたよね。実際に行って話をしてみると、地域の人の雰囲気や風土みたいなものが色々と感じられて。とりあえずの目標である世界的なアワードを受賞するのは通過点として、その先のことも見えてきました。「何年かかってもいいからちゃんと継続して、その時に1番いいと思ったことやろう」という風に思って。そのきっかけのひとつに、当時の副町長から「役場の仕事って、すごくクリエイティブなんだよ」と教えていただいたことがあります。役場のみなさんは自分たちで課題を見つけて解決したり、仕組みを作ったり、良くなる関係性を構築したりしていて、色んな意味でクリエイティブなんだなって思いました。それが早いうちに「町にとって良くなることとは、何なのか?」という視点をもらえた大きなターニングポイントでした。 山本:初めて美郷町に訪問した帰り道でとりわけ象徴的だったのは、「こんなことを考えているんだよね」「こんな風に思った」「こんなのがいいんじゃないかな」という話をした時に、みんな考えている方向性が一致していたことです。藤吉さんが直感的に「あのフォトグラファーとやりたい」と名前を出した方を、同じようにイメージしてるメンバーもいたりして。最初から方向性や具体的なイメージまでが合致することは滅多にないですし、今でも不思議で強く印象に残っています。 ——シフトブレインの美郷町訪問後、プロジェクトはどのように進んでいったのでしょうか? 矢渡さん:まずは2018年度内にシフトブレインさんから美郷町のブランディングプロジェクトをまとめた資料をいただきました。要はプロジェクトの提案書なんですが、それが目から鱗の内容で。もともとの依頼であるサイトリニューアルだけではなく、美郷町を認知してもらうために「町民自身が自分たちの町を好きになり、町民ひとりひとりが対外的にPRをしていけるような町にしていく」というスキームも提示していただきました。そこで初めて“体系的に取り組むこと”を教えてもらって、「何のためにやっていくのか」「町自体をブランディングしていくことが本当は大事」ということに気付かされました。この時に提案された施策は大きく4つあり、それが翌年2019年度の施策に繋がっていきます。 山本:提案するにあたって「世界一のホームページを作る」という依頼は、シフトブレインにとってピッタリのお題で、きっとできるはずだと思っていました。一方で、町あるいは町民の方々にとって暮らしがより良くなるようなプロジェクトにしないといけないとも考えていたんです。 ホームページ制作の他に、具体的な要件として「関係人口を増やす」という話もいただいていたのですが、それは当然、短期間で成し得ることではないですし、そのために「長期的にやるべきことを順序立てて取り組んでいきましょう」という提案を考える必要がありました。 ——ホームページのリニューアル自体が解決策になるわけではない、ということですね。当時の提案内容は具体的にどんなものだったのでしょうか? 藤吉:シフトブレインのブランディングやワークフロー、企画全体の見取り図のようなものをお見せした上で、ホームページの他に「町にとっての高品質のアセット」も作っちゃいましょうというお話をしました。アセットの中身は大きく4つで、シンボル的なロゴ、クオリティの高い写真、イラストやアイコン、そしてコピーやテキストです。当時は「みんなが宣伝マンになる」という言い方をしていましたが、最終的に町全体が自主的に関係人口を増やしていける状態を作るために、これらのアセットがその一助になるのではないかと考えていました。そこがこのプロジェクトのスタート地点となります。 『みさとと。』のイラストや写真は、町民であれば営利非営利を問わず自由に使用できます。3. 町民全員に『みさとと。』を届ける——ここからは、プロジェクトが本格的にスタートした2019年度からの取り組みや制作物について、振り返っていきたいと思います。 ◆2019年度 美郷町PRサイト『みさとと。』 役場職員の名刺リニューアル 写真展の開催 タブロイド判の新聞を制作、町内全戸に配布 ——まずはご存知の方も多い美郷町PRサイト『みさとと。』について、当時の裏話などあれば伺いたいです。 藤吉:実は僕と山本さんで意見が合わなかったことがあって、それが『みさとと。』サイト全体にイラストを使うことでした。当初の提案通り、クオリティの高いフォトグラファーと切り口がユニークなライターにコンテンツ制作をお願いするというところまでは合っていたんですけど......僕はそれら全部をイラストで包みたくて。「普通にいいものを作って出せばいいじゃん」という山本さんと、天邪鬼な僕とでそこだけ意見が合わなかった(笑)。結果的には見た目の話だったこともあって、イラストを全面的に採用することになりました。山本さんは「そこまで言うなら」という感じだったのかもしれないんですけど(笑)。 山本:これは美郷町に限った話じゃないんですが、強く見えてる人がいた時は理屈で納得をするしないに関わらず譲る方がいいと思ってるので、沢山議論をした上でそうなったと思います。今だから言えるけど、僕は最後までそれらが共存するイメージが全然わかっていなかったです(笑)。でも、藤吉さんが「見えてる」なら大丈夫だと思って、最終的にはそれが正解でした。 矢渡さん:これは今初めて知りました!僕らが見た時は、スクロールしたらイラストでぐーんと入っていく世界観が出来上がっていたので「なんだこれ?!」という衝撃しか覚えていません(笑)。 藤吉:そうですね、提案時にはシフトブレインとして「もうこれでいこう!」という気持ちでお見せしているので。 山本:でも、僕もはじめからあそこまで動くサイトになるとは思っていなかったです。ああいった構造や体験のものにしようっていうのは当然考えていましたが、シフトブレインはいつも最後の最後にエンジニアが加えるひと手間以上のアイデアで、とんでもないジャンプをするんですよね。『みさとと。』のサイトはそれがとりわけ印象的な事例の1つだと思います。 細かい技術的な話になりますが、サイトのスクロールの制御の仕方についてもすごく議論が紛糾していました。スクロール自体はブラウザの標準機能としてあるんですが、いわゆるリッチな雰囲気のWebサイトを作る時は、ふわっと止まったりぬるっと動き出すようなオリジナルのスクロールを実装することが当時は多かったんですよね。結果『みさとと。』では標準のスクロールを採用したんですが「それでいいのか?」「もっとぬるっと動かさなくていいのか?」という点を完成間際まで話し合っていたのを覚えています(笑)。 ▼デベロッパー視点の『みさとと。』は、別記事でもお楽しみいただけます! ——サイトリニューアル以外に、名刺のリニューアルも行いましたね。 矢渡さん:それまでは職員それぞれがデザインした名刺を使っていたのですが、シフトブレインさんと初めて名刺交換した際に「みんなかっこいい名刺だな」と思って。日本ではまだまだ名刺が使われていますし、組織の顔でもあるのに、それまでの僕たちは名刺というものを簡単に考えていたのかもしれません。名刺単体ではわかりづらいかもしれませんが、全体で見るとブランディングの1つのピースであるという風に理解できていたので、ご提案をいただいた時にはやる気満々で乗らせてもらいました。 実際に完成した名刺は、初めは渡すのも配るのももったいなく感じて......よっぽど大事な人にしか配らないでおこうかなと思ったぐらいでしたね(笑)。今も全職員がリニューアルしたデザインを使って名刺を作っていますし、デザインを統一することによって、職員が一丸となって町をPRをしていることが伝わっていると思います。 山本:裏面のイラストは6種類から選んでいただいてますよね。当時より『みさとと。』イラストも増えているので、今後種類を増やしてもいいかもしれないです! 現在、矢渡さんの名刺の裏面イラストは「神楽」。 裏面のデザインは毎回「可愛い!」と評判が良いそうです。——同年に開催した写真展や配布したタブロイド紙についても、詳しく教えてください。 矢渡さん:当時の僕は写真展について全然イメージができていませんでした。写真展は単独開催ではなく、毎年ある美郷町の1番大きなイベント「産業祭」の1イベントとして実施したので、お客さんはそれなりに来るのではと思いつつも、素通りされてもおかしくないなと思っていたくらいです。でも実際にはみんなが足を止めて、喜んで見てくれていました。 美郷町の郷土芸能・神楽の写真藤吉:写真展とタブロイド紙は「町の全員がWebサイトを見てるかな?」と思ったのがきっかけの提案でした。サイトを作ったのに町民の方が知らないのは悲しいので、出来立てホヤホヤの時にお披露目会をするイメージで写真展をできたらいいなと。だから、タブロイド紙も全戸に配ったんですよね。 藤吉:写真展もタブロイド紙もすごく大きい写真で見せるようにしたのですが、それにはきっかけとなる出来事がありました。『みさとと。』の写真をお願いしたフォトグラファーの西部裕介さんとの初回の打ち合わせの際に、西部さんがご自身の写真を大きくプリントしたものを持ってきてくれたんです。それらを1枚1枚時間をかけて鑑賞させてもらったんですが、その体験がとても豊かで。写真を大きく引き延ばすだけで、見る側の感覚がこんなにも変わるんだなと思いました。なので、写真展もタブロイド紙もスマホなどの画面上ではなく、あえて大きく引き延ばされた等身大の写真を直近で見てもらうことで、何かが起きそうだなと考えたんです。 矢渡さん:写真展とは少し話がずれるんですが、藤吉さんが初めて美郷町に来られた時にその辺の落ち葉を真剣に撮られていたんですよね。その時は「嘘でしょ!?(笑)」って驚いたんですけど、外から見るとまだまだ知らない美郷町の素敵なところがあるんだと教えてもらって、個人的にすごく印象に残っています。写真展でも綺麗に切り取られた町の一部を町内の方が「この写真はどこ?」って食いついて見てくれていました。あのぐらいクオリティが高い写真であれば、みんなに伝わるんだと実感しましたね。なので、写真展は自分の町を改めて好きになったり、こんな素晴らしいところがあるんだよって再認識できるいいきっかけだったと思っています。個人的にも新しい発見があり、面白かったです。 写真展の様子4. じわじわと浸透が進む、2年目以降の取り組み◆2020年度 移住者向けパンフレット 制作 LINE公式アカウント デザイン ——『みさとと。』ローンチの翌年には、町公式のLINEアカウントのデザインも担当していますね。 山本:もともとあったLINE公式アカウントのデザインを整えたいというご相談だったと思います。 矢渡さん:この年にリッチメニューを入れることが決まって、ユーザー目線で使いやすいメニューにしたいと相談させてもらいました。あと、新規のイラストもいくつか追加で作っていただいてます。 『みさとと。』仕様のLINEアカウント画面山本:2020年時点では美郷町出身の方が住んでいる大阪や広島の登録者が多いと伺いましたが、4年経ってその分布は変わってきたのでしょうか? 矢渡さん:町民の割合がずいぶん増えましたね。リッチメニューを入れたことによってゴミ収集の通知設定ができたりするので、みなさん大体は登録しているようです。町外の登録も着実に増えていますが、今は大阪と東京の方が多くなっています。登録者数はもうすぐ1万人になるので、以前に比べるとすごく増えましたね。人口に占める友達登録の割合では、全国で3位か4位ぐらいです。 山本:1万人になると、200%越えになりますね。 矢渡さん:地道なPR活動で登録を増やしているのと、登録解除をされないために運用方法にも気をつけています。 そういえば、最近世界初のラジオ体操を自作したんです。今後美郷町の公式YouTubeにラジオ体操を掲載するかもしれません。その時にはLINEにも情報をアップしますので、今の内に是非LINEのお友達登録をお願いします。みなさんで体操してくださいね! 島根県美郷町 | LINE Official Account島根県美郷町's LINE official account profile page. Add them as a frpage.line.me 矢渡さん:プロジェクトの2年目以降からは、僕がいる企画推進課以外の相談も積極的にさせていただいてます。移住者向けのパンフレットは美郷暮らし推進課、翌年の町内看板は産業振興課からの依頼です。「みんなもシフトブレインさんにもっとお願いをしていいんだよ」という話をして、今ではそれぞれの課が直接案件のやりとりをするようになりました。 山本:単にホームページが出来ただけでは、他の課も何をやればいいかわからなかったと思うんですよね。なので、今では藤吉さんが初めに言っていた「町にとっての高品質のアセットをちゃんと作る」というのが功を奏しているというか、皆さんにとっても使いやすいものになっているんだろうなと理解しています。そう思っていただけているのは、すごく良いことですよね。 定住支援制度のパンフレット◆2021年度 町内看板のリニューアルを開始 「みさとと。ネスト」ネーミング審査員、ロゴ制作 美郷町の統一ブランディングによる地域活性化に向けた連結協定 締結 「みさとと。推進室」 設立 ——町内看板もその経緯でご相談いただいたんですね。毎年継続してリニューアルしていると伺っていますが、現在はどれくらいの数の『みさとと。』看板があるのでしょうか? 山本:約30ほどかなと思います。 矢渡さん:美郷町に入ったら緑の看板ばかりっていうのが理想なんですが、県や国の看板はどうしても変えられないので......。 この間は役場近くの「ゴールデンユートピア」という施設の入口の看板を変えてもらったんですけど、うちの娘はすぐ気づいて「可愛い!」って言ってましたよ。 看板は2021年に日本サインデザイン賞にて「入選」「中国地区賞」を受賞しています山本:よかったです!あの大きさとサイズ、立ってる位置は町の風景を変えますよね。もっともっと増えるとより可愛いだろうなとは思うんですけど......一方でやればやるほど難しさを感じるのは、大きい看板を立てるのにはすごく費用がかかることですね。場所や環境によって難しかったりもするんだけど、道案内的には重要な位置だったりして。それに車が通り過ぎるような場所にある場合は、スピードを出して通り過ぎても車内から見えるように大きくしないといけなかったり......。 あと、看板で案内する先が民間事業者の運営する施設だった場合も、道案内的には重要だけど役場がどこまで関与するのか?みたいな問題もありますよね。僕らが理解してる部分だけでも色々な問題が絡んでいて、調整してくださる役場の皆さんはとても大変なのではと思っています。 矢渡さん:シフトブレインさんと僕らは、通常であれば看板を依頼をする町が「発注者」、シフトブレインさんが「受注者」なんですけど、どちらかというとパートナーみたいな関係なんです。だから、何か障害がある場合はできるだけ取り除いてあげた方がシフトブレインさんのパフォーマンスは良くなるだろうし、それが最終的には町のためになると思っています。だから、人との折衝やプロジェクトを進める時のしんどさみたいなものはあんまりないです。でも、一番難しいのはやっぱり費用の面ですね。 山本:看板という性質上、費用をかけて立ててもそれによる効果はなかなか比例しないものなので......。そういった点を越えられるのがある種の行政の強さでもあると思うんですけど。今も色々な人との調整をしていただいた上で続けることができているわけですし、やればやるほど単なる無邪気なデザインプロジェクトではないと痛感しています。 矢渡さん:僕らはそれが仕事だと思っているので、費用に関しては大変な面もありますけど......それ以外では全然なんともないです。 山本:美郷町さんは最初からそんな感じなので、本当に心強いんですよね。タブロイド紙の時も「僕らがやります!」と快く2000戸に配布してくださいました。これまでにも色んな提案やご相談をしてきましたが、美郷町さん側から「さすがにそれはできない」と言われて止まってしまう企画はほとんどなかったように思います。 藤吉:矢渡さんは他の課との関係性も地続きで、お互いが気軽に相談ができる感じになっているように思います。あと、「○○さんはどうかな?」と町の方にも気を配られていて、すごいです。僕ら都市部の役場と住民の関係とはちょっと違うんですよね。本当に少し遠い親戚くらいの感じで繋がってるんで、すごく有機的だなと思います。だからこそ僕らと得意な領域は違ってくるし、立場を超えて自然と役割分担もできて、パートナーみたいな感覚が生まれているのかもしれないです。 美郷町に開設されたサテライトオフィス「みさとと。ネスト」 シフトブレインはロゴを制作しました。——2021年末には町のさらなる地域活性化に向けて、美郷町とシフトブレインが「地域課題解決に向けた包括連携に関する協定」を締結しました。同時に「みさとと。推進室」も設立されましたね。 矢渡さん:シフトブレインのみなさんには頻繁に町に来ていただいて町民と会ってもらうことも多いので、 町が作った「みさとと。推進室」に所属している人として周知できれば、もっと活動の範囲が広がるのではという狙いから設立に至りました。 山本:そのご配慮に助けられたことは何度もあります。僕はこれまで美郷町に延べ50日以上滞在しているんですけど、住んだことがある土地以外でこんなに通う場所って普通に考えるとそうそうないと思っていて。 矢渡さん:なんなら山本さんの方が、役場の職員より町の人脈が広かったりしますからね(笑)。 山本:行けば必ず誰かを紹介してもらえたりして、皆さんにはよくしていただいています。ありがたいことに美郷町での友達も増えました。 矢渡さん:僕自身も山本さんとはいい距離感でお付き合いできているなと思います。実際の距離が近すぎると話が違ってくるのかもしれませんが、東京と島根という距離感もちょうどいいのかもしれません。 ◆2022年度 オリジナルグッズ 発売 バリ長編記事 制作(※3) みさとと。人物伝 制作 町民会議、『みんなと、みさとと。』オープンカンファレンス 開催 ※3:美郷町はバリ島マス村と友好姉妹都市協定を締結しており、長編記事は締結から30年を迎えるタイミングで制作されました。2023年には、友好30周年記念イベント「バリとみさとと。まつり」が開催されています。 オリジナルグッズは、SHIFTBRAIN GOODS STOREで一部取り扱っています。◆2023年度 みさとと。人物伝 更新(※継続中) 町内看板 制作(※継続中) ——この年に行われた町民会議とオープンカンファレンスについて、詳しく教えてください。 山本:町民会議自体は全3回の実施で、3回目をオープンカンファレンスとして開催しました。オープンカンファレンスは町民優先ではあるものの、町外からも参加いただける機会としました。 矢渡さん:町民会議の中身については山本さんと何度も協議しましたね。当時は情報・未来技術戦略課ができたばかりだったこともあり、僕らは課としてやるべき町民会議を想定していました。例えば「アセットをどう活用していくか」「より効果的なPRとは?」「そもそもデザインって?」といった内容です。 一方で、山本さんからご提案いただいたのは、もっと広義の“町づくり会議”でした。住民同士がお互いに情報交換ができる場を設けて、「美郷町をより良い町にするためにできること」「美郷町でしていきたいこと」などを話合う機会にできないかと。そこでの意見をひとつにまとめて役場に提言してもらい、実際の施策に繋がっていけば面白いですし、そうなった時に住民自身も「自分達が主役」と感じてもらえるのではないかという企画でした。 僕らもそれらは町全体として取り組むべきこと重要なことだと思いつつも、当時できたばかりの情報・未来技術戦略課には3人しかおらず、恥ずかしながら手に合わない規模になりそうだなという思いもあって。結果的には山本さんが僕らの考えに合わせてくださり、実施した町民会議に落ち着きました。 山本:町民会議の1回目は美郷町の良いところ、嫌いなところをみんなで出し合ったり、「役場に期待すること」をテーマに話し合いました。 矢渡さん:2回目は「全体に効くデザイン、個別に効くデザイン」といったテーマでしたね。デザインから町づくりについて考えていく流れで、最後のオープンカンファレンスは「地域の魅力とはなんぞや?」というのを、スピーカーの方々をお招きしてみんなで考えました。 藤吉:僕は参加できなかったので後日動画で見たのですが、スピーカーのみなさんそれぞれのアプローチが光っていて、面白かったです。 5. 2024年は『みさとと。』メジャーアップデートの年◆2024年度(予定) バリと、みさとと。 ロゴ制作 カヌー競技場サイン 制作 ——ここからは少し先のお話を伺っていきたいと思います。今年度は「バリと、みさとと。」やカヌー競技場に力を入れる予定ですか? 矢渡さん:『バリと、みさとと。』のロゴはすでに完成していて、9月から着工予定のカヌー競技場のサインはまさに今から取りかかるところですね。 山本:カヌー競技場はこの先、節目節目の大きな大会で使われていくと思いますが、今年はそういう大きなうねりのはじまりで、すごく重要な1年だと感じています。 バリについてはプロジェクトの当初から話がありましたが、去年「バリとみさとと。まつり」に行った時に目の前でバリの熱を感じて、町民ではない僕でさえ「これだ!」と思いました。これまで美郷町に関わってきたなかでいちばん熱量を高く感じたイベントで、バリとの融合みたいなものは一過性ではなく美郷町のアイデンティティとして成立するだろうと感じましたね。取り組んでいくにあたっても、町民には30年以上のバリと交流によってすでに浸透はしていますし、今後とても重要な関わりになっていくだろうなと思います。 山本:『バリと、みさとと。』のロゴについては、個人的に日本語とインドネシア語の両方のロゴを作った、すごくエポックな出来事だと思っています。この友好関係を美郷町とバリの共有資産として、両者が同じように誇りに思ったり発信したりするきっかけになるといいなと。僕としてはこれが『みさとと。』のメジャーアップデートの位置付けで、『みさととと。Ver.2.0』という気持ちです。今年はもちろん、この先もすごくワクワクしています。 ——これまでにない方向に『みさとと。』がアップデートされていくんですね。 矢渡さん:カヌーの競技場には艇庫も建つ予定なので、そこに新しく案内看板も設置されます。ですが、そこで僕らが最初に思ったのは「新しい看板によって『みさとと。』の世界観が壊されないようにしなければ」ということでした。せっかく今まで積み上げてきた『みさとと。』のイメージと全く違う看板ができてしまうとすごく残念だなと思って......。 僕自身はカヌー担当ではありませんでしたが、産業振興課の案内看板の担当者やカヌー競技場の担当者と『みさとと。』の世界観を崩さないためにシフトブレインさんに看板デザインをお願いできないだろうか?と話をしています。 また、看板とは別にそのカヌー競技場にバリのアーティストの壁画も作るのですが、原色を使った絵を描かれる方なので、それにも同様の懸念がありまして。それをシフトブレインさんに相談したところ、藤吉さんが『みさとと。』の世界観に合わせたカラーパレットを作ってくれて、今はその配色のもと制作を進めてもらっています。 藤吉:アーティストさんはMONEZ(モネズ)さんという方で、ザ・バリという感じの表現をされている方です。壁画はMONEZさんらしさを生かしてもらいつつ、モチーフの選定や色、まなざしを『みさとと。』バージョンにしてもらうのが良いバランスになるのではと考えました。これまでの『みさとと。』の配色を共有しながら、忖度なく意見交換させていただいています。 『みさとと。』カラーパレット6. いつも近くに『みさとと。』を——これまでの『みさとと。』の取り組みに対して、役場内での変化や町内外からの反響があればお聞かせください。 矢渡さん:役場内では各課の色んな媒体で『みさとと。』イラストを使ってくれるようになりました。何か新しいことを始める時には必ず否定的な人が一定数はいると思うんですけど、『みさとと。』はロゴもイラストも気に入られています。『みさとと。』デザインのポロシャツは、ほぼ全職員が着用していると思います。 矢渡さん:町内では役場から仕掛ける取り組みもありますが、道路工事や産直市の看板にイラストが使われていたり、町民が『みさとと。』のポロシャツを着用していたり、自発的にアセットを活用してくれていることが嬉しいです。つい最近も子供の中学校に行く機会があって、剣道部の子たちが『みさとと。』のポロシャツを着ていました。アセットを使って学生達が自由にデザインしたポロシャツなんですが、そういうの見ると「受け入れられている」とほっこりします。常に『みさとと。』がそういう存在になってくれたら嬉しいし、今後も大事にしていきたいなと。 また、リニューアル後には県外の自治体や議会からブランディングの取り組みを視察いただく機会がありました。視察以外でも、第一声に「すごいホームページですね」と言われます。ホームページのリニューアルを考えている団体から「どうやってシフトブレインを見つけたのか?」と聞かれることもありますね。 山本:制作側としても色々な人から美郷町の取り組みについて聞かれたり参照されたりしてきたので、誇らしいことだと思っています。僕らが用意したアセットが、町内でもじわじわと色々な場所で使われるようになってきていることは、『みさとと。』の本質的な価値を表していると感じますね。 7. 『みさとと。』はつづくよ、どこまでも。——これから『みさとと。』で、みなさんが目標とすることや目指したいことがあれば、教えてください。 藤吉:『みさとと。』は「よくある田舎の、どこにもない物語。」という副題が示す通り、「分かりやすい地域固有性」以外の部分にこそ地域特有の魅力があると信じてアプローチしていること、そして、その切り口や見せ方によってはさらなる魅力の再発見に繋がるかもしれない、という点に面白さを感じています。この事例が他の人のインスピレーションの源になったり、世界の似たような地域で新しい行動に繋がったりすると素敵だなと思います。 また、僕らは今でも美郷町に行く度に、新しい課題を見つけています。例えば、教育文脈でもうちょっとできることはないだろうかとか.…..そんな風に色々考えているので、『みさとと。』は今後もまだまだ続けていきたいと思っています。 山本:美郷町のような過疎地域が今後どうなっていくのか、どうあるべきなのかはとても奥深いテーマで、さまざまな社会的状況によっても答えが変わってくると思います。その意味では『みさとと。』が目指すべきことも、柔軟に変化していく必要があるはずです。ただ、僕がより根本的なところで思っているのは、美郷町で暮らす人や美郷町に関わる人たちが、自身や地域、コミュニティをより好きになれたり、誇らしく思えたりするための力になりたいということです。 矢渡さん:結局僕らは、何をするにも今までの『みさとと。』の世界観を大事にしたいと思っているんです。それはこれからもずっと変わらないのですが、そこですごく大きいことやりたいというよりかは、気がつけばいつも町民の隣に『みさとと。』があるみたいな、そういう存在にしていきたいなと。 当初の『みさとと。』の文脈とは変わってくるかもしれないですが、バリのインスタグラムを『バリとと。』、マイナンバーを活用した新サービスにも『デジとと。』と名付けてみたりもしています。 引き続き、行政としては『みさとと。』の名称やイラストを使う場面を増やしていきつつ、民間同士の取り組みもさらに盛り上がるように色々と仕掛けていきたいなと思っています。 ▼美郷町の公式noteもあります。是非ご覧ください! 島根県美郷町公式 note島根県のほぼ中央に位置し、その南北を中国地方最大の「江の川(ごうのかわ)」が貫流。緑豊かな山々に囲まれ、美しい自然風景が四shimanemisato-town.note.jp 制作物※年度別に記事内小見出しでまとめていますので、そちらをご確認ください。 【プロジェクト期間】 2018年11月より継続中 【担当領域】 ・全体企画 ・コピーライティング ・ロゴデザイン ・Webサイト制作 ・各種ツール類の制作 ・看板デザイン ・その他 デザイン支援 制作クレジットClient: 島根県 美郷町 Creative Director, Copywriter: Masaya Yamamoto(ingraft Inc.) Producer, Project Manager: Masakazu Tsuru(ingraft Inc.) Producer: Rei Yamamoto Art Director: Masashi Fujiyoshi Designer: Noboru Oikawa, Roming, Nanako Kono, Tetsu Yamakami Motion Designer: Junichi Nishiyama, Wonguen Heo Technical Director: Takeru Suzuki Front-end Developer, Back-end Developer: Yuhei Yasuda Front-end Developer, Motion Designer: Serika Ikurumi Back-end Developer: Hiroaki Yasutomo, Takaaki Sato Account Planner: Tamami Maekawa Project Manager: Gen Shibano, Mana Ohtake Editor team: HEAPS Photographer: Yusuke Nishibe, Kenta Nakamura Illustrator: Artello MISATO TOWN SHIMANESHIFTBRAINは、デジタル領域を中心としたコミュニケーションプランニング、デザイン、テクノロジーを得意としたブランデshiftbrain.com ▼ 採用情報 シフトブレインでは、新しい仲間を募集しています。全社フルリモートのため、全国からのご応募をいただけます。 募集の詳細は、Wantedlyにてご覧ください! SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの会社情報 - WantedlySHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの魅力を伝えるコンテンツと、住所や代表・従業員などの会社情報です。「みんwww.wantedly.com ▼ SHIFTBRAIN GOODS STORE SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですsb-goodsstore.com Interview,Text: Mihoko Saka
プランナー 言葉の雑談
SHIFTBRAINのプランナーによる言葉の雑談

『コピーは、広告だけじゃない。』ブランディング領域で奮闘するコピーライター座談会
コピーライターの仕事は、広告コピーを書くだけではありません。 言葉を起点にさまざまな体験を設計し、ブランドや企業の価値観そのものを伝えていく。 それはプロモーションや広告の領域だけでなく、さまざまなフィールドで求められてきています。 今回はPARK、Takram、ZIZOの3社から、言葉を軸にさまざまな活動を続けるお三方をお呼びし、ざっくばらんに話しました。それぞれの視点から語られる“言葉の仕事”を通じて、コピーライターという職業のいま、そしてこれからを考えます。 各社に聞く、言葉をつくる現場のリアル──今回は、シフトブレインを含め、4社が集まりました。まずはそれぞれどんなかたちで“書く仕事”に携わっているのか、お聞きしたいと思います。 田村(PARK):僕の場合、割合でいくと企業/サービスのスローガンやMVVを策定するような仕事が、全体の半分くらいです。残りはブランド全体のプロデュース業、クリエイティブ・ディレクション、コンサルティング的な動きなどですね。 田村 大輔(たむら だいすけ) 株式会社パーク 代表取締役/コピーライター。2004年よりクリエイティブディレクター廣澤康正氏に師事。その後、面白法人カヤック「コピー部」の立ち上げに参画し、オレンジ・アンド・パートナーズを経て、2015年にPARK Inc.を設立。スタートアップ・ベンチャー企業や施設開発のブランディングにおけるコンセプトメイク、ネーミング、ミッション・バリュー、スローガン開発を中心に手がける。 田村(PARK):案件ごとに体制は変わりますが、コピーライティングなら僕ともう1人別のコピーライター、ロゴなら僕とデザイナー、というようにチームを組んで進めます。 たとえば、MVV策定の案件であれば、期間は4ヶ月ほど。ヒアリングに2〜3週間、コンセプト設計に1ヶ月、そしてコピーライティングに2ヶ月ほどかかります。大体のプロジェクトは、その後にロゴやWebサイト制作へとつながっていきます。 ジョン(SB):制作物って最初から決まっていますか?それとも、プロジェクトを進めるなかで変わることもあるんですか? 西山 ジョン(にしやま じょん) 株式会社シフトブレイン CSO/コピーライター。求人広告制作会社やWeb制作会社を経て、2016年にシフトブレイン入社。中小企業やスタートアップのブランディングにおけるネーミングやMVV、プランニングに携わる。好きなテニスプレイヤーはピート・サンプラス。使用ラケットはPHANTOM GRAPHITE107。THE YELLOW MONKEYの吉井和哉氏と握手して成仏するのが夢。 田村(PARK):最初から「ミッションをつくりたい」「ロゴをつくりたい」と決まっているケースもあれば、「ブランディングしなきゃまずいと思っていて」という抽象度の高い相談をいただくこともあります。 段階ごとに「こういうことをやりましょう」と話しながら、柔軟に進めていますね。 浦川(SB):「課題が決まっていないからこそ、相談されている」というケースは、僕らも多いですね。明確なゴールがないままプロジェクトが始まって、話を聞きながら方向性を見つけ、最終的なアウトプットに落とし込んでいくこともあるんです。 浦川 航(うらかわ わたる) 株式会社シフトブレイン シニアプランナー/コピーライター。広告制作会社などを経たのち、2015年、株式会社シフトブレイン入社。好奇心とおせっかいを原動力に、さまざまな企業のアウター/インナーブランディング、プロモーションのコンセプト設計、コミュニケーションデザインに従事。 浦川(SB):だから、シフトブレインのプランナー/コピーライターは、Webサイトのワイヤーフレームも書くし、載せる本文もすべて自分たちで書く。さらにデザインの確認や、ワークショップの設計、インタビューまで対応します。 田村(PARK):なるほど。シフトブレインさんは、コピーライティングだけの案件ってあるんですか? ジョン(SB):ないこともないですが、僕らの中心にはデジタルがあるので「コピーだけお願いします」というケースはあまりないんですよね。ちなみにTakramの柳井さんは、どんなふうにプロジェクトを進めていますか? 柳井(Takram):僕らも似たような感じです。コピーだけ書くプロジェクトはほとんどなく、そもそもの課題は何か?ブランドのコアはどこにあるのか?から考え始めて、最終的に言葉に落とし込むことが多いです。 柳井芳文(やない よしふみ) Takram ディレクター/バーバルデザイナー。京都大学経済学部を卒業後、消費財メーカーや広告代理店を経て、2021年にTakram入社。バーバルデザイナーとしてコピーライティング、ネーミング、MVV開発を行う他、ブランディングプロジェクトにも多く携わる。2025年に1年間の育休から復帰し、兵庫県にUターン。第55回宣伝会議賞コピーゴールド受賞。 柳井(Takram):Takramは、メンバーそれぞれの担当領域がカチッと分かれておらず、プロジェクトメンバーもそれぞれの専門領域を越境しながら進めることが多いんです。多様なバックグラウンドのメンバーがいるので、人によって進め方もさまざま。僕はバーバルデザイナー兼ディレクターなのですが、全体の2割がディレクション、残りの8割がバーバルデザインというのが今の個人としてのバランスです。 ──各社それぞれ体制や役割に特徴があると思いますが、実際のプロジェクトではどんなふうにチームを組んで進めているのでしょうか? 田村(PARK):Takramさんって、リサーチをとても丁寧にされている印象があります。柳井さんも、そのリサーチから入られるのですか? 柳井(Takram):そうですね。リサーチから始まるプロジェクトが多く、バーバルデザイナーとしても初期リサーチから深く関わります。たとえば、MVVの策定は長期間のプロジェクトになることが多いですが、そのうち最初の数ヶ月は、デスクリサーチとインタビューに充てることがあります。 インタビューもクライアントの社内メンバーだけでなく、社外の専門家にもお話を伺うことが多いです。それくらい、最初の「リサーチ」フェーズを大切にしています。 ■Takram 柳井さんの最近のお仕事 株式会社COAS:『Nature Dialogue Program』リブランディング これまで「ホースコーチング」の名前で親しまれていた、馬をコーチとする内省・行動変容プログラムのリブランディング。これからの事業展開を見据えたプログラム構造の整理をはじめ、ビジュアルのトーン&マナー設定、ネーミング・ステートメント作成、Webサイト作成を行いました。速石(ZIZO):ディレクターの裁量が大きいという点はZIZOも似ていますね。基本的にディレクターに任される範囲が大きくて、自分1人で案件を担当することもあれば、外部のパートナーさんにお願いすることもあります。コピーを書きたいと思えば自分で書くこともできます。 自分が「発注する側」にも「受ける側」にもなるのは珍しいかもしれません。社内の別のディレクターから「この案件のコピーを書いてくれへん?」と頼まれることもあれば、自分の案件で「動画をつくりたいから、動画ディレクターにお願いしよう」と発注することもある。社内外をまたぎながら、プロジェクトごとに柔軟に動けるのがZIZOの特徴です。 速石 光(はやいし ひかる) 株式会社ZIZO コピーライター/ディレクター。広告制作会社で営業企画を経てコピーライターに転向。2018年に株式会社ZIZO入社。広告・Web・ブランド開発の領域でコンセプト設計、タグライン、キャッチコピーなどを手がけ、ディレクターとして制作進行も一貫して担当。好きなものは猫と馬。 速石(ZIZO):グレードに応じて粗利目標が決まっているので大変な部分はあります。自分としても進行管理より、「つくること」に集中したい気持ちがありますが、お客さんと直接話をしていると、自分の引き出しがどんどん増える感覚があるし、プロジェクトの最前線に立つからこそ、現場感が鍛えられる部分もある。だから、いつも葛藤しながらやっている感じです。 小規模のWebサイト改修案件まで含めると、常に10〜20件ほどを並行して進めています。コピーを書いたり、ディレクションをしたりと、頭の切り替えにはかなりエネルギーを使いますね。最近は、そのスイッチングコストが課題です。 柳井(Takram):僕の場合は、集中してコピーを書くときにはパソコンを家に置いて、ノートとペンだけを持って外へ出るようにしています。そうしないと、ついほかの仕事のことが気になってしまうんですよね。 田村(PARK):わかります。僕も土日や夜間にがっつり書くタイプですし、正直、体力が続く限りはそれが一番の解決策かもしれないと思っていて。あまり褒められたものじゃないですが、これは業界特有の課題なのかもしれませんね。 浦川(SB):スイッチングコストの問題もありますけど、僕の場合は、クライアントと話をしているうちに、つい相手の意見に引っ張られてしまうことがあるんです。そうなると規定演技みたいになってしまうというか。だから、あえて距離を取る時間も必要だなと思っています。 人とAIの共創時代は、誰が言葉をつくるのか──いまやAIは、私たちのクリエイティブ制作の現場にも深く入り込み、コピーライティングの領域でも活用が進んでいます。だからこそ改めて考えたいのが“言葉の価値”や“コピーライターの役割”です。 田村(PARK):いいコピーの表現をつくること自体は、AIがどんどんやってくれる時代になっていくと思います。精度の高いオリエンをすれば、それっぽい言葉がすぐに出てくるみたいな。 田村(PARK):でも、企業のMVVのような旗印となる言葉をつくるときに大事なのは、「いい言葉を生み出すこと」だけではなく、その企業の覚悟に伴走することだと思っています。 AIにオリエン資料を読み込ませれば、瞬時にコピーが生成されるとする。けれど、その中の1つを「これからの10年の旗印に掲げよう!」と腹を決められるかといえば、僕はそうではないと思っています。大事なのはその手前のプロセス、つまり何度もヒアリングを重ねて課題を共有し合うなかで、ようやく「よし、この言葉でいこう!」という覚悟が決まるのではないか。 意思決定に伴走したり、表現の良し悪しを見極めるのは、まだ僕らコピーライターの領域だと思っています。 ──つまり、コピーライターの価値は単にアウトプットをつくるということよりも、プロセスの中で一緒に考えながら共創していくことにあるんじゃないか?ということでしょうか。 田村(PARK):もしかすると左脳で良し悪しを評価しやすいコピーは、AIで完結するようになるかもしれませんが、長期的に使い続けていくような覚悟や思想を注ぐ系の言葉は、人間のコピーライターが担うべきだと思いますね。 ■PARK 田村さんの最近のお仕事 品川区:都市ブランドメッセージ 区民の声から導いた「あらゆる人が自分らしく生きがいを持ち、それぞれの個性が尊重される寛容で多様な街を実現したい」という想いを込め、「しあわせ多彩区」というブランドメッセージを策定。品川区で暮らす人々の日常のあらゆる場面で使われる言葉を目指しています。速石(ZIZO):AIを使っていて思うのは、「中央値の答え」を出すのが本当に得意だなということです。でも今、仕事で求められているのは外れ値とか異常値のほう。むしろ、そこを人間が出していかないといけない状況になっている気がします。 これは自分だけかもしれませんが……。AIが一般的に使われるようになってから、コピーが決まりにくくなってきた感覚があるんです。 たとえば、僕らコピーライターには「このあたりが響きそうだな」というストライクゾーンがある。でも最近は、お客さんのほうもAIでその領域の想定はできていると感じることがあって。提案するときも「これが正解です」と1つの案を出すより、幅を持っていくつも見せたうえで「これは合いそうですね」「これは違いますね」と、一緒に考えていくプロセスを踏まないと、納得してもらえないことが多くなっている気がします。 その意味では、表現の前段階にあるスコープ設計や言葉の価値のとらえ方が、これまで以上に重要になってきていると感じています。 ──速石さんは、AIとの向き合い方で何か意識されていることはありますか? 速石(ZIZO):AIに書いてもらうこともあるんですが、基本的には「サポートしてもらう」という意識を持っています。ブランディングのように、人の心の奥を掘り下げていかないと出てこない言葉というのは、AIがいくら進化しても、人の手でやらないと難しいと思うんです。そこは今のところ、人間の領域だなと。 もちろん、この先は全然変わってくるかもしれないです。たとえば、DeNAさんが「AIに全振りします」という発表で話題になったとき「起点力」という言葉が使われていました。最初のスタートラインをつくって、ボールを投げ始める。その“はじまり”をつくるのは、やっぱり人間なんだと思います。 言葉づくりも同じで、どんな領域に、どんなボールを投げるのか。その定義づけは、まだしばらくは人の手に残るような気がしています。 ■ZIZO 速石さんの最近のお仕事 株式会社ZIZO:『テテトコ』ネーミング、キャッチコピー、ポスター制作 発達支援が必要な子どもを育てている保護者同士が交流できる『テテトコ』を開発・運営している株式会社ZIZO。ネーミングやキャッチコピー、ポスターの作成を行いました。浦川(SB):最近のことなんですけど、うちには子どもが2人いて、下の子が6歳の女の子なんです。絵を描くのが好きで、家にはたくさんの絵があるんです。ある日、それを僕が全部捨てちゃったんですよね。そしたら娘が泣いて怒って「紙だって、私なのよ!」って。その瞬間、ハッとしたんです。 浦川(SB):言葉としては間違っていますよ?だって娘は紙じゃないわけですから。でも、その言葉の中には彼女の切実な想いが詰まっていて、それがそのまま、「社会的な言葉」ではない形で出てきたんだと思います。自分はそういう言葉も理解してあげられる人間でありたい。まだ言葉になっていない何かに寄り添ってあげられる存在でありたいんです。 速石(ZIZO):規則性に沿っていない言葉って、妙に頭に残ることがありますよね。助詞が抜けていたり、日本語として少しおかしかったり。でも、整理されすぎていない言葉のほうが、意外と心に残ることってある。 浦川(SB):本当は、言葉ってもっと自由でいいはずなんですよね。「新しい視点をつくる」とか「発見がある」とかって、コピーの正攻法として知られているじゃないですか。 もっと新しくて、でもちゃんと伝わって、そういう言葉の可能性を広げるものがあってもいいんじゃないかなって思っています。 ──AIの流れってレコードとCDの関係に少し似ている気がするんです。レコードは針を落とすときの手ざわりや、盤の揺れに体験が宿る。一方で、CDはデータ化されて、より軽く・早く・正確に音を届けられるようになった。言葉の世界も同じように言葉をつくることそのものが、ある意味では贅沢品になっていくのかもしれません。 ジョン(SB):究極的には、自分がコピーを書こうが、AIが書こうが、どっちでもいいです。でも、どのコピーでいくかのジャッジをするのは自分でありたいと思っています。 たとえば、AとBのコピーがあったとして、正解なんてわからない。そんなときに「この人が言うなら、こっちにしよう」と思ってもらえるか。僕は、ここに尽きるんじゃないかと思っています。 だからこそ、そのコピーを書くまでに、何度もヒアリングを重ねて信頼を勝ち得ていくべきだと思うし、そこに僕らの価値があると思っています。 あとは、“良いコピーを見極める審美眼”を、日々どれだけ磨いていけるか。結局のところ、それがいちばん大事なんじゃないかと思うんです。 ■シフトブレイン ジョンさんの最近のお仕事 株式会社NTTデータ経営研究所:採用サイト制作 NTTデータ経営研究所は、人材の流動が激しいコンサル業界において行政と民間の両輪で社会課題から企業変革までを支援し、すべてをオーダーメイドで提供されています。その特徴を「本物のコンサルタントになれる場所」と定義し、企画・コピーを設計。「なぜ本物になれるのか」をストーリーとして描き、最後を「ゆえに、本物。」で締めくくる構成としました。田村(PARK):要はAIって、“クリエイティブの民主化”なのかなと思うんですよね。誰もが“いい言葉”を簡単につくれるようになる。それ自体は素晴らしいことですが、その結果、みんなで決めるとかみんなで考えるみたいな場面が増える気がしていて。最終的に多数決で決まっていくような状況になるのはちょっと懸念しています。つくることそのものよりも、目利きなり意思決定がライトになるほうが怖いかも、と思っています。 柳井(Takram):僕も最近、「言葉を選ぶ力」と「入力する情報の精度を上げる力」がすごく重要だと感じています。確からしいコピーはAIが無限に出してくれる中で、どれが本当に伝えるべき言葉なのか。そして、細かい部分をどう変えれば最も届くのかにこだわるようにしています。 また、そもそもAIを使って言葉をつくるのであれば、どれだけ面白いインサイトやキーワードをインタビューなどのリサーチから得られるかが大事。結局のところ、そこは人との接点なんですよね。 レコードとCDの話を例にすると、みんなが音楽を自由に持ち運べるようになった結果、音楽全体のレベルが底上げされた側面もある。それと同じように、AIによって言葉の世界も広がっていく。でも、その中で何を選び、どう扱うかが、これからは問われる時代になっていくんだと思います。 “言葉の価値”をさらに高めるために、コピーライターができることとは──それでは最後に、クリエイティブにおける“言葉の価値”をどう高めていくか。そのヒントをみなさんに伺いたいと思います。 田村(PARK):僕もまだ思考が甘いですが、究極的には2つの方向性しかないんじゃないかと思っていて。 1つは、アーティスト的な位置づけとして価値を発揮すること。「この人に頼みたい」と思ってもらえる存在になることですね。ただ、それってやっぱり難易度が高いし、なれるのはごく一握りだけだと思うんです。 もう1つは、コンサルなりプロデューサー的な視点で、お客さんの“発意”や“火種”をつくる部分に伴走すること。AIにはまだ生み出せない、人の内側から出てくる“はじめの意思”の部分です。言葉を使ってクライアントと壁打ちをしながら、その人や企業の中にある思いを形にしていく。僕らの役割は、そのどちらかにあるんじゃないかと思うんですよね。 僕らって、仮に1年間休まず、1日24時間働いたとしても、関われるのはせいぜい30数社くらい。でも、世の中には何万という会社がある。そう考えると、本当はもっと多くの企業が、標準装備的にブランディングに取り組めるといいなぁと思うんです。 田村(PARK):たとえば、僕らがAIといっしょに仕事をして、効率が10倍になったとします。そうすると、逆に単価が今の10分の1でも成り立つわけですよね。でもこれって、僕は逆に“希望”だと思っていて。ブランディングを強化できる企業が、もっと増えるということですから。 そういうことも踏まえて、これからの時代は「一緒に仕事すること」を、いかに楽しんでもらえるか。それが僕らコピーライターにとってますます大切になってくる気がします。成果やスピードだけでなく、プロセスを共有し、関係性を育てることに価値がある。やっぱりベースには、人としての“愛”みたいなものがあるんじゃないかと思いますね。 浦川(SB):デジタルに限った話ですが、デザインのかっこよさやモーションの動きに対するコメントって多いじゃないですか。それって特有の文化だと思うんです。Awwwardsのような賞があるからこそ、そうした表現が評価される世界になっている。 だから、たとえばデジタルクリエイティブの言語表現にも、権威ある賞をつくってみたら面白いと思うんですよね。広告におけるTCC(東京コピーライターズクラブ)のような存在です。業界全体で「言葉の価値を上げていこう」と動ける体制をつくることも大事だと思います。 ■シフトブレイン 浦川さんの最近のお仕事 株式会社ZOZO NEXT:『fashion tech news』フィロソフィー制作 まだ誰も気づいていない新しいナニカを、専門性と深い洞察をもって明らかにしていこうとしている彼らのスタンスを『Find The New.』というフィロソフィーで定義。その思想をもっともシンプルに伝えられる直角三角形をモチーフにしたロゴもシフトブレインで開発しました。速石(ZIZO):僕はもともと、チラシのコピーを書いていたんですが、デジタルクリエイティブの世界に入って、ブランディングとの関連性がすごく濃いことに驚きました。 Webサイトって、ある種その企業の“顔”みたいなものですよね。だから、書くコピーもタグラインのように、耐用年数の長いものを書かなくちゃいけない。キャンペーンのような期間限定の言葉ではなく、長く使われるための、信頼できる言葉。それを書くことが、今やWebでは当たり前になりつつあると思うんです。 速石(ZIZO):これからコピーライターを目指す人にもWeb業界はおすすめできると思います。短い説明文もあれば、キャッチコピーからタグラインまで、いろいろ自分で書けるので。最初にWebの世界に来たとき「あ、こんなにコピーを書く機会があるんだ」と実感したのを思い出しました。 デジタルクリエイティブのコピーライターが増えることも、言葉の価値を高めるために必要なことじゃないかと思います。 柳井(Takram):Takramに入る前に自分がやっていたコピーライターの仕事って、ある程度、情報がまとまったオリエンがあって、「それをもとに言葉をつくってください」ということが多かったんです。でも今は、最初の情報をどう取ってくるか、そこからどう整理・統合していくかまでを含めて、言葉で“デザインする”仕事になっている。だから自分も「バーバルデザイナー」と名乗るようになりました。 だからこそ、言葉の価値を高めていくには、言葉を“最後の仕上げ”としてではなく、最初の設計段階から使っていくことが大事だと思うんです。言葉を“伝えるための道具”ではなく、“考えを形にする手段”として扱えるようになれば、自然とその価値も広がっていくような気がしますね。 おわりにクリエイティブの現場で、“言葉”はどんな役割を果たしているのか。 その問いに向き合う5人の話から見えてきたのは、形こそ違えど、言葉を起点に考える姿勢でした。 今回の座談会を通して感じたのは、言葉とは、誰かの想いや関係性の中で育まれるものだということ。テクノロジーが進化し、AIが言葉を生み出せるようになっても、言葉を選び、その重みに責任を持つのは、変わらず人の役目であるということです。 ご参加いただいたPARKさん、Takramさん、そしてZIZOさん。クリエイティブの最前線で言葉と向き合う皆さんと、こうして対話できたことに、心から感謝します!ありがとうございました! ▼ 採用情報 シフトブレインでは、コピーライター、ディレクター、プロジェクトマネージャーなど新しい仲間を募集しています。 募集の詳細は、Wantedlyにてご覧ください! SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの会社情報 - WantedlySHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの魅力を伝えるコンテンツと、住所や代表・従業員などの会社情報です。「みんwww.wantedly.com

プランナーの3人が、それぞれのバイブルを語ります。 【プランナー 言葉の雑談 vol.6】
本棚を見れば、その人のことがなんとなくわかりますよね。 どうも。コピーライター / プランナーのジョンです。若手のころの話ですが、土日になると大きな本屋さんに寄っては「広告・マーケティング」の棚にある書籍をよく物色していました。ある程度キャリアを積んでいれば誰にでも心に残っている本があるはずで、今回はシフトブレインのプランナー部に所属するメンバーからそれぞれのバイブルを紹介させていただこうと思います。 プランナー部のメンバーはこんな感じ今泉:日本をうろうろしながら暮らす。キャンプがすき。 うらかわ:日本寂しがり屋コンテストで3連覇。本がすき。 ジョン:娘と息子とテニスが生きがい。イエローモンキーと競馬がすき。 今泉のバイブル「ん」まであるく 谷川俊太郎 詩人、谷川俊太郎さんの詩集ではなく、エッセイ集です。タイトルからもう素敵で。 日常のことが書かれているのですが、放っておくとそのまま通り過ぎる感覚を、言葉によって再発見しているようでもありました。言葉が持つ効能みたいなことを感じた本です。 複数の言語で生きて死ぬ 山本 冴里 (編集) 社会や歴史と複雑に絡み合う言語。地球には7000もの言語があるそうですが、この本では複数の言語と絡みあう人間の生と死について語られています。 異なるもの同士が混じり合う境界、そこで生まれるもの。言語を介して他者に広がっているであろう世界を改めて思考した本でした。 世界は贈与でできている 近内悠太 ウィトゲンシュタイン哲学の研究者が、お金では買えないものの移動「贈与」について問うた本です。 何かを伝えたいなと思考するとき、人間のこころについて考えます。人間の性をこれまでとは違った視点で切り拓いてくれた本でした。 うらかわのバイブルみんなに好かれようとして、みんなに嫌われる。勝つ広告のぜんぶ テクニックとか書き方とか、そういったものよりももっと深いところにある、心構え、心意気のようなものを教えてもらえる。何年かに一回は読み返しています。 コンセプトのつくりかた 任天堂でWiiの企画開発者をしていた著者による、コンセプトとはなにか?作り方とは?がわかりやすくまとめられた一冊。コンセプトを作るプロセスを誰にでもわかりやすく、細かく丁寧に語ってくれています。 著者の前向きな性格や、ものごとをたのしむスタンスを、感じられる一冊でもあり、おすすめです。 岩田さん: 岩田聡はこんなことを話していた。 任天堂の元社長、岩田聡さんのインタビューや、対談をまとめた本。 岩田さんは自分のバイブルでもある『マザー2』をつくった天才プログラマーであり、ニンテンドーDSやWiiなどの革新的なゲーム機をプロデュースした凄腕の社長でもある。彼の価値観や、クリエイティブに対する想い、まなざしは、働き方や、ひとりの人間として生き様、たぶん自分の理想像に大きく影響している気がします。 乳と卵 川上未映子さんの小説。20代の前半に「ほーん、どれどれ」と書店で手に取り、つまづきながらも読み進め、途中笑い、終盤の「おビールくださーい」のところでボロボロ泣き、本を閉じたあとは書籍を自然と抱きしめていました。もっと自分は、言葉を信じつつも疑って、尽くしていかないといけないな、と痛感させられた一冊。 ジョンのバイブル伝える本。―受け手を動かす言葉の技術。 「なぜその言葉が伝わらないのか」「では伝えるためにはどうしたらいいのか」が、言葉のメカニズムとともに科学されています。すべてを決めるのは受け手である、といった前提に立つことの大切さを教えてくれた大切な一冊で、ぼくの基本的なスタンスはこの本でできていると言っても過言ではありません。著者は「ココロとカラダ、にんげんのぜんぶ」などのコピーで知られる山本高史さん。だいすきです。 幸福を見つめるコピー 自分も今、コピーライターの端くれとしてコーポレートステートメントを書かせてもらうことがありますが、「その企業の本質の見つめかた」みたいなところは、この本(というか著者の岩崎俊一さん)に大きく影響されている部分があると思っています。ミツカン、トンボ鉛筆、ほっともっと、日本郵便などなど。心あたたまるコピーがたくさん読めます。 みんなに好かれようとして、みんなに嫌われる。勝つ広告のぜんぶ 見事にうらかわと被ってしまいましたが、仕方ありません。これはぼくの大好きなコピーライター、仲畑貴志さんが雑誌で連載していたコラムがまとまった一冊です。「人間のほんとうの部分」がぎゅっと詰まっていて、そのうえで「コピーライターとしてどうあるべきか」を指南してくれているので、若いころは何度も何度も読み返しては、少しでも仲畑さんに近づこうとか、そんな浅はかなことを考えていました。 なんだか、いろんな業界の、いろんな人のバイブルを知れたら楽しいかもな、なんてことを思いました。どなたか数珠つなぎで、バイブルの記事を書いていただけませんか?見にいきますので、かならず。 ▼ シフトブレインではプランナーの採用を行なっています シフトブレインでは、新しい仲間を募集しています。全社フルリモートのため、全国からのご応募をいただけます。 募集の詳細は、Wantedlyにてご覧ください! www.wantedly.comWeb業界において、言葉はもっと大切にされるべきだと思っています。 - SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインのコピーライターの採用 - Wantedly 募集要項をみる ▼ SHIFTBRAIN GOODS STORE SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですsb-goodsstore.com

「おもしろい」ってなんだっけ?【プランナー言葉の雑談vol.5】
みなさん、「おもしろい」って日々どんなときに感じますか? 「おもしろい(面白い)」の語源を調べてみると、「面」は目の前、「白」は明るくはっきりしている様子という文字通りの意味で、「目の前が明るくなった状態」のこと、つまり目の前の美しい景色という意味があったようです。さらに意味が転じ、明るい感情全般を表すようになり、今日使われる意味での「面白い」の意味になったそうです。 改めまして、シフトブレインプランナーの今泉です。 今回は、日々企画において「おもしろい」を思考するプランナーが、「おもしろい」をどう捉えているのか、取り留めもなく話してみました。取り留めもなくなりすぎたので(笑)、後日私が今回の雑談をかみしめて思ったことも一緒にまとめています。 「おもしろい」について、一緒に考えていただけたら幸いです。 プランナーチームのメンバーはこんな感じ。ジョン:娘と息子とテニスが生きがい。金髪でロン毛。 うらかわ:日本寂しがり屋コンテストで3連覇。本がすき。 しばげん:酒の奴隷。写真がすき。 今泉:日本をうろうろしながら暮らす。キャンプがすき。 「おもしろい」は全ての人間が持つ根源的な欲求なのか。 今泉:「おもしろい」って、簡単な言葉だしよく使うけど、案外難しいよなって昔から思ってて。というのも、自分でおもしろいと思ったことを人に話しても相手はきょとんだったり、逆にみんなのおもしろいから置いてけぼりになることもあったり。 しばげん:うん。うん。 今泉:みんな「おもしろい」とどう付き合っているのかなとか、普段語る「おもしろい」ってなんなんだろうなっていうのを、今日は話してみたいなと思ってます。早速なんですけど、みなさん、おもしろいってどんなときに思いますか? しばげん :予想を裏切られたとか、そうきたか、みたいに思う瞬間ですかね。色々あるうちの1つだと思うんですけど。 今泉 :驚きがあることが、おもしろいにつながるということですか? しばげん :うん、驚きとか。自分の思考の範疇を超えてくることに出会ったときに、おもしろいなとか、興味深いなと思います。 今泉 :なるほど。なんか一般的に「おもしろい」って言葉を聞いたときに連想するのって、いわゆる「お笑い」みたいなひょうきんさだったりもするじゃないですか。 しばげん:確かに、お笑いのこうくるのはわかってるけどそれが面白いっていうお約束ってありますよね。僕はお笑いの中でも一捻りあるというか、そういうジャンルのものの方が好きな気がします。 今泉:勢いで笑わせるものではなく…? しばげん :そうですね、シュールっぽいものの方が好みです。やっぱり「笑い」という意味でのおもしろいでも、自分の中に驚きがあることを求めている気がします。 今泉:なるほど。 ジョンさん、うらかわさん、どうですか?? うらかわ :おもしろいってさ、色々なものがあると思うんだ。例えば、デザインが好きな人は素敵なレイアウトを見たときにおもしろいと思うだろうし、別の人は、 全く別のおもしろいがある、みんな、おもしろいの範疇は違うよね。でもさ、おもしろいっていう感覚を全くもってない人間っていないと思うんだ。逃れられないと思うの。 今泉 :ほうほう。 うらかわ:俺のじいちゃんって全然おもしろくない人だったんだけど(笑)。春にさ、公園にばあちゃんとじいちゃん連れて行ったの、3人でバス乗って。 その日、ものすごい数の桜がさ、ブドウみたいに垂れ咲いててさ、それをみたじいちゃんが急に大笑いしたんだよね。たぶんはじめて笑ってるところを見た(笑)。あ、この人もおもしろいって思うことがあるんだって。 今泉:その桜の様子がおもしろかったんですかね? うらかわ:んー何がおもしろかったかは全然わかんなかった(笑)。でも人間みんな、自分なりのおもしろいが必ずある。おもしろいって感覚がないと人間、生きていけないんじゃないかとさえ思ってる。 インプットとアウトプットのおもしろいは、必ずしも一致しないかもしれない。うらかわ:ちょっと話外れちゃうかもだけど、自分が見てておもしろいと思うことと、自分が出力するときの表現、コピー書いたり、企画するときの相性が合致してない時があるなと思うんだよね。 ジョン:ん、どういうこと? 今泉:つまり、インプットとアウプットプットのおもしろいの違いの話ですかね? うらかわ:そうそう。例えば、すごい芸術的な、絵や映画を見るのが好きだったとするじゃん?でもその人はそういうものをつくろうと思っても、全然つくれない。でもふざけたコントを書くのはめっちゃうまい!みたいな。自分のおもしろいと思うストライクゾーンが、自分の表現が必ずしも一致しないって思ってるの。 今泉:なるほど。 うらかわ:その人がおもしろいって思うものが、アウトプットする価値と必ずしも≒ではないと言うか。自分は全然おもしろいと思わないけど、他の人がおもしろいと思ってくれることをアウトプットできることもあるんじゃないかな。あまり自分で、おもしろいの範囲を決めすぎちゃうと、それを超えたものが出てこないくなっちゃう気がするんだよね。 今泉:自分好みのインプットを広げても、アウトプットするものにはあまり影響しないということなんでしょうか? うらかわ:多分、違う川なんじゃないかな。 どこかで接続はされてるかもしれないけど。パワーというか別のエンジンがあるんじゃないかなって思ってる。 今泉:確かに。インプットとアウトプットのおもしろいのエンジンが違う気はしますね。元々、おもしろいは一人でも完結するものなのか、誰かに共有することによって生まれるものなのか、みたいなことも問いとしてあったんですけど、それもインプットとアウトプットのところに関わってきそうだなと思ったりしました。皆さんのおもしろいは、誰かに共有するみたいなことが含まれてますか? うらかわ:そうだね。うん。 ジョン:含まれてるね。 今泉:1人でおもしろいって思うことってあります? うらかわ:本読んでるときとか。 今泉:本も、著者との対話な気もしますよね。 うらかわ:そうだね。読者だからね。閉じられたおもしろいってものはないような気がするんだよなあ。例えばこう、1人で妄想してたとして、それで笑ってたとしても、なんか閉じこもったものではない気がする。 今泉:私は空想だと1人かもって思いました。例えば、私はこの間、洞窟を歩いてて、色々な種類の水の音が聞こえたんですけど、 その音のリズムが違って、なんか音楽みたいに聞こえてきて、すごいおもしろいなって。それは1人完結型のおもしろいなのかなって思ったんです。 うらかわ:でも、あれじゃん?外のさ、音にこう影響されてるわけだから、広がるというか。 今泉:あ、人間との関わりが関係あるのかなって。 うらかわ:あー、そういうこと。 今泉:しばげんさん、最初に発見があることがおもしろいっておっしゃってたと思うんですけど、それは一人でも完結しますか? しばげん:人が関与しなくてもそういう思うことはあるし、僕そう思ったものを写真撮ってるつもりなんで。それは全然あるんじゃないですかね。 今泉:それは、写真を人に見せなくともですか。 しばげん:でも、やっぱ結局なんやかんやインスタであげてるから、共有はしたいのかもしれないですね。いいと思うか悪いと思うかは受け手次第だと思いますけど。自分はこういう風なものがおもしろいと思って写真撮ったよ、みたいなことは、 世の中に共有したいと思ってるんだと思います。 参加型の「おもしろい」と劇場型の「おもしろい」。 今泉:おもしろいについて考え始めた時期ってありますか? うらかわ:いつから考え始めたかは全然わかんないんだけど、無意識的におもしろがる自分の傾向に気づいたのは、高校生ぐらいだったのかな。中学生くらいまでは見るおもしろいがメインだったんだけど、高校ぐらいから、自分でふざけてコントをつくったりとか始めたの。 ジョン:そんなことやってたの? うらかわ:あと、おもしろい遊びを自分でつくったりもした。 今泉:ジョンさんは昔からおもしろいことを考えるのが好きで、よくやってたみたいなことを、前おっしゃってたと思うんですけど。それって、どんな感覚だったんですか? ジョン:承認欲求じゃないかな。自分がおもしろいだろうと思ったものを言うことで、笑ってくれたら勝ちみたいな。 今泉:笑ってくれたら勝ち…。 ジョン:笑ってほしいっていう感覚だったんじゃないかな。おれは、自分で何かをするとかではなくて、人にやってもらってた。お前がこういうの言ったらおもしろいからやってみなって、授業中や昼休みにみんなの前で一言言ってもらう、みたいな。 今泉:黒幕みたいな感じですね。 うらかわ:なんか自分と全然タイプが違うと思った。俺はみんなでこれやろうみたいなかんじ。「今思いついたんだけど、ウホウホバナナっていう遊びやろ!みんなでゴリラの真似して、自分のタイミングでバナナって言って、そのバナナって言うタイミングが合ったら勝ちね!」「何それ」みたいな(笑)。 今泉:ウホウホバナナ(笑)。 うらかわ:うん、「こういうときはこういう風にする」みたいなシステムを考えたり、「先生を今から迎えに行ってくるから、みんなはトイレットペーパーでミイラになっといて!」みたいな。俺はいつも参加型なのかも。 ジョン:そうだね、タイプが違うね。 今泉:ジョンさんが自分でやらずにやらせてたのは、どんな意図だったんですか?その人がやるからおもしろいっていう視点があったわけですよね? ジョン:そうね。自分は別に表情豊かじゃないし、演じて何かをできるタイプでもないから、 自分が思いついたことを1番的確にできそうな人をチョイスして、自分が言うよりアイツが言った方がおもしろいよなとか。そんな感覚が、自分の中にあったんじゃないかな。 うらかわ:でも、そこに承認欲求があったわけ? ジョン:あるある。最終的に認知してくれたらいいなっていう。 うらかわ:猛獣が玉のりを披露したあと、最後に出てきて私が調教いたしましたって挨拶するみたいな? ジョン:そこまで表に出ようとも思ってはなかったけど。まあ、でも、感覚的にはそうかもしれない。 今泉:なるほど。 しばげんさんはどうですか。おもしろいをつくるみたいなことって? しばげん:僕は自分で何かつくるというほどのものでもないですけど…。例えば、ドライブしてるときに、運転手も楽しめる遊びを考えようみたいな、誰かが取り残されることなく、みんなで楽しめるようにって考えているかもしれないです。 今泉:取り残されない。これもうらかわさんの言う参加型なのかな。 しばげん:あとは、会話の中でおもしろいって思われるのは、やっぱり嬉しいですね。 今泉:たしかに、会話の「おもしろい」もありますよね。複数人で意識的につくるおもしろいと、その場で偶発的に起こるおもしろいがあって、みんなそれぞれに好みというかタイプがあるのかもしれないですね。 みんなと共有したい届けたい(大乗仏教的おもしろい欲)の中にも種類がありそうです。その場の空気感を動かすインタラクティブな参加型、見守る観客に向けて魅せる劇場型。ジョンさんのは観るぞと意気込む観客はいなかったと思うので、ゲリラ型なのかもしれないですが(笑)。 みなさんが学生時代に経験した共有する「おもしろい」は、学校やグループという文脈を共有していたり、年代やカルチャーを共有している中で伝わる「おもしろい」と考えるとハイコンテクストです。その場にいない人には伝わりづらい「おもしろさ」は、もしかしたら言葉以外の情報も大きいからなのかもしれません。表情だったり、そこまでの流れだったり、その場の人の関係性だったり。観光地や食べ物の感想なんかも同じで、空気感や体験などの非言語情報も含まれるので、言葉だけに集約しようとすると、なかなか難しい。その文脈をわかる人だけが感じられる特別の共有であり、その場に留まる「おもしろい」です。 一方、飛んでいく「おもしろい」もあるのかもしれません。言葉にした人の手を離れても飛び続けられる軽さや余白のあるもの。固有の文脈という重たさから解放され、遠くまで飛んでいけるもの。多くの人の体験に共通しているものを言い当てたり、人間の根本や本質に近かったりするものなのかな。全く別の人生を歩んできた人々に、あっという間に同じ感覚をインストールさせる。多様な価値観が共存する現代において、それは難しいことなのかもしれませんが、これを突き止め言葉に変換しようと試行錯誤するのが、プランナーの仕事なのかもしれません。 インプットが狭い方がアウトプットは広くなる?うらかわ:つくる側というか、おもしろいを提供する側になったときに、「おもしろい」ってなんなんだろうって考え始めたような気がするんだよね。 今泉 :それはさっきおっしゃってた高校生のとき? うらかわ:そう、世の中にあるおもしろいものがどういう風にできてるんだろうなとか。なんで俺はおもしろいって思うんだろうって。あれがおもしろいの原体験のような気がする。 今泉:つくる側の方が楽しかったんですか? うらかわ:どうだろうね。なんかさ、ただ見てるだけだとさ、おもしろいって流れてっちゃうんだよ。自分の中で堰き止められない、保存できない。 例えば広告とかでコピーを見て、おもしろいなって思うことあるけど、強烈に残るのは、どうやってこれ考えたんだろうなって逆引きしてくっていうか。 自分という土壌の中に、その外側のおもしろいを植えるというか、根を張らせるような感覚。 今泉:つくる側の目線になったことで、「おもしろい」の種を自分にたくさん植えるようになったんですね。 うらかわ:そうだね。でもまあ、タイプなのかもね。俺、頭がそんなよくなくて手動かしたりとかしながらじゃないと考えられないから、そういう風に思ってるだけなのかもしれないけど。たまに思うのが、インプットとしてのおもしろいが狭い人ほど、アウトプットのおもしろいが広いのかもって思うときがある。 ジョン:えー、マジ? うらかわ:ゴダールとかさ、ダリとかさ、ああいう人たちはさ、絵だけじゃなくていろんな表現方法でやってるじゃない?なんかインプットのおもしろいが狭くて、軸がしっかりしてるから、 アウトプットのメディアが変わっても、おもしろいものをつくれるのかなっておもったんだよね。 今泉:いや、でも、なんかそんな気もしますね。インプットが広い=なんでもおもしろいと思えるマインド、インプットが狭い=おもしろいのハードルが高いみたいな。だからアウトプットが洗練されるみたいなイメージを持ちました。仕事で企画をする上では、その種類は様々あれど、おもしろいということを考えていくわけじゃないですか。 うらかわ:うんうん。なんかね、ちょっと違う話になるかもだけど、広くするときって、あ、これおもしろい、これもおもしろい、こんなおもしろいもあった!みたいな感じで、水平に動くような感覚なのかなって。逆に1つのことを狭くインプットするときって、例えば何かの映画についてだとすると、この作品のおもしろいのポイントはもちろん、過去の作品だったり、監督のインタビューを読んだり、 もしかしたらこれの影響を受けているのかもしれないみたいなことを考えたり。深く潜る動きになるというか。 今泉:うんうん。 うらかわ:アウトプットするときって、深く思考することが多いから、水平に移動する方法は、アウトプットにはあんまり適用できない技術なんじゃないかなって思うんだよね。1つのことに深く潜るインプットの方が、アウトプットで何かをつくりあげていくっていうことにたいしては、 有効な方法なのかも。 ジョン:あー、そういうことか。なるほどね。 うらかわ:だから狭い方が広くアウトプットできるっていうのは、そういうこと。 ジョン:これで、ようやく理解できたわ。その狭さっていうのは、深さを伴ってるってことね。 うらかわ:そうそう、それ。 ジョン:であれば、それは本当にそうだと思う。深くいくと、 真理というか、本質にたどり着く確率が高いから、汎用性があるんだよね、多分。 深く潜ることは、おもしろいの初期衝動から離れていくのか。 うらかわ:でもね、俺、こういうふうに「おもしろいとはなにか」をあたまで考えてばかりいると、自分のおもしろいっていう感覚から、どんどん離れていってしまうんじゃないかって思うんだよね、ひねくれものだから。 ジョン:えー、ちょっと待って。もうわかんないぞそれ。 うらかわ :純粋におもしろいって思う感覚、衝動的におもしろいと思う感覚、それに対して、思考を深めていく行為はどんどん言語化していくことになるわけじゃない?これはこんな理由だなとかこうやってつくってるんだなとかさ。それはさ、おもしろいっていう初期衝動からはどんどん離れていく行為だよ。 ジョン:あー、そういうことか。 今泉:その過程はもうおもしろくなくなってるってことですか? うらかわ:いや、俺の中ではおもしろい。だけどそれは、人間の根源的な誰もが持つ「おもしろい」感覚からは離れていってしまっているような気がする。 今泉:離れちゃうんですか? ジョン:おれ千原ジュニアのすべらない話が好きなんだけど、あの人は多分、あの人なりに笑いの構造や理論なんかを研究して、こういう構成でこういうことを喋ったら笑うだろうっていう思考のもとにつくられている感じがする。一方で、ホリケンみたいな笑いは、もはや論理を超えて本人の感情の赴くままのお笑いのような気がして。そういう差なのかなって思った。どっちもおもしろいことに変わりはないんだけどね。 うらかわ:うんうん。 ジョン:本質に潜りすぎると、本人はおもしろいと思ってるのかもしれないけど、人はこうしたらおもしろいと思うでしょという、ある種の計算ができちゃうようになるのかな。 今泉:それは、アウトプットのときの話ですか?インプットのときの深さは、どんどん潜っていっても、おもしろいが継続しますよね? うらかわ:俺ね。結構、冷めちゃってる自分もいるかもしれない。 今泉:冷めても、深く潜れるんですか? うらかわ:うん、そうだね。楽しいとは思ってる。その作業は楽しいんだけど、おもしろいとはちょっと感覚が違う気が。言語化できない。 今泉:じゃあ、インプットのときの深く潜る作業は、おもしろいとはまた種類の違う感情になってくるわけなんですかね? うらかわ:そうだね。だってさ、なんかさ、おもしろいことって真剣に考え始めたらさ、なんかもうおもしろいじゃなくて、なんか真剣じゃん? ジョン:いや、わかる。 うらかわ:キングオブコントのネタもさ、全部おもしろいじゃん。でも、みんなあれ真面目に考えてるわけでしょ?そういう裏側はもうナンセンスというか。 しばげん:おもしろいからちょっと離れるけど深く追求しようって思うのは、その後にアウトプットをしたいって思うからなんですか? うらかわ:うん、そうそう。例えば、サルゴリラの魚のコントも、魚って音から離れないようにしてるんだなとか、 ツッコミの人が言葉じゃなくて顔でつっこむのが流れを止めなくてよいなとか分析するじゃん。でもさ、笑いって分析したら絶対ダメだと思うし、なんかその失礼だなとさえ思うんだよね。 ジョン:ダメだとは思わないけど、でも、こういう仕事してなかったら、そんなことも多分思ってなかったよね。 しばげん:それってプランナーならでは感がありますね。僕は、直感的に写真撮ってて、その後のアウトプットはあんまり考えてなかったかも。それこそ広さを求めるというか、いろんなとこに触れがちなんですよね。 うらかわ:いや、俺はちょっと考え違くて。げんちゃんさ、広くいろんなものを撮ってるって言ったじゃん。だけどね、俺ね、その広さの中に狭さが絶対あると思ってて。共通する部分は絶対ある。 しばげん:あー、ま、それはあるかも。 うらかわ:だから、いろんなことに挑戦することは悪いことじゃない。どんな表現をしても必ず、なぜかわからないけど自分はこうしてしまう癖みたいなもの。もしかしたら、どんな仕事でもそうなのかもしんないけど。 今泉:深さの軸のつくり方は、ジャンル以外にもあるってことですよね。広さの中で共通する癖を見つけると、それが深さの軸になり得るという。ちなみに、深く掘り下げるのは、アウトプットにつなげる以外のときにもするんですか。 うらかわ:ま、あんまり意識してないかもね。自然と考えてたりするのかな。 今泉:インプットのおもしろいも、それを深めていく作業も、ずっとアウトプットが心の片隅にあるからっていうことなんですね。 ジョン:うん、そうだね。 今泉:そのアウトプットが片隅にあったのは、小さい頃からおもしろいを提供する側にいたからなんですか? ジョン:いや、その時は全然、自分がおもしろいと思うものを感覚的にやってただけで。「これはなんでおもしろいんだろう?」みたいなことを掘り下げる行為は、この仕事をしてから。それを科学できてないと、再現性がないからね。 うらかわ:難しいよね。おもしろいってね、難しい。 インプットのおもしろいとアウトプットのおもしろいは根っことお花というイメージが浮かびました。つながってるけど、存在の意味が違って、どちらにも意味があるというか。 インプット =種を植え、根を張る。地中だから他の人からは見えないけど、自分のためになる栄養を土から吸収する。 アウトプット =種を植え、花を咲かす。綺麗に咲いた花は他の人に素敵な気持ちを届けることもある。 お花と根と他者の関係もさまざまです。見ているおもしろいから触発されてまいたおもしろいの種は、インプットのおもしろい(根)にもアウトプットのおもしろい(花)にもなっていくのかなと思いました。 ■見ているおもしろい(=お花を鑑賞している) 誰かが咲かせた花を鑑賞している。日常のある一瞬に、綺麗だなという感情を抱く。 ■広く浅いおもしろい(=様々な土地に種を植えてみる) 種をまくと根を張るので、長く自分の栄養になっていく。お花が咲く数は少ないし、咲くのはただの雑草かもしれないし、ときには芽すら出さないこともある。でも色々な土地の土の栄養を摂取できて、集めると多種多様な花束にもなる。 ■深く潜るおもしろい(=1つの土地に種を植えて、深く根を張る) じっくり深く一つの土地に根を張り巡らしていく。育つまで大変だけど、立派なお花が咲く。綺麗なお花畑のようで、多くの人の心を動かすことのできるパワーを持つ。育て方のノウハウも身につくので、他のところでも応用できる。 さらに、咲いたお花を収穫して、もっと遠くに届けることを思考し始めることが、うらかわさんのいう「おもしろいの初期衝動から離れていく」ことなのかなと想像しました。自分の栄養ともなっていたお花を摘んで、遠くの人にも届けるために、トラックに乗せて遠くまで運ぶのか、はたまた綺麗なブーケを作って届けるのか。手段は人それぞれ違えど、種を植えた土地から離れることを考えるから、初期衝動とは少し違う感覚になるのかもしれません。 「おもしろい」の話はまだまだ根が深そうです。 ▼ シフトブレインではプランナーの採用を行なっています シフトブレインでは、新しい仲間を募集しています。全社フルリモートのため、全国からのご応募をいただけます。 募集の詳細は、Wantedlyにてご覧ください! www.wantedly.comWeb業界において、言葉はもっと大切にされるべきだと思っています。 - SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインのコピーライターの採用 - Wantedly 募集要項をみる ▼ SHIFTBRAIN GOODS STORE SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですsb-goodsstore.com

コピーライターの頭の中を覗いてみる【プランナー 言葉の雑談vol.4】
こんにちは、SHIFTBRAINのプランナーのしばげんです。 SHIFTBRAINのコピーライターってどんなコピーを書くの?コピーを書くとき、何を考えているの?今回はそんな謎を紐解いてみようと思います。 紐解くためのお題として、プランナー部のみなさんに「最近買って(体験して)よかったものでコピーを作ってきてください」と無茶振りをし、あわせてこのコピーができるまでの思考の過程なども伺いました。 果たしてコピーライターの脳内はどうなっているのでしょうか? (素人目線ながら)私から見たみなさんのコピーの特徴や印象なんかも交えながら、見ていきたいと思います。 プランナーチームの紹介ジョン:娘と息子とテニスが生きがい。金髪でロン毛。 うらかわ:日本寂しがり屋コンテストで3連覇。本がすき。 今泉:日本をうろうろしながら暮らす。キャンプがすき。 しばげん:酒の奴隷。写真がすき。 「刺す」の意志(ジョン)1.対象としたお題 クールコア インナーTシャツ 2.対象物のよかった点、おすすめポイント 真夏に子どもを連れて公園に行ったり、趣味のテニスの時間を少しでも快適にするために、冷たいインナーを探していました。いくつか試した中でこれがいちばん良かったと思うポイントは、「触ったらひんやりする」ではなく「汗をかくほど冷たくなる」ところ。汗っかきの自分にとってはありがたい技術でした。 3.制作物を作る上で考えたこと、気にしたこと 二つあって、一つ目は体裁です。まさに自分がインナーを探しているときに感じていたのは、たいていの商品がブルーの文字で「冷感」「最大マイナス◯度」「瞬間爽快」「ひんやり」などを謳っていて、違いがよくわからないと思ったこと。こういった類の商品って、もはやブランド側の一方的な謳い文句だけではなく、実際に試した人のレビューが大きく影響するなという実感があったので、であれば、実際に試した自分の体験をコピーにしたほうがいいと思いました。 そしてもう一つは、具体的な言い方の部分。これはあくまでも自分が感じたことなのですが、このインナーで冷たさを感じるには二つの条件があって、まずは「汗をかくこと」で、その次に「風を浴びること」です。そのまま言うと、どうしても説明的で長くなるので、それは避けたかった。一方で、それらの条件がぴったり重なる瞬間をちゃんと描いてあげないと釣りっぽくなってしまうと思ったので、短く表現できるシーンの選定には気を遣いました。 ジョンさんのコピーには、「このコピーで刺す」という意志が感じられます。 対象そのものの特徴や強み、他との違い、消費者心理などを分析・実感したうえで、これだからこそ言い表せるコピーを、記憶に残るような言葉で作っているという印象です。 今回も、8月⇆凍えるの極端な対比でインパクトを与え、かつ説明的にもならず言いたいことがストレートに伝わってくるようなコピーはさすがです。 この製品が話題になったら、「ああ、あの8月で凍えるやつね」と巷で言われそうだなと思いました。 見て、読んで、楽しいコピー(うらかわ)1.対象としたお題 Biore 冷バンド 2.対象物のよかった点、おすすめポイント 8月の終わり頃、屋外での撮影のとき、PMのうみちゃんから教えてもらったBioreの冷シリーズ。 首や頭に巻いたり、体を拭いたりするだけで、ホントに涼しい!ぜんぜん違う!もっと初夏にこの商品知りたかったよ!と ちょっぴり後悔してしまうぐらい、いい商品でした。 3.制作物を作る上で考えたこと、気にしたこと この商品のおかげで、厳しい暑さの中でも撮影に集中することができました。 その体感を表現しつつ、コピーに触れた人が「はてな」と思ってくれるようなフックのようなものをかこうかなぁと考えていました。 4.制作の過程で気づいたことや発見 冷シリーズがあれば夏の暑い中でも、しっかりと撮影に「熱中」できたという体験をコピーにしたらおもしろいかもなぁと考えました。 夏に「熱中」と聞くとどうしても「熱中症」を想起してしまう自分がいました。 それに「熱中しよう」と「熱中症」はほぼ音が一緒。 ええやんええやんと勢いに任せて書きました、後悔はしていない。 本当はもっと商品の特性や、レビューなどをしっかり反映させたものをかきたかったです。 いやはや、頭を冷やして、考え直したい… うらかわさんのコピーは、言葉の掛け合わせや音節の区切りなど、リズミカルで声に出して読みたくなるような、hip-hopに近いvibesを持つコピーが多い印象です。 今回のコピーでは、全てひらがなで書くことでちょっとした目の錯覚を誘うようなギミック?を取り入れるなど、ある種デザインの一部としても機能するような、漢字と開きの高度な使い分けもうらかわさんらしいと感じます。 うらかわさんのコピーから、CMやポスターに落とし込まれた時のビジュアルも含めて想像できます。そんな抽象的な世界観や空気感まで伝わるようなコピーを書いてくれます。 象徴的な言葉から世界が広がる(今泉)1.対象としたお題 貝掛温泉 2.対象物のよかった点、おすすめポイント 日本に温泉は数あれど、目の温泉というものに初めて出会いました。昔はこのお湯自体が目薬として販売されていたこともあるようで、現代でもほぼ同じ成分の目薬が販売されているのだとか。温泉では実際に「目を湯で洗う湯治」を楽しむことができます。昔の人はどうやってこれが目に効くことに気づいたんだろうなあと想像したり、目の湯治という新しい体験をしたりと、とても面白かったのでみんなにも共有したいなと思いました。 3.制作物を作る上で考えたこと、気にしたこと どちらかというと受動的に楽しむイメージのある温泉。「いつもと違う温泉の体験ができるんだ」と思ってもらえたらいいなと思いました。浮かんだのは、大好きな人たちと一緒に温泉に浸かりながら、お湯を目に入れて「なんとなく効いてる気がする」とか「全然痛くないね」とか会話するシーン。体験の質感が広がればいいなということと、掛け言葉にすることでのちょっとした引っかかりや、ビジュアルのイメージも浮かんだので、このコピーにしました。 4.制作の過程で気づいたことや発見 お題についてはみなさんパッと決めて書いているようだったので、お題を選ぶ段階から悩んでいたのが自分的には面白かったです。 「自分だったら、目薬として売られていたことや目薬と同じ成分ということをそのまま言い表すと思う」とジョンさんが言っていましたが、確かに体験の面白さから逆算して泉質の効能にも興味を引かせるような、不思議な魅力のあるコピーです。 また、具体的な会話や光景から考えたコピーを、誰もが知ってることわざと掛け合わせるという発想の柔軟さや視点の鋭さにも感心しました。 これからSHIFTBRAINのコピーライターとして、今泉さんのコピーが世間に出ていくと思いますが、そんな視点の鋭さにも是非ご注目ください。 最後に、手前味噌ですがわたしのも一つ… シンプルに感動を伝えたい(しばげん)1.対象としたお題 レバウルソゴールド 2.対象物のよかった点、おすすめポイント 家で一人で呑む時も、友人と呑む時も、お酒のやめどころが分からずつい飲みすぎてしまい、翌日身体がだるくて後悔することがよくあります。 そんななか、美容師に教えてもらったこの商品を飲んだところ、翌朝目覚めた時にアルコールが残っているような感覚が無く、スッキリと目覚められたことに感動しました。同じような悩みを持つ酒飲み連中に勧めてあげたい商品です。 3.制作物を作る上で考えたこと、気にしたこと 朝起きた時の、それまでとの違いや感動をなるべくシンプルに伝えたいと思いました。 とくに、二日酔いの時は昨晩の自分を責めたり、あんなに飲まなきゃよかったと悔やむものです。そのどん底な気分と、これを飲んだ翌朝の晴れやかな気分の対比を言い表そうと思いつくりました。 4.制作の過程で気づいたことや発見 コピーはできるだけシンプルにしたいけど、これじゃ伝わらないんじゃないか、別の意味で捉えられるんじゃないか、ださいんじゃないか…など心配事が増えていきます。そうして言葉を付け足したり変えたりしていくと、途端に説明的になりすぎたり魅力的に見えなかったり…そんな終わりの見えない苦悩の中で、ここ、という塩梅を決めて形にするのが大変難しかったです。 おわりにプランナー部のみなさん、お忙しいところありがとうございました。 SHIFTBRAINのコピーライターが普段どんなことを考えてコピーをつくっているのか、その一端が見えたのではないでしょうか。 今回みなさんに作ってきていただいたコピーや考え方が、vol.1でそれぞれが出した推しコピーにも近い雰囲気を感じるものだなという気付きがあり、面白かったです。 ひとえにコピーライターと言っても、アウトプットまでに至る過程は人それぞれ。デザインやコーディング同様、さまざまな思考や工夫のもとに生まれたコピーがSHIFTBRAINの制作物に落とし込まれていますので、その辺りも是非意識して見てみてください。 普段コピーに携わっている人も、これから携わろうと考えている人も、何かの参考になれば幸いです。 ▼ シフトブレインではプランナーの採用を行なっています シフトブレインでは、新しい仲間を募集しています。全社フルリモートのため、全国からのご応募をいただけます。 募集の詳細は、Wantedlyにてご覧ください! www.wantedly.comWeb業界において、言葉はもっと大切にされるべきだと思っています。 - SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインのコピーライターの採用 - Wantedly 募集要項をみる ▼ SHIFTBRAIN GOODS STORE SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですsb-goodsstore.com Illustration: Wataru Urakawa

【ロゴデザイン解説】実績をもとに紐解く、コーポレートロゴのつくりかた
こんにちは、シフトブレイン広報の坂です。 シフトブレインは、ブランディングとデジタル領域のクリエイティブを強みとする会社です。弊社の実績紹介ではよくWebサイトを中心にご覧になっていただきますが、ブランディングの一貫でサイトとあわせて、ロゴを制作していることも多々あります。そこで今回は、シフトブレインの“ロゴデザイン”にスポットを当ててご紹介したいと思います。 最近の実績から5つのプロジェクトを選び、担当デザイナーにロゴデザインやロゴ制作時の考え方を聞きました。 クライアントからコメントをいただいているプロジェクトもありますので、あわせてお楽しみください! ●コーポレートロゴLayerX 株式会社LayerX 「すべての経済活動を、デジタル化する。」をミッションに掲げる株式会社LayerXのコーポレートブランドリニューアル。本プロジェクトは、コンセプト策定とコピーライティングを担当された株式会社パークとの協業で、シフトブレインではロゴ、ロゴアニメーション、コーポレートサイト、各種ツールのデザインおよび制作を担当しました。 ■このロゴを制作したのは... 宮本 浩規 (Art Director / Designer)Q. ロゴ制作の経緯を教えてください。 LayerXさんが2023年8月に創業5周年の節目を迎えるタイミングで行われたブランドリニューアルで、ロゴのリニューアルも行われました。僕は本プロジェクトのクリエイティブディレクターである鎌田のもと、アートディレクションとデザインの領域を担当しました。 Q. ロゴを構成する要素があれば教えてください。 LayerXさんはこのコーポレートブランドリニューアルで、改めてこの先の未来に「LayerXはどうあるべきか」に向き合われました。ロゴ制作においては、ミッションの「すべての経済活動を、デジタル化する。」をもとに、同社を起点にいろいろな情報や人が集合し、目指すべき“より良い社会”へとトランスフォームしていく様子を表現することをコンセプトに据え、ビジュアル化を行いました。 Q. デザインする上でのポイントや工夫した点を教えてください。 ロゴタイプは堂々とした安定感のあるフォルムの書体 TT Firs Neueをベースに、ディティールに柔らかさを加え、親しみやすい印象が感じられるように仕上げました。 ロゴマークは奥行きを出すためにアイソメトリックなものを作りました。ですが、いざ作ってみるといまいち奥行きが感じられず頭が重い印象もあったので、より視覚的な奥行きを出すために、あえて上部2つのパネルを90〜95%ほど小さくして視覚調整をしています。また、マーク全体の比率検証や角の削り具合などの検証も含め、繰り返し微調整を行いました。 Q. ロゴ完成後、ロゴの展開やその他での活用があれば教えてください。 ロゴとあわせて、ロゴアニメーションも制作しました。パネルがいろいろな角度から集まってロゴマークを形作る動きが加わることで、ロゴのコンセプトをより具体的に表現できたのではと思います。 また、イベント用のノベルティデザインとイベント会場で流れるアニメーション動画も制作しました。ノベルティデザインの制作は、LayerXさんとの協業になります。 Q. 最後に、ロゴ制作を振り返って一言お願いします! ロゴ発表後に公開したコーポレートサイトでは、ロゴと同様のコンセプトを踏襲しつつも、同社の誠実さや信頼性など、人とのつながりを大切にするオープンな社風を伝えたいと考え、その様子が感じられる写真を随所に散りばめました。LayerXさん、パークさん、シフトブレインの3社でタッグを組み、同社の一貫した佇まいを表したコーポレートサイトもあわせてご覧ください! 株式会社LayerX「すべての経済活動を、デジタル化する。」をミッションに掲げる株式会社LayerXのコーポレートサイトです。layerx.co.jp ■LayerXさまからいただいたコメント 今回、LayerXのさらなる成長を支えるブランド基盤として、新たなVI(ビジュアル・アイデンティティ)の構築において、パートナーとしてお手伝いいただきました。 新たに策定したVIは、単なるロゴデザインにとどまらず、広報用のクリエイティブやオフィス空間デザインなど、多岐にわたるタッチポイントへ展開され、すでにブランドアイデンティティとして強く浸透し始めています。 今後も、このVIがLayerXの長期的なブランド戦略を支える強固な基盤となるよう、引き続きブランディングの強化を図ってまいります。 LayerX BrandingSHIFTBRAINは、デジタル領域を中心としたコミュニケーションプランニング、デザイン、テクノロジーを得意としたブランデshiftbrain.com Morght 株式会社Morght 最高品質の睡眠体験を手に届く価格でお届けする、こだわりの寝具ブランド『NELL』で知られる株式会社Morght(モート)。シフトブレインでは、同社が第二創業期を迎えるにあたり、CIや各種ツール類を含むトータルブランディングを担当しました。 ■このロゴを制作したのは... 鎌田 亮平 (External Advisor / Design Director)Q. ロゴ制作の経緯を教えてください。 ご依頼をいただいた当初はコーポレートサイト自体がまだなく、コーポレートサイトの制作が急務でした。同時にMVV策定のご要望もいただいていたため、そのヒアリングを重ねていくうちに「ロゴもMVVに沿ったものに変えた方がいいのではないか?」と考え、ロゴリニューアルのご提案をさせていただきました。 Q. ロゴを構成する要素があれば教えてください。 月と太陽を表しているモチーフは、旧ロゴのマークを継承しています。もともとのマークがMorghtさんの“らしさ”を感じるとても良いアイデアだったため、形や色の調整を行いブラッシュアップしました。一方で、ロゴタイプは作字から行い、策定したMVVに沿った形にリファインしました。 Q. デザインする上でのポイントや工夫した点を教えてください。 タイプフェイスは正円をベースに作字を行いましたが、正円のままでは最終的に視覚的な違和感を感じる部分があったので、mm単位の視覚補正をかけています。一見しただけではわからないような細部にまでこだわりました。 Q. ロゴ完成後、ロゴの展開やその他での活用があれば教えてください。 コーポレートサイトではアクセスする時間によって、ページフッターにあるロゴマークが変化します。ファビコンも同様に変化するので、時間によるサイトの雰囲気を楽しんでいただけたらと思います。 あなたがあなたらしく生きるための、最高の準備を届けつづける。 - 株式会社MorghtMorght(モート)は、「あなたがあなたらしく生きるための、最高の準備を届けつづける。」をミッションに、どこまでも本質をmorght.com また、ロゴのリニューアルにあわせて、名刺、ステッカー、ネックストラップなどのコミュニケーションツール全般も一新しました。 Q. 最後に、ロゴ制作を振り返って一言お願いします! 今回のロゴ制作を含めるブランディングは、すでにクライアントがお持ちだった良い資産を活かし、それらをより“Morghtらしく”昇華させることを心がけました。一般的なリブランディングでは「何かを大きく変えること」という印象が強いと思いますが、今回のようなマイナーアップデートによるリブランディングも世の中に沢山あります。Morghtさんとのプロジェクトは、その中の良い一例になったのではと感じています。 ■Morghtさまからいただいたコメント 今回、創業当時から使用していたコーポレートロゴをアップデートいただきました。ロジカルに、細部までこだわり尽くされたロゴは、より柔らかく、さらに力強い当社のシンボルとして生まれ変わりました。 また、Morghtという社名の由来である"Morning to Night"=「朝起きてから、夜寝るまでの時間を豊かにしたい」という思いを汲み取り、ロゴに「時間の概念」を持たせるアイデアを考案いただきました。制作後に移転した新オフィスではそのアイデアを会議室の名称としても採用させていただき、時間にあわせて表情を変えるMorghtのロゴパターンが、それぞれの部屋のサインとなっています。 さまざまな形でメンバーの日常に溶け込んでいるMorghtロゴが、私たちの結びつきを強めてくれていることを日々実感しています。 Morght BrandingSHIFTBRAINは、デジタル領域を中心としたコミュニケーションプランニング、デザイン、テクノロジーを得意としたブランデshiftbrain.com CARTA HOLDINGS 株式会社CARTA HOLDINGS 2019年1月に株式会社VOYAGE GROUPと株式会社サイバー・コミュニケーションズの経営統合により発足した株式会社CARTA HOLDINGS。同社のコーポレートブランドのリニューアルに伴い、コーポレートロゴとアニメーションの制作をしました。 ■このロゴを制作したのは... 左:石塚 健斗(Designer)- ロゴ担当 右:道合 幸希(Designer)- ロゴアニメーション担当Q. ロゴ制作の経緯を教えてください。 クライアントは経営統合により新たに発足したCARTA HOLDINGSさん。同社発足後、今後の更なる挑戦に向けてミッションとバリューが策定されましたが、ビジュアル面からも同社の姿勢や価値観を伝えていきたいという想いから、コーポレートブランドのリニューアルが行われることになりました。 本プロジェクトのクリエイティブディレクター兼アートディレクターの鎌田のもと、ロゴとロゴアニメーションの制作を自分と道合で分担しています。(石塚) Q. ロゴを構成する要素があれば教えてください。 クライアントは「自社を介在させることによって、さまざまな企業を進化させていく土壌のような存在でありたい」という想いをお持ちでした。その想いをもとに、ロゴタイプはプラットフォームとなる土壌としての力強さと、業界をリードしていくBOLDな印象を持つオーソドックスな書体Gotham(ゴッサム)を採用しました。ロゴマークは、社名の頭文字である「C」と「進化を促すためのプラットフォームとなる」という想いをビジュアル化し、その2つが連なり重なり合うことで螺旋状のDNAとなるようデザインとなっています。(石塚) Q. デザインする上でのポイントや工夫した点を教えてください。 全体的に「土壌のような存在」であることを意識し、どっしりとしたデザインになるよう心がけました。 また、ロゴマーク、ロゴタイプともに見た目や形状の検証を繰り返し行っています。特にロゴマークに関しては、白銀比(※)をベースにシルエットを調整し、さまざまなパターンを検証しました。ロゴマークの重心がある左下から右上へ、抜け感を与える視線誘導も行い、進化していく様も表現しています。(石塚) (※)白銀比:古来から日本で美しい比率とされているもので、大和比とも呼ばれています。世界最古の現存する木造建築物である法隆寺の金堂や五重塔に使われており、国内の寺社建築や仏像の顔、日本絵画、現代ではスカイツリーなど「日本人が美しいと感じる比率」として古くから用いられているものです。 フォントの検証Q. ロゴ完成後、ロゴの展開やその他での活用があれば教えてください。 ロゴをもとに、ロゴアニメーションも制作しました。アニメーションでは、DNAの螺旋からロゴマークに繋がる動きで、進化を連想させています。また、ロゴマークの後ろからロゴタイプが出てくる動きにも意図があり、同社が企業や社会の発展のための「裏方的存在」であるという姿勢を表したものです。(道合) Q. 最後に、ロゴ制作を振り返って一言お願いします! これまでWebサイト上のモーションを制作することはあったものの、ロゴアニメーションを制作したのは初めてでした。提案時には動きをイメージしていただきやすいよう資料制作も工夫したので、個人的にとても思い入れのあるプロジェクトとなりました!(道合) CARTA HOLDINGS BrandingSHIFTBRAINは、デジタル領域を中心としたコミュニケーションプランニング、デザイン、テクノロジーを得意としたブランデshiftbrain.com ●番外編:その他ロゴここまでコーポレートロゴをご紹介してきましたが、実はそれ以外のロゴも制作しています。ここからは、番外編としてその他のロゴもご紹介します! UTORITO サービスロゴ 株式会社Too 株式会社Tooが運営するMacのLCMサービス『UTORITO(ユトリト)』のブランディング。『UTORITO』は、MacBookなど仕事で利用するMacデバイスの調達から返却までの業務を提供するサービスです。シフトブレインでは、『UTORITO』のネーミング、ロゴ、キャッチコピー、デザインガイドラインの制作を担当しました。 ■このロゴを制作したのは... 石塚 健斗 (Designer)Q. ロゴ制作の経緯を教えてください。 同社は35年以上にわたってAppleデバイスを取り扱っており、法人向けモバイルMac用ライフサイクルマネジメントサービスの「あんしんLCMサービス」を提供してきました。このサービスを同社の価値としてより強く伝えていくとともに、サービス内容も明確に訴求していきたい、というご要望のもと、ネーミングのリニューアルやロゴ制作を行いました。 Q. ロゴ完成後、ロゴの展開やその他での活用があれば教えてください。 事業のミッション「デバイスで、働くに、成長と喜びを。」と、コピーライター兼プランナーの浦川が新しく策定した事業コンセプト「はたらくを、らくに。」をもとに制作を進めました。 特にロゴマークでは、Appleデバイスの管理でお悩みのIT管理部門の方々をサポートし、伴走・支援することで、顧客が「本当に集中すべき業務に向き合える様子」を表現しています。 Q. デザインする上でのポイントや工夫した点を教えてください。 当初のロゴ制作へのご要望は「ひとめ見るだけで、サービスの内容を理解できるもの」でした。一方で、サービス名を策定するためのヒアリングやワークショップを重ねていくうちに、同社のサービスにかける想いの強さを知り、機能面もさることながら情緒面での訴求も必要性が高いのではと考えました。最終的にサービス名は情緒面を重視した『UTORITO』となりましたが、ロゴ制作も同時進行だったため、機能面でも情緒面でも対応できるよう、合計で10案ほどご提案させていただいています。 その中から採用されたロゴマークは、左にMacBook、右にはユーザーがコア業務に集中している様子を表現したモチーフとなっています。また、マーク全体には『UTORITO』の頭文字である「U」と、クライアントのサービスへの想いを表現する「ハート」も忍ばせました。 Q. ロゴ完成後、ロゴの展開やその他での活用があれば教えてください。 今回の弊社へのご依頼はサービスのネーミングからロゴ制作までが担当領域だったため、その他のコミュニケーションツールへの展開は行いませんでした。ロゴ納品後にWebサイトや紙ものを制作することも想定し、その際に参考にできるように配色パターンなどをまとめたデザインガイドラインを制作しました。 デザインガイドライン(一部抜粋)▼ガイドラインをもとに制作されたWebサイト (※Webはシフトブレインの制作ではありません) MacのアウトソーシングサービスならUTORITO┃株式会社TooUTORITOは、情シス・IT管理部門のMac運用をサポートするアウトソーシングサービスです。調達コストを抑えながらキッテutorito.too.com Q. 最後に、ロゴ制作を振り返って一言お願いします! クライアントにとって一番良いリニューアルの方向性を探るため、会話を大切にしながら何度も検討、議論を重ねたプロジェクトでした。その甲斐もあり、Tooさんとはチーム一丸となってリニューアルに取り組むことができました。 ■tooさまからいただいたコメント 弊社は創業100年を超える企業で、その中でも『UTORITO』は新サービスとして立ち上がり、これから拡大していくフェーズでした。その活動の第一歩として、サービスをブランディングするためにシフトブレイン様に依頼をさせていただきました。 この温かみのあるデザインは「常に煩雑な業務に追われて、コア業務に集中できない情シス担当者の方へ、サービスを通じてゆとりを提供したい」という私たちの思いを言語化していただき、デザインに落とし込んでもらったものになります。社風やサービスに込める思いを汲み取っていただき、大変満足しています。今回のプロジェクトを進める中で、改めて『UTORITO』について見つめ直し、社内メンバーと目線合わせができたことも、とても価値のあることだったと思います。 45R『デニム祭』ロゴ 45rpm studio株式会社 日本のアパレルブランド 45Rが、この夏一新したデニムを引っ提げて全国各地で『デニム祭』を開催しています。シフトブレインは、この祭の熱量を高めるためのWebサイトや瓦版を制作しました。 ■このロゴを制作したのは... 山上 哲 (Art Director / Designer)Q. ロゴ制作の経緯を教えてください。 最近の45Rさんの案件は、クリエイティブディレクター兼アートディレクターの藤吉と2人体制で進めることが多く、今回の『デニム祭』も企画時から藤吉が参加していました。企画当初からWebと印刷物を制作することは決まっていて、その際に藤吉から「45Rらしさ」と「お祭り感」のあるロゴが必要だと依頼され、制作を開始しました。 Q. ロゴを構成する要素があれば教えてください。 『デニム祭』なので、「和」と「デニム」を中心に考えました。まずは「和」の要素として、お祭りで着る法被の背中に書かれている筆文字をイメージしています。ロゴ制作と並行してデザインを進めていたWebでは、『デニム祭』のロゴの上にいろいろな形の家紋のようなマークが重なりますが、その家紋も法被のイメージからきています。 家紋風マークは20パターンほど存在しますまた、ロゴ自体の色にもデニム生地に似せたパターン柄を使用しました。藍染めのグラデーションが加わることで、より『デニム祭』らしい雰囲気を醸し出せたのではないかと思います。 Q. デザインする上で、工夫した点を教えてください。 制作前に45Rらしさを探るためのリファレンスを集め、その中でもインパクトがありチャレンジングなロゴになるようアイデアを深めていきました。太い筆文字のロゴを作りたかったので、イメージしていた文字をIllustratorのパスで一から作字しています。片仮名の「デニム」の3文字は1つの漢字に見えるように工夫しました。また、家紋風マークもロゴの漢字と同じ比率で作っています。 企画全体のデザインに浮世絵が加わることは決まっていたので、一見全く別物である「デニム」「祭」「浮世絵」を一つの世界観に落とし込む必要もありました。他の要素と組み合わせた時にも違和感がないロゴであるべきだと考えていたので、その辺りも意識してデザインに取り組みました。 Q. ロゴ完成後、ロゴの展開やその他での活用があれば教えてください。 Webサイト以外に、瓦版やタブロイド紙などの印刷物にも展開しました。その他では、店舗でのイベントにも使用されているようです。 デニム祭 | 45Rわっしょい、わっしょい! 45Rのデニム祭があなたの街にやってきます!45r.jp 左:瓦版(表紙) / 右:タブロイド紙(表紙)Q. 最後に、ロゴ制作を振り返って一言お願いします! 自分がロゴの提案をするときは、チャレンジングなロゴも提案することが多いです。今回のようなロゴも「いつか筆文字系のロゴを作りたい!」と思っていたところ、『デニム祭』の企画のタイミングにちょうど重なりました。このロゴは終始楽しく作りましたし、いろいろな場所やものに展開がされる企画だったので、納品した後も楽しめました! 個人的にはデニム祭のロゴと浮世絵を描いていただいた石川真澄さんの犬扇子イラストがセットになったロゴパターンが気に入っています。 ■45Rさまからいただいたコメント 私たちがかかげる「日本のブランド」「日本のデニム」という想いがしっかりと表れている一方、楽しげな「祭らしさ」も出ているロゴだと思います。 店舗でのイベント時にも、ディスプレイやサイネージでひと際目を引いています。石川さんに描いていただいた浮世絵のイラストにも欠かせない『デニム祭』のロゴになりました。 おわりに今回はシフトブレインで近年制作した5点のロゴをご紹介しました!いかがでしたでしょうか? 本記事でご紹介したプロジェクトの他にも、ご紹介できなかったロゴ制作のプロジェクトが沢山ありますので、ぜひシフトブレインのコーポレートサイトもご覧ください! SHIFTBRAIN inc.SHIFTBRAINは、デジタル領域を中心としたコミュニケーションプランニング、デザイン、テクノロジーを得意としたブランデshiftbrain.com ▼ 採用情報 シフトブレインでは、新しい仲間を募集しています。全社フルリモートのため、全国からご応募いただけます。募集の詳細は、Wantedlyにて! SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの会社情報 - WantedlySHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの魅力を伝えるコンテンツと、住所や代表・従業員などの会社情報です。「みんwww.wantedly.com ▼ SHIFTBRAIN GOODS STORE SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですsb-goodsstore.com

アートディレクターに教わる写真撮影 〜 Vol.2 自宅で物撮り(一眼レフカメラ&黒背景編)
こんにちは、シフトブレイン広報の坂です。 シフトブレインは、ブランディングとデジタル領域のクリエイティブを強みとする制作会社です。社内には、多様な強みを持ったクリエイターが在籍しています。 アートディレクターに教わる写真撮影 〜 Vol.1 自宅で物撮り(iPhone編)の公開から期間が空いてしまいましたが、Vol.2では自宅で物撮りする場合の「一眼レフカメラ&黒背景編」をお送りします。 今回はシフトブレインの社内プロジェクト『中間文集』のモチーフの撮影方法をベースにご紹介していきます。 ▼『中間文集』とは? 『中間文集』はシフトブレインのスタッフひとりひとりに、これまでの人生について深く考えてもらうきっかけをつくるプロジェクトです。 シフトブレイン15周年から5年以上続いている『中間文集』は、新しいスタッフが入社する度に本人が選んだモチーフのビジュアル化が行われます。 『中間文集』プロジェクトについて詳しく知りたい方は、下記noteをご覧ください! 本記事では前回に引き続き、『中間文集』のモチーフ撮影を担当しているアートディレクターの藤吉さんに撮影方法を教えてもらいます。 藤吉 匡(CDO / Art Director / Designer) 制作実績:みさとと。, Starbucks Coffee, Toyota Dream Car藤吉さんは『中間文集』の他にも、サイドプロジェクトで「SOCIUS(ソキウス)」というエナジーバーブランドを作っています。プライベートでは作家活動もされていて、活動の幅がとても広いアートディレクターです。 テーマ:黒背景で物撮り今回のテーマも「自宅で物撮り」ですが、前回と異なるのは黒い背景と一眼レフカメラで撮影を行う点です。 題材となる『中間文集』のモチーフは、“宇宙空間に浮遊している”という設定で絵作りが行われているため、全て黒背景で撮影しています。 藤吉さんはこれまで『中間文集』で、風船や本棚、座布団など様々なモチーフを撮影してきました。 以前はオフィスのスタジオで撮影をしていましたが、フルリモート体制となった現在は自宅で撮影を行うようになったそうです。どのように撮影しているのか気になりますね。さっそく『中間文集』モチーフの撮影方法を紹介してもらいましょう! Step0 - 撮影対象のセッティング前回に引き続き、藤吉です。今回はシフトブレインの社内プロジェクト『中間文集』のモチーフを自宅で撮影していきます。 今回、撮影するのは8個(8人分)のモチーフです。みなさんも黒背景で撮影したいモチーフを考えながら、読み進めてくださいね。 『中間文集』のため、スタッフそれぞれが選んだモチーフたち (左上から)カレーライス、サッカーボール 、バスケットボール ファイヤースターター、木炭、ノート、地図、MIDIキーボードここから、カレーライスとファイヤースターター、地図の3点にはアイテム自体に手を加えます。 ファイヤースターターは新品の状態だと黒背景に溶け込んでしまうので、実際に少し使用して塗装が剥がれた状態にしました。また、カレーライスはカレー自体を作る必要があります。地図に関しては、少し使い込んだような古びた風合いを出したかったので、紅茶染めの加工を行いました。 「地図」は概念として選ばれたモチーフのため、ファンタジー世界の地図を用意しました✍️Step0 ポイント ・撮影前の下ごしらえをする ・『中間文集』の場合はモチーフに込めた意図に沿って適宜加工を行う Step1 - 撮影道具の準備とセッティング次に使用する機材や道具を紹介します。撮影機材と背景用の道具以外は、補助として使用するため必ずしも同じものを用意する必要はありません。身の回りで代用できるものがあれば、それでOKです。 ▼ 必要なもの ・一眼レフカメラ ・黒い布(背景用) ▼ 補助機材として使うもの ※必須ではありません ・三脚 ・iPhone(小さなスポットライト代わりに使用) ・ガムテープ ・黒いカッターマット(黒い板や黒紙でも可) ・ひっつき虫 ・厚紙 ・ハサミ 『中間文集』は、基本的に布背景で撮影しています。布であれば省スペースで保管できるので、自宅での撮影に最適ですし、シワになりにくい布を選ぶと管理も楽になります。我が家では最初は畳んで保存していましたが、毎回のアイロンがけが大変だったので、最近は画像のように筒に巻いて保管しています。 その他、一般的な撮影機材以外のガムテープやひっつき虫、厚紙、ハサミは、モチーフの固定に使う小道具です。『中間文集』ではモチーフが空間に浮いているように見せるために、ちょっと角度をつけたり、一定の角度で固定したい時に組み合わせて使います。厚紙は消耗品で切ったり曲げたりするので、写真ではかなり小さくなってしまっていますね(笑)。 次は撮影環境のセッティングについてです。 下記の図を参考にしてください。 次に、撮影の際に重要な「光」について。 光は基本、シンプルに作ると良いと思います。 メインの光を1つ(サブの光は反射光で)、これだけです。 メイン光は、外部ストロボやスポットライトでもOKですが、今回はレースカーテン越しの太陽光をメイン光としました。窓がたくさんある部屋の場合は、どこか1つの窓の近くで撮影するとシンプルな光を作りやすいはず。 サブの光は、モチーフの影側をコントロールします。例えば部屋が光で溢れていて、影側をもっと暗くしたいなら黒い布や紙、板を近づけます。反射光をカットし、黒を被写体に映り込ませるイメージです。 反対に影側が暗すぎる場合は白い板を近づけ、そこで生まれる反射光で明るくする方法が一般的です。 もう一つ、長期運用するプロジェクトの注意点として、撮影環境、特に光の状況を再現できる様にしておくことをお勧めします。撮影した状況をスマホ等で写真に撮っておいたり、メモを取っておきましょう。 撮影環境を重要視することで、完成写真のトーンが美しく整うだけでなく、撮影前のセッティングや撮影後のレタッチなど作業全般が楽になります。 ✍️Step1 ポイント ・光はメイン光を1つ。まずはシンプルに ・太陽光で撮影した場合は、撮影した時間帯を記録しておき、後日再現できるようにする Step2 - モチーフ撮影『中間文集』モチーフは黒背景の中で浮いているように見せるため、高低差をつけたり斜めに固定したりします。Step-1でも説明しましたが、この時に使用する道具は身近にあるものでかまいません。 撮影の際には、固定している道具がなるべく見えないように写しましょう。多少見えていても最後にレタッチで消せるので、気にしすぎなくてもOKです。 今回は自然光を利用。 画像の状態で三脚を立て、真俯瞰でバスケットボールを撮影しますせっかくなので、過去にiPhoneをスポットライト代わりに利用して撮影したモチーフもご紹介します。 小さいサイズや明るい色のモチーフは黒背景の場合、どうしても全体が柔らかく写ってしまいがちです。そうなると『中間文集』の世界観からは少し離れてしまうので、そんな時は一方から光を当ててしっかり影を作ると、硬めの仕上がりに撮ることができます。 どちらも夜、iPhoneのライトだけで撮影しました✍️Step2 ポイント ・モチーフ単品と全体の絵作りの両方を考える ・ライトやライトの当て方はモチーフに合わせて柔軟に変える 📚『中間文集』モチーフ こぼれ話① Vol.1ではモチーフ撮影の際に「よく観察し、計画を立てる」ことをポイントとしてご紹介しましたが、『中間文集』に関してはそういった“撮影者のまなざし”は意図的に入れていません。もちろんそういった視点が全くないわけではありませんが、長期にわたるプロジェクトのため、今後自分以外の人が担当する場合も想定し、同じような絵を撮れるようにするためです。 一方、『中間文集』の撮影で意識していることが2つあります。 1つは「モチーフが浮遊しているように見せる」こと。撮影角度は選び放題ですが、モチーフ自体がその物として見える角度を探ります。最低限、ノートがノートとして見えるように意識して撮影しています。 もう1つは、「スタッフがモチーフを選んだ理由を教えてもらった上で撮影をすること」です。モチーフ自体は撮影用に新しく手配することもありますが、スタッフから実際に使っているモチーフを借りる場合もあります。 例えば、今回撮影したバスケットボールの選定理由は、これまで続けてきたバスケの話に通じていたので、本人の使い込んだボールを送ってもらいました。このようにスタッフとモチーフの関わりやストーリーがある場合には、積極的に撮影にも取り入れるようにしています。 目を凝らすとうっすらイニシャルが見える、使い込まれたバスケットボールまた、『中間文集』は物撮り写真を単品で使用するほかに、これまでのモチーフを集合させた画像も作ります。そのため、1つだけを極端にアップするような撮り方はしていません。基本的に中望遠レンズのようなイメージで、少し離れた場所から撮影をしています。 Step3 - レタッチ今回は一眼レフカメラを使用しているので、RAWデータの形式で撮影しました。こだわる場合は、RAWデータから絵作りすることをおすすめします。RAWデータは現像する必要があるのですが、デザイナーにはAdobeのLightroomが1番身近な現像ソフトになりますね。 Lightroomで現像した後、ゴミ取りなどの画像加工は基本的にPhotoshopで行います。『中間文集』の場合はモチーフを概念としての「物」に例えているので、現実的すぎる企業名やロゴ等は消してしまいます。とはいえ、モチーフを見る際に意識を邪魔しないものであれば、なるべくそのまま残したいので、全てを消すわけではありません。 ノートはそのまま、キーボードは機能として印刷されている文字のみを残しています他にも撮影環境の映り込みがあれば消していきます。例えば、エナメルのサッカーボールやカレーライスのお皿には反射で現実的なものが映り込んでしまいがちです。こちらも全てを消してツルツルに仕上げる必要はないのですが、不自然にならない程度に加工を加えます。細かいところではありますが、このタイミングで目立つ埃や指紋などもゴミ取りパッチツールやスタンプツールを使って消していきましょう。 最後の仕上げは、トーンカーブと彩度の調整。過去に撮影したモチーフと並べた時にも馴染むよう、全体に合わせて調整を行うこともあります。 写真としての加工はここまで。 『中間文集』は、モチーフが選定された理由をもとにプランナーがコピーもあわせて考えているので、最後にコピーの作字を行っています。このコピーを重ねて、モチーフ画像の完成です。 ✍️Step3 ポイント ・加工を加えすぎることで、逆に不自然にならないように注意する ・加工も、単体だけでなく他のモチーフを集合させた場合に自然に見えるように調整する 📚 『中間文集』モチーフ こぼれ話② ここまで説明した以外の『中間文集』ならではの加工ポイントをご紹介すると、彩度、ハイライト、シャドウの3点になります。 彩度はそのモチーフ自体の色だけになるよう調整しています。例えばサッカーボール。エナメル質で映り込みが多いですが、映り込むものによって色味が変わってしまうので、白色と黒色以外の彩度を抑えています。 ハイライトに関しては、最後に白い文字(コピー)を載せる都合上、ワントーン落とします。逆に、シャドウは1番暗い部分から一段階上げています。『中間文集』の世界観として意識している「宇宙空間」は真っ黒なはずなんですけど、少し明るくした方が宇宙っぽく見えるんですよね。 1番最初の撮影で「こっちのほうが宇宙っぽい!」となってからは、この調整は毎回加えています。 いずれもトーンカーブでの調整です。 補足:オススメ機材&道具ここからは、Step1で紹介した機材について「もっと詳しく知りたい!」という方のために、今回の撮影で使用した機材や道具を紹介します。 ▼ カメラ&レンズ ・SONY α7R II ・CONTAX Makro-Planar T*60mm F2.8 ・K&F CONCEPT コンタックスC/Y-NEX Eマウントアダプター ▼ 三脚 ・NEEWER 184cm ボールヘッド水平三脚 三脚のウエイトがわりに使っている「ビニール袋&ペットボトルシステム」 身近なもので一工夫しています▼カッターマット 撮影に利用した背景用の黒カッターマットは、前回の記事で登場した白背景用の白カッターマットの色違いです。どちらのカッターマットも裏側を背景として使っています。裏側はすごくマットな質感なので、撮影で重宝しています。自分は白と黒の両方を持っていて、普段は表面を普通のカッターマットとして使います。サイズも豊富でカスタムもできるので、気になった方は是非使ってみてください! The Cutting Mat A1(MIWAX) GOOD DESIGN賞ベスト100を受賞したカッティングマット。MIWAX The Cuttingatは確かな機能性はもちろんのこと、クリエイターがこだわる空間にも違和感なくなじむ審美性を併せ持った、長年に渡って愛されるカッティングマットの定番品を目指し開発されました。 1cm間隔で配置された小さなドット(5cm間隔では線状のドット)は、コントラストを抑えたグレーでプリントされています。必要最低限の方眼罫のため、空間にマッチするデザインです。 以上、藤吉でした! おわりに今回は黒背景&一眼レフカメラを使って、自宅で物撮りする方法をシフトブレインの社内プロジェクト『中間文集』の撮影と共にご紹介しました! 自宅でも一定のスペースと自然光があれば、世界観を感じさせる物撮りができることに驚きました。背景用にちょっと特殊な生地を使用したり、カッティングボードの裏面を利用するなど、藤吉さんが工夫されているアイデアも是非試してみてください。 本企画は不定期更新ではありますが、次回の記事もお楽しみに! (もし取り上げてほしいテーマがあったら、コメントで教えてください😊) ▼ Vol.1はこちら ▼ 採用情報 シフトブレインでは、新しい仲間を募集しています。全社フルリモートのため、全国からご応募いただけます。募集の詳細は、Wantedlyにて! SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの会社情報 - WantedlySHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの魅力を伝えるコンテンツと、住所や代表・従業員などの会社情報です。「みんwww.wantedly.com ▼ SHIFTBRAIN GOODS STORE SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですsb-goodsstore.com

モーションデザインに挑戦!1年間みんなでAfter Effectsを勉強しました。
こんにちは!デザイナーの道合です。 2024年ももう半分終わったなんて信じられませんね...。 夏はこれからなのに、連日の暑さで溶けそうです。 そんな暑さにも負けず、SHIFTBRAINは日々楽しみながらものづくりをしています。 今回は社内勉強会についての紹介です! Creative部(※通称 クリ部)では、有志のデザイナーでAfter Effectsの勉強会をしています! 2023年4月に始まった通称「AE塾」は、気づけばもう1年。 自由にモーションを作ったり、好きなモーションをシェアしたり、時には実務でつまずいた部分を質問しながら作ったり。楽しみながら続けてきました。今回はそんなAE塾の活動を紹介したいと思います。 ▼このnoteを書いたのは... 道合 幸希 (Designer / AE塾の先生) ● 活動が始まったきっかけ社内デザイナーの中で「動かす」ことのニーズが高まってきたことがきっかけでした。 実績広報時に動画で魅力的に見せたい! 提案時に動きのモックを作って見せたい! 自分でモーション素材を作ってWebサイトに入れたい! このような声がちらほら聞こえてくる中で、私が個人的にAfter Effectsを勉強してたこともあり、クリ部の有志メンバーと週一回、始業前の1時間で勉強会を開催することになりました。 ● 学習内容ほとんどが初心者だったため、まずは基本操作からスタート。After Effectsの画面を開いた瞬間、UIの複雑さに戸惑ったメンバーもいました。みんな最初はそうですよね(笑)。 初めは基本操作からスタート。慣れてきたらそれぞれが動かしてみたいモーションを集めてもらい、それらをトレースしながら学んでいきました。「自分でも作れた!」という体験を通して、自信がつき、モチベーションアップにも繋がったと思います。 ここからは、1年間の学習の中で印象に残っているものをいくつかピックアップしてご紹介したいと思います! ①:引越し動画のトレース Animated by Koki Michiai 弊社オフィスが引越しした際に作成した、Webサイト内の動画がお題でした。難易度が高そうに見えるモーションも、分解すればシンプルな動きの組み合わせで構成されていることを、トレースしながら学んでいきました。 New Office | SHIFTBRAIN Inc.We moved our office! SHIFTBRAINは、2022年10月に世田谷区代田のnakahara-soushiftbrain.com 例えば、こちらのシーン。 分解すると... 文字間がだんだん狭くなる 文字がランダムに点滅する 長方形が右から左に流れて縮み、Eが表示される Wが上下で分割されていて、左右に動きながら最後に合わさる このように、どんな動きで構成されているのか分析し、自分たちで動きを再現しながら学んでいきました。 ②:メタボールの表現 柔らかく有機的なメタボールの表現に挑戦! ただ作り方を学ぶのではなく、どういう仕組みや概念でアウトプットが出来上がっているのか、みんなで予想しながら作っていくのも楽しかったです。 メタボール表現を応用して、タイルが埋まっていくようなモーションも作りました。 エフェクトを活用したビジュアル作成は、予想外のものが生まれる楽しさがありますよね。 ③:Fake 3D と Lottie メンバーの興味関心度が高い、3DとLottieに挑戦しました! Lottieとは? After Effectsで作ったアニメーションをJSON形式で書き出し、簡単にWebサイトやアプリに実装できるライブラリです。ベクターベースなので解像度を気にせず拡大縮小することができ、GIFやMP4などと比べ、ファイルサイズも小さくできるのが特徴です。また、インタラクションに応じたアニメーションを設定できるので、自由な表現ができます。 Lottieアニメーションとは?- LottieFilesAfter Effectsの3D機能は少し癖があるので、まずはその特徴を学ぶことからスタート。 その後は、アイコンのFake 3D モーションに挑戦! Lottieでの書き出しも想定しながら作っていきました。 細かい作り方は省きますが、ベジェパスをNullオブジェクトで制御して、奥行きを感じるアニメーションを作っています。作り方を工夫すれば、Lottieでも3D表現ができるので、表現の幅が広がりますね。 ● みんなの感想⚪︎宮本 提案時にさくっとモックを作って、動きのイメージ共有ができるようになったのは一番の収穫でした。とにかく手が早くなった。ワイワイしながらみんなで集まるっていう機会が少なくなっているので、こういう集まりはめちゃめちゃありがたい。いつもありがとう先生。 ⚪︎藤吉 この勉強会は社内プロジェクトの中でも、最も楽しい時間のひとつ。毎日やりたいくらい。みっちーは教材作りも丁寧だし僕のような手の遅い生徒にも優しいのです。いつもありがとう先生。 ⚪︎石塚 自分は朝が弱いので実は1回しか出れていないのですが、Notionにアーカイブもありそれを見てたりします。1人で見るだけでも同僚のわいわい感が伝わり楽しい!いつもありがとうございます! ⚪︎織田 いつもありがとうございます。とてもわかりやすく丁寧に教えていただき、毎週楽しい時間でした。案件でも活かしていけるように頑張ります!これからもよろしくお願いします! ● おわりに勉強会って続けるのが大変だと思うんです。 実務が忙しいときは都度スキップしたりしていましたが、それでも1年間参加し続けてくれたメンバーと自分を褒めたいです!(笑) 今年度も引き続きAE塾は続いているので、また活動報告ができたらと思います! ありがとうございました! ▼ 採用情報 シフトブレインでは、新しい仲間を募集しています。全社フルリモートのため、全国からご応募いただけます。募集の詳細は、Wantedlyにて! SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの会社情報 - WantedlySHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの魅力を伝えるコンテンツと、住所や代表・従業員などの会社情報です。「みんwww.wantedly.com ▼ SHIFTBRAIN GOODS STORE SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですsb-goodsstore.com Cover image design: Koki Michiai

ぼくたちは『コトバ』もつくる会社です|SHIFTBRAIN コトバの実績紹介
みなさん、こんにちは。プランナーのうらかわです。 はてさて、ぼくたちSHIFTBRAIN、ブランディングを強みとしているわけですが、その中で、ウェブサイト、ロゴ、グラフィック、動画……クライアントの課題を解決するために最適だと思うさまざまなアウトプットをこれまで制作してきました。 その、アウトプットの一つに『コトバ』というのもあります。ネーミングやキャッチコピー、ステイトメント、MVVなど……実はぼくたち、これまでさまざまなコトバを作ってきているんです! この記事では、そんなコトバの実績の一部を、紹介できたらなと思い書かせてもらいました。 ネーミングの実績サービスやプロダクトの名前を、そこに込められた想いも汲み取ってネーミングのお手伝いもしています。 cucumu (くくむ) 肌にも環境にもやさしいニットブランド『cucumu』のネーミングを担当しました。(くくむ)とは、古語で『つつむ』の意味。なるべく廃棄の出ない製法、素材で作られた同商品が、ユーザー、作り手、そして自然をやさしく包み込んでくれるような存在になってほしい。そんな思いから名付けました。(あとcとuとmが、ニットの編み地っぽいなぁという遊び心もあり!)【by うらかわ】 名前だけでなく、cucumuのブランドコンセプトも考えました。つねにやさしく。 cucumu cucumuつくるときも、売るときも、あなたが袖をとおすときも。cucumuはつねにやさしくありたい。cucumuは、山梨県市川三郷町cucumu.official.ec vakel (バケル) 空間デザインを行う株式会社LARGOのセカンドラインとして誕生したvakel(バケル)のネーミングです。 比較的小規模で、特に予算や納期に厳しい制限のある個人オーナーや経営者の方をターゲットに、それでも「今できる最高の空間をつくる」を約束するブランドとしての名前が求められていました。とことん顧客に寄り添い(お客さまに化け)、想像以上の空間をつくり上げる(空間が化ける)、といったコンセプトで名付けました。【by ジョン】 Vakel by LARGO | 店舗設計・空間デザイン・内装施工 | 美容室・サロン・飲食店・病院・オフィス・クリニックの内装はお任せくださいVakel by LARGOは全国各地の美容室、サロン、クリニック、飲食店などの店舗空間デザインおよび内装設計、施工工事をvakel.studio 🧐 ✍️ ✍️ ✍️ 🧐 ステイトメント / キャッチコピーの実績企業やサービスの想いを、多くの人に届けるために。想いをコトバというかたちにするお手伝いします。 「キレイなあしを創る」ボディコピー (株式会社Welleg) 1925年創業の、香川に拠点を置くシューズメーカーのコーポレートステートメントです。見た目だけでなく、本当に履きやすい靴を、しかも手にとりやすい価格で提供することを使命とする同社。 well(良い)+leg(あし)から着想した社名に変更し「キレイなあしを創る」といった素晴らしい理念を自分たちで掲げ、まさに企業として生まれ変わろうとするタイミングでした。経営層や現場の方々に何度もお話しを伺うことで見えた、彼らの靴にかける想い……ひいてはその靴を履いたお客さまの人生を見つめるそのまなざしを綴りました。【by ジョン】 Welleg Corporate目指すのは、最高の1足。私たちWellegは「キレイなあしを創る」を理念に、履きやすく、見た目もよく、種類も豊富で、それでwww.welleg.co.jp とことん、こつこつ、あったかく。 (株式会社寺田ニット) cucumuでもお付き合いのある同社のコーポレートサイトに掲載したキャッチコピーです。制作前の社長インタビューで何度もおっしゃっていた「とことん」、「こつこつ」という言葉。創業から変わらず寺田ニットさんがやってきたことを表す言葉だと思いました。また、人のためになることをしようという同社の思いと、取り扱っている製品であるニットの特性を表現する「あったかく」という言葉を連ねていくことで、同社の思いや姿を包み込むキャッチコピーとさせていただきました。【by うらかわ】 株式会社寺田ニット | SEAMLESS KNIT FACTORY –山梨でオリジナルブランドの製造販売やOEM/ODM事業を行う、株式会社寺田ニットのコーポレートサイトです。着心地、環境、未terada-knit.co.jp 世界中で、10億食を支えてきた麺。 (西山製麺株式会社) 昭和25年の創業以来、札幌ラーメンの礎を築き、日本のラーメン店3,000軒以上との取引実績を誇ってきた西山製麺。ヨーロッパに本物のラーメンを普及すべく2014年に設立された、同社ドイツ法人のコーポレートサイトで書いたコピーです。 今やヨーロッパでラーメン店を見かけることは珍しくはないものの、多くのラーメン提供者たちが本物の作り方や味を体験していない現実がありました。安くてそこそこのままで終わらせてはいけない。日本のクオリティと現地の食文化を融合させ、新しいラーメンのあり方を見つけ、また普及させていくためにも、まずは西山製麺の持つ「確かさ」を言うべきであると判断し、もっとも凄みを感じる最大級の事実をメインコピーとして掲げることにしました。【by ジョン】 西山製麺 ドイツ法人創業70年。西山製麺 ドイツ法人は、札幌ラーメンの食文化を支えてきた本物の麺で、ヨーロッパの皆さまを笑顔にします。nishiyama-ramen.com 『生きる』も『活きる』も創ってゆく。 (株式会社日建ハウジングシステム) 2020年で設立50周年を迎えた設計事務所である同社。その記念サイトのためのキャッチコピーとして書きました。 これまで徹底的に人の暮らしに向き合い、最良の住まい、人の『生きる』場所を提供し続けてきた同社。そして、限られた資源や自然、空間を活かしながら、つねに最良に『活きる』場所を創り続けてきた同社の、ふたつの『いきる』を表現すべく、このようなコピーにしました。【by うらかわ】 NIKKEN HOUSING SYSTEM 50th ANNIVERSARY誰もが安心・快適で自分らしく生きる場所、今ある資源や自然、空間が活きる場所、そのどちらをも創る存在でありたいと私たちは考え50th.nikken-hs.co.jp 🧐 ✍️ ✍️ ✍️ 🧐 ミッション・ビジョン・バリューの実績あなたがあなたらしく生きるための、 最高の準備を届けつづける。 (株式会社Morght) 最高品質の睡眠体験を手に届く価格でお届けする、こだわりの寝具ブランド『NELL』で知られる株式会社Morght(モート)。 画期的な商品を通じて、体も心も、時間にもお金にも余白を生むことで日常の選択肢を広げ、誰もが自分の意思で人生を全うできるようにする。そんな使命を抱く彼らの想いを「最高の準備」という言葉に込め、第二創業期を支えるために定義した、ミッション・ビジョン・バリューになります。とてつもない偉業に向け、どこまでも本質と向き合い、愛をもって挑む姿勢を表現しました。これらはWebサイトに掲載するだけでなく、評価制度とも連携させることで社内により根づいていくよう活用されています。【by ジョン】 MorghtのVISIONMorght、3つのバリュー あなたがあなたらしく生きるための、最高の準備を届けつづける。 - 株式会社MorghtMorght(モート)は、「あなたがあなたらしく生きるための、最高の準備を届けつづける。」をミッションに、どこまでも本質をmorght.com この手で、未来を切り拓く。 (東京システム開発株式会社) 世の中にあるさまざまなシステム。その中でも特に、わたしたちの生活にはなくてならないようなもの。それらのシステムを多く手がける同社の姿を表現するミッションにしたいと思い、書きました。 『この手』という言葉には、【社員一人一人が自分の力を信じ、さまざまなものを実感を持って、未来を切り拓いてほしい】という思いが込められています。一人一人の『手』からうまれる未来はきっとあかるいものでしょうねぇ。【by うらかわ】 東京システム開発のバリュー 東京システム開発株式会社東京システム開発株式会社は『この手で、未来を切り拓く』をミッションとし、ビジネスシステムから、セキュリティシステム、モバイwww.tokyosystem.co.jp 😀 ✍️ 🍉 ✍️ 😀 🤙コトバのご相談、お待ちしておりますSHIFTBRAINでは、ウェブサイト、グラフィック、ムービー、さまざまなものを創っていますが『コトバ』を考えるお仕事もお待ちしております!ぜひぜひお気軽にご相談してみてくださいね!誠心誠意、お話をお聞きして、何を、どういうべきか、一緒に考えていけたらと思います。みなさまからのご相談お待ちしております! ContactSHIFTBRAINは、デジタル領域を中心としたコミュニケーションプランニング、デザイン、テクノロジーを得意としたブランデshiftbrain.com ✨✉️✨🤙✨ 📞✨ ▼ シフトブレインではプランナーの採用を行なっています シフトブレインでは、新しい仲間を募集しています。全社フルリモートのため、全国からのご応募をいただけます。募集の詳細は、Wantedlyにてご覧ください! www.wantedly.comWeb業界において、言葉はもっと大切にされるべきだと思っています。 - SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインのコピーライターの採用 - Wantedly 募集要項をみる ▼ SHIFTBRAIN GOODS STORE SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですsb-goodsstore.com
SHIFTBRAIN 20TH
SHIFTBRAIN 20TH PROJECT

これまでに見たことがないものを作りたかった 〜360° SHOWREEL制作秘話〜
こんにちは、シフトブレイン広報の坂です。 シフトブレインの20周年プロジェクトをご紹介する連載企画、最終回は『360° SHOWREEL』のご紹介です。 SHIFTBRAIN 20thSHIFTBRAIN 20th Anniversaryshiftbrain.com SHIFTBRAIN 360° SHOWREEL SHIFTBRAINの20年を振り返ったShowreel。YouTubeやVimeoでは、360度視点で空間を見渡すことができます。 【Youtube】 360° SHOWREEL / 【Vimeo】360° SHOWREEL シフトブレインが前回Showreelを制作したのは15周年のとき。今回も20周年という節目として制作することに決まりました。 360° SHOWREELの発案者は、20周年プロジェクトでクリエイティブディレクションを担当した鎌田さん。これまでの記事でもたくさんお話をしてくれましたが、Showreel制作についてもあれこれ聞いてみました! 鎌田 亮平 (シフトブレイン COO / Art Director / Designer)20周年の節目にふさわしいものを——360° SHOWREEL、珍しいですよね。なぜ制作しようと考えたのですか? 360° SHOWREELのアイデアは最初からありました。20周年に合わせてVRオフィスも作ろうと考えていたので、 VRゴーグルを活かしたものを作りたかったのと、他社がやっていないようなものをつくりたいって思いがあって。360度見渡せる動画にすれば、VRオフィスとも連動性があるしいいなって考えたんです。 動画内では空間をぐるっと一周見渡すことができます。スクリーンの反対側にはちょっとしたギミックも……。 今回はアートディレクションをシフトブレインで行い、動画制作はSIGNIFさんに依頼しました。SIGNIFさんは、AdoのMVを360度動画で制作した実績があったので、知見もあるしスムーズに進められそうだなと思ったんです。あと、SIGNIFさんには前職が一緒だった知人がいるんですよね。シフトブレインでは未公開の実績なんですけど、これまでにも何度か案件を一緒にやってきていたので、今回の制作もお願いすることになりました。 ——どのような流れで制作を行いましたか? 360度動画でいこう、と仕様が定まったあとは、クリ部(※Creative部の通称)のメンバーで分担して進めていきました。 今回の制作で難しかった点は、制作するにあたって2Dと3Dの映像を両軸で考えなきゃいけなかったことです。仕上がりは3Dだけど、3D空間の中に浮かびあがる2Dの映像トーンも決めなきゃいけなくて。それらを制作メンバーの4人で同時に進めていきました。 360° SHOWREEL 制作メンバー (左から)鎌田 亮平 / 宮本 浩規 / 道合 幸希 / 石塚 健斗3Dの世界観、つまりShowreel全体の世界観はWebサイトと同じ雰囲気にしたかったので、Web担当だった宮本さんにお願いしました。 大枠の世界観が定まった後、石塚くんと道合くんには2Dの絵コンテやトーンを考えてもらいつつ、3D空間の方向性を定めるために展示会や色んな空間をリサーチしてもらいました。そのリサーチをもとに、世界観の抽象度などを擦り合わせるため4人で話し合いを重ねていった感じです。 通常のShowreel制作と違うところ——3Dと2Dのトンマナを同時に調整しつつ、制作を進めるのは大変だったのではないですか? 大変だったし、時間もかなりかかりましたね。僕らはどちらかというと2Dの映像を先行して進めたんですけど、そこは普通のShowreel制作と同じ流れで行いました。参考となる動画を色々と集めながら、大体の尺感や音の雰囲気を掴んだ上で、シフトブレイン20周年の方向性に合わせて実際の尺感や掲載案件を決めていく......でもそれだけだと360度動画は完成しないので、2Dを進めながら3Dの世界観も検討しました。両方の映像のトンマナにズレが生じないようにどちらの目線も持ちながら、同じスピードで進めていく必要があったんです。 ——Showreel全体の世界観はどういった方向性に決まりましたか? シフトブレインのコーポレートサイトをリニューアルした際のブランドトーンを引き継ぎつつ、今回の20周年のテーマ"FEEL DRIVEN"の要素を追加したものに決めました。 僕がメインで担当したのは、みんなで話し合った世界観の方向性をいざ3Dにした時にどうなるんだろう?っていう検証です。SIGNIFさんに依頼する前段階の作業として、3D空間の世界観をBlenderでシミュレーションをしました。例えばブラウザのYouTubeでの見え方に問題がないか、 解像度は足りているか、CGの品質を最低限担保できるか、音と連動できるかなどを検証しつつテストを行っていきました。 ——Showreel制作でもBlenderを活用されたんですね。 3D空間用のβ版みたいな感じで作っていました。明るい部屋や装飾が沢山ある部屋など複数の空間を作り、どの辺りが自分達の考える世界観に近いか、方向性を模索していた段階ですね。光の具合や空間の奥行きを調整したり、アイテムを置いてみたりして、色々なパターンを試しました。同時に、360度見渡した時の検証も行っています。検証した結果、方向性が固まった空間を画像に書き出して、サンプルとしてSIGNIFさんにお渡ししました。 奥行きを作らない場合、小さくて明るい空間の検証ライトやWebアワードの賞状、グッズなどを配置した場合の検証——サウンドはどのように選定されましたか? サウンドは石塚くんと道合くん主導で音のトーンやジャンル、どういう音色にするかを決めてもらいました。その方向性に合うアーティストさんのリサーチやピックアップもしてもらって、最終的にはSIGNIFさんからの紹介で、TPSOUNDさんにお願いすることになりました。TPSOUNDさんの奏でる音色が世界観にハマっていてめちゃくちゃ良かったので、20周年のWebページのサウンドも担当してもらっています。 制作メンバーにも聞いてみました! ——2D、3D、サウンドなどさまざまな軸で進んでいた今回の制作。せっかくなので、鎌田さん以外のメンバーにも制作の感想をもらいました! 宮本 浩規テストサイトにShowreelの動画をアップした時に、挙動がかなり重くなってしまったので、解像度 or 秒数の調整などを数回繰り返してもらいました。エンジニアサイドのチューニングのおかげで、なんとか耐えられるところまで持ってこれたので良かったです。(エンジニアにたくさん迷惑かけました!ごめん!) 道合 幸希見せたい実績がたくさんあり絞りきれなかったのと、映像の気持ちよさを突き詰めていった結果、最初に想定していた尺よりもだいぶ長くなってしまいました!映像・3D空間・サウンド、それぞれがうまくまとまって、素敵なShowreelになったと思います! 石塚 健斗創業期から最新の実績まで余すことなく紹介するShowreel。どの案件を載せるか、どんな3D空間、サウンドにするかなど20周年にふさわしい形に落とし込むために、仕事の合間とは言いつつ毎週のように議論を重ねたので、とても想い出深い制作になりました。 どんな状況でもクオリティの追求は諦めない——シフトブレインのアートディレクションのもと、SIGNIFさんにデザインと動画制作を担当いただきましたが、完成までに苦労した点はありましたか? 完成した動画ではサウンドや2D映像に合わせて、空間に浮遊しているオブジェクトが光るんですけど、当初は光っていなかったんです。光らせることに決まったのは完成形が見えたタイミングで......それが20周年特設サイト公開の約1週間前でした。 ——1週間前!かなりギリギリですね。 そうなんです。時間がなかったので、光らせる演出は僕の方で行いました。360度動画はもともとすごく横長の天球っていう映像で、それを特殊な書き出しフォーマットでレンダリングすることで球体にするんです。今回の場合は、真ん中に2Dの映像が流れるスクリーンがあるんですが、光らせる前の3D空間はCGの静止画でした。なので、CGの上に重ねるように光や色を合成して、その合成したレイヤーを音のリズムに合わせてカットしつつ、光の強弱をつけていく方法をとることにしました。あと、光る演出は2D映像だけじゃなくて音とも連動させたかったので、音の波形も見ながら演出を考えました。 球体にする前のShowreel環境光を作ったPremiereの画面。 SIGNIFさんが制作した3D空間CG、2Dの映像、床面の光の反射に光の演出を追加しました。最終的にこれらのデータをSIGNIFさんにお渡ししてレンダリングをしてもらい、360度動画が完成しました。 ——光の演出のおかげで、Showreelの完成度がぐっと上がったように思います。 もっと時間があれば、もうちょっと細かく作り込みたい気持ちもあったんですけどね。例えば、空間に浮いてる3Dのキューブを動かしたり、『みさとと。』の案件が映った時に『みさとと。』のオリジナルグッズが浮遊していたりとか。 でも、3D空間の動きが少ないのには理由があって、レンダリングが間に合わないからなんです。レンダリングだけで2週間から1ヶ月くらいかかってしまうんで......。それに加えて今回は360° SHOWREELだから、解像度でいうと8Kぐらいあるんです。平面上だと高精細ですけど、ぐるっと天球張りをすると荒れちゃうんで、元の映像が超高解像である必要がありました。 その高解像な映像の3D空間がたくさん動いちゃうと、レンダリングだけで1ヶ月を失ってしまう。しかも、レンダリング後に修正が発生したりすると、レンダリング自体がやり直しになる。そうなると、明らかに間に合わない......だから、今回は先ほどお話をした対応方法で光の演出を行いました。 ——その他にこだわったポイントはありますか? 今回は、見ていて気持ちの良いShowreelを目指して制作をしました。具体的にいうと、気持ちのいい動きとイージングで、音とも心地よくリンクして、3Dの世界観も高品質な映像にしたかったんです。 細かいところを話すと、例えばPATHFINDERのあたり。音が静まり返るポイントで、気持ち良く感じるようにしています。場面転換としても効果的なポイントになりました。 あとは、やっぱり音に合わせた色と光の演出ですね。 この演出をいれたことで全体の品質が上がったので、ギリギリまでこだわってよかったなと思います。 ——360° SHOWREELを制作してみて、いかがでしたか? まずは、360度動画を制作できてよかったです。やってよかったなって思いますし、面白かったです。細部と全体の調整を重ねていく作業なので大変でしたが、時間が限られなかでも妥協せずクオリティの追求を行いました。本当に公開ギリギリまでこだわってしまったので、SIGNIFさんには最後までお付き合いいただいて感謝しています。 20周年プロジェクトを振り返って——20周年プロジェクト全体を振り返って一言、お願いします! 20周年プロジェクトは"FEEL DRIVEN"をテーマに掲げて、 案件じゃできないようなものづくりをみんなで楽しくチャレンジしながら、夢中になってやり尽くすをモットーとしていました。 20周年のシンボルからはじまり、そこから派生されるWebサイトやコンテンツひとつひとつ......制作したものはそれぞれ違ったけど、自由なクリエイティブを追求できたんじゃないかなと思います。今までのシフトブレインでは生まれなかった新しい試みにチャレンジしながら、楽しむことができました。すごくいいものができたと思うし、思い出に残る20周年になりましたね。 代表メッセージ ——最後に代表の加藤のコメントで、20周年連載企画を終えたいと思います。 加藤 琢磨 (シフトブレイン CEO)シフトブレイン20周年プロジェクト企画公開時のnote『FEEL DRIVEN − みんなで楽しんだ先にある、驚きや感動を目指して。』で、テーマである『FEEL DRIVEN』に込めた想いをお伝えしましたが、最後に個人的な想いも残しておきたいと思います。 なぜ、20周年企画をやろうと思ったのか。noteで紹介してきたコンテンツの準備は、とてつもない労力や手間がかかりましたし、スタッフも通常業務を行いながら企画に参加してくれて大変だったと思います。それでも周年企画をやりたかった理由......それは僕が“お祭り”を作りたかったから、です。 僕らがいるデジタルクリエイティブやWeb業界は、“お祭り”で成長してきたと感じています。作ったことがない未知の企画が立ち上がると、ある種のお祭り状態でみんなが夢中になって頑張って「やってやるぞ!」って、大変だけど面白がっていたノリがありました。 新しい企画やキャンペーンが始まると作ったサイトに反響が集まって、 みんな盛り上がるみたいなこともあったけど、最近めっきりなくなってきちゃいましたね。それはそれでしょうがないし、シフトブレインの方針が変わってきたことも理由のひとつにあります。 でも、デジタルクリエイティブをやってる会社として、どこかで純粋に物作りに向き合って、自分たちのやりたいことをやって、みんなで一緒にお祭りを作り上げるっていうことが、少し先の未来を見据えた時に、必要なのかなと思っていました。 もちろん祭りはひとつの屋台じゃ成り立たないので、今回の企画も色々な屋台(コンテンツ)を作るところから始めました。最終的にどんな祭りになるかはわからなかったけど、反響は大きく、それによってみんながすごくワクワクしたと思うのでやってよかったですし、それがまた日々のクリエイティブなエネルギーになっていくんじゃないかなと思っています。そういう意味でも、スタッフのみんなが企画に応えて頑張ってくれて、本当によい20周年になりました。 シフトブレインに限らず以前に比べて、年賀状や周年イベントなどの区切りで、自分たちで面白いことをやろうっていう雰囲気が今はめっきりなくなっちゃいましたけど.....僕たちが“お祭り”をやることで、他の会社も「やってみよう」と思ってくれて、今後も「自分たちがおもしろがって、作りたいものを作る」という挑戦が続いていくといいなと思っています。 Special Thanks🖤 360°SHOWREEL 制作協力クレジット MOTION GRAPHIC DESINGER: KOSUKE TSUKAGAWA (SIGNIF) CG DESIGNER: AKIRA KONDO (freelance) SOUND: TPSOUND ▼SHIFTBRAIN GOODS STORE シフトブレインのグッズを取り扱うネットストアをオープンしました!今年発表した20th記念グッズをはじめ、これまで制作した15th記念Tシャツや、みさとと。グッズ、INVENTORYなどがラインナップとして登場しています。これからも新製品を開発していきますので、お楽しみに! SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですsb-goodsstore.com ▼ 採用情報 シフトブレインでは、新しい仲間を募集しています。全社フルリモートのため、全国からご応募いただけます。 募集の詳細は、Wantedlyにてご覧ください! SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの会社情報 - WantedlySHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの魅力を伝えるコンテンツと、住所や代表・従業員などの会社情報です。プロジwww.wantedly.com Cover image design: Kento Ishizuka

アートディレクターに聞く、20周年ロゴのつくりかた
こんにちは、シフトブレイン広報の坂です。 シフトブレインの20周年プロジェクトをご紹介する連載企画、3回目は『20周年ロゴ』のご紹介です。 お話を聞いたのは、クリエイティブディレクターの鎌田さんとアートディレクターの宮本さん。せっかくなので、特設サイトの話も一緒に聞いてみました!20周年を象徴するロゴを中心に企画全体の世界観を深堀りしていきます。 鎌田 亮平 / 宮本 浩規まだシフトブレインの20周年特設サイトを見たことがない方は、この記事を読む前にぜひサイトをご覧くださいね! SHIFTBRAIN 20thSHIFTBRAIN 20th Anniversaryshiftbrain.com ロゴに込めた想いとコンセプト——20周年企画のアートディレクションはどのように考えられましたか? 鎌田:20周年の核となるコピー"FEEL DRIVEN"が定まってから作るコンテンツを決め、宮本さんへパスした流れだったよね。 宮本:そうそう、"FEEL DRIVEN"はプランナーのジョンさん、オリジナルフォント・バリアブルグッズ・Showreel・VRオフィスなどの制作物を決めるのにかまちょ(※鎌田さん)がCDとして動いてくれてました。 具体的に作るものが決まってから、「どういう表現にする?」って僕が入っていった感じ。 宮本:デザインについてはこれまでの20年を振り返った時に、それぞれの個性はあれど、ぎゅっと集まってチーム感が出ると良さそうだなっていうイメージが初めからありました。いろんなものが集まったり、くっついたり、変化したりするようなグラフィックがあるといいなと思っていて。 シフトブレインがもともと持っている世界観と、2021年にサイトリニューアルした時のキーワード「PIONEER」「CRAFTED」「GENEROSITY」は継承しつつ、そこに新しく「JOY」を追加しました。この「JOY」の部分でチーム感を表現しようと思って、これらのキーワードをもとにロゴを考えていきました。 ——実際にロゴが決まるまでのプロセスも教えてください。 宮本:ロゴは全部で3つ提案しました。提案資料を見せながら紹介しますね。 宮本:A案は没入や発散をテーマに考えました。やりたいことや好きなことをやってる時って時間も忘れがちで、どんどん熱中してのめり込んでいきますよね。同時に、心の底から「これ作りたい!」「こういうふうにしたい!」っていう思いや衝動は、内側から発散される時もある......それらの様子を表現したロゴです。 このA案は実際に採用されたもので、形状も完成したロゴに近いですね。初期案では何重もの線で描かれた20のロゴを、何色も重ねることで「没入、発散」のコンセプトを表現しました。中に入ったり外に出たりするようなテイストで考えていたんですど、そのあたりは最終的に変わっています。 宮本:B案は根っこにある部分やみんなが向かってる方向は同じでも、好みとかはそれぞれ違うよねっていう考え方から、一定のルールのもと0だけが変形していくというもの。数字の2は全員共通だけど、 0の部分を人によって変えることで、チーム感を出そうと考えました。 C案はシンプルに、2つの輪を立体的に表現しています。輪の中のブラックホールのような表現は、Webで使うと良さそうっていう話になり、表現の展開案として残りました。 最終的にロゴのコンセプトや形状はA案、手前と奥に出入りするような時間軸のような表現はC案が採用されて、ロゴやWebの世界観を作り上げています。 ロゴが動き出すまで——Webサイトではロゴが常に動いているので「決まった形がないロゴ」という考え方なんですよね。この動きはどのように生まれたのですか? 宮本:最初にかまちょとふたりで、平面のグラデーションのものと、線の1本1本が広がったり散らばったりして、そのロゴで空間を表現するのがいいんじゃないかと考えていました。ロゴの提案時にも話していた奥への繋がりや、手前と奥の時間軸......みたいなところを表現したくて。 2人が当初想定していたロゴのイメージ宮本:そのイメージをまとめた画像をデ部(Developer部の略称)のHeoさんに見せたところ、「これだと少し綺麗すぎるから、もうちょっと発散してる感じがあった方がいいんじゃない?」って言われたんですよね。そこから急に今のロゴへと変わりました(笑)。 ——「急に」ということは、Heoさんがプロトタイプを制作してくれたんでしょうか? 宮本:そう、この辺りは特別に何か話したわけじゃないのに、最初から動いてる状態のロゴを作って見せてくれて。もともとは綺麗に奥や手前に動いている表現だったところを、Heoさんがいい感じにちょっとずらしたりして、今のバラバラなレイヤーが表示されることで奥行きを感じさせる表現となりました。 宮本:Heoさんはいつもこんな感じで、想像以上の表現を見せてくれるので驚かされます。今回もめちゃくちゃかっこいい仕上がりになりました。 鎌田:Heoさんは大体そうだよね。いつも勝手にいい感じにしちゃう(笑)。 宮本:多くを伝えすぎると表現を制限しちゃうことになってもったいないと思うので、あえて話さないことが多いです。もちろん、狙いたい方向性とか、表現したいテーマはちゃんと渡しますけど、表現方法としては何も指定しないっていう感じですね。 【左】デジタル媒体用ロゴはHeoさんのモーションロゴが採用されました。 【右】グッズ展開用の1色Verのロゴ。画像はピンバッジです。モーション担当のHeoさんにも聞いてみました! Heo Wongeun(Interactive Developer)当初はデザイン通りに実装していましたが、思ったようなインパクトが出ませんでした。そこで、コンセプトや意図を再考し、最終的なゴールを守りつつ、様々なプロトタイプを作成しました。デザイナーとも頻繁に話し合いながら、意見を出し合い、現在の形になりました。 また、音楽を作るという話も聞いたので、音に合わせて20のロゴがアニメーションする機能を追加しています。 私の場合は柔軟に任せてもらう方がやりやすく、いろんな提案もしつつ制作することが好きです。デザイナーもそれを理解してくれているので、今回も楽しく制作に取り組めました。 ロゴアニメーションの開発画面 Webデザインへの派生——Webサイトもロゴが印象的に使われていますね。コンテンツごとにスムーズに遷移していくのが気持ちよく感じられますが、どのような点を意識されてデザインしましたか? 宮本:MESSAGEからVRオフィスへ変わる時の楕円に入り込むような演出は、ロゴのコンセプトの「没入と発散」からインスピレーションを受けています。 鎌田:そのあとのVRオフィスを巡る動画は僕が作りました。 宮本:この動画の書き出しは何日ぐらいかかったんだっけ......? 鎌田:レンダリングに14日かかった(笑)。パソコンつけっぱなしでずっと過ごしてました。 宮本:電源が落ちたら、間に合わなかったよね(笑)。 鎌田:危なかったよね、ずっと心配だった。当時はMacでやってたんだけど。この後にWindowsでレンダリングしたら、同じやつが2時間ぐらいで終わったよ(笑)。 ▼ VRオフィスについては、下記noteをご覧ください!👇 ——続くフォントエリアでもコンセプトが伝わりやすいアニメーションがはいっていますね。 宮本:これはフォント担当だった道合くんが作ってくれました。ラフ案は4パターンくらい作ってくれていたと思う。 鎌田:道合くんっぽさが出てますよね。宮本さんと僕とで多少の指示はしたけど、最終的には道合くんにお任せした感じです。 ▼ オリジナルフォントは、下記noteで詳しくご紹介しています!👇 宮本:フォント一覧エリアは、フォントファウンダリーのサイトをリサーチして参考にしています。文字の横幅を大きく長くできるボタンや白黒を切り替えるボタンはフォント制作担当の藤吉さん、道合くんにも相談しながら実装しました。 鎌田:バリアブルフォントだし、この機能をいれないと良さが伝わらないもんね。 宮本:スタッフアイコンはバリアブルじゃないから、代わりにスタッフの名前が出るようになってます。これは加藤さんのリクエストでした。 宮本:サイトの最後の演出はHeoさんにお任せしたんですけど、バラバラに色々な20がでてきて最後に1つのロゴになる様子は、ロゴのB案に近い表現になっていますね。 さいごに——20周年企画全体を振り返って、感想やコメントをお願いします! 宮本:ロゴが決まったあとに、バリアブルフォントやオリジナルグッズ、360°Showreel、VRオフィスと全部同時並行で進めることになったので大変でした!担当者もそれぞれ別だったし、各自単独プレイで作っていたので、最終的にどんな感じのグラフィックが来るのか全然予想ができなくて......Webデザインはかなり手探りで進めていました。コンテンツが全然違うので、がっつりアートディレクションをして軸を決めるのも難しく、最後にまとめたときにトンマナが合うか心配でしたね。結果的に最後は自然といい感じに合ったのでよかったなと思っています。 鎌田:これはみんなそうだったけど、通常業務をしながら20周年企画や制作を進めていたからそこはかなり苦労したポイントだよね。特にWebデザインの調整は、コンテンツが揃うのもギリギリだったので、最後まで本当に大変だったと思います。 宮本:大変ではありましたけど、今回はまさにFEEL DRIVENな感じで、感覚と楽しむことを大事にしながら制作することができました! ▼SHIFTBRAIN GOODS STORE シフトブレインのグッズを取り扱うネットストアをオープンしました!今年発表した20th記念グッズをはじめ、これまで制作した15th記念Tシャツや、みさとと。グッズ、INVENTORYなどがラインナップとして登場しています。これからも新製品を開発していきますので、お楽しみに! SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですsb-goodsstore.com ▼ 採用情報 シフトブレインでは、新しい仲間を募集しています。全社フルリモートのため、全国からのご応募をいただけます。 募集の詳細は、Wantedlyにてご覧ください! SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの会社情報 - WantedlySHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの魅力を伝えるコンテンツと、住所や代表・従業員などの会社情報です。プロジwww.wantedly.com Cover image design: Kento Ishizuka

20周年のついでに、COOが『VRオフィス』を作ってみた話 〜ゲスト:トバログさん〜
こんにちは、シフトブレイン広報の坂です。 シフトブレイン20周年プロジェクトをご紹介する連載企画。2回目は『VRオフィス』をご紹介します。 SHIFTBRAIN 20thSHIFTBRAIN 20th Anniversaryshiftbrain.com 今回はシフトブレイン20周年に合わせてVRオフィスを制作したCOOの鎌田さんと、制作アドバイザーとしてご協力いただいた『トバログ』を運営されている鳥羽さんをゲストに迎えて、お話をうかがいました! SHIFTBRAIN VR OFFICEいつでも、どこにいても、すぐに集まれるオフィス。 今年引っ越したばかりの東京オフィスと、広島県は江田島にある“えたじまサイト”。扉を開けたら2拠点が繋がっている、シフトブレインのVRオフィスをつくりました。内装は、実際のものを忠実に再現。フルリモートで働く私たちの新しいコミュニケーションツールとして活用していきます。 ゲストのご紹介鳥羽恒彰さん シンプルなガジェットや暮らしの道具を紹介するメディア『トバログ』を軸に、紙媒体や動画コンテンツなどさまざまな分野で活動する。自称ミニマリストの対岸にいる人。 トバログモノと人との交差点tobalog.com 『トバログ』は、PCやカメラなどの『ガジェット』を中心に、『暮らしの道具』や『旅のコト』について綴る個人メディアです。良いと思ったモノや楽しかったコトなどを、鳥羽さんの目線で紹介されています。 twitter / YouTube / Instagram 鳥羽さんと鎌田さんの出会いのきっかけは『トバログ』のロゴ。鳥羽さんが「誰かロゴを作ってくれないかな」とtwitterで呟いたところに、鎌田さんが手を上げて作ることになりました。ロゴに関するやりとりは全てオンラインで進んだのですが、鎌田さんが『トバログ』YouTubeの動画取材を受けた際に仲良くなったそう。おふたりともモデリングやVR空間への興味など、好きなものが共通していたため、その後も趣味仲間として交友が続いています。 取材したのは4月下旬のApple WWDC23の1ヶ月前。Appleからなにか新しいデバイスが出るかも?と、期待いっぱいの様子と合わせてお楽しみください! 【左】鳥羽さん(※以下、トバログさん) 【右】鎌田 亮平(シフトブレイン COO / Art Director / Designer)フルリモートだからこそ、気軽に集まれる場所をつくりたい——はじめに、VRオフィスを作ろうと考えた理由を教えてください。 鎌田:きっかけはトバログさんとの出会いです。僕は5-6年前にVRを使ったことはあったけど、当時は「新しくて面白かったけど、画質もイマイチで、こんなもんか。」って感じでした。でも、仲良くなったトバログさんのVRへの熱量が半端なくて......改めてVRを触り直したらすごく進化してたんです。VRChatっていうサービスを教えてもらったんですけど、そこでは世界中の人たちが仮想空間に集まっていて、会話やコミュニティが生まれていました。これまでとは違う世界がVRにあることを知ったんです。 シフトブレインはフルリモートで働く場所は自由だし、仮想空間にオフィスを作るのは新しい切り口だなって思って。今後そういう流れがくるかもしれないから、その先駆けになりたいと考えました。そこで、トバログさんに色々聞きながら作り始めたのが去年ぐらい。 ——昨年、シフトブレインのオフィス移転お知らせサイトで3Dモデルを作られていましたよね。 鎌田:Blenderで3DCGのモデリングを始めたのもトバログさんの影響だったんですけど、ちょっとやってみたら意外と作れるようになって。そのタイミングとオフィス移転が重なったので、レイアウトなどを決めるために新しいオフィスのモデリングを始めました。平面図だと想像しづらいし家具もなかなか決められない......シミュレーションしてみんなに見える化するために作ったものです。その延長線上に「VRオフィスを作ってみたい」っていう思いもあったので、いずれにしてもオフィスのモデリングは必要なプロセスでした。 SHIFTBRAIN New Office——VRオフィスの制作を進めるなかで、トバログさんとはどのような関わりがありましたか? 鎌田:初めからVRオフィスと直結していたわけじゃなくて、最初はモデルの作り方や質感の極め方とか、勉強会みたいなものをふたりでよくやってました。 新オフィスのモデリングが完成してVRオフィス制作に着手しようと考えたあたりで、正式にトバログさんにサポートをお願いしました。VR空間を作る際にはUnityっていうソフトを使うんですけど、僕はUnityに関しては無知だったので......。トバログさんは一歩先にUnityで空間を作っていて知見をお持ちだったので、Unity周りでは力を借りたくて。 トバログさん:鎌田さんには、VRオフィスを作る際の初期設定をチュートリアル的に教えたり、アドバイスしたりしました。Unityは細かくバージョンが指定されていて、入れなきゃいけないツールがあったりするんでややこしいんです。僕も初心者だったけど見よう見まねで情報を集めながら、自分の部屋をVR空間上に持っていくっていうのをやっていたので。 鎌田:トバログさんの動画を見て、こういうのをいつかシフトブレインのオフィスでもやってみたいなって思ってました。 メタバース、はじめました。VRにハマった理由と今やっているコト | トバログ『ガジェ獣 Advent Calendar 2021』のお誘いを受けたので、せっかくだから今年一番ハマったコトtobalog.com ——トバログさんがVR空間を作り始めたきっかけは? トバログさん:以前にも古い世代のVR HMDを使っていたんですけど、その時はゲーム以上のことはしませんでした。その後にコロナ禍になって.....Metaが『Workrooms』っていう会議アプリをリリースしたので、ちょっと試してみることにしたんです。『Workrooms』は音の立体感がリアルで、隣にいる人の声は近く、遠くにいる人の声は遠くに聞こえる立体音響のような空間になっていました。ホワイトボードに書きながら話したりするのもすごくリアルで。現実の会議室もそもそもリアルじゃない、というか作り物のような感じなのでVRとの違いもあまり感じなくて。その体験からVRChatや個人のクリエイターが作成したコンテンツを見に行くようになったんです。 トバログさん:YouTubeでは、動画で「やりたいな」って思うことはもう誰かがやっていることが多くて、当時はいかに『トバログ』として個性を出すかを悩んでいた時でした。動画のルームツアーなんかもVR空間だったら実際に視聴者にも来てもらえるし、リアルなサイズ感や普段の作業場所もわかりやすく伝わるから「じゃあ自分で作ってみよう」と思い立ったのが最初です。VRそのものと、クリエイターもまだほとんどいなかったので他の人がやっていないことができる、この2点がすごく面白いなと思って始めました。 鎌田:YouTuberの枠を超えてきてるから、すごいよね(笑)。 リアルオフィスをそのままVR空間へ——VRオフィスの制作はどのように進めましたか?進めていく上で、苦労したことはありますか? 鎌田:まずは実際のオフィスの間取りをモデリングするところから始めました。iPhoneのLiDARセンサーを使用し、物件内をスキャンし、平面図とスキャンデータを元に整合性を合わせながらモデルを作っていきます。そこからBlenderで壁や床の形を整えて、家具を作っていって。そのデータをUnityへ持っていくことでVRオフィスが作れるんですが、BlenderからUnityにデータを橋渡しする最適な方法を探すのには苦労しました。 鎌田:そのままUnityにデータを持っていく簡単なやり方もあるんですけど、その場合はクオリティが大幅に落ちるんです。Blenderではリアルな質感なのに、Unityだと3D出始めの頃のゲームのような感じになっちゃって。最終的には、Blenderでレンダリングした光や陰影、質感を1枚の画像として描き出す工程(ベイク)を追加することで、Unityでも綺麗に見えるようになりました。モデリングより作業時間がかかることになりましたけど、データを軽量化しつつリアルな描写に近づいたと思います。 【画面左下】家具の光や陰影を書き出した画像トバログさん:そこが鎌田さんのデザイナーらしいところだと思っていて、今VRでワールド作っている人は表現についてそこまで拘らないことが多いんです。今回のように空間として魅せる場合で、デザイナー視点もありつつ、リアルさを追求するっていうのはすごく大変だったと思う。 鎌田:本当はもっとフォトリアルを追求したかったんですけどね。今のも悪くないんですけど......まだ少し昔のゲーム感があって、そこまでリアルじゃないんですよ。Blender上で見るとめっちゃリアルなんですけどね。これ以上表現を突き詰めると、ゲームを作っている人たちじゃないと分からないレベルになってくるんじゃないかなって思ってます。 トバログさん:いろいろ見ていくとリアルな質感を実現できるツールもちゃんとあったりするんですけど、ゲーム業界寄りのコアな話になっていくし、VR向けとなると容量を軽くしないといけない壁もあって。現状はやっぱり難しそうだよね。 鎌田:これからVR自体の技術が発展していけば、もっとリアルに近づいていくと思うんですよね。Unityも進化するだろうし、Unreal Engineもきてるしね。 トバログさん:いっぱい作っていくうちにレベルアップしていって、すごいことになるかもしれないね。VRも極めていけば数年で、表現・処理ともにレベルが高くなっていくと思います。 ——VRオフィス制作で、逆にここは上手くいったなと思うポイントは? 鎌田:当初は利用するプラットフォームがVRChatの想定だったんですけど、公開予定の1ヶ月前にclusterに変えたことです。あのままVRChat上でやる想定で進めていたら、技術的ハードルと公開条件などを満たせず、20周年には間に合わなかったと思います。日本発のメタバース系サービスのclusterであれば、日本語の情報もWeb上に転がってましたし、制作期間が残り1ヶ月でも間に合いました。検証もスマホから気軽にできるので、デバッグするのも楽だったし......その判断が自分なりに正解だったと思っています。VRオフィスを公開するなら、20周年企画に合わせたかったので。 あとは時間に余裕ができたことで、本来想定していなかった広島オフィスやPC画面の埋め込みができました。実はオフィスの窓から外に出ることができて、屋上に上がれたりもします。多少のゲーム性を仕込んでいて、遊び要素があるこだわりの点なんですけど、これも時間がなかったらできなかったと思います。 トバログさん:屋上に行くのは結構難しかった(笑)。 僕は実際のオフィスには今日初めて来たんですけど、初めてきた感じが全然しないです(笑)。部屋や家具のサイズ感がVRオフィスと同じなので、びっくりしました。画像を見ただけとは違う「来たことある!」っていう感覚になるのがVRのいいところですね。 “えたじまサイト”から屋上へ上がれる隠し要素があります VR空間のブランディングを見据えて——VRオフィス制作を終えて、次に作りたいVR空間はありますか? 鎌田:もちろんありますよ!VRオフィスは、これからXR領域にAppleなども参入してくるだろうと見込んでのリリースでした。Appleのような企業が参入して今よりクリエイターが増えた時に、僕らはすでに実績がある状態でいなければいけないと考えていたんです。 なので空間は今後もどんどん増やしていく予定ですし、ワールドはこれからもひっそりと作り続けますね。次にチャレンジする空間はもう考えていて、近いうちに公開したいと思っています。 トバログさん:いいね!現状の開発はWindowsユーザーがメインだけど、AppleがVRゴーグルを出せばMacユーザーも増えていくよね。 鎌田:今はゲーマーやエンジニア系の人が多くて、一般ユーザーが少ないんですよね。そこにiPhoneやApple Watchのような最初は「誰が買うんだ?」みたいなVRゴーグルを出したとして、その1〜2年後にはみんなが買っているっていう状況になるんじゃないかなって思っています。 トバログさん:そうなれば、デザイナーの人も増えるだろうしね。そこで、シフトブレインの鎌田さんがもうすでにやってますねってなるといいよね。 鎌田:そうなると、VR空間のブランディングっていう仕事が流行るんじゃないかとも思っていて。 トバログさん:間違いないと思う。仮想空間のUIにはまだ発展途上感があるんですよね。ボタンも真四角で押せればいいような最低限のものが多くて、押した時のギミックもないんですけど......それがWebの人たちが入ってきてどんな風に変わるのかが楽しみです。 鎌田:AppleがXR領域に入ったらおしゃれなインターフェースにすると思うから、その需要も絶対に高まると思う。でも、UIの作り込み以外もまだハードルはたくさんあるよね。ゴーグルだって、XREAL Airみたいに小さくて軽い方がいい。Appleはその辺を妥協なしで開発しているから、なかなか発売されないんだろうね。 ARグラス『XREAL Air』 サングラス感覚で着用し、動画視聴やゲームプレイができるデバイスですトバログさん:もしAppleからゴーグルが発売されたとしても、スペック的に現状のものから大きく変わることはないかもしれない。だけど、Appleが発売することと、それを機にUI/UXが今より良くなることで、多くの人にとってVRが身近になると思うから、僕はそこに期待をしています。 あと、個人的にはVRChatでもVRオフィスを作ってほしいなって思ってます。VRChatでは、PCと接続すればVRオフィス上で自分のPC画面を出して作業ができるようになるんです。隣で作業しながら会話もできるから、よりリアルなオフィスとして使えそうだなって。 鎌田:PC画面の出力にはSteamが必要なんだけど、その機能は今はWindowsのみでMacでは利用できないんですよね。性能不足もあるけど、そもそも互換性がない。それで自分は最近Windowsを買いました(笑)。 トバログさん:本来の機能としてもリアルなオフィスに近づいていってるから、1回VR上で一緒に作業してみよう。海外にいるHeoさんも繋いで!別々の場所にいても、VRオフィスでは目の前で一緒に仕事ができるのがいいよね。 ※期間限定でオーストラリアに移住していたInteractive DeveloperのHeoさんとトバログさんは偶然オーストラリアですれ違い、鎌田さんの仲介でオーストラリアでお茶をしたそうです。Heoさんの移住生活については、別の記事で紹介していますので、あわせてご覧ください!👇 この先、VRはどう進化する?——VR空間が現実の空間に近づいていく可能性のほかに、VRは今後どのように進化していくと考えますか? 鎌田:これは確信があって、僕は教育だと思います。例えば、ゴーグルをかけるだけで憧れているミュージシャンから直々にギターを教えてもらえたり、憧れのマジシャンの手元が好きな角度から見れてマジックの練習ができたり......今とはまた違った教材系のコンテンツが増えるんだろうなと予想します。 トバログさん:英会話みたいな言語系はもうVRのアプリであるよ。今後、OpenAIのChatGPTとかが組み込まれたら、リアルタイムに他言語の練習がVRでいけちゃいそう。ピアノの練習は、VRに限らずMRでもあった気がするな。 鎌田:2〜3年先くらいには、そういうのがもっと増えそう。 トバログさん:今の流れだと、VR、ARって個々に分かれているというより、複合的にXRっていわれる方に進んでいるから、もしかして5年後にはVRっていう区別がなくなるかもしれない。全てをひとくくりで表す新しいワードも出てきてそうです。 トバログさん:個人的には作業環境を整えるのが昔から好きなので、その方向にすごく興味があります。 今後、OSの壁がなくなれば現実と同じようにVRオフィスで会議や仕事ができるようになる。みんなたくさんのPC画面を並べていて、立体的なデモを目の前で見たり動かしたりできる。そういう未来はもうすぐきそうな気がしていて。そうなれば現実のデスクは小さくていいし、キーボードとマウス、ゴーグル以外は何もなくていい。ゴーグルをつけると、PC画面やGoogleカレンダーもAPIで共有されていて、気持ちよく操作できる......VRが流行ればツールも色々対応するだろうし、そういう未来がきてほしいです(笑)! VR空間もホームページみたいにみんなが自分のホームワールド持ってる感じになったらいいなって思っています。 鎌田:もしかしたら、ゴーグルもメガネ型じゃないかもしれないよね。身につけるんじゃなくて、プロジェクターみたいに空間に置くだけで、みんなが見える状態になったり。ホログラム技術が一般的になれば、そんな未来もあるかもしれない。 トバログさん:ドラえもんみたいな感じで、ありえそうだね。レスポンシブの1つになりそう。 鎌田:PC、スマホ、タブレット、VR対応みたいな流れ、来るかもしれないよね(笑)。 トバログさん:今はECサイトでそういった事例があるんですけど......ECよりギャラリーとか家具店の方が合いそうかも。今でもやろうと思えばできるけど、商品とかも3Dモデルを自分で1から作らないといけないから、そこのハードルはすごく高い。でも、あとちょっとしたら簡単にできるようになるとも思います。 メタバース空間と現実がシームレスになる未来も近いかもしれません!鎌田:今は、VRプラットフォームでVR上で使う家具を作って売っている人が沢山いて盛り上がっています。まさに出来立てのApp Storeみたいな感じなんで、そこに出している人たちは数年先にレジェンドになるわけですよね。今こそ家具とか物を3Dモデリングして、Unityで動くようなアイテムを作るにはいいタイミングな気もします。 デジタルブランドのRTFKT(アーティファクト)は、VR空間で履けるNFTスニーカーを作っていて、いろんなブランドとコラボしてるんだけど、NFTスニーカーをリアルプロダクトとして再現するサービスもやっています。現実と仮想空間が連動してる世の中がもうすぐそこまできていると思う。 トバログさん:Fortniteはもうそんな感じになってるよね。 鎌田:ライブやってたりしてるもんね、使い方が完全にメタバース。VRが一般的になればいつかみんながカフェとかで普通にVRゴーグルをつけているようになるのかもしれないね.......想像するとちょっと怖いけど(笑)。 トバログさん、ありがとうございました! おわりに対談内でおふたりが待望していたAppleのデバイスですが、6/6に行われたWWDC23にて『Apple Vision Pro』として発表されました! 発表では『Apple Vision Pro』を“空間コンピューター”と称していて、トバログさんがお話されていた「全てをひとくくりで表す新しいワード」が誕生する可能性も感じられました。 『Apple Vision Pro』の発売は2024年で、手にできるのはまだ少し先となりますが、今後のXR領域の発展が楽しみです! 🏢💁♀️VR officeはこちら 鎌田さんが制作したシフトブレインのVRオフィスは、clusterで公開されています。東京オフィスと、広島のサテライトオフィス『えたじまサイト』も体験いただけるVR空間です。 VRゴーグルをお持ちでなくても、clusterのアカウントがあれば入室できます。このnoteで、興味をお持ちいただけた方は是非遊びにきてくださいね! SHIFTBRAIN VR office|メタバースプラットフォーム cluster(クラスター)SHIFTBRAIN Inc.が手がけるVRオフィス。東京と広島の2拠点が繋がったバーチャルな作業空間です。cluster.mu ▼SHIFTBRAIN GOODS STORE シフトブレインのグッズを取り扱うネットストアをオープンしました!今年発表した20th記念グッズをはじめ、これまで制作した15th記念Tシャツや、みさとと。グッズ、INVENTORYなどがラインナップとして登場しています。これからも新製品を開発していきますので、お楽しみに! SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですsb-goodsstore.com ▼ 採用情報 シフトブレインでは、新しい仲間を募集しています。全社フルリモートのため、全国からのご応募をいただけます。 募集の詳細は、Wantedlyにてご覧ください! SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの会社情報 - WantedlySHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの魅力を伝えるコンテンツと、住所や代表・従業員などの会社情報です。プロジwww.wantedly.com Photographer: TAKAGI Ari Cover image design: Kento Ishizuka

SHIFTBRAIN 20周年 『バリアブル仕様のコーポレートフォント&グッズ』 制作の裏側
こんにちは、シフトブレイン広報の坂です。 私たちシフトブレインは、今年創業20周年を迎えました。 20周年を迎えるにあたり、私たちは改めてシフトブレインの掲げるミッション「みんなで楽しみながらつくり、課題をクリアする。」に立ち返りたいと考え、20周年プロジェクトを立ち上げました。 会社が一丸となり、みなさまに驚きや感動、気づきをもたらすようなクリエイティブを生み出し続けていく。そんな思いを感じていただきたく20周年のテーマは"FEEL DRIVEN" に決めました。感情を揺さぶるクリエイティブを、自分たちもまた高揚しながらつくっていくという宣言です。 SHIFTBRAIN 20thSHIFTBRAIN 20th Anniversaryshiftbrain.com 上記の20周年特設サイトでは各コンテンツのご紹介はしたものの、詳細までは触れられませんでした。noteではこれから複数回にわたってコンテンツをご紹介しつつ、プロジェクトを振り返っていきたいと思います。 今回ご紹介するのは『バリアブル仕様のコーポレートフォント』と、『バリアブルの概念を持たせたオリジナルのバリアブルグッズ』。話を聞いたのは、Creative部(※通称 クリ部)の4人です! (左から)鎌田 亮平 / 藤吉 匡 / 道合 幸希 / 山上 哲鎌田さんはプロジェクト全体のCD、藤吉さんはフォントとグッズ、道合さんはフォント、山上さんはグッズをそれぞれ担当しました。では、早速お話を聞いていきましょう! SHIFTBRAIN Norms Variable 横にグググーーーっと伸びる、バリアブル仕様のコーポレートフォント。特にこだわったのは、在籍スタッフ全員の顔文字を使えるところ。使い方次第では、社内資料にも、提案資料にも、みんなの感情を乗っけられる気がしています。 ——はじめにオリジナルフォントを作ることになった経緯を教えてください。 鎌田:クリ部では以前からシフトブレインオリジナルの書体を作りたいと考えていました。2020年に運用されていた独立採算制によって、クリ部で貯めていた部費がある程度の金額になったので「この貯金を書体の制作費に使おう」という話になりました。 同年にTypeTypeのCEOが来日されて、シフトブレインに遊びに来てくださった経緯もあって、藤吉さんがオリジナルフォント制作について具体的な話を聞いたりして。そのあたりから少しずつオリジナルフォントを作るために動き始めていました。 View this post on Instagram A post shared by SHIFTBRAIN (@shiftbrain_tokyo) 2020年2月にシフトブレインを訪れた。当時からシフトブレインはTT Normsをコーポレートフォントとして採用していることを伝えるととても喜んでくれたそう。 鎌田:そうこうしているうちに会社も20周年を迎える年になったので「せっかくだから、周年企画に盛り込んじゃおう」と考えたんです。 ——構想は3年前からあったんですね。なぜバリアブル仕様のフォントにしたのでしょうか? 藤吉:シフトブレインは動きのあるインタラクティブなアウトプットが得意なので、エンジニアとも連動できる動きがあるフォントを作りたいと考えました。 もうひとつの理由もあって、日本ではフォントのウェイト(太さ)をバリアブルで変えることで、視認性をアップするUI/UXのテクニックが話題になっています。一方、別の流れとして感情を表現するためにバリアブルフォントを使うことがあります。後者は日本であまり話題になっていないので、コーポレートフォントとして先駆けて取り入れれば、話題性もあってシフトブレインのスタンスもハッキリするのでいいかなと思いました。 SHIFTBRAIN Norms Variable(SB Norms) ——バリアブルフォントを作る工程で、工夫した点や大変だった点はありますか? 道合:日本語と太さやサイズを合わせる作業が結構大変で、TypeTypeさんと何度もやりとりをしました。単純に細くするとか、そういうことでもないみたいで......。ギリギリまで時間をかけて、追加費用も必要になったりしましたけど、最終的に日本語と組み合わせて使った時にも綺麗に見えるようなフォントになりました。 今回は予算の上限が決まっていたこともあって、その予算に収まるように作る書体(グリフ)も厳選し、コンパクトにいいフォントが作れたんじゃないかなと思います。グリフの数は通常一式作る場合と比べて、5分の1くらいに数を削って作ってもらいました。 道合:記号はエンジニアにプログラミングで使うものがあるかを聞いたうえで、選定しました。藤吉さんと話していて、単純にグリフの形が顔みたいで可愛いからという理由で入れた記号もあります(笑)。 藤吉:顔っぽい記号はだいぶ入れたよね。これはほっこりポイントかも(笑)。 動かすと話しているようにも見えます!——その他にこだわった点はありますか? 道合:記号の縦の位置を調整してもらっています。例えば、時間を入力をする場合に記号が自動的にちょっと上がるんです。 藤吉:括弧が下にある問題もこれで解決しています。 道合:括弧の位置が普通だとちょっと下に出ちゃうのを、サイズも位置も合わせて調整してもらいました。これはオンオフが設定できるので、どちらでも使えるようになってます。 郵便番号も追加してもらったんですが、海外で使われない記号のためか違和感があって、そのあたりも調整しました。 上の棒だけ細く見えるので、太さを揃えるように調整しました鎌田:数字の1を広げないようにしたのは、どういう理由があったの? 道合:初回にTypeTypeさんから『I』や『i』はそもそも伸ばせないと言われていて。『j』も他のグリフみたいに伸ばすんじゃなくて、ちょっと控えめにしたらどうですか?っていう提案をいただいていました。そのときに「あ、いいね!」って思っていたこともあって。1は伸ばしてもよくわかんない感じになっちゃってたんで。だったら、これも伸ばさない方向でいいかなという判断になりました。 ——フォント完成までには、どのくらいの期間がかかりましたか? 道合:実際に制作するためのやりとりをした期間は2ヶ月くらいです。TypeTypeさんのやり取りの方法がスピーディーで合理的だったこともあって、スムーズに進んでいきました。藤吉さんと一緒に短時間で取り組んだので、時間がかかったっていう感覚はなかったです。 藤吉:形の調整はTypeTypeさんがやってくれていて、とくに時間をかけてもらったのは、いちばん伸ばしきった『SUPER SUPER EXTENDED』の線の太さ調整でした。 ▼ご協力いただいたTypeTypeへのインタビューもご覧ください! ——フォントに収録されているスタッフアイコンについて教えてください。 藤吉:トリッキーなアイデアやテクノロジーに寄りすぎないように、シフトブレインらしい、ほっこりするユニークなアイデアを入れたいと思っていました。実は当初の構想にはスタッフアイコン以外にも、エンジニアとセットでしか使えない機能や、言葉の意味に連動した動きを持つフォントなどアイデアが沢山あったんです。 道合:イラストを太らすアイデアも出てましたよね。ホットドックのアイコンがどんどん伸びていくのはどうだろうかとか。 藤吉:イラストの表情がモーフィングで変化するとかね。何が横に伸びたら面白いんだろうって話し合ったよね。 山上:イラストレーターさんはどのように選んだんですか? 藤吉:シフトブレインにインターンで在籍していたことのある今川くんに描いてもらいました。デ部(Developer部の略称)のメンバーは、今回のプロジェクト前からイラストを描いてもらっていてslackのアイコンにしていたんですけど、改めて「めっちゃいい!これがいいじゃん!」って思ったんです。 鎌田:アイコンイラストはスタッフが増えたら追加していきたいですね。新しいスタッフの士気も高まるし、インナーブランディングの側面としても素晴らしいです。それに、常にアップデートされる書体って新しくないですか?(笑) 藤吉:制作するタイミングで入っているメンバーとそうじゃないメンバーもいるし、今後の更新ではOB・OGも遡って追加していくのも面白いかもしれないね。 Original Variable Goodsバリアブルの概念を持たせたオリジナルグッズ。今回作ったのは、Tシャツ、トートバッグ、バルーン。いずれもサイズが変わると、バリアブルフォントのような変化を見せます。 ——バリアブルグッズを作ることになった経緯を教えてください。 鎌田:グッズ制作は20周年ってこともあって、自然に作る流れになりました。でもグッズを作るのは、全体的に何を作るかを見た上で決めたいよねって感じになって。フォントがちょっと特殊なバリアブル仕様なのであれば、グッズもバリアブルにさせちゃおうっていうアイデアが出ました。そこからバリアブル展開ができそうなグッズの案をどんどん出していって……現実的に何を作るかを決めていった感じですね。 ——最終的にバリアブルなTシャツ、トートバッグ、風船の3つを作りましたが、こだわった点や大変だった点はありましたか? 山上:自分が入社した時には、作るアイテムはある程度決まってた状態でした。自分がやったのは、Tシャツやバッグにのせるグラフィックをどんな感じにするかみたいなところから。 最初は普通に文字をいっぱいのせたデザインを作ったんですけど、それをみんなに見せて話し合うなかで、鎌田くんから「もう1文字でいいんじゃないですか」っていう意見をもらって。今の「T」や「B」をのせたすごくシンプルなデザインになりました。 鎌田:1文字にした意図としては、このバリアブルグッズを今回で終わらせたくなかったからです。『Variable』みたいな名前のアパレルブランドを作れそうだなと思っていて。その展開を考えた時にグラフィカルな文字が入ってるTシャツだと、個性が出ないんですよね。全部のツールが1文字っていうアイデンティティで、なおかつ違いはウェイトだけで表現されてると一貫性が出る。今後の展開でも、アイテムの頭文字だけで成り立つ上に低コストだし。 あと、いい感じにダサくなるのも狙いでした。 かっこつけすぎないっていうか......ストレートなダサさとアイデアのかっこよさで、ダサかっこいいラインを目指しました。 山上:結果的に1文字にすることで、グッズのバリアブル感もより表すことができたなと思っています。 Tシャツとトートバッグは REGULAR / EXTENDED / SUPER EXTENDED / SUPER SUPER EXTENDEDの4サイズ展開山上:今回は商品撮影のために先上げのサンプルのみ、手作業でシルクスクリーン印刷を行いました。シルクスクリーン印刷をするのは初めてで楽しかったです。 撮影では、ADの宮本さんから「バッグにフランスパン入れたい」っていう希望をもらっていて、買いに行ったんですけど......意外と長いフランスパンがなくて。4店舗ぐらいパン屋さんを回りました(笑)。あと、トートバックが薄めの生地なので、撮影時に綺麗にサイズを見せるために薄いパネルを入れています。 これは我ながら用意しておいてよかったなと思ってます。 シルクスクリーンを刷っている様子——撮影の裏話を聞くと大変そうですが、おかげでコンセプトがしっかり伝わるビジュアルになりました!みなさんはどのサイズが好きですか? 山上:俺はEXTENDED。それ以上のサイズになってくると、着こなしがうまい人じゃないと難しいかなって思います。 鎌田:僕はTシャツもトートバッグもSUPER EXTENDEDかな。SUPER SUPER EXTENDEDは、さすがにでかすぎるかもしれない。 藤吉:SUPER EXTENDEDはいい感じだったよ。 道合:横幅もSUPER EXTENDEDはちょうどよくて、モードっぽいですよね。 山上 :REGULARも一般的なレギュラーより大きいですが、いちばん使い勝手はいいと思います。 藤吉 :REGULARは実際のサイズは結構ゆったりしています。目がEXTENDEDに慣れちゃうと、REGULARが細く見えちゃうんだよね(笑)。 SUPER SUPER EXTENDEDのTシャツ。かなり幅があります!SB Normsのこれから——今後、SB Normsはどのように活用していく予定ですか? 鎌田:今回の書体はデザイナーが使うためだけじゃなくて、スタッフのみんなが使えるように作りました。 いろんな職種の人が共通のフォントを使うことで、資料などのビジュアルの統一化を図る狙いがあります。今後社内でフォントが浸透していけば、自然と揃っていくんじゃないかなと。バリアブルグッズは、機会を見てアイテムを増やせるといいなと考えています。 山上:今はライセンス的に社内の人しか使えないですけど、世の中の人にいっぱい使ってもらえるぐらいのフォントになったらすごいですよね。ウェイトも揃えて、有名なフォントになったりしたらいいなと思います。 ——最後にフォントとグッズ制作を振り返って、感想を聞かせてください! 道合:フォントはアルファベット以外でも色々と遊べることがわかったので、予算が合えばクライアントワークでも活用できるといいなと思いました。例えば、クライアントのロゴから着想したエレメントをフォントの中にアイコンとして入れるとか。全部を作るだけじゃなくて部分的に入れることもできそうだなと思います。 藤吉:僕はちょうど2年前にも4Dさん20周年記念の案件を担当してたんですけど、今回自社でもやってみて、周年記念はめでたくてハッピーな仕事だなと感じました。またみんなが喜ぶグッズを考えて作りたい。もし今後、別の会社さんの周年記念に携われる機会があれば是非やりたいです! SHIFTBRAIN GOODS STORE オープンのお知らせ本記事でご紹介した20th記念グッズをはじめ、これまで制作した15th記念Tシャツや、みさとと。グッズ、INVENTORYなどを取り扱う、ネットストアをオープンしました! SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですsb-goodsstore.com 【Pick Up】 20th Original Variable Goods Set 今回の20周年企画で制作したVariable GoodsのTシャツとトートバッグ、そしてスタッフ限定配布のピンバッジ、この3つをセットにして販売します。 20セット限定での販売となりますので、お見逃しなく! 🙇 20th記念グッズの発売は終了しました 🙇 ネットストアでは、現在のラインナップのほかにも新製品を開発していく予定です。どうぞお楽しみに! Special Thanks🖤 Original Variable Goods 制作協力クレジット ■T-SHIRT REGULAR, EXTENDED: 株式会社 J-ALIVE SUPER EXTENDED, SUPER SUPER EXTENDED: Meg.Pattern ■TOTE-BAG REGULAR, EXTENDED: 株式会社 成田商店 SUPER EXTENDED,SUPER SUPER EXTENDED: Ryuzo Kataoka ■BALLOON 横浜風船 株式会社 ▼ 採用情報 シフトブレインでは、新しい仲間を募集しています。全社フルリモートのため、全国からのご応募をいただけます。 募集の詳細は、Wantedlyにてご覧ください! SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの会社情報 - WantedlySHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの魅力を伝えるコンテンツと、住所や代表・従業員などの会社情報です。「みんwww.wantedly.com Cover image design: Kento Ishizuka
#偏愛フォント
デザイナーの偏愛フォント

【SPECIAL INTERVIEW】TypeType #偏愛フォント特別編
こんにちは、シフトブレインの大竹です。 みなさん、弊社の20周年特設サイトは見ていただけましたでしょうか? Hello, this is Mana from SHIFTBRAIN. Have you checked out our 20th anniversary special website? SHIFTBRAIN 20thSHIFTBRAIN 20th Anniversaryshiftbrain.com 企画のひとつとしてお披露目したバリアブル仕様のコーポレートフォント『SHIFTBRAIN Norms Variable(SB Norms)』。今回はフォント制作にあたり、コラボレーションしていただいたTypeTypeへのインタビューを日英併記でお送りします! We featured our corporate font "SHIFTBRAIN Norms Variable" on the website. In this special edition of our beloved fonts, we will be sharing an interview with TypeType, the company that created the font for us. TypeType TypeTypeのフォント制作についてAbout TypeType ——まず初めにTypeTypeについて教えてください。 TypeTypeは、15年以上フォントデザイナーとして従事してきたIvan Gladkikhと、経験豊富なマネージャーAlexander Kudryavtsevのふたりの友人によって2013年に設立しました。機能的で美しいフォントの開発、商業用カスタム書体の開発、タイプマスタリングサービス等を提供し、発展・成長を続けています。2014年に最初のフォントがサイトで公開され、2017年には初のベストセラー『TT Norms®』が発表されました。 4名からスタートしたTypeTypeは、現在、デザイナー10名、PR部門8名、マーケティング部門6名、バックオフィス部門6名を含む30人以上のスタッフがおり、フリーランサーとも一緒に働いています。 ——First, can you tell me about TypeType? TypeType studio was founded in 2013 by two friends, Ivan Gladkikh, a font designer with over 15 years of experience, and Alexander Kudryavtsev, an experienced manager. They launched the creation of functional and beautiful fonts, commercial custom font development, and type mastering, among other things, and have continued to grow and expand. The First TypeType font was released on their website in 2014, and in 2017, they released their first best-seller, TT Norms®. Starting with just four people, TypeType now has over 30 staff members, including 10 designers, 8 PR specialists, 6 marketing professionals, and 6 back-office staff, as well as working with freelancers. TypeTypeのみなさん People working at TypeType——そもそもフォント制作に携わるきっかけはどういったものだったのでしょうか? Ivanが独学でフォントデザイナーとなり、同時にフリーフォントプロジェクト『Jovanny Lemonad』を立ち上げたことがきっかけとなりました。 ——What inspired TypeType to get involved in font design in the first place? Ivan was a self-taught font designer who also started the free font project "Jovanny Lemonad." This was his initial inspiration to pursue font design, which eventually led to the establishment of TypeType. ——独学ではじめられたんですね。そこから会社設立までに至った理由であるフォント、またフォント作りの魅力について教えてください。 フォント制作には、クリエイティブとテクニカルの両面からさまざまなタスクをこなしていく必要があります。また、すべてのフォントが同じアルファベットで構成されているにもかかわらず、新しいプロジェクトでは常にそれらを改めて考え直し、再構築していかなければなりません。そのなかで新たな経験や発展をもたらしてくれるのがフォント制作の魅力ですね。 ——Can you tell me about what drew them to font design, and the allure of creating fonts? Font design requires both creativity and technical skills to complete a variety of tasks. Although all fonts are made up of the same alphabet, each new project requires designers to rethink and rebuild them from scratch. The appeal of font design lies in the opportunities for new experiences and development that it brings. ——では、普段はどのようにしてフォントを作り始めるのでしょうか?また、アイディアはどこから生まれているのでしょうか? フォントを作る目的にもよりますが、クライアントへのアンケート調査などを通し、時間をかけてフォントのプロポーションやデザインを研究します。規模が小さいものはより創造的であり、歴史的な参照やデザイナーのスケッチに基づいて開発することができます。 ——How do designers at TypeType typically begin creating a font, and where do they get their ideas from? The process of creating a font can vary depending on the purpose of the font. Generally, designers at TypeType will start by conducting surveys and studying the font's proportions and design over a period of time. Smaller-scale projects tend to be more creative and can be developed based on historical references or sketches by designers. ——デザインの楽しいところ、大変なところはなんですか? 人によって答えは違ってきますが、記号のアイデアや形状をリサーチ・研究していくプロセスが好きなタイポグラファーが多いように思います。 ——What are the enjoyable and challenging aspects of font design? The answer to this question can be different depending on the designer. Still, many typographers enjoy the process of researching and studying the shapes and ideas behind symbols. This can be an enjoyable part of the design process as it allows designers to explore new ideas and concepts. On the other hand, the most challenging part of font design can be the technical aspects of creating a fully functional font, including kerning, spacing, and appropriate weights and styles. However, overcoming these challenges can also be rewarding and satisfying. ——これは個人的にも気になっていたのですが、フォント名はどのように決められているんですか? 響きが良く、強さや書体の主旨を反映した言葉を探すようにしています。例えば、TT Hovesというフォントの名前は、『Ho-(水平線)』と『Ve-(垂直線)』という音節から構成されています。これは、フォントの形状において水平線と垂直線のバランスを重視していることを表しており、美しく読みやすいデザインになるよう配慮されているという意味を込めています。またTT Firsは、フォントのスカンジナビア的な性格をほのめかしています。 ——How are font names typically chosen? At TypeType, font names are chosen based on how they sound and whether they reflect the strength and purpose of the font. For example, the name of the font "TT Hoves" is composed of the syllables "Ho-" (horizontal) and "Ve-" (vertical). This reflects the emphasis on the balance between horizontal and vertical lines in the font's design, as well as its focus on creating a beautiful and legible design. Similarly, "TT Firs" hints at the Scandinavian character of the font. Ultimately, the name of a font should complement its design and help to communicate its unique features and style. TT HovesTT Firs ——1つのフォントを作るのに、大体どれぐらいの時間が費やされるものなのですか? TT RicordiやStarter Kitのような小規模なプロジェクトは1.5ヶ月ほどですが、TT Norms ProやTT Commonsなどの大規模なプロジェクトは、少なくとも1年以上かかります。さらに、常に更新され開発されていくものもあります。 工程としては1〜4人でデザインの作業を行い、その後は技術者にパスをし、専門家がそれぞれマスタリング、カーニング、ヒンティング(※)を行っていきます。 ——On average, how much time is typically spent creating one font? Smaller projects like TT Ricordi or Starter Kit may take around 1.5 months, while larger projects like TT Norms Pro or TT Commons can take at least a year or more. Some fonts are also constantly updated and developed over time. In terms of the process, typically 1-4 designers will work on the design, then pass it on to technicians who will handle the mastering, kerning, and hinting, which requires specialized expertise. (※)ヒンティング テキストが低い画面解像度や小さなフォントサイズで表示される際の見やすさを向上させる技術のこと。詳しくはこちらをご覧ください。 ——常に更新されていくものもあるとのことですが、「このフォントは完成だ!」と判断するための基準はあるのですか? 長年にわたり、私たちはフォントに対する明確な要件を確立してきました。完成したフォントは、一定の技術的な値と私たちの考える美学を満たしていなければなりません。各プロジェクトの完成において重要なステップは、文字数の完全性、アウトライン、スペーシング、マスタリング、ヒンティングの5つです。最後の2つによって、フォントはさまざまなデバイスで正しく表示され、動作するようになります。 ——You mentioned that some fonts are constantly updated and developed over time. Are there any criteria for deciding when a font is "complete"? Over the years, we have established precise requirements for our fonts. A completed font must meet certain technical values and our aesthetic criteria. These five key steps are essential for completing each project: character set integrity, outline, spacing, mastering, and hinting. The last two steps ensure that the font displays and functions correctly on various devices. Ultimately, a font can be considered complete when it meets these criteria and fulfills its intended purpose. However, there may still be opportunities to update or improve the font in the future, depending on users' needs and feedback. ——その中でも特にこだわりの部分があれば教えていただきたいです。 アイデア、スケッチ、マスターアップまで、すべてのステップが重要です。美しい文字であっても、端末での表示性が悪ければ、あまり意味がないものになってしまう。また、技術的に基準を満たしているフォントでも、グラフィック的なハイライトがなかったり、ユーザーの具体的な問題を解決できなかったりすると、面白みに欠けるものになってしまうと考えています。私たちはフォントデザインに多大な労力と魂を注いでいるので、ユーザーの皆さんにTypeTypeのフォントを選んでいただき、私たちのビジョンに共感していただけることが何よりの喜びであり、フォントを制作し続けるモチベーションのひとつです。 ——Are there any particular aspects that TypeType pays extra attention to in the font design process? Every step of the font design process, from ideation to sketching to mastering, is important. Even if a font looks beautiful, if it doesn't display well on different devices, it won't be very useful. Similarly, a font that meets technical standards but lacks graphic highlights or fails to solve user-specific problems can be dull. At TypeType, we invest a great deal of time and effort into font design, and our motivation to continue creating fonts comes from users who choose and resonate with our vision. Ultimately, our goal is to create fonts that are both technically sound and visually compelling, and that provide unique value to our users. SHIFTBRAIN Norms VariableについてAbout SHFTBRAIN Norms Variable ——Alexanderさんが訪日中に弊社ADの藤吉とお話しされたのがきっかけで今回のプロジェクトがスタートしましたが、シフトブレインの印象はいかがでしたか? センスの良いモダンな会社という印象です。コーポレートサイトの作りは美意識が高く、ミニマルな印象を受けました。また、私たちのフォントで、シフトブレインの問題解決の手助けをしたいと思いました。 ——What was your impression of SHIFTBRAIN when you visited Japan and talked to our Art Director, Masashi, which led to this project? SHIFTBRAIN left a very positive impression on me as a modern and stylish company with a good sense of aesthetics. I was particularly impressed by the design of the corporate website, which conveyed a minimalist and high-quality impression. When we learned about SHIFTBRAIN's mission and approach to problem-solving, we were eager to contribute to this effort by providing our fonts. ——我々もTT Normsをコーポレートフォントとして採用していたので、今回コラボできる機会をいただき非常に光栄でした!弊社からの注文も色々あったと思いますが、今回のフォント制作で特に大変だったことはなんでしょうか? 『SB Norms』ではTT Norms Pro Regularをベースに、幅に変化を持たせるフォントを開発する必要がありました。ナローからスーパーワイドまで、460ptから3,480pt(最小から最大幅の差は通常約1.5倍のところ、今回は7.6倍!!!)で、これだけ広がるバリアブルフォントはこれまで制作したことがなかったため、我々にとっても新しい挑戦になりました。特にTT Norms Proは、普段は非常にニュートラルなフォントとして扱われているので、極端なことをするのは面白かったです。これだけ文字幅が広いと、通常であれば一行が画面に収まるものも数文字しか入らなくなり、私たちが制作する中でもかなり珍しく、正直不便な作業でした。ただ超ワイドになってもNormらしさを保てるように心がけました。 ——We were honored to collaborate especially since we knew that TT Norms was already being used as our corporate font. Were there any particular challenges that you faced during the font design process for this collaboration, given our specific requirements? For "SB Norms", we needed to develop a variable font that could accommodate a range of widths from narrow to super-wide, spanning from 460pt to 3,480pt (which is over 7.6 times the difference between the minimum and maximum width!). This was a completely new challenge for us, as we had never developed a variable font that had such a wide range before. Moreover, since TT Norms Pro is typically considered a neutral font, it was fun to explore extreme variations. However, given the wide letter spacing, we had to deal with limited space constraints, making the design process quite challenging. Nonetheless, we made sure to maintain the essence of Norms in each variation of the font. 技術的な面では、日本のA1ゴシック体レギュラーフォントのように行間を変えて、ベースラインにも合わせる必要がありましたね。 また、シフトブレインのメンバーの似顔絵アイコンをシンボルとしてフォントに埋め込んだことは興味深かったです。 From a technical perspective, we had to adjust the line spacing and baseline of the font to match the Japanese A1 Gothic Regular font that was also being used. Additionally, it was a fun challenge to embed the SHIFTBRAIN team's portrait icons within the font. 似顔絵アイコンの作成過程 The process of creating portrait icons TypeTypeのこれからAbout the future of TypeType ——これまでにも数々のフォントファミリーを制作されていますが、近々リリースする予定のものと、今後の展望についても教えてください! 今年は、約1年半前から取り組んできた大型プロジェクトのリリースを予定しています。タイトルは『Ideal Sans』で、広い範囲の市場調査に基づいてこのフォントを開発しています。もうすぐみなさんにお披露目できるのが楽しみです! またIdeal Sansに加え、現在は多くのフォントのアップデートが進行中です。長年にわたり、TTのデザイナーや技術者は多くのことを学び、現在と5年前の技術レベルは比較にならないものになりました。更新・拡張されたTT Firs NeueとTT Firs Sansファミリーが間もなく発売されますし、更新されたTT Welingtonsも同年に発売される予定です。さらに、いくつかの大きなクライアントプロジェクトも進行中です。近日中に詳細をお伝えできるかと思います。 ——You have created a number of font families, what are your plans for releasing soon and what are your future plans for TypeType? This year, we have plans to release a large project that we have been working on for about a year and a half. The title is "Ideal Sans," and we have developed this font based on extensive market research. We are excited to share it with everyone soon! In addition to Ideal Sans, we are also currently working on updates for many of our fonts. Over the years, our designers and technicians at TT have learned a lot, and the level of technology and expertise has vastly improved compared to five years ago. The updated and expanded TT Firs Neue and TT Firs Sans families will be released soon, and an updated version of TT Wellingtons is also scheduled for release this year. We also have several large client projects in progress, and we hope to share more details about them soon. ——今回のお話を通して、フォント制作の裏側について知ることができました。ありがとうございます!最後にフォントクリエイターを目指す方へ向けてメッセージをお願いいたします。 タイプデザインの仕事は非常に多岐にわたります。創造性と非常にシビアな技術力の両方が必要です。フォントはシステムであり、開発者がそれを感じ取り、体系的に作業することを学ぶまでは、困難にぶつかることも少なくありません。 ただ、デザインをする以外にもマスタリング、ヒンティング、プログラマーなどの技術的な専門家が必要になってくるので、デザインはできないけど専門性を高めてフォント制作に携わることは可能です。 最初の一歩から理想を実現しようとせず、まずはフォントを世に出すことを目指して1つか2つの言語と1つの数字のセットを作ってください。自分の書体を公開し、人に使ってもらうことで、徐々にスキルが上がり、自分が想い描く理想に近づけることができると思います! ——Through this talk, we have learned a lot about the behind-the-scenes of font production. Thank you very much! Finally, do you have a message for aspiring font creators? The job of type design is extremely diverse, requiring both creativity and rigorous technical skills. Fonts are a system, and until the developer can perceive it and work with it systematically, it can be difficult. However, even if one cannot design, it is possible to contribute to font creation by enhancing technical expertise in areas such as mastering, hinting, and programming. Instead of trying to achieve your ideal font right from the beginning, start by creating a set of one or two languages and one set of numbers with the goal of releasing the font to the world. By sharing your font and having people use it, you can gradually improve your skills and get closer to achieving your ideal vision! TypeType FoundryBrowse commercial fonts: buy fonts online for use in web, destypetype.org ▼ 採用情報 シフトブレインでは、新しい仲間を募集しています。全社フルリモートのため、全国からのご応募をいただけます。 募集の詳細は、Wantedlyにてご覧ください! SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの会社情報 - WantedlySHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの魅力を伝えるコンテンツと、住所や代表・従業員などの会社情報です。プロジwww.wantedly.com ▼ SHIFTBRAIN GOODS STORE SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですsb-goodsstore.com Cover image design: MICHIAI Koki Edit: SAKA Mihoko

SHIFTBRAINのデザイナーが選ぶ #偏愛フォント 5選
こんにちは、シフトブレイン デザイナーの高野です! 突然ですが、みなさん。フォントは好きですか? 私は大好きです。 最近はTypewolfのメルマガに登録し、毎週火曜日を楽しみにしています。 シフトブレインには現在5人のデザイナーが所属していて、みんな例にもれずフォントが大好きです。 今回は、「シフトブレインのデザイナーが好きなフォントを1つ選ぶとしたら何になるんだろう?」という個人的な好奇心から、この記事を執筆してみました。 それでは、5人それぞれの個性が溢れるフォントチョイスをお楽しみください! No.1 貂(てん)明朝 ■このフォントを選んだのは... 藤吉 匡(Art Director / Designer) 制作実績:みさとと。, Starbucks Coffee, Toyota Dream Car ■貂明朝を選んだ理由 2017年にAdobeが発表した新しいフォントで、クラシックな字面の少し癖のあるフォントです。(癖の少ないすっきりとした字面の貂明朝テキストというフォントも発表されています) 和文・欧文の組み合わせも美しく、Typekitでwebフォントとしてもきちんと使えます。 漢字に頻出する点「、」は貂のぽってりとした尻尾を連想させる独特なシェイプで、「、」に与えられた面積が他のフォントよりも広いんです。 例えば「寸」「似る」の文字なんかは、じっと見るとまるで貂が化けている様な雰囲気を感じたり。「おまえ化けきれてないだろ〜」って心の中で突っ込んでニヤニヤしちゃいます。 欧文も、特に小文字のeは筆運びに愛嬌があって好きです。 そして、隠しグリフとして「貂(テン)」のイラストがこのフォントに入ってます。それと十二支や郵便番号、雪だるまになった貂も!案件で使ったことはありませんが。 今後ブランディング案件が活発化していく中で、貂明朝の様に、コンセプトに沿ってきちんと開発された記号やイラストを内包したフォントが生まれたら面白いなぁと思います。そういった意味でとても先進的・金字塔的なフォントということもあり、紹介させていただきました。 早速、びっくりするくらい熱いコメントが届きました。 推薦者は、弊社で1番タイポグラフィへの愛情が強いADの藤吉さんです。 貂明朝の発表時、その可愛らしさで大きな話題になったのを覚えていますが、貂明朝のグリフとブランディングを掛け合わせた解釈に唸りました。 デザイナーは、日本語書体が西塚涼子さん。英語書体はアドビのType部門のプリンシパルデザイナー、ロバート・スリムバックさん。 欧文グリフには「Ten Oldstyle」という書体名が付けられており、スモールキャップスやオールドスタイル数字などのOpenType機能にも対応しているところから、欧文書体に対する本気度も感じます。 フォントのコンセプトは「かわいくも妖しい明朝体」。 書体名になっている「貂(てん)」は、イタチに良く似た実在の動物なのですが、狐や狸よりも変化の術に優れているという言い伝えがあり、「妖怪」の1つに数えられています。 ■貂明朝 おすすめの使い方 貂明朝Regularのひらがなは、うねうねっとしたシェイプで独特の雰囲気を演出できます。 立正大学 地球環境科学部 特設サイトでは、全体のトーンは軽やかにしつつも、創立100年近くある伝統の重みを鑑みてバランスを取るために、この書体をキャプション部分に採用しました。オールド明朝の骨格を持ちつつ、真面目一辺倒にならない可愛らしい雰囲気がこの書体ならではの持ち味かなと思っています。 一方、後発の貂明朝テキストRegularは、ひらがなのクセが少なくスッキリ読みやすい、長文での可読性を意識した骨格の書体です。 一般的な明朝体は横線が細く縦線が太いので、例えば印刷線数の少ない新聞広告や、濃色や写真の上に白抜きで書体を置く場合、少しだけフォントを太らせて(力強さを少し足して)使うことがよくあります。ただ、このフォントは横線も太く設計されており、最初からゴシック体の様に縦横の線の太さが近いので、書体を太らせずともそのまま使うことができると思います。見出しだけでなく、縦組みのボディーコピーなんかにもハマりそうです。 こちらの記事で、貂明朝の魅力が詳しく語られているので、気になった方は覗いてみてください! 動物の"貂(てん)"をモチーフにした、Adobeオリジナルフォント「貂明朝」 | Swings11月28日(火)、クリエイター向けに開催されたイベント「Adobe MAX Japan 2017」にて、Adobeの新フbulan.co No.2 光朝 ■このフォントを選んだのは... 鎌田 亮平(Art Director / Senior Designer) 制作実績:Goodpatch Corporate Site, LARGO, DENSO Brand Site ■光朝を選んだ理由 皆さんご存知の通り、田中一光さんが書きためた文字をもとに作られたオリジナルの明朝体。太くて繊細かつ力強い書体は時代背景も感じられ、いつになっても変わることのない美しさ、権威さを持っています。学生時代に光朝を知り、それからずっと大好きです。 光朝は、日本を代表するグラフィックデザイナー 田中一光さんによってデザインされた明朝体です。田中一光さんは、無印良品やLoftのロゴデザイン、その他個性的なグラフィックで有名ですね。 このフォントは、「Bodoniに合う日本語書体が欲しい」と作られたそう。光朝は、モダンローマン書体のようにコントラストがはっきりしており、シャープな印象を与える書体です。 欧文の形は、確かにBodoniと似ています。光朝の欧文の方が、より手書きの筆跡が少なくモダンな印象かもしれません。 ■光朝 おすすめの使い方 鎌田さん曰く、「好きなんですが僕はあまり仕事では使わないです。眺めるのが好きです。」とのことでした。 フォント好きとしては、フォントの使い方として「ただ眺めるだけ」というのもありますよね...。 この記事で使用している画像の「デザイナーの偏愛フォント」を打っていても、1つ1つの文字が非常に美しいと感じました。 No.3 Neue Haas Grotesk(ノイエ・ハース・グロテスク) ■このフォントを選んだのは... 宮本 浩規 (Art Director / Senior Designer) 制作実績:LIONS GOOD NEWS 2020, BitStar, メルペイCorporate Site / メルペイ Recruit Site ■Neue Haas Groteskを選んだ理由 シンプルで王道的、堂々とした字面自体が個人的に好み。 Helveticaの元になった書体でほぼ同じようなフォルムですが、並べてみると文字間や形状が若干違っていて、Neue Haas Groteskの方が使いやすくしっくりくる。 読みやすい書体なので小さく使用するのもありですが、ダイナミックに大きく組むと抜群にかっこいいです。 サンセリフの王道シルエットで、日本語のWikipediaもあるような有名書体ですね。「新しいハース社のグロテスク書体」という意味で、文字通りスイスのハース社がデザインした書体です。 元々は「ドイツのAkzidenz-Groteskって書体を使いたいから、コピーしてフォントを作ってくれ」という依頼により制作が始まりましたが、タイポグラファーのマックス・ミーディンガーとエデュアード・ホフマンは「コピーではなく、見ていてもっとも心地が良くなるような書体を作りたい」と、オリジナル書体を作成しました。これがNeue Haas Groteskです。 この書体の出来に非常に満足した二人は「これは世界で売れるはずだ!」と、「新しいハース社のグロテスク書体」という説明的な名前ではなく、オリジナルの書体名である「Helvetica」に名前を変えて販売したそうです。 HelveticaとNeue Haas Groteskはほとんど同じ形ですが、比較してみると、Neue Haas Groteskのほうがカウンター(b、d、gなどの丸く開いた部分)が少し大きいように見えます。 ■Neue Haas Grotesk おすすめの使い方 アイキャッチになるような見出しで、大胆に使用するのがおすすめです。 使いやすいフォントなので、ウェブサイトでの使用例もたくさんあります。 癖が少ないので、セリフ体と組み合わせた使い方もできそうです。 Google Fontsで無料で使うことができるので、是非試してみてください。 https://henrikandsofia.com/ https://www.talipolichtuk.com/ No.4 Astro ※こちらで試し打ちしたものを使用しています ■このフォントを選んだのは... 宮坂 亜里沙(Designer) 制作実績:スタディサプリBrand Site, ICS COLLEGE OF ARTS WEB OPEN CAMPUS 2021, +SHIFT Brand Site ■Astroを選んだ理由 特徴的な滑らかな曲線や、程よく丸みを帯びた形状が、絶妙に繊細さや美しさを醸し出していて好きなフォントです。 マイクロチップから宇宙船までどのツールに使用しても同じ印象を与えられるよう、20ウェイト40スタイル用意されているところにもこだわりを感じます。 設計者の神村さんが綴る、デザインストーリーも面白いです。 Astroは、タイプファウンドリーDetail Type Foundryが作成した、サンセリフ書体です。 公式Webサイトの動画からも分かるように、どの大きさで見ても読みやすい書体になっています。 そして、こちらのタイプファウンドリーは、なんと日本の会社です! Astro以外にも美しく使いやすいフォントを開発中だそうで、今後のリリースが楽しみですね。 Detail Type Foundryは、この書体のことを「ネオヒューマニスト サンセリフ」と呼んでいます。これは、サンセリフ体の分類で言われる「ヒューマニスト」と「ネオグロテスク」を組み合わせた造語です。 サンセリフはセリフに比べて、要素が少なく、手書きよりも機械感が強い書体ですが、「ヒューマニスト」書体は、その中でも手書きの柔らかさを残しているのが特徴です。 有名どころは、Frutiger、Gill Sansでしょうか。 「ネオグロテスク」は、スマートで視認性が高く洗練されたサンセリフ体のことで、今「サンセリフ体」としてパッと頭に浮かぶのはネオグロテスクが多いです。上で紹介したNeue Haas Groteskもこのジャンルになります。 これを組み合わせたのが「ネオヒューマニスト サンセリフ」です。 わかりやすいので、Astro 公式サイトの説明文をそのまま引用します。 ヒューマニストサンセリフの古典的でエレガントなフォルムに、縦線で構成されたネオグロテスクなサンセリフの最小限の配列を組み合わせています。従来のサンセリフは重厚で機械的な印象を読者に与えていましたが、この書体は滑らかでウルトラモダンな印象を読者に与えます。 出典:https://detail.tf/pages/astro(DeepLにて翻訳) 画像引用:https://detail.tf/blogs/stories/astro-design-story ■Astro おすすめの使い方 いろんなツールが必要となるような、大きなブランドのデザインに活用してみたいフォントです。 元々が「マイクロチップから宇宙船まで」使える想定で作られたフォントなので、大規模なブランドツール開発、かつエレガントさが求められるときに使ってみたいですね。 No.5 TT Norms ■このフォントを選んだのは... 高野 菜々子(Junior Designer) 制作実績:日建ハウジングシステムCorporate Site, 島根県美郷町のあらまし, FACT FASHION Brand Site ■TT Normsを選んだ理由 最後は私から、Type Type社が開発した「TT Norms」を紹介します。 このフォントは、最近のシフトブレインで一番よく使われているフォントで、最近リリースしたコーポレートサイトや提案資料など、あらゆる媒体で活躍しています。 TT Normsは、サンクトペテルブルクにある「Type Type」というタイプファウンドリーが作成しています。TT NormsのTTは「Type Type」の略です。 創立8年目の若い会社ですが、TT Norms以外にも、使いやすいモダンなフォントを多数世に送り出しています。TT Commonsも弊社内にファンが多いフォントです。 以前、Type Type社が来日した際に、弊社ADの藤吉さんがType Type社との勉強会に参加しており、その際に「日本語フォントと英語フォントを組み合わせて使うと、英語が小さくなってしまう。Webでもグラフィックの合成フォントのようなことができないか?」と相談したところ、本当に実現していました! TT Normsのカスタム項目の中にある「custom height」から確認できます。これで、日本語や中国語との相性が良くなりそうです。 ユーザーの気持ちを聞き、すぐに解決策を提示するところに、このファウンドリーの誠実さを感じます。 ■TT Norms おすすめの使い方 無駄のないすっきりした線のジオメトリックサンセリフなので、いろいろなデザインと組み合わせやすい書体です。 拡大してもシルエットが美しいので、大きく使ってアイキャッチにすることもできますし、可読性が高いので、本文にも最適です。 Superhero Cheesecake. Boutique Creative Studio.Superhero Cheesecake is an award-winning digital creative stusuperherocheesecake.com まとめ次々とリリースされる高品質のフォントを物色するのは、デザイナーとして大きな楽しみの1つです。 フォントの背景や使用例から、そのフォントについて立体的に知ると、フォント選定に深みが出ます。 一方で、純粋にデザインを楽しむためには、ロジックを抜きにして「このフォント…なんかめっちゃ好き」という偏愛を大切にするのも大事だと思います。その上で背景を調べると、より愛が深まりますよね。 ぜひ、みなさんの偏愛フォントもtwitterやnoteのタグ「 #偏愛フォント 」 で教えてください! ▼vol.2を公開しました!(2021/11/24) ▼ 採用情報 シフトブレインでは、新しい仲間を募集しています。全社フルリモートのため、全国からのご応募をいただけます。 募集の詳細は、Wantedlyにてご覧ください! SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの会社情報 - WantedlySHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの魅力を伝えるコンテンツと、住所や代表・従業員などの会社情報です。プロジwww.wantedly.com ▼ SHIFTBRAIN GOODS STORE SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですsb-goodsstore.com Editor : Mihoko Saka

SHIFTBRAINのデザイナーが選ぶ #偏愛フォント 7選 Vol.2
こんにちは、シフトブレイン 外部デザイナーの高野(@739nanak)です! 先日シフトブレインを卒業したのですが、引き続き外部デザイナーとしてご一緒させてもらってます🖋🙏 さて、半年前に公開した「SHIFTBRAINのデザイナーが選ぶ #偏愛フォント 5選」を読んでいただいたみなさま、ありがとうございました! 前回の記事では、各デザイナー1つに絞って偏愛フォントを選んでもらいましたが、お察しの通り、好きなフォントを1つに絞るって難しいですよね。 日本語フォント、英語フォント、定番フォント、モダンなフォント... それぞれの軸で推したいフォントがありますし、トレンドや自分の好みの変化に応じて、グッとくるフォントも変わります。 そこで、じゃあもっと紹介していこう!と定期的に偏愛フォント記事を書いていくことになりました。今回から新しくシフトブレインにジョインしたデザイナーの2人にも参加してもらっています。 それでは、シフトブレインのデザイナーが選ぶ #偏愛フォント Vol.2、お楽しみください! No.1 丸明オールド ■このフォントを選んだのは... 道合幸希(Junior Designer) ■丸明オールドを選んだ理由 初めて個人で買ったフォントでもあり、愛着があります。 エレメントが特徴的なので街中で見つけやすく、見つけた時には「あ、あんなところにも」とほっこりした気持ちになります。 砧書体製作所さんが作成された丸明朝体ファミリーの一つで、漢字は直線を意識しつつ、丸のエレメントを取り入れているのが特徴です。 仮名は毛筆の動きを強調した、のびのびとした流れに、筆文字らしさとモダンさを兼ね備えていて、丸ゴシック体と明朝体の中間のような書体になっています。 やわらかく日本語らしい雰囲気を出せる、大好きな書体です。 ■フォント説明 言わずと知れた定番フォント、丸明オールド。 今年の1月、丸明オールドを含めた砧書体が大量にAdobe Fontsに追加され、デザイナーたちが沸いたのが記憶に新しいですね。 丸明オールドは、2000年にサントリーモルツの広告キャンペーンで登場し、その後2001年にフォントとして発売されると、さまざまな広告で使われるようになりました。 ゴシック体の端が丸く処理された「丸ゴシック」を明朝体に適用し、「丸明朝体」としてはじめて登場したフォントです。 線、点、トメ、ハネ、ハライなど、全ての先端が丸く処理されているため、他にない新しさと優しさを感じますが、ひらがなとカタカナが、活版印刷時代の骨格で作られているので、懐かしさも感じられます。 こちらの記事では、FONT PLUSが砧書体製作所さんにインタビューした内容を読むことができます。Adobe Fontsには砧書体がたくさん追加されたので、他の書体も使ってみたいですね! ■丸明オールド おすすめの使い方 広告業界で多く使われてきたこともあり、どんな使い方もできる万能なフォントです。 柔らさ、親やすさ、レトロ、モダン、アナログ感、とさまざまな顔をもちますが、不思議と文章になると読みやすい特徴を持っています。 語り口調のコピーはすっと頭に入ってきますし、長文で使用しても心地よいリズムでスラスラと読み進めることができる。文字を少し太らせて使っても、丸明オールドらしい骨格を保ってくれます。 下記のFontworksの紹介ページで、サントリーモルツやその他の広告使用例が載っているので、興味のある方は覗いてみてください! 砧書体制作所「丸明朝体」が使える「mojimo-marumin」を提供開始 Fontworksフォントワークス株式会社(本社:福岡県福岡市、代表取締役社長CEO:原田 愛、以下「フォントワークス」)は、砧書体制作所(fontworks.co.jp No.2 たづがね角ゴシック ■このフォントを選んだのは... 宮坂 亜里沙(Designer) 制作実績:スタディサプリBrand Site, +SHIFT Brand Site, ICS×MDX×DYU JOINT GRADUATION EXHIBITION ■たづがね角ゴシックを選んだ理由 可読性が高いのに、堅すぎない、自然体な印象を与えられるフォントです。 和文と欧文を混植するとどうしても不自然な感じになってしまう日本語フォントが多いですが、たづがね角ゴシックはその問題を解決してくれました。 形としてバランスの良い書体が好きなのですが、たづがねはどの文字を見てもどの組み合わせで使っても完璧だな〜といつも思っています。 公共施設のサインにもよく使われていますが、モダンな印象はあるのに街並みにも馴染んでいて素晴らしいなと思っています。 ■フォント説明 たづがね角ゴシックはMonotype初の日本語書体です。 同じくMonotype開発の「Neue Frutiger」に合う日本語書体として開発されました。 フォントデザイナーの小林章さんは『Helveticaの横にサイズのあわない和文が配置されてる、ぎこちない和欧混植の道路標識を目にしたことがきっかけ』で、このフォントを作ろうと考えたそうです。 グラフィックデザインは合成フォントで混植問題をある程度解消できますが、ウェブフォントはそうはいきません。 たづがねは、「欧文には英語フォントを使いたいけど、どうしても大きさや太さが不自然になってしまう」という日本人デザイナーの切実な悩みに答えてくれました。欧文はNeue Frutigerの形状のため、混植しなくても品質の高い英語グリフを使うことができます。 そのため、最近はウェブデザインやウェブサービスのブランディング書体としてよく使われている印象です。 たづがね角ゴシックとNeue Frutigerの欧文を比較すると、形状は同じでも、大きさがかなり違うことがわかります。丁寧な調整がされていることがわかりますね。 ■たづがね角ゴシック おすすめの使い方 10ウェイトのバリエーションとバランスの取れた形状から、サイン・書籍・広告・Webなど、媒体を問わず汎用的に使用できます。これからグローバルに進出していくようなブランドのトータルブランディング等に使用できると良さそうです。 今後アプリなどを担当することがあればよりデジタルに寄せた「たづがね®角ゴシック Info 」も使ってみたいですね。 ちなみに、たづがねの元になったNeue Frutigerも、アドリアン・フルティガーさんの密接な協力を得て小林章さんがデザインした書体です。 世界で活躍する書体デザイナーの小林章さん。たくさんの書籍を出していますが、特に私がグッときた本をそっと置いておきます...。 フォントのふしぎ ブランドのロゴはなぜ高そうに見えるのか?www.amazon.co.jp 2,200円(2020年12月29日 13:46時点詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する メルカリのブランドフォント「mercari sans」と一緒に使う日本語フォントはたづかねです。mercari sansの書体デザイナーも小林章さんです。 No.3 Everett ■このフォントを選んだのは... 石塚 健斗(Junior Art Director / Designer) ■Everettを選んだ理由 最近知ったフォントで、グロテスク体でありながらもユニークなエレメントを持つ書体です。 制作者がスイスの大学に在籍時代に作成したものだそうです。 バーテスクやセリフなどの処理が潔よくてかっこよく、特にHairlineの “1”、Regularの “M” と “d” 、Bold Italicの “y” がとても好きな形です。 無機質でかっこよく、ついつい長文でベタ打ちしたくなるような魅力がある書体です。 ■フォント説明 Everettはスイスのグロテスク体に独自解釈を加えたフォントで、読みやすさとデジタル感、先進性を併せ持つ特徴的な書体です。 スイス出身のグラフィック/書体デザイナー ノーラン・パパレリさんの美術学校時代の卒業制作として作られ、書体名はアメリカの写真家 Daniel Everettにちなんでいます。 このフォントの一番の特徴は、アセンダーとディセンダーが低いことです。 WやNなど、角のある文字の角の部分が水平に切り取られているため、テキストの行間をタイトな行間で設定することができます。本文の上下の高さが揃うため、グリッド感も強調されます。 また、u、a、gなど丸みのある文字では一部線がかなり細くなるため、他のサンセリフ体よりもコントラストが強く、キレの良さを感じます。そのため、セリフ体と合わせて使っても違和感の少ないフォントのように思います。 THE SHIFTさんのコーポレートサイトでは、EverettとSerif体を組み合わせて使用されていました。 THE SHIFTThe Shift was created for things and people desiring a shifttheshift.tokyo ■Everett おすすめの使い方 視認性が高く、本文でも十分に使いやすいフォントですが、形がとてもユニークなのでポスターの見出しとしても扱いやすいです。 大きく使ってデザインの要にしても良いですし、少し個性のある本文フォントとしても使えるので、どんな時でもデザインの魅力を引き上げてくれます。 特にスイス・スタイルをモチーフに取り入れたデザインのときに使うと、とてもかっこよくハマると思います。 https://thedental.jp/ No.4 Univers Thin Ultra Condensed ■このフォントを選んだのは... 鎌田 亮平(Art Director / Senior Designer) 制作実績:Goodpatch Corporate Site, LARGO, DENSO Brand Site ■Univers Thin Ultra Condensedを選んだ理由 みんなご存知、王道中の王道「Univers」。 デザイナーはアドリアン・フルティガーさん。Frutigerをデザインした方ですね。 Frutigerも好きですが、私はUniversの数字のフォルムが大好きです。 中でもThin Ultra Condensedのフォルムがシュッとしていて大好きです。 某有名タバコパッケージなどにも使用される印象的な数字のデザインは何年経っても劣ることないカッコよさと新しさを持っています。 ■フォント説明 「Thin Ultra Condensed」と細かく指定しているところに、本当にこのウェイトが好きなんだな...という鎌田さんのこだわりを感じますね。 Universは1957年発売の王道書体で、なんとあのHelveticaと発売年が同じです。 比較してみるとフォントの形状が似ているわけではありませんが、線が全て垂直/水平に処理されているところや、どんな場面でも使いやすい点、手書きの筆跡を残している点など、共通点がたくさんあります。 Universを発表したフランスのドベルニ・エ・ペイニョ活字鋳造所では、当時Futuraが人気商品で、次の売れ筋書体を探していました。そこでアドリアン・フルティガーさんが作成したのが、Universです。 作成過程でのFuturaやHelveticaとの違いは「ファミリー展開の設計」にあるそうです。当時、他の書体はまずベースのウェイトを作成し、そこから継ぎ足しのように別のウェイトを作成していました。ところがUniversは、CondensedやExpandedに至るまでのファミリー展開を初めから考えて作成されたそうで、各ウェイトのトーンの整合性が取れている点、どのウェイトを使っても「Univers感」がちゃんとある点で、優れていたそうです。 この辺りの王道書体は、NeueやNextなどの形でどんどんアップデートされていきますが、そのアップデートの内容で「特定のウェイトの視認性、整合性を修正した」というのをよくみますよね。フルティガーさんがウェイト同士の整合性を考え始めたことで、フォント業界の品質レベルが上がったのかもしれません。すごい。 ■Univers Thin Ultra Condensed おすすめの使い方 「とにかく数字でカッコつけたい時に使用すると、それだけでカッコ良く締まります。笑」とのことです! 数字はデザインの遊びどころなので、どのフォントを使うかをいつも悩みます。「このフォントの数字が好き」といったコレクションを持っておくのは便利かもしれません。 https://www.cinemateket.no/ ※Thinではありませんが、Univers Ultra Condensedのウェブデザインでの使用例です。 No.5 Neue Machina■このフォントを選んだのは... 宮本 浩規 (Art Director / Senior Designer) 制作実績:LIONS GOOD NEWS 2020, BitStar, メルペイCorporate Site / メルペイ Recruit Site ■Neue Machinaを選んだ理由 Pangram Pangram Foundryから出ているフォントで、わりと最近知りました。 テック感のあるフォントって下手に使うとダサくなっちゃうんですが、このフォントはかなり使いやすく汎用的。どことなく親しみやすさも感じます。 ■フォント説明 みんな大好きPangram Pangramからようやく偏愛フォントが登場です! Pangram Pangramは2015年に設立された若いタイプファウンドリーで、使えば一発でモダンになるようないけてるフォントを多数開発しています。 Pangram Pangramは多くのフォントを、個人利用として無料/格安で使用できるようにしています。 この仕組みによって、デザイナーはまずいろんなフォントを試すことができ、実際に商用利用が決まってから、クライアントに必要な分だけのラインセンス購入をお願いすることができるようになっているのです。優しい...。 Pangram Pangram一推しのフォントが揃ったFONT STARTER PACKの充実度がすごいので、ぜひ購入してみてください。 「これ、使いたいと思ってた!」なフォントが多数入っています。 The Pangram Pangram® Font Starter Pack - Edition 4.0 – Pangram Pangram FoundryOur font pack gives you unlimited access to all of our 31 fonpangrampangram.com 今回名前が上がった「Neue Machina」も、このスターターパックに含まれています。 Neue Machinaはかなり個性的な形状のフォントで、Everrettと同じく、アセンダーとディセンダーが水平に切り取られています。 monospaceのようなセリフの付け方やパキッとした印象からデジタル感を強く感じますが、MやBなどの文字で曲がり角の部分が、丸く中まで食い込んでおり、ぐにゅっとした有機的な印象も与える不思議なフォントです。 ■Neue Machina おすすめの使い方 ゲーム開発、ロボット開発、人工知能、ディープテックなどなど、テクノロジーや近未来を予感させるシーン。まだ仕事では使えていないので、いずれ使ってみたいです! Dreams into GamesShapefarm is an independant game developer based in Tokyo, Jashapefarm.net ICS COLLEGE OF ARTS WEB OPEN CAMPUS 2021ICSカレッジオブアーツは建築・インテリア・家具のデザインや製作・施工技術を学べる専門学校www.ics.ac.jp 余談ですが、Pangram Pangramは、昨年展覧会で話題になった石岡瑛子さんにインスパイアーされたフォント「EIKO」をリリースしています。なんと日本語もついているので、個人的には今一番買いたいフォントです! No.6 TT Commons ■このフォントを選んだのは... 藤吉 匡(Art Director / Designer) 制作実績:みさとと。, Starbucks Coffee, Toyota Dream Car ■TT Commonsを選んだ理由 ブランディングにおいて、自分の中ではいつも候補に上がってくる欧文書体の一つです。ニュートラルで、特に数字の形が綺麗。長文での読みやすさ、品の良さ、強いクセがない。 仕事だけでなく、自分用の書類を作る時や、小学生の娘用に作った算数プリントにも使っているくらい、ここ数年でのかなりのお気に入り書体です。ウエイトはLight, Regular, DemiBoldを特によく使います。 ■フォント説明 前回紹介のTT Normsと同じType Type社が開発したTT Commonsは、ミニマルな雰囲気を持つ、使いやすいサンセリフ書体です。 コロナ禍前に、TypeTypeがSHIFTBRAINに遊びに来てくれました。その時ちょうど刊行されたユニクロ「LifeWear magazine」の見出し欧文書体で採用されていたので、見せたらびっくりして喜んでいました。 というのもこの書体は、自分たちのロゴリニューアルをきっかけに作ったコーポレートフォントで当初は販売を予定していなかったのだとか。それが販売される様になり、遠く離れた国でも愛されているのですから感慨深いものがあると思います。 また、今年(2021年)5月にTT Commons Proという新しいバージョンが発売されて、使っていて感じていた致命的な2つの弱点が改善された様です! 1. 文字のカーニング情報が改善されました 今までは文字間の処理が甘く、個別に文字詰めできるグラフィックではいいのですが、ウェブデザインで使うには正直結構厳しい場合がありました。 その点が改善されたので、ウェブデザインでも使いやすくなったかも。 2. フォントの大きさが他フォントと同じくらいに フォントの作りが小さく、他の書体と合わせたときの大きさの違いが目立ち厳しかったのですが、新しいバージョンではなんと11%大きくなったそう。それでも和文書体と合わせると少し小さいのですが、ずいぶん解消されました。 「これでみんなにオススメできる書体になったかも!」と藤吉も喜んでおります!(が、まだ買えていないそうなので、購入した方がいらっしゃいましたら、是非感想を教えてください!) 補足:Condensed、Expanded、Variableのバージョンも併せてリリースされました。ちなみに今までのバージョンはTT Commons Classicというフォントに改名して継続販売される模様。 ■TT Commons おすすめの使い方 数字の形状が綺麗で癖がないため、特に数字を多用する企業のフォントにおすすめです。 TypeType FoundryBrowse commercial fonts: buy fonts online for use in web, destypetype.org ユニクロ | LifeWear magazineユニクロの作る服、LifeWearって一体、何でしょうか? その答えを、服作りへの思いや美意識、商品の機能やデザインを一つwww.uniqlo.com No.7 GT Walsheim ■このフォントを選んだのは... 高野 菜々子(Design Partner) 制作実績:日建ハウジングシステムCorporate Site, 島根県美郷町のあらまし, FACT FASHION Brand Site ■フォント説明 最後は私から、Grilli Type社が開発したGT Walsheimの紹介です(Walsheimはドイツの地名で、ヴァルスハイム、と読むらしい)。 このフォントは最近の一番のお気に入りで、SNSのグラフィックや少しカルチャー感のあるシールなど、あらゆる場面で使っています。 無骨な雰囲気を醸しつつも、線の幅が均一でミニマル。そして文字としては安定した形が多いので、非常に使いやすいです。特徴のある部分とベーシックな部分のバランスがとても良い印象です。 ウェイトの種類も豊富ですが、どのウェイトも可読性とGT Walsheimならではのトーンを持ち合わせており、捨てウェイトがないです。 個人的に好きなのは、細めのウェイトの「i」や「j」の丸です。大きさが絶妙で、偏愛ポイントです。 Grilli Type社は、各フォントのウェブサイトを贅沢に作り込んでいます。 GT WalsheimのLPもあったので覗いてみてください。 GT Walsheim TypefaceInspired by the lettering of Swiss poster designer legend Ottgt-walsheim.com GT MaruやGT Americaのサイトも振り切っていて最高です。 GT Maru TypefaceGT Maru is an ode to rounded English characters found on signwww.gt-maru.com GT America TypefaceGT America builds a bridge between the American Gothic and Euwww.gt-america.com ■GT Walsheim おすすめの使い方 特徴のあるグリフが多いので、文字だけで大きく見せられる場面や、文字を装飾のアクセントとして活用したい場面でおすすめです。 フォント名にもある「G」が特に可愛いので、Gが入る場面で使うと面白いかもしれません。 名前のアルファベットにGT Walsheimの特徴がぴったりハマった使い方ですね。Gや細身のAの特徴もありますが、やはりiの丸がアクセントになっています。 Adi GoodrichAdi Goodrich is a Los Angeles based Spatial Designer and Setwww.adigoodrich.com まとめ今回も定番フォントからモダンなフォントまで、幅広い偏愛フォントが集まりました。 作られた背景や世の中で使われてきた文脈、書体の形状自体が醸し出すトーンなど、フォントがデザインに与える影響は大きいです。 これだけ良いフォントが大量にあるなかで、自分のデザインにとってどのフォントがベストなのか?難しいですが、毎回本気で挑みたい問題です。 前回のnoteでは、何人かの方がTwitterで自身の「 #偏愛フォント 」 をつぶやいてくれました。 みんなの「好き」を覗くのが好きなので、引き続きみなさんの「 #偏愛フォント 」 を教えてくださいね! ▼前回の記事はこちら ▼ 採用情報 シフトブレインでは、新しい仲間を募集しています。全社フルリモートのため、全国からのご応募をいただけます。募集の詳細は、Wantedlyにてご覧ください! SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの会社情報 - WantedlySHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの魅力を伝えるコンテンツと、住所や代表・従業員などの会社情報です。プロジwww.wantedly.com ▼ SHIFTBRAIN GOODS STORE SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですsb-goodsstore.com Editor : Mihoko Saka

フォントが印象的なサイト6選 #偏愛フォント Vol.3
こんにちは、シフトブレイン 外部デザイナーの高野(@739nanak)です! 今回は過去2回の偏愛フォントを語るシリーズから少し趣向を変えて、シフトブレインのデザイナーに「フォントの使い方が印象的なサイト」を聞いてみました。 ウェブサイトを見ていて、このフォントの使い方、新しい!とか、サイトの目的に合致してる!など興奮することってありますよね。この記事ではそんなデザイナーたちの興奮を感じていただきつつ、みなさんの今後のフォント選びに新しい視点を取り入れていただけると嬉しいです! No.1 クリエーティブ・ディレクター・コレクティブ (つづく)https://tsuzuku.tokyo/■このサイトを選んだのは... 宮本 浩規 (Art Director / Senior Designer) 制作実績:LIONS GOOD NEWS 2020, BitStar, メルペイCorporate Site / メルペイ Recruit Site ■このサイトを選んだ理由 ブルーブラックインクの質感をイメージして作られたサイトで、ビジュアルはもちろん、フォントにもインクの「擦れや滲み」がしっかりと表現されている。しかもウェブフォントとCSSで実装しているところに強いこだわりを感じました。もう変態的(笑) 長く続く価値を作るというユニットのコンセプトと、耐水性が高く永久保存の記録に適したブルーブラックインクの特性をうまく合わせた表現になっている点にドキッとしました。大好きです。 ちなみに、「擦れや滲み」の演出に使用されている画像もいちいち格好良い。 No.2 GT MARUhttps://gt-maru.com/■このサイトを選んだのは... 藤吉 匡(Art Director / Designer) 制作実績:みさとと。, Starbucks Coffee, Toyota Dream Car ■このサイトを選んだ理由 スイスのフォント制作会社Grilli Typeのティエリー・ブランパンさんが、日本を旅行して得たインスピレーションを元に、4年を費やして作ったという丸文字の欧文書体、GT MARUの特設サイトです。 フォントが生まれた経緯、書体設計の特徴、フォントファミリーの紹介、絵文字を含むグリフの一覧などが、余すところなく表現されています。 特に好きな所は、豊富なフォントのバリエーションと、全てのバリエーションを紹介したボリュームあるコンテンツの流れの中で、自然と配置されたインタラクション。 基本的にはスクロールだけで詳細まで把握できるようになっていて、その上にインタラクションがバランスよく盛り込まれています。 メニューから書体お試しページが開けるので、そこで実際にグリフを入力してみると、また別の感覚が味わえます。 「Setagaya」「Nakameguro」など急に入ってくる言葉がユニークで、グリフとして組み込まれた450種類もの絵文字からも、ユーモアを感じます。 絵文字部分にカーソルを合わせると出てくる小型のウィンドウは、一覧表示とサクサクな拡大表示の組み合わせが理にかなっています。 東京TDC賞2022でTDC賞を受賞したばかりなので、ご存じの方もいるかとは思いますが、改めてこの狂気じみた世界観と、彼らのクリエイティブに対する純粋さを楽しんでもらえたらと思い、シェアしました。 1つのアイデアでここまでやり切るスイス人フォントデザイナーの職人芸に拍手です! ♡ Appendix Grilli Typeはフォントひとつひとつに特設ウェブサイトを作るという文化があり、どのサイトもその背景や特徴をじっくり味わえます。 気になった方は、他の書体も併せてご覧ください。 なかでも、GT Flexaがバリアブルフォントの可能性を感じて好きです。 GT Flexa TypefaceInstead of the traditional view of a typeface as a collectiongt-flexa.com No.3 Alan Menkenhttps://www.alanmenken.com/■このサイトを選んだのは... 石塚 健斗(Junior Art Director / Designer) 制作実績:地域交通共創モデル実証プロジェクト ■このサイトを選んだ理由 アランメンケンさんのポートフォリオサイトのフォントの使い方が好きです。 混植といえば「セリフ体とサンセリフ体」で制作するイメージがあると思いますが、このサイトでは「セリフ体とデザイン性が高く動きのあるかわいいフォント」の組み合わせが活用されています。 踊っているかのようなインタクションの演出も相まって、サイト全体が手がけている楽曲のイメージに近くなるように制作されています。 動きのあるフォントのみだと可読性が若干欠けてしまいますが、そこにセリフ体を混ぜることで、可読性を担保しつつ楽曲のイメージとアランメンケンさんの権威性を表現することができており、素晴らしい手法だと思いました。 No.4 TouchType Tool https://schultzschultz.com/touchtype ■このサイトを選んだのは... 道合幸希(Junior Designer) 制作実績:GEOGROUP コーポレートサイト ■このサイトを選んだ理由 TouchType Toolは、ドイツのデザインエージェンシー Schultzschultz が開発した、インタラクティブにフォントの形状をいじって、形を生成できるツールです。 書体をエレメントとして見せて、なおかつ直感的に操作できるのがデジタルならではの体験を提供しています。 純粋に触っていて楽しいし、アイアンマンのような未来的な空気感を感じてかっこいいです。(笑)触ってみると魅力がわかるので、ぜひお手持ちのスマホでお試しください!(PC未対応です) No.5 MILL3https://mill3.studio/en/■このサイトを選んだのは... 道合幸希(Junior Designer) 制作実績:GEOGROUP コーポレートサイト ■このサイトを選んだ理由 シンプルなレイアウトの中で、「おっ」と感じるテキストアニメーションの仕掛けが映えるデザインです。フォント自体の癖が強いわけではないけど、デジタルならでは演出でいい感じに見せているのがトキメキポイントかも。 ・KVの「MILL3」がスクロールに応じて、一文字ずつ傾いていく ・ページ下部の文章で、単語が左右に動いているところ ・ナビゲーションのインタラクションもよく見ると傾きながら動いてる ・「ABOUT」ページの「ABOUT」「VISION」は、フォントと幾何学のエレメントを組み合わせて、印象的に魅せている このサイトで使われている「Basel Grotesk」は初めて知りましたが、グロテスクとクラシックの二つのスタイルを持っていて面白いフォントでした。 組み合わせて使ってみたい! No.6 Editorial Newhttps://editorialnew.com/■このサイトを選んだのは... 鎌田 亮平(COO / Art Director) 制作実績:Goodpatch Corporate Site, LARGO, DENSO Brand Site ■このサイトを選んだ理由 フォントベンダーのサイトってやっぱりおしゃれですよね。 特に、タイプファウンダリーのPangram Pangramと、デザインエージェンシーのLOCOMOTIVEがコラボをした「Editorial New」の特設サイトは、個人的にアツいと思いました。 このサイトの凄さはサイトをひらけばすぐに体感できますが、タブの「Editorial New」の文字がいろんな国のグリフになっていたり細部の工夫もすごいので、じっくり覗いてみてください。 最後にシフトブレインデザイナーが選ぶ「フォントが印象的なサイト 6選」、いかがでしたでしょうか? ちなみに、私が選ぶサイトは、写真家のポートフォリオサイト Madeleine Dallaです。 このサイトで使われているSaol DisplayのItalicが美しくて衝撃を受けました。 Neue Haas Groteskとの組み合わせも最高で、シンプルなレイアウトにちょっとした違和感と雰囲気を与えています。Iltalicの角度を活かしたHoverでの流れるようなインタラクションも、自然で素敵です。 Madeleine DallaMadeleine Dalla, New York based photographywww.madeleinedalla.com 読んでくれている皆さんも、フォントの使い方が印象的なサイトを「 #偏愛フォント 」のハッシュタグでシェアしてください :) 今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました! ▼これまでの偏愛フォント記事 ▼ 偏愛フォントを語る会 イベントレポート ▼ 偏愛フォントを語る会 アーカイブ動画 ▼ 採用情報 シフトブレインでは、新しい仲間を募集しています。全社フルリモートのため、全国からのご応募をいただけます。募集の詳細は、Wantedlyにてご覧ください! SHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの会社情報 - WantedlySHIFTBRAIN Inc. / シフトブレインの魅力を伝えるコンテンツと、住所や代表・従業員などの会社情報です。プロジwww.wantedly.com ▼ SHIFTBRAIN GOODS STORE SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですsb-goodsstore.com Editor : Mihoko Saka
INVENTORY
SHIFTBRAIN SIDE PROJECT

【設定厨が作ったカードゲーム】その名は『INVENTORY(インベントリ)』【SIDE PROJECT】 1/3
はじめまして、浦川航と申します。シフトブレイン は5年目、今回この会社のアカウントで記事を書くことになりました。よろしくお願いします。 僕が所属するシフトブレインのメンバーはみな、なにかをつくることが大好きです。プライベートでコーヒーショップブランドを立ち上げて運営している人がいたり、子供と一緒にものづくりのプロセスから考えていろんなものをアウトプットしている人もいます。みんな誰かにお願いされたわけでもないのにつくっている。僕はその、みんなのモノづくりに対する意欲みたいなものがわりと好きです。 シフトブレイン には【SIDE PROJECT】という制度があります。社員のやりたいなと思ったものづくりを、費用面や進行面でサポートしてくれる制度です。そんなSIDE PROJECTのひとつにカードゲーム『INVENTORY(インベントリ)』というものがあります。こんな感じのものです。 この記事ではその『INVENTORY』のはじまりから制作プロセス、関わってくれた人たちについて語ります。振り返ってみるといろいろありました。いざ書き始めると物語のように長くなってしまいました。なので全三回に分けて、語っていきたいと思います。 『INVENTORY』は2人のおじさんの与太話からはじまりました。 2人のおじさん、僕とCTOの安友さんです。そして後ほど強力な助っ人として、おじさんがもう1人加わります。おじさんばかりがでてくる記事です、それが三回も投稿されます。みなさん我慢して聞いてください。 (左が僕、浦川です。右が安友さん。) 2人とも所帯持ちのおじさんです。典型的おじさんルックです。そして世の中のおじさんの大半がそうであるように、中身は中学生のときのまま。 量産型おじさん、それがぼくたちです。 僕たちは『世界』をつくってみたかったんです。年甲斐もなく。 ・ ・ ・ はじまり:ワールドブラザーズ、結成! 安友さんと僕は映画、アニメ、ドラマ、ゲームの趣味が似ていました。自分が面白いなと思った作品を、安友さんに教えると「あれは面白かった」と翌日反応が返ってきました。逆も然りです。仕事の合間(特に朝の始業前)にふらりと集まり、お互いの最近のおすすめを教え合う。そんな生活を何年もしていました。僕たちが面白いと思う作品には共通点がありました。それは『作り込まれた世界観』です。 絶妙な具合に現実っぽさを保ちながら、ストーリーをより面白くする設定、はたまたはその世界のルールのある作品。そういった作品に出会うたび、僕たちは心をときめかせ、自然とこう思うようになりました。 『自分たちもこんな世界を創りたい...』 でも僕たちはただのおじさんです。アニメも書けないし、ドラマも撮れない。世界を表現する手段を持ち合わせていませんでした。どうしたもんかなぁ、なんかないかなぁ、そんなことをランチ時に話しながら、サラダチキンと千切りキャベツを2人でむしゃむしゃ食べることしかできませんでした。 そんなとき、安友さんが口を開きました(ちゃんとサラダチキンとキャベツは飲み込んでましたよ?)。この一言で物語は一気に進むことになります。 『テレビゲームやアニメは無理でも、カードゲームとかボードゲームならいけんじゃね?頑張ったら、作れるんじゃね?』 僕はこの言葉を聞いて、ドキがムネムネしました。安友さんもムネムネしているようでした。「おっしゃ!やってやりましょう!」とお互い硬く誓い合い、手始めに、ユニット名を決めましょうとなりました。 この先なにかを生み出すことになったときに、名乗る屋号を決めようとなったんです。あったほうがテンションあがるじゃないですか。 すぐさま名前は決まりました。 僕たちは【ワールドブラザーズ】と名乗ることにしました。 ゲームシステムについて:安友さんのモックアップ 数日後、さっそく安友さんがカードゲームのモックアップを持ってきました。既存のトランプに付箋が貼られたものです。対戦型のカードゲームでした。数日の間に、安友さんがゲームルールを設計してきたのです。 僕は驚きました。プレイしてみたところ、面白かったんです。このカードゲームには、杖、魔力、属性、スキルカード、大きく分けて4種類のカードが存在します。まずプレイヤーは、山札からカードを引き、手札に加えます。 そして手札のなかから、杖、魔力、属性のカードをそれぞれ1枚ずつ場に置いていきます。3つが揃えば攻撃完成。相手のライフを削ることができます。 スキルカードには様々な特性があります。相手の攻撃を防ぐものから、ライフを回復するもの、相手の手札や山札からカードを盗むもの、いろいろです。スキルカードの出すタイミングによって戦況は大きく変わっていきます。 ポーカーにルールが似ていることもあってか、一度プレイすればルールを把握できるシンプルなゲームです。それでもって、どのカードを出すか、相手はどんなカードをもっているのか、など戦略も必要になってくるゲーム性。 安友さんはこのゲームを家で考え、小学1年生の子供とテストプレイしながら作り上げたとのことでした。所帯持ちが功を奏したのかもしれません。子供とテストプレイを重ねて作って行ったこのゲームは、おのずとシンプルなものになっていました。それでいて、おもしろかった。目の前の54枚のカードが僕には光って見えました。これはイケると思いました。 遊び終わったあと、安友さんから「このゲームの世界観を創ってもらいたいんだ」と依頼されました。 「名前はなんとなく考えていて、『INVENTORY』ってのはどうかな?収納するみたいな意味なんだけど。このカードゲームが存在する世界を考えて欲しいんだ、あったほうがこの先デザイン考えたりするうえでもよかったりするだろうし」 僕は、いいっすよとラフに答えました。でも内心はメラメラと燃え上がっていました。120%の力を注いで、このカードゲームの世界観つくったろうやないか!と燃え上がっていたんです。 設定について:浦川の妄想爆発 僕は普段プライベートで小説を書いています。SF小説が多く、特に何か賞に応募するわけでもなく、ただただ書くのが楽しくて10年くらい暇を見つけては書いています。そこで培った妄想癖をまさかこんな形で活用するときがくるとは。 まず、世界を考える上で地形から着手しました。Pinterestで、海外の文化遺産、自然なんかの写真を漁り、このカードゲームにぴったりの雰囲気を持った空気感を探ったんです。そして細かい設定を作っていきました。(どうやって設定を作ったかは、個人のnoteのページに書いていこうと思います) (設定を作る上で、イラストをたくさん書いたりしました) 出来上がった設定、全部書いてしまうと長くなるので、こちらで公開しておきますね。 デザインについて:ADおじさん参上 設定をすぐに安友さんに共有しました。これでいこうと賛同してくれました。よし、世界観もルールもできた。次はカードゲームのデザインを作っていくぞとなったときに気づいちゃったんですよね。 あ、おれたちデザインできないじゃんって。 ここで、強力な助っ人に参加してもらうことになりました。アートディレクターの藤吉さんです。前記事でご紹介したエナジーバー「SOCIUS」を手掛けているおじさんです。 仕事以外でも自発的にモノづくりを続けている藤吉さんなら、僕たちの考えに共感しながらデザインをしてくれるんじゃないかと思ったんです。 (藤吉さんはYoutubeで「TRY UNCLE」というチャンネルを運営しています) 結論から言うと、マジ藤吉さんに頼んでよかったです。いいデザインを作ってくれました。どんなプロセスでデザインを作ったかって?それは次回の記事にします。なんせだいぶ記事が長くなってしまったので。でもちょい見せします。 手を動かして作るデザインです。詳細早く話したいなぁ。 (つづきはこちら👇) ▼ SHIFTBRAIN GOODS STORE SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですsb-goodsstore.com

『うまくいかない』は可能性。オリジナルカードゲームINVENTORY【SIDE PROJECT】2/3
またまた登場、シフトブレインの浦川航です。 前回に引き続きホント失礼します。 僕の所属するシフトブレインでは、社員ひとりひとりのやりたいことをバックアップしてくれる制度『SIDE PROJECT』というものがあります。これまでエナジーバーSOCIUSとかもこのnoteでは紹介していますが、いろんなプロジェクトが同時並行、和気藹々、不撓不屈ってな具合に進んでいます。 そのなかのひとつに、カードゲームを作るというものがあります。オリジナルカードゲーム、その名も『INVENTORY(インベントリ)』です。 今回の記事では、その『INVENTORY』のデザインをどのように生み出したのかについて書いています。 <前回の記事>誕生秘話、込められた思い、など書いています。 \それでは、レッツスターティン!/ デザイン担当のOitamaさん&藤吉さんにインタビューあんまり大きな声では言えないんですけどね? 僕、この記事書くとき、気付いちゃったんです。 俺そもそもどうやってこのカードのデザインが生まれたのか 全然知らないなって。 もちろんデザインはみていましたよ?でも、どんな経緯でデザイン方針が決まって、実際のデザイン作業がどんなものだったのか、全然知らなかった。 だから、デザインを担当してくれた、僕の所属するチームのボスでもありお兄ちゃん的な存在でもあるAD藤吉さんと、イラストレーター兼グラフィックデザイナーのoitamaさん(サイトはこちら)にインタビューすることにしました。(oitamaさんはLos Angeles在住。藤吉さんとは大学時代からの知り合いで、一緒にいろんな作品を作ってきたとのことだ。) 本当は実際に会って、写真とかも撮りながらインタビューしたかったんですけど、このご時世ですしね。テレカンインタビューになっちゃいました。 🦑以下カードのデザインの話になります🦑 時代の特定ができないデザインをまずお二人は僕の作った設定資料をもとに、デザイン方針を決定するところから始めたとのこと(うれしい)。時代も国も特定できないような設定に合わせて、IllustratorやPhotoshopなど、時代特定ができてしまう手法は極力使わないデザインを目指したとのことでした。 「インベントリの世界のなかで、誰か(職人や商人)がこのカードを実際に作っている」 そう思ってもらえるようなデザインを、お二人は目指してくれたのだ(いやホントうれしい)。 その世界の『文字』を作るまた、設定に合わせてフォントまで作ってくれたのはおどろいた。アルファベットとローマ数字を元に、インベントリの世界で使われている文字(インジェニュームという名前だ)まで作ってくれた。これは設定上もとても大切にしていたところだったので、僕は震えた。この文字はパッケージはもちろん、カードの紙面にも施されている。 (文字1つずつ、お二人が切り絵で作ってくれた) 手で書く、手で切るまた、それぞれのカードの役割を伝える絵柄についても、それぞれイラストで起こしてから、切り絵していくことで作ってくれた。一枚一枚、新聞紙をコラージュして作られている。オフセット印刷で刷られる新聞には、よく見ると、大小さまざまな網点がある。これらをうまく活用することで独特の質感、佇まいを持たせることができるとのことだ。 手で作るから、『余計なこと』をやりすぎないですむ。なぜこの『手で作る』技法を採用したのか、気になったのでお二人に深く聞いてみた。もちろん時代特定ができないように、独特の風合いをもたせられるように、ということはわかっているけれど、何かもっと強い、お二人のこだわりのようなものを感じたからだ。 「余計なことをやりすぎないようにしたかったんです」 oitamaさんが答えてくれた。 今時のデザイナーは、IllustratorやPhotoshopなどデジタルベースで制作を始めることが多い。それらの手法はやれることが沢山あるため、細かいところが気になって微調整を繰り返してしまう。整えすぎてしまうのだ。その良かれと思っての調整の連続が、そのもの自体の個性を殺してしまうことになる、と教えてくれた。 (たしかによくみると、切り絵独特の線や、紙のめくれなんかがある。でもそれがまたいい雰囲気を醸し出してくれている) なるほどなぁと思った。お二人はプロセスを楽しんでくれていたんだと僕は感じた。手で作るという作業は、思い通りにいかないということが多発する。真っ直ぐ切れないとか、うまく塗れないとか。でもその「うまくいかないこと」までひっくるめて「個性」だし、ある種の「可能性」だとお二人は考えているんだ。いい刺激をもらった。 話は尽きないその他にもいろんな話をした。お二人の思い出話もそうだし、どんなものが好きなのかとか、oitamaさんのイラストの感想だったり、最近のLos Angelesの情勢だったり。oitamaさんとはこれを機会にどこかでまたご一緒したいな。いや絶対ご一緒したい。なにか今までにはないようなものが作れる、そんな「可能性」を僕は感じているんだ。 🤔🤔🤔 いや本当、僕はoitamaさんのファンになりましたよ。いろんなことが落ち着いて、日本にいらっしゃる機会があったら、ぜひ対面でお話をしてみたいものです。お仕事も一緒にしたいものです。 何かを作るっていうのは、人の輪が広がっていったり、知らなかったことを知れたりしますよね。だからやめられない。ずっと何かを作って、誰かと出会い続ける人生を送りたいものです。 次回はインベントリ発売時期など告知なども含めながら、カードゲームを作る上で必要なプロセスや販売方法など、同じようにカードゲームを作りたいと考えていらっしゃる方々に参考になるような記事を書いていきたいと思います。(2021.03.10追記:ごめんなさい、いろんなことがあり、次の記事全く違う内容になってますぅ) それではみなさま、長文駄文失礼いたしました。また逢う日まで〜♫ 👋👋👋 続きはこちら <リンク集> oitamaさんのサイトではBehanceなども公開中!↓ oitamaoitama websiteoitama.com 藤吉さんのYoutubeチャンネル『やってみたおじさん』では制作過程を動画で公開中!↓ TRY UNCLE 「やってみたおじさん」www.youtube.com ▼ SHIFTBRAIN GOODS STORE SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですsb-goodsstore.com インタビュー / 文:浦川航 スペシャルサンクス:oitamaさん、やってみたおじさん(藤吉さん)

『仲間』が欲しくて何かを作る。オリジナルカードゲームINVENTORY【SIDE PROJECT】 3/3
前の記事からだいぶ空いてしましましたが、元気にやってます。 どうも僕です、シフトブレインの浦川航です。 「あれは本当に販売されるの?」「もう発売された?」など個別に問合せをもらうことがありました。その度に「どうなんでしょう?・・・何か知ってたりします?」と逆に聞き返えしていた僕ですが、今日は一つ、正式なご報告がありまして記事を書かせていただきました・・・。 🎉🤗🥳🥳🤗🎉 INVENTORY(インベントリ)、 GameMarket2021春で販売するってよ! 🎉🤗🥳🥳🤗🎉 『SIDE PROJECT✳︎』として始まった本プロジェクトも一つの節目を迎えようとしています。本当は昨年の11月ごろには発売する予定でした。しかしコロナの影響で出展するはずだったイベントに参加ができなくなってしまったり、仕事の都合で思うようにメンバーのなかで制作時間を確保できなかったり・・・いろんなことがあって、計画より少し遅く発売することになってしまいました。いまはゲームマーケットの出展に向けてラストスパートをかけてる感じ。いやはや、いろんなことがあったなぁ(シミジミ) ✳︎『SIDE PROJECT』ってなに? シフトブレインでは、社員ひとりひとりのやりたいことをバックアップしてくれる制度『SIDE PROJECT』というものがあります。このINVENTORYやエナジーバーのSOCIUSなんかはその制度に則って進められています。 そんなモヤモヤする準備期間にも、いくつかの発見がありました。それは商品自体のブラッシュアップにつながる発見から『なんでゲームを作りたいのか』というこのゲーム制作に対する僕自身の思いみたいなものまで。 ちょっと長くなってしまうかもだけど、 今日はそんな話をしたいと思います。 ✳︎これまでの記事✳︎ 🐣 ソレジャア ホンペン スタートッ 🐣 テストプレイ⇄ブラッシュアップを行ったり来たり「せっかく時間ができたんだし、みんなにプレイしてもらおうよ、それで見えてくることもあると思うんだよね」 安友おじさん(弊社CTO)のそんな提案に乗っかり、大テストプレイ大会を行いました。シフトブレイン社内メンバー、近くにオフィスを構えるソニックジャムの有志の方に参加してもらいました。 ルールやカードの種類について説明する安友おじさん。 感染予防対策バッチリ。みんなと集まれるのはうれしかったな。 (開催は緊急事態宣言前の10月ごろ) ソニックジャムの皆さん。写ってないけど、藤吉さんの奥さんも参加してくれました。ホントいつもありがとうございます! 毎回テストプレイでは、最低限のルール説明しかせず、参加者それぞれに説明書を配布し、それをヒントにプレイしてもらうことにしました。 ・説明書だけでちゃんとルールを理解してもらえるか? ・プレイ中、どんなところでつまづくか?(わかりづらいところがないか) を調査してみたかったんです。 説明動画、爆誕。いろんな人に協力してもらいながらテストプレイを重ねるなかで、ひとつ分かったことがありました。それは「説明書だけではなかなかゲームを進められない人でも、僕と安友さんが一回プレイして流れを見せるとすんなり理解してもらえる」ということでした。でも僕と安友さんが買ってくれた人全員のもとにレクチャーに行くのは不可能です。 どうしよう?頭を悩ませているときでした。 ・・・プレイ動画を作るのです、そしてYoutubeにアップしなさい そう誰かが僕の耳元で囁いた気がしました。だからその啓示に従い、動画を作ることにしました。(たまたまだとは思うのですが、啓示が聞こえたちょうどその時、僕の耳元には安友おじさんの唇が接近していました。きっと僕にキスするつもりだったんだと思います) ゲームの流れを説明する動画のほかに、スキルカードの種類について解説した動画、攻撃力の計算方法を説明する動画を制作しました。Youtube公式チャンネルにアップしているのでもしお時間があれば見てみてください。(公式チャンネルってなんか偉そうですね、ごめんなさい) 説明書のブラッシュアップ!テストプレイをもとに説明書の大幅なブラッシュアップも行いました。ゲーム全体の流れをざっくり説明するエリアと、詳しく説明するエリアを分けることにしました。まずプレイ全体の流れを把握してもらうことで大枠を理解してもらったあとに、詳しい説明をしていくような構成に変えました。 今まで作ってきた説明書のレイアウトを0に戻すような、大幅な改編にもかかわらずまったく嫌な顔せずに(むしろ「これいいね!」とノッてくれながら)デザインしてくれた藤吉さんには感謝してもしきれないです。 ただいま鋭意制作中!かっこよく藤吉さんが仕上げてくれています! なぜゲームを作るのか? ー 僕は『仲間』が欲しくて何かを作る。世界観好きのおじさん二人が始めたプロジェクトでしたが、いろんな人の協力のおかげで、このINVENTORYもやっと世に出ることができそうです。 それこそ最初は好きが講じてって感じでしたが、藤吉さんに相談して、藤吉さんが国境を超えてoitamaさんを連れてきてくれて、最後はシフトブレインのみんなにまで協力してもらって。ソニックジャムさん、藤吉さんの奥さんにだってそうです。 それこそ何かRPGのように、旅を進めていくうちに仲間がどんどん増えていくような感じです。それが僕は何よりもうれしかった。 僕は小さい頃から何か遊びを考えるのが好きでした。オリジナルのカルタを作ってみたり、公園でできる遊びを考えてみたり。 (なぜそんなことをしていたのかな?) テストプレイに参加してくれているみんなを見ながら、そんなことをずっと考えていました。 僕の子供の頃 再現イメージ(写ってるのは僕に瓜二つの息子) で、分かったんです。 僕は『仲間』が欲しくて何かを作っているんだって。 幼い頃の僕は、友達が、仲間が欲しかったんです。だからその『きっかけ』となってくれる遊びやゲームを一生懸命作っていたんだと思います。 それはいまも変わらない気がします。 何かを作る仕事に執着しているのも、『世界観』を作りたいというのも、『仲間と共有できる遊び場』を作りたい、そこに『参加したい』という欲求の表れなのかもしれません。 最後にこれからINVENTORYが世に出ます。最初の街を出てから、もう2年が経とうとしています。最初はみすぼらしいおじさん二人で冒険を始めましたが、いつのまにかだいぶ立派なパーティーになりました。 発売することで、また仲間が増えたら嬉しいな。 そして買ってくれた人たちが、このINVENTORYを『きっかけ』にして仲間を増やしてくれたらもっと嬉しいな。 まだまだ冒険は続くけれど、大丈夫かな?馬車に乗り切るかな?誰か預けなきゃダメかな? (きっと真っ先に俺と安友さんが預けられちゃうんだろうな。) ゲームマーケットの公式サイトはこちら INVENTORY(インベントリ)-対戦型カードゲーム | 『ゲームマーケット』公式サイト | 国内最大規模のアナログゲーム・ テーブルゲーム・ボードゲーム イベントINVENTORY(インベントリ)-対戦型カードゲーム | 国内最大規模のアナログゲームイベント『ゲームマーケット』公式サgamemarket.jp 予約も受け付けています。4/10(土)、4/11(土)、ゲームマーケット2021春で当日のお引き取りができる方を対象に予約フォームもご用意しました。ゲームマーケットのサイトからも予約できますが、フォームリンクがわかりづらいので、こっちで予約いただいてもかまいません! ゲームマーケット2021春 詳細情報開催時期: 2021年4月10日(土) 10:00~17:00 2021年4月11日(日) 10:00~17:00 会場: 東京ビッグサイト 西展示棟1,2ホール ブース番号:ケ09 住所(最寄駅からの行き方): 〒135-0063 東京都江東区有明3-11-1 東京ビッグサイト(東京国際展示場) りんかい線「国際展示場」駅下車 徒歩約7分 ゆりかもめ「国際展示場正門」駅下車 徒歩約3分 お車の方は近隣の駐車場をご利用ください。 ✳︎開催情報詳細はこちらをご覧ください。 ✳︎新型コロナウイルス感染症等の流行状況により、様々な条件が変更になる場合がございます。予めご了承くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。 🎉🐔カイジョウ デ マッテルゾ🐔🎉 こんな世の中だからまだどうなるかわからないですが、もし開催が滞りなく行われるようであれば、新たな仲間と会えることを楽しみにしています。 バッチリ感染予防アイテム装備して、待っております。 それではみなさん、またおあいしましょーう。 ▼ SHIFTBRAIN GOODS STORE SHIFTBRAIN GOODS STORESHIFTBRAIN GOODS STOREのネットショップですsb-goodsstore.com 文、写真:浦川航









